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| 159-衆-文部科学委員会-3号 平成16年02月27日 |
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○笠委員 私も、今の小林議員同様に、昨年の総選挙で初めてバッジをつけさせていただき、きょうが初めての委員会での質問でございます。
せっかくの大臣の所信に対する質問でございますから、私は教育の基本にかかわる問題について常日ごろ考えていることを真っすぐにぶつけてみたいと思っておりますので、どうか、大臣初め政府の方々、ひとつ答弁の方よろしくお願いをいたします。
早速なんですけれども、私は、選挙中、やはり人づくりが大事だということを私自身の公約としても掲げて、そのことを訴えてまいりました。今まさに、大変、国際的にも国内的にもいろいろなことが、もう昔では想像ができなかったようなことが起こる時代でございます。非常に不透明で、国内的に見ても、確かに、親が子を殺してみたり、子が子を傷つけてみたり、また本日もオウム真理教の麻原被告の判決が恐らくこの後出るということでしょうけれども、こういう痛ましい、信じられないようないろいろなことが起こる時代、こうしたものにはさまざまそれぞれ原因はあると思います。しかし、結局は人の問題ではないか、そういうことだけは間違いはないのではないかと思っております。
だからこそ、今教育が本当に大事な時期に来ている。けれども、私、選挙区を初めいろいろな方とお会いをして話をする中で、今の教育について満足されるとおっしゃる方がほとんどおられない。今こういう時代になったのはやはり教育が悪いんじゃないか、教育がもっとしっかりしなければ、そうしたことを皆様切実に訴えられるわけでございます。
そういう中で、今こそ新しい時代、この二十一世紀にふさわしい教育改革というものをどうやっていくのかということを真剣に今まさに取り組んでいかないといけない。そして、私自身としては、その中で考えますことは、ポイントとして、やはりこの二十一世紀、新しい国づくり、いろいろな制度、改革をやるでしょう、しかし、やはり教育においては理念というもの、哲学というものが大事ではないか、そこをしっかりと国としてもう一度、この教育基本法も含めて、五十年以上たった今、見直す必要があるのではないか、そのことを考えております。
そしてもう一つ、やはり国におきまして、同時にそうした理念、哲学というものをしっかりと構築した上で、なるべく地方に任せるものは任せていく、そして自由化をしていく、そうした視点が大事なのではないかと思うところでございます。
こうした中、大臣は、先日の所信表明の中で、五つの重点政策の第一に教育基本法の改正に積極的に取り組むということをおっしゃいました。大臣に、今なぜこの教育基本法というものの改正が必要だと思われているのか、まずはそこをお聞かせください。
○河村国務大臣 今、笠議員から御指摘がございました教育基本法、今、笠議員が今の教育を憂う気持ちからおっしゃった中にも、この教育基本法を改正するヒントが私はあったように思うんです。現実にオウム真理教の判決がきょう出る、既に十一人の死刑判決が出ている現状、ああした、いわゆる日本の教育の中でもエリートと言われる医師がいたり弁護士がいたり、それでいてああいうことに入っていった、これは一体何なのかということをやはり今考えていかなきゃいけないときに来ていると思います。
戦後の教育といいますか、我々もその中にあったわけでありますが、どちらかといえば、やはり豊かさを求めてといいますか、そういうことに走ってきたように思います。そして、人間が生きていく上で、これはやはり人生をいかに生きるべきか、いい点をとっていい学校に行っていい就職するだけがいいというだけではない、やはり生きるべき、大事なことがもっとあるんじゃないかということに、今国民は気づいておると思いますね。そういうものをやはりこれから教育の中にしっかり盛っていく必要があろうと。
私は、総理から九月二十二日に指名を受けたときに、今の知徳体の教育プラス食育を重視した人間力向上の教育改革に努めるべし、まずそう指示書の最初に書いてあったことを踏まえながら、人間力向上ということになると、やはり人間いかに生きるべきか、まさに心の教育といいますか、そういうものももっともっと重視する必要がある。
もちろん、教育基本法をお読みになったろうと思います。あの十一条の短いものです。しかし、その中に、教育は人格の完成である、あるいは個人の尊厳も必要だ、あるいは平和国家の形成者としてのあるべき姿とか、これは大事な理念だと思います。しかし、それだけなのかということを考えていかなきゃならぬ。そうすると、今の教育基本法で、今の時代にふさわしいものは何なのか、どういう点をもっと考えていくべきか。
そこで、実は歴代の内閣、特に小渕内閣からこちらはこのことに特に力を入れて、小渕総理の時代に教育改革国民会議、そこで忌憚のないいろいろな意見を交わされた結果、やはり教育の根本に立ち返って、これが日本の教育の方針だというものが必要ではないかと。あの教育基本法、これが全部間違っているとは言わないけれども、これは世界どこに行ったって通用するもので、これが日本の教育かと言われると、欠けているものがあるんじゃないか、それをみんなで考えようということになって、中央教育審議会でいろいろ御指摘をいただいた。そのものが昨年の三月に答申として出てきて、新しい時代にふさわしい教育基本法のあり方について、こういうことでございました。
この中には、これから新たに考えなきゃいけない理念としては、個人の自己実現と個性、能力、創造性の涵養であるとか、あるいは社会の形成に主体的に参加する公共の精神、さらに道徳心、また日本の伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心、そうしたものを盛って国際社会の一員としての意識をつくっていこうとか、または家庭教育の役割の重要性、これは全くあのことについては社会教育の一環として家庭教育が書いてある、これでいいのかという問題。またさらに、今言われている地域社会の教育力、そういうものとの連携。学校、家庭、地域の連携がもっと必要だというようなこと。そういうものを踏まえながら、生涯教育というような概念もございませんでしたから、そういうことも踏まえながら、国家百年の大計の基本理念をつくり上げた上で、さらに全体の教育振興基本計画もつくるべきだ、こういう形で出てきたわけでございます。
これは、昭和二十二年に教育基本法が生まれて以来、今日、まるで手つかずに来たことを顧みながら、新しい教育の根本を考えていこうということで、私も当選以来、笠さんと同じように、やはり教育が大事だ、こう思って、ずっと党内でもそういうことを言い続けてきまして、今こういう立場になってみて、やはりこのことを実現しなきゃいかぬ、こう思っております。
そのことは、この国会にこの法案を出すことによって、もっと国民的な議論が出てきて、これは国会で議論することは当然でありますが、国民の皆さんもしっかり考えていただく問題ですから、文部科学省も、これで十分だとは言いませんが、これまでも全国いろいろなところへ行ってフォーラムを開き、タウンミーティングをやり、これからも今から二、三カ所計画しておりますが、そういう国民運動になるように努力もいたしておりますので、ぜひそういう視点から、私は教育基本法の改正ということが大事であると思っておりますし、取り組んでまいりたいと思っております。
これは、今与党の中で、法案でありますから、まず責任がある与党の中で協議をいただいておりますが、これはぜひ野党、民主党の皆さん初め、しっかり議論をいただきたいし、これはまさに超党派で考えていくべき課題であろう、私はそう思っておりますので、しっかり取り組んでいきたい、こう思っております。
○笠委員 大臣、私も、やはりこのテーマというのはしっかりとした国民的な議論が必要だと思っております。だからこそ、やはり国会に法案を提出していただかなければいけない。
もう中教審が答申を出してからまさに一年近くたつわけでございますけれども、与党内の協議というものも大事でしょうけれども、昨今報道されているところでは、どうも今国会にも提出がされない、断念したというような報道がよく目につくわけでございますけれども、もう今国会への政府としての提出というのはあきらめたということでよろしいのでしょうか。
○河村国務大臣 私は、あきらめたということをまだ一度も申したことはありません。総理からもそういうことは言っておりません。
今議論をいただいておりまして、私は、まとまって、早く法案にして今国会に提出させていただきたい、このことをひたすら考えておりまして、そういうつもりでしっかり与党内の協議をしてもらいたいと思っております。総理からも、この協議を進めるように精力的に取り組め、こう言われておるところであります。
○笠委員 やはり、私は、この教育基本法というものは、憲法同様に、何を残していかないといけないのか、何を守り続けないといけないのか、あるいは新しく何を追加していかなければいけないのか、そうしたことをきちんと逃げずに議論する。
そして、やはり民主主義でございますから、我々も、地域の皆さん、国民の皆様に選ばれて、一人一人、この国会に参っているわけでございます。やはり国会の舞台にきちんとした法案というものが提出されることによって、時間はかかるかもしれません、それがどういう形で成立するのか、あるいは今のままでいいという形になるのか。しかし、そのことによって初めて国民的な論議というものがしっかりと行われる。恐らくはマスコミも含めて、これは賛成、反対、いろいろな項目についてあるでしょう。しかし、そういうレベルに今まさに持っていかなければ、いつまでたっても結論というものが得られないということでは、まさしくこの今の一年、二年、非常に大事だと私は思っております。
大臣もおっしゃいました、国家百年の計です、時間はかかります。だからこそ、これ以上もう次にツケを回していくようなことをせずに、与党内の協議も結構ですけれども、前の大臣は民間の方でしたから余り政治力がなかったかもしれませんけれども、ぜひとも河村大臣は政治家ですからしっかりと提出をしていただきたい。まさしく大臣の、今国会かどうかわかりませんけれども、任期中には必ず提出をするという意気込みをお聞かせください。
○河村国務大臣 私の任期がいつまでなのか、総理に聞いてみないとわかりませんが、おっしゃるとおり、私は、これは私の一つの使命だ、こう思っておりますので、早く法案にしてお示しをして濶達な議論をいただきたい、こう思っております。
○笠委員 そうした中で、ちょっとテーマは変わるわけでございますけれども、私は、今確かに子供たちの学力の低下ということが叫ばれているわけでございますけれども、この所信の中で、大臣が確かな学力をはぐくむということをおっしゃったわけです。そもそもこの確かな学力の学力というのはどういうことなんでしょうか。
○河村国務大臣 この学力という考え方は、ややもすると、要するに、ペーパーテストといいますか、ただ知識だけをはかる物差しを学力と、とかくそう考えやすい。入学試験の学力、これも学力には間違いありません。
しかし、私は、今の子供たちが持っている能力、学力というものは、我々のときとまた違ったものがあると思いますね。例えばパソコンを使い切る能力、我々の時代にはなかった。やはりそういうものも総合的に見ていかなきゃならぬと思いますので、一概に狭い範囲で学力ということは言えませんが、しかし、それぞれの段階において必要な知識というのがございますから、それはやはりきちっきちっと小学校からずっと、幼稚園も含めてそうでしょうが、それにふさわしい知識というものは必要です。人間が生きていく上にどうしても必要な、まさに読み書きそろばんから始まって、九九もあるし、そういうことをきちっきちっと押さえながらいく。その上に、加えて、学ぶ意欲とか考える力とか、判断力とか表現力とか、そういうものも養っていく。そういうものをトータルとして、私が申し上げた確かな学力という意味はそういう意味でとらえておるわけでございます。
そういう意味で、学力テストをやって全体的なレベルを見る、そういうことも必要になってまいりましたし、学習指導要領の中では、知識とか理解だけではなくて、関心とか意欲とか態度、あるいは思考、判断、技能、表現、こういう点にわたって状況を把握するという形で取り組んでいくべきであろう、こう思っております。だから、そういう意味では、単なるペーパーテストだけではなかなかわかりにくい面もありますね。こういう点はやはり調査の仕方とかいろいろあろうと思います。こういう調査の段階には、そういう特定の課題についても調査をしなきゃならぬということでございまして、そういう意味では、やはりトータルとして学校がわかる授業をきちっとやるということが非常に必要になってくるだろう、こう思っております。
そういう意味で、いわゆるペーパーテスト、プラス質問、研究指定校を行うとかいろいろなことを行っておりますが、そういう中で、いろいろな研究課題を持って、そしてトータルとして学校が、まさにそういう意味での学力がつく、学校として伸展させていく、その向上を図っていく、こういうことでなければいけないと思っておりまして、そういう意味を含めて確かな学力をはぐくむという表現を使わせていただいたわけです。
○笠委員 確かな学力とか豊かな心の育成とか、よく、こういう表現というのは常に使われてきているわけでございますけれども、やはり、それだけではなかなか、何が学力なのか、何をやろうとしているのか、何をはぐくむのか、そのことが非常にわかりにくかったのが、私はこれまでの、今は文科省でございますけれども、文部行政、教育行政ではなかったのか。
そして、それについてゆとりと言ってみたり、最近では基礎学力の部分が、例えば算数とか理科の力がどうも落ちているということで、このままではいけないんじゃないか。二〇〇二年度にゆとりの学習というもの、学校の五日制というものが、現場には、やっていくよと来た途端に、また、どうもそういうことはおかしいんじゃないかというようなことが、いろいろなところで、さまざまなところで御意見が出ている。
そうした中で、一番問題なのは、やはり学校の先生たち、現場の先生方が、私も何人もお会いしました、やはり戸惑っておられます。これまでの、十年ごとに確かに見直すことになっている、しかし、やはり余りにも一貫性がないんではないか。そうしたところが今の教育行政に対する不信というものを非常に招いている結果ではないかと思っておりますので、やはり、今後はもう少し一段と踏み込んだ方針を出していただき、十年後、二十年後ですね、三十年とは言いません、しかし、しっかりと軸となるような政策を具体的に打ち出していただきたいなということを要望させていただきます。
そしてもう一つ、私、本当にずっと気になっている問題。これは、学校の安全管理、この問題というものが今大変大きな問題になっているんじゃないかと思います。
あの池田小学校の悲しい、本当に許されないような事件がございました。しかし、これは大変な数、まだ今でも学校、教室の現場に不審な人物が入ってきたり、あるいは傷つけたりといったことが、これが時折報道されている。そして、こうした中で、確かに文科省としても一定の取り組みをこれまでされてきておりますけれども、例えばセンサーか何かをきちっと配置する、監視カメラを配置するというようなことをやりなさいということ、そしてそれに対する財政の裏づけもきちっとあわせた形でこれまで取り組みはされておりますけれども、今、全国の公立学校でどれくらいにそういった形で配置をされているのか、そうしたことを把握されているでしょうか。
○馳大臣政務官 お答えいたします。
実際に全国でどのくらいの学校にそういったセンサーや非常通報装置が配置されているかといった具体的な数字は、今持ち合わせてございません。ただ、交付税措置であるとか、また平成十六年度の予算において、我が省の方においても安全管理対策上必要な予算は盛り込んでおるところでございます。
○笠委員 ちょっと確認なんですけれども、今この場で数字はわからないけれども文科省としては把握をしているということでよろしいんでしょうか。
○馳大臣政務官 まず、都道府県の市町村教育委員会等において、学校側と十分に話し合いながらそれぞれの学校の要望に基づいて対応しておりまして、お求めがあるならば、そういった実態というものも個別にまた報告させていただけるものと思っております。
○笠委員 よろしくお願いいたします。
といいますのも、必ずこういうときに、マニュアルを指導徹底したり、あるいはいろいろな対策をそのときは騒ぐんです。しかし、やはりこれは、確かに都道府県それぞれ、あるいは市単位でいろいろなことをやられているでしょう。地域の取り組みもさまざまです。一生懸命やっておられるところもおられる、ボランティアも含めて。しかし、今現に、ひょっとしたら監視カメラも何もなくて、そのまま本当に放置されているような学校があるかもしれない。やはりそういったところに対してはしっかりと、文科省として、そういうところこそ報告を受け、どうなっているのかという状況を把握しておるということが、また次の年の予算でも、じゃ、このままで十分なのか、そういうたたき台があって初めて対策が打てるということではないかと私は思っておりますので、しっかりとそういう点はまた文科省として把握をするように、そしてまた資料がございましたら、ぜひとも提出していただくようにお願いをいたします。
それと、この点に関しましてあわせて私ちょっとお尋ねをしたいんですけれども、人を、例えば保安要員といいますか監視要員といいますか、例えば今空き交番の対策なんかでも言われておりますけれども、警察官のOBの方とか、そういう方を少し、財政支援、財政の裏づけもある中で配置を徹底していく。本当に私立の学校なんかではそういうことをもう既にやっているケース、たくさんございます。しかし、そういうことを国としてやっていく、検討していくというお考えはないでしょうか。
○馳大臣政務官 笠委員おっしゃったことはまさしくそのとおりだと存じますが、基本的にはまず設置者の判断であり、各小中学校の判断であるということも承知いたしております。
それから、今笠委員おっしゃいました資料に関しましては、お求めがあれば、また現場の方で取りまとめてお知らせしたいと思っております。
また、一月二十日ですか、先般、河村大臣が緊急アピールを全国都道府県の教育委員会連合会総会において行いまして、また、そういった取り組みを督励するよう、関係機関、警察等々も取り組むように、また小野国家公安委員長の方にも申し入れを行ったところでございますので、この点に関してもお知りおきいただきたいと存じます。
○笠委員 やはり、本当に事子供たちの、人の命にかかわる問題でございますので、こうしたことについては予算というものはしっかりと、文部科学省の予算、減っているようでございますけれども、しかし、めり張りをつけて、やはりかけるところにはかける。なかなか、学校設置者の責任、判断といいましても、特に公立の場合、地方も大変今厳しい財政でございます。やはりお金がなければできないこともございますので、そうした観点からの検討ということをよろしくお願いいたします。
それともう一つ、私は常日ごろ、最近地域の方とお話をする中で非常によく聞かれるのが、やはり今、私は川崎市が選挙区なんでございますけれども、小学校、中学校含めて、非常に私立に行かせたいという方が多いんです。やはり公立の学校に対する不信感というものが非常に漂っている。これは一概に文部科学省だけの問題ではございません。しかし、やはり国と地方自治体と地域が一体となって取り組んでいかなければいけない問題だと思っております。
まさしくここに、私立の場合は、小学校でいいますと、授業料では三十五万円近く、まさしく入学する年にはその倍の七十万近いお金がかかる。こういうふうなことになっていきますと、当然ながら、お金のある人は私立に行かせられるでしょう。もちろん奨学金というのを利用して行かれる方もおられるでしょう。けれども、やはり公立の学校というものを立て直していかなければ、これは教育を受ける機会の平等というものにも、その憲法の精神にもそれこそ反してくる大きな問題ではないかと思っております。
そこで、私、これは将来的にということを前提にさせていただきますけれども、例えば、今、公立の学校というものに対して、学校というものにお金を、予算を使っているということを、ちょっと発想を変えて、アメリカの幾つかの州などでも行われておりますようなバウチャー制度、国はきちんと生徒一人一人に対してお金を出していくんだ、そして、そのことによって生徒はまた自分たちで学校を自由に選択できる。
たくさん生徒さんが集まる学校はもちろんたくさんお金が集まるわけです。一方で、そういう工夫のない学校、親が選ばないような学校というものは、ひょっとしたら廃校に追い込まれるかもしれない。けれども、やはりそれくらいの競争原理というものは、しっかりと、将来的にはこうしたものを持ち込んで、学校がみずから、校長先生にも権限を持たせて生徒さんを集める努力というものをもっとさせないといけないのではないか。それが今まさに私立と公立の差を生んでいるのではないかという気がしますけれども、この点について大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○河村国務大臣 バウチャー制度、将来的な課題として、こういうお話でございました。
確かに、おっしゃるように学校選択の幅を広げますし、それから学校間に競争をもたらす、そういう意味では一つのねらいがあると思いますが、ではこれが諸外国で定着しているかというと、まだそうでもないようで、イギリスなんかでも就学前にやろうとしたんですけれども、なかなか導入できなかった。あるいはアメリカでも、カリフォルニア州では住民投票で否決された、こういうようなケースもございます。
しかし、一つのこういう考え方があるんだということ。ただ、これを日本でもし導入したときに、学校間の教育条件の格差という問題は大丈夫なのだろうか、あるいは、公私立を通じて公費で皆負担するということになりますので、財政的な負担がやはり増すことも考えていかなきゃいかぬ、このような課題があるんではないかと私は思っております。
そういう意味で、このことの検討をこれまでもしてきているわけでありますが、それ以上に、やはり公教育を皆さんの期待にこたえるものにするために、もっとその質を高めることにこれは努力すべき課題だろう、私はそう思っております。
○笠委員 確かに、うまくいく地域あるいはなじまない地域、いろいろあると思います。
私ども民主党といたしましては、将来の道州制導入というものをマニフェストにも掲げさせていただいているわけでございますけれども、やはりこういった形で、地方分権がしっかりと進んでいく中で、そういった選択肢も各自治体、あるいは道州の単位になるのか、そういう中でこういう試みがあってもいいんじゃないか、今まさに硬直化した制度というものを打ち破っていく思考というものが、まさしく二十年後、三十年後をにらんで、しっかりとした改革の視点というものが必要ではないかと私は思っております。
もう一つ、今の話ともちょっと関連をするんですけれども、今まさに学校の設立の自由化というものをどこまで認めていくのかということが、今確かに一部では特区等でやられているわけでございますけれども、どこまで認めていくのか。こうしたことを教育基本法の中でも定義づけをすべきだと私は個人的に考えているわけでございますけれども、この辺についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○河村国務大臣 これからの学びのあり方について、私は、できるだけ選択肢は多くあっていい、こう思っております。
御案内のように、今度特区で株式会社、また、まだNPOは正式に出ておりませんが、NPOについても今研究をしよう、こういうことになっておりまして、そういういろいろな形態があります。そして、やはりそれは、そのことが、株式会社と言うと、利益を度外視してやるのかというような問題も確かに指摘はございますし、憲法八十九条の公の支配に属さない教育というのは問題だという指摘もあります。
いろいろな課題があるんですけれども、やはりいろいろな選択肢を持って、いろいろな形態を持ってやる。今新たに考えられるのは、コミュニティースクールの話もございます。地域が盛り上げていって学校をつくっていこうという動き、これに対して、取り入れようという方向ですね。そういうあらゆる形の教育というものが私はあってしかるべきだ、こう考えて、またそうした中で、それでは、今いろいろ御指摘を受けている、いわゆるこれまでやってきた伝統的な公教育をどう変えていって、どう期待にこたえていったらいいか、そういう課題も当然その中に含まれておるというふうに思います。
○笠委員 確かに学校の自由化、一概にそこに、例えば財政の、本当に、今は、例えばある会社が学校をつくる、そしてそのときに、つくったのはいいけれども、途中でそのオーナー会社がうまくいかなくなってつぶれちゃったらどうするんだとか、いろいろな課題は確かに多いかもしれませんけれども、やはり、今のこの硬直化した何とも言えない部分において、今本当に非常に地域によって差が出てきていると思うんですね。都道府県によっても、特区なんかも利用して非常に大胆に取り組んでおられるところから、いまだに相変わらずの体質を引きずっているところもまだまだ数多くあるわけでございます。
やはり、そうしたところをしっかりと、規制をするんではなくて、文科省としていい意味での指導をしていく、そうしたことを切にお願いをしたいな、そのように考えております。
私ども民主党として、しっかりと地方分権に取り組んでいく、やはりこの最大のテーマというものはまさに教育ではないかと思っております。この教育の制度を、各都道府県、地方自治体の中でそれぞれがいい意味で競い合うような形の中で、そうした中でやはり取り組んでいくということが今まさに求められていることだと思いますので、今後とも、大臣におかれましては、やはり、これまでのしがらみにとらわれることなく、しっかりと、改めて、教育基本法の改正についても国民的な議論ができるように提出をされるよう、与党内の調整も含めて政治のリーダーシップを発揮されることを切にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
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