 |
 |
 |
 |
 |
| 159-衆-憲法調査会基本的人権の…-1号 平成16年02月19日 |
 |
○笠小委員 本日はどうも、内野参考人、御苦労さまです。貴重な御意見、ありがとうございました。
民主党の笠浩史でございます。
先生の御意見の中で、憲法十四条について、平等についてどう考えるべきかという意見陳述がなされたわけでございます。この十四条が要求しているのは形式的な平等である、実質的な平等についてはまさに立法政策に期待されているという見解を先ほどレジュメで示されておりますけれども、この実質的な平等をどう確保していくかということが、もちろん立法府であるこの国会の最大の役割であるというふうに理解をしたんです。
そこでお尋ねをしたいことは、私は、二十一世紀のこの国の姿というものを考えていくときに、やはり官から民へ、そして中央から地方へという形に移行して、小さな政府の実現を図らなければいけないと思っております。そのときには、当然ながら自己責任というものがこれまで以上に伴ってくる中で、やはり結果の不平等というものをどうしても今まで以上に許容せざるを得ないと考えているものでございますけれども、この点については、十四条のもとの平等の概念とどのように憲法上関連をしてくるのか、お聞かせいただければと思います。
○内野参考人 自己責任という発想が強まってくることに伴って、結果の不平等がふえてくるとしましても、憲法十四条違反にはなりにくいだろうと考えております。もたらされた結果の不平等は、立法や行政の力で政策的に解決を図っていくべきものだと思います。
○笠小委員 そして、先生先ほど、この十四条第一項の五項目、人種とか信条、この五項目に限定されるものではない、例示的なものであるということをおっしゃったわけですけれども、今日、平等に関するいろんな概念というものが大変ふえてきている、そういったことでいろんな訴訟等も起こっているわけでございますけれども、例えばこれについて限定的にとらえる見方というものも多いんでしょうか。
○内野参考人 十四条一項の列挙事由が限定的であるという考え方は、学界ではごく少数であります。ただ、列挙事由に特別の意味を認めるという見解はかなりあるとは思いますけれども。
○笠小委員 私はやはり、今後生まれてくる新しい権利といったものも含めて、どうしても憲法の中に規定すべき、差別にかかわる項目等も今後出てくるのではないかと思いますけれども、この部分というものはどうしてもいじれない、そういったものを憲法の中に新たに加えていくということは、将来考えられないとお考えでしょうか。
○内野参考人 将来の課題として、私は、憲法の条文を一切いじくってはまずいというふうには考えておりません。当面、人権領域に関して憲法改正の必要性は少ないと申し上げたにとどまるわけです。
○笠小委員 私は、この憲法の、これから二十一世紀、新しい形を我々若い世代として考えていくときに、この人権にかかわる問題についても、先ほど先生が改正の必要性は当面はこの人権の領域では少ないということをおっしゃっておりますけれども、やはり、今違憲審査というものがなかなか機能していない、最高裁が消極的である中で、例えば憲法裁判所等を新設するとかそうしたことなくして、余りにも解釈等が広がり過ぎていて、そこが非常に問題を複雑にしているような気がしているわけですけれども、この点についてしっかりとやはり憲法に明記をしていくような姿勢が大事ではないかなと。あるいは、憲法裁判所等をしっかりとつくることによって憲法の解釈というものをきちんと判断していくということをやるか、どちらかにしないといけないのかなという気がしているんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○内野参考人 憲法の条文を解釈するだけではわかりにくいところがあるという御指摘も確かに言えるところがあるのですけれども、憲法改正を考える場合の基本的視点は、憲法のそれぞれの条文について、この条文を改正する必要性があるのか必要性はないのか、そういう視点からまず考えるべきだと思うわけでして、御指摘の憲法裁判所につきましては、憲法改正をしなければできないという意見と、現在の憲法のままでもできるという意見があるわけでして、そういう点も踏まえて検討すべきだと思います。
○笠小委員 もう一点、先ほど質問にもありましたけれども、先ほど先生の説明で、政治的平等としては選挙資格や投票機会保障の点で現行制度を再点検する余地があるということをおっしゃったわけです。例えば、この中で選挙の資格について、今世界の大半の国が選挙権を十八歳としているわけですけれども、二十歳から十八歳に引き下げること。高校を出て働かれている方はほとんど納税義務が課せられている、その一方で選挙権がない。このことについては十四条における差別とのかかわりというもの、あるいはこうした物の考え方というものについての御意見を承れればと思います。
○内野参考人 選挙権を十八歳に引き下げるということは立法政策として望ましいことだと思いますが、憲法がそういうふうにせよと命じているわけでありませんで、その意味で、この文脈では憲法十四条違反の問題も生じないと考えます。
○笠小委員 政治的平等としてはやはり望まれるということで、それは立法政策でということで、確認なんですけれども、やるべき課題であるという。
○内野参考人 政治的平等という場合に、憲法上の要請としての政治的平等というのが一方であり、他方で立法政策的に望ましいという意味、緩やかな意味での政治的平等があるわけでして、選挙年齢十八歳引き下げというのは後者の方に属すると思います。
○笠小委員 やはりこの一票の格差の問題というのがさきの最高裁の平成十三年度の参議院選挙における判決からも大変今大きなテーマになっていると思うんですけれども、この参議院の一対五以上でも今合憲とみなされているような状況で、衆議院は一対二であると。こうしたことについて、先ほどちょっと同じような質問があったんですけれども、少しわかりにくかったのが、やはり衆議院と参議院の違い。先生先ほどおっしゃっていた、参議院はなぜそうは言えないんだと、衆議院に対して。そのことをもう少し詳しく説明をいただければと思うんです。
○内野参考人 憲法の四十六条によりますと、「参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。」となっているわけです。こう定めています以上、特定の、一つの選挙区から偶数の参議院議員を出す。ですから、ある年一人選んで三年後に一人という意味で二人、最低二人選ぶということが憲法上の要請になると思います。この点については一部に異なった意見もあるんですけれども。
このような一選挙区偶数選出の要請というのが、参議院の衆議院とは異なった特性として考慮せざるを得ないわけでして、その偶数選出の要請を、学説が言っている衆議院で最大格差二対一を修正するについてどのように考慮すべきか、反映すべきかについては、三対一なのか、四対一なのかという点については、私も今自信を持ってこれというふうには言えないわけですけれども、今言いましたような偶数選出の要請が参議院の特殊性だと思います。
あと、最高裁の判例によりますと、都道府県代表のような地域代表的性格というのも言われていますけれども、これは憲法が要請する特性ではなくて、そのような性格づけを参議院に対して行っても、立法政策の問題であって、憲法上は許されるであろうという意味では、参議院の特性と言ってよかろうかと思います。
○笠小委員 終わります。
|  |
|
 |
|
|
|
 |
|  |
|