笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
159-衆-文部科学委員会-7号 平成16年03月23日
○笠委員 おはようございます。
 黒川会長におかれましては、先週に引き続きまして本日も当委員会の方においでいただき、まことにありがとうございます。
 先週も、我が党の鳩山委員ほか、この学術会議に関しましての活発な質疑、議論というものが行われたわけでございますけれども、また私も本日トップバッターとしてしっかりと質問をさせていただきたいと思いますので、茂木大臣、黒川会長、よろしくお願いいたします。
 先週の議論の中でも、そもそも国民の多くが日本学術会議というものの存在を知らない、何をやっているのかがわからない、そうしたところが問題ではないか。先週、黒川会長が一生懸命に、今、学術会議はこうやって頑張っているんだというお話をされました。そもそも、そういうところからこの委員会でやらなければいけないということが問題ではないか。
 私自身、先週、ある民放のドラマで「白い巨塔」という、これが最終回を迎えて三二・一%というすばらしい視聴率で終えたわけですけれども、この山崎豊子さんの原作の中で、「続白い巨塔」の中で、これはドラマとはちょっと違うのですが、主人公の財前五郎教授が必死になって、最後、この学術会議の会員になるために、もうお金は配るわ、学会挙げてやっていくというので、私、実は、ああ、こういう学術会議というものがあるんだなということだけが、私もそれで知っているぐらいで、ほとんどどういう活動をしているのかがわからないというような状況でございました。
 それで、先般、黒川会長も、これまでの実績を一生懸命説明されている中で、PR不足であるというようなことを答弁の中でお述べになられました。その中でちょっと気になることがあったのですけれども、科学担当の記者に対してプレスリリースをするけれども、もっと社会部記者や政治部記者にもリリースをすればよかったというようなことをおっしゃったのですが、私、昨年の選挙で当選してきたのですが、それまで長くテレビ局で政治部の記者をやっておりました。しかし、これはプレスリリースするしないの問題じゃなくて、国民的に関心の大きいテーマであれば、黙っていても記者は取材するのです。ですから、どこに仮にプレスリリースをしたとしても、扱いというのは、これはやはり国民が関心があるのかどうか、それがニュースなのかどうか、そこでマスコミというものは取り上げるものではないかと考えているわけです。
 したがって、やはり今考えないといけないのは、ちょうどこの改正案を二月に政府が提出した、そのときの新聞を見ても、全国紙はほとんどべた記事といって数行書いてあるだけの、一部、会長のインタビューなんか掲載されていた新聞もございましたけれども、ほとんどがそういう扱いでしかないというところに根本的な問題があるのではないかと思っております。
 そこで、まず最初に、茂木大臣と黒川会長それぞれに、そもそも、なぜこんなにも歴史があって、そして優秀な科学者の方々が集まってさまざまな活動をなされているにもかかわらず、こんなに国民に認知をされていないのか、その最大の原因というものをどう考えられているのかということをお伺いさせていただきます。

○茂木国務大臣 笠委員とは、今まで取材される側、する側という立場が、今度は質問する側と答弁という側に変わったわけでありますけれども、今後ともよろしくお願いいたします。
 「白い巨塔」の浪速大学の姿というのは、今の大学とは若干私はずれているところがあるのではないかな。ただ、ああいった姿を見ながら、やはり欧米の大学と比べて、私は、大学にしてもまだまだ、本当に優秀な人材がきちんと優秀な研究をして、そこに資金がつく、こういう形から見ると、いろいろ改善すべき点も多いんじゃないかな、そんなふうに考えております。
 それから、この日本学術会議、やはり一般の国民の皆さんから見て知られていない、これはまだ確かな姿なんだと思います。
 そこの中で、例えば、一般の社会に対するコミュニケーションについても、確かに科学部だけじゃなくて、政治部や社会部と。これは笠記者のような優秀な方だったら、非常にいい記事だったらどこであろうが取り上げるというところはあると思うのですけれども、一般的には、私は、そういう努力というか、今まで科学にしか目が向いてなかったのが、もう少し幅広く物を見る、こういうことも必要になって求められてくるのではないかなと思っております。
 要するに一言で言えば、本来果たすべき機能をさらに果たしていく、こういうことであって、機能といいますと、一つは、政府に対する政策提言の機能、それから二つ目に、科学者間の連絡調整機能、そして三つ目に、社会に対するコミュニケーションの機能。今回の改革では、本来学術会議が果たすべき機能をより果たしやすいような環境を整えた、こういうことでありまして、まさにこれは必要条件であって、十分条件の方は日本学術会議の方でこれからさらに努力をして果たしていただくということではないかなと考えております。

○黒川参考人 御質問のところは先日申したとおりでありますけれども、例えば、毎月のようにプレスリリースをしておりまして、科学担当の記者が参ります。しかし、先日の御質問にありましたように、中国の遺棄化学兵器のようなものはもうちょっと戦略的にやるべきだったのではないかとは思っています。しかし、記者には、それぞれの報告書には非常に大事なものもあるので、それについてはさらにその担当した委員長に個別にアポイントメントをとって取材するようにと言っているにもかかわらず、した形跡がないというのが一つであります。それは繰り返し言っております。
 それから、新聞に出たときに、そういうような報告書を全体としてとるかどうかは新聞の編集長の問題でありまして、しょせんはサラリーマンなんじゃないのかということを私はしょっちゅう言っておりますけれども、その新聞の中でのそういうものについての判断基準が非常に甘いと私は思っています。そういうことが一つであります。
 それから、先日、日本からいろいろ科学ジャーナルを出すべきかというシンポジウムをやりまして、これは「サイエンス」の方に、多分先々週取材がありまして、それをちょっと取材して出してあります。ところが、日本のジャーナリストの方はそれを取材した形跡が余りないというのがもう一つであります。
 それから、去年、科学者の不正行為ということについて、いろいろな今国際的にも問題になっておりますので、それについても報告書を出したところですが、それもプレスリリースをいたしました。日本では朝日新聞がちょっと後で書いてくれましたけれども、もう一つ出してくれたのは、やはり「サイエンス」が日本の学術会議がそういうのを出しているよという報告を出してくれました。したがって、記者の方のやはり価値観の問題もあるのではないかと思います。
 それから、先日ここでヒアリングさせていただきましたが、あのときも実は「ネーチャー」の記者が取材に来ておりまして、恐らく今週の「ネーチャー」の記事にあのやりとり、茂木大臣と鳩山先生のやりとりなどについて私のところに幾つか質問が来ましたので、もちろん書いた内容は教えてくれませんけれども、こういうことを言ったのは正しいかというような話は言ってきましたので、そういう意味では広報戦略が非常に大事で、したといっても、今度は受ける方がそれについてどのぐらい価値があるかというのが大事なんじゃないかと思っております。
 そういう意味では、私は外国が長いせいもありますけれども、学というものの言葉が、十年前ぐらいまでは政産官のトライアングルと言われていたぐらいに、学は人材を提供するところとしか考えられなかったのではないかということをしょっちゅう書いておりますけれども、そのように認識しています。

○笠委員 今、記者のとらえる側、受ける側の価値観、それがさまざまあるという中で、恐らくは今のマスメディアに対する若干の日ごろの不満も漏らされたのかなと受け取っているところでございますけれども、やはり基本的に考えないといけないことは、例えば記者というのも、何か起こったときに、日本学術会議がどう考えるんだろう、ここがどういう緊急提言を出すんだろうというような、国民的な関心が日ごろから高いものであれば、これはやはり取材をするわけです。
 そこのところ、まさにこれが根本的な問題になっていると思うんですけれども、常日ごろのいろいろインターネット等を通じた広報戦略、これは確かに大事であると思います。しかし、その本質的な部分についてこれからどうやっていくのかというところを考えなければ、一部興味のある、あるいは専門的な分野を担当している記者以外、マスコミ以外にはなかなか取り上げてもらえない。しかし、それがどうやったらこれから変わっていくのか、そういうふうなことを頭に置いて、これからちょっと前向きな質問をさせていただきたいと思うんです。
 私も、この二十一世紀を展望していく中で、まさに高度情報化社会がますます進んでいく、そして地球規模の、恐らくは日本だけではなかなか解決のできないようなテーマというものについて、また学者の方々が、アカデミーの方々がそれぞれ連携してどうやって対処をしていくのか、その存在というものが今まで以上に求められてくる時代であるのかなと考えているわけでございます。
 そこで、科学技術創造立国、日本にふさわしいアカデミーというものを今まさにこれから創設していかなければいけないのではないかと私は考えておるわけでございますけれども、今、学術会議をどうするか。これが改革してすばらしいものになれば一番いいでしょう。しかし、その枠にとらわれずに本当に広く国民に認知をされるようなアカデミーというものの創設、これが必要なのかどうか、それについて大臣並びに黒川会長に一言お伺いをいたします。

○茂木国務大臣 科学技術創造立国を本当につくっていく意味で、委員御指摘のように、科学アカデミーのあり方、これが問われることになってくるんだと思います。そういった中で、御案内のとおり欧米のアカデミーと日本のアカデミー、違いもあるようであります。例えば栄誉機能であったりとか資源配分機能を持っていないとか、そういう起こりの違い等々もあります。ですから、そのまま欧米のアカデミーがいいんだ、だからそのとおりにしようというのも、なかなか現状を踏まえると成り立たない部分があるんじゃないかなと思っております。
 ですから、今回の改革法におきましては、少なくとも、先ほど申し上げましたような、日本のアカデミーとして、学術会議として本来果たすべき三つの機能をしっかり果たせるように、こういうことでの改革案を提示させていただいておりますが、やはり私はこれで改革が終わるものじゃないと思っております。将来の理想的な姿としてやはりもう少し独立した機関に、ただ、幾つかの障害があるわけでありまして、そういったことも含めて十年以内に見直しを図っていく、こういうことも総合科学技術会議の提言の中には盛り込んでおる、このように承知をいたしております。

○黒川参考人 どうもありがとうございます。
 実は、先生おっしゃるとおりでありまして、現在、先日も申し上げましたように、これから二十一世紀は地球的な規模の問題が山積しております。
 一つは人口問題です。六十三億人いて、そのうちの八割が開発途上国あるいは未開発国に住んでいるという状況があるということが一つ。それから二番目には、人口がふえていますので環境問題が方々で起こっておりますし、グローバルウオーミングも同じでありますけれども、そのような問題が二つ。三つ目は、情報時代と南北格差がありますので、ますます南北格差の、きのうのイスラエルの問題もそうですけれども、非常にこれが大きな問題になっていて、これは、一つの国の政治あるいは企業というレベルでは解決できない問題がたくさんあるのは当たり前というか、今までとは違ったあり方になっております。
 そこで、これは数年、先日も申し上げましたように、世界のアカデミーの、科学者のコミュニティーの連合体がどんどん今でき上がって、そこの機能を強化しようというのが動いております。その成果の一つが先日申し上げた国連での最初の私どものレポートでありまして、南北の格差をいかに少なくしようか、「インベンティング・ア・ベター・フューチャー」というのを出しておりまして、これは国連の方からも、いかにここに書いたことを少しでも実際の政策に提言してほしいという話が、またきのうもメールで来ておりましたけれども、これは日本の学術会議、あるいはアメリカのナショナルアカデミー、それとイギリスのロイヤルソサエティーなどが中心的な役割をしております。
 それからもう一つは、日本はアジアではどうかということを考えれば、当然、政治と企業だけでは解決できない問題がたくさん、環境問題があるわけで、我々が中心になってつくってきたアジア学術会議が今度また提言を出しますけれども、これは、アジアがこれから必ず成長してくるときに、環境問題、お互いの協調、それから、より環境を保全しながら成長していくのにはどうしたらいいかというテーマで五年間、今やっております。このようなことも、当然、総合科学技術会議がやる仕事ではなくて、日本の学のコミュニティーがまとまった形でやるべき仕事だということが非常に今認識されてきているということであります。
 そういう意味では、この間お示ししましたような「エネルギーと環境」のような科学者からの国際シンポジウム、毎年、これは四年続けてやっておりますけれども、そういう意味では、確かに外の枠組みからどんどんそういうふうに世界じゅうが変わってきて、世界じゅうのアカデミーが、実は個人の科学者の意見ではなくて科学者の意見総体としてどういう取り組みをしようかというのが、一つの国だけでは十分ではないということで今ネットワークができているところで、そういう意味では、学術会議の機能は非常に今注目されておりまして、かなりよく知られた存在になってきております。
 そういう意味では、国内にどのようにこれをしていくかというのが我々の責務でありまして、現在、今度、学術会議の会員、元会員すべてが一年に何回かそれぞれの地域の小学校、中学校の教育に参加するとか、社会のいわゆるコミュニティーサービスのような教育とかいろいろなことに参加しようという提言をして、企業のリーダーとも手を組んでそういうことをやっていきたいということを提言しようと思っておりますし、プログラムを今つくっている最中であります。
 そのほかにもう一つ、アメリカのナショナル・リサーチ・カウンシルというのはアメリカではアカデミーでありますけれども、それと今度共同プロジェクトを、国の二国間協議が今されているところですけれども、それと並行して、安全と安心についての幾つかのテーマを取り上げて共同研究して発表していこうというプログラムを現在今やっているところでありますので、そういう意味では、はるかにこれから学術会議の責任も重くなってくるし、科学者コミュニティー全体がどのようなアウトプットを国民に向けて発信するかという方策も、十分考えなくてはいけないと認識しております。
    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

○笠委員 今大臣が、まさに先般の質疑の中でも出たわけですけれども、十年以内にまた一歩進めた形での、理想形に近い形というものがどういうものか、これを検討していくんだということを改めておっしゃったわけですけれども、この十年というのが非常にくせ者でありまして、大体この手のものが出るときには必ず、何の根拠かわかりませんけれども、十年とか五年とか。
 しかし、私は、今回これが第一弾の改革である、そこはそれでよしとして、せめて、十年後には独立した機関としてしっかりと位置づけをするんだというくらいの青写真というものは示した上で、そこへ向けて具体的にどういうふうな形で今後この組織のあり方を持っていくのか、検討していくのか。やはりそれくらいのものを今示していないと、私、今回学術会議というものを勉強しまして、何か常にその存在のあり方についてばかり一面でやっている。問われている。それは、やはり改革のたびに、ある種の不要論というものがどうしても常に一方で出てくる。そういう存在であること自体に問題があるわけですから、一歩やはり踏み込んだ形で、十年以内となっていますけれども、せめて来年くらいには、こういう形が政府としてもやはりアカデミーの位置づけとして理想的なんだという青写真くらいは示していかないといけないというようなお考えはないでしょうか。

○茂木国務大臣 望ましい姿としては委員御指摘のとおりなんだと思っております。
 ただ、私は、次回の改革といいますか、最終的な姿を決定していただくのは、政府というよりむしろ、これから科学者の方々、そのコミュニティーの方々がより主体になってほしいなと。そして、これからまさに改革を進める中で、本当に理想とする姿、こういうものはどういうものか。これは政府が、言ってみると、押しつけると言うとあれですけれども、こういう姿にしなさいというのよりも、科学者みずからが自分たちのアカデミーをこういう方向に持っていく、その結果として独立した機関が生まれてくる、こういうことが望ましいのではないかなと思っております。
 もちろん、今、科学者コミュニティーに対する社会、国民の見方、それからまた認知度、そういう問題もあります。同時に、税制上の問題、寄附行為の問題等々もあるわけでありまして、そういった問題をクリアしていく必要があるわけでありますけれども、そういった中で改革を経ながら、科学者みずからが自分たちの理想形を定める、こういう姿に持っていければと思っております。
    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

○笠委員 私、おっしゃるとおりだと思うんですよ。政府が一方的に押しつけるものではないと。
 ただ、例えば、今黒川会長を中心に学術会議の方々が、どういうふうな形があるべき姿なのかということを常日ごろ一生懸命に議論されている。しかし、先ほど、例えば欧米のアカデミーについては、日本の場合はそれぞれの機能というものが分散していて、例えば栄誉顕彰機能については学士院、助成機能というか援助機能というのは日本学術振興会、あるいは文部科学省にそのほかの審議会等々もあるわけです。こういったものをまとめてやったっていいんだ、枠を何もはめるわけじゃない、学術会議の前提にとらわれずにしっかりと考えてくれ、一大アカデミーを形成するんだ、やはりそういうぐらいの方針というものは示さないと、現場の方々も、どうしても一つの学術会議という枠の中でだけ考えると、これは限界があるのではないかと私は思っております。
 私自身は、なぜこれが、例えば学士院、そうしたものがそれぞれに分かれて独立をしている、これを一緒にした方が、やはり国民から見ても広く認知をされるような形のアカデミーといったものになるのではないかなと思っているわけですけれども、その点については大臣はどのようにお考えでしょうか。

○茂木国務大臣 将来の姿を考えるに当たっては、私はゼロベースで考えていいのではないかなと思っておりまして、今三つの機関があるから、これは絶対残さなくてはいけない、そういう中でも、例えば学士院、それから学術会議、そういったものを必ずしも、全部残すという前提で考えるんだったら大きな改革はできない、そういうふうに思っております。
 現在、それぞれの機関が役割分担の中で機能を果たしているのは確かでありまして、今後はまず、今回の改革では、それぞれ三つの機関の連携を強化することによってきちんとした機能が果たせるようにしていきたい、こんなふうに考えております。繰り返しになりますが、将来の姿を考える上で、必ずしもこの三つを前提として検討しなければならない、こういうことではないと私は考えております。

○笠委員 大変心強いお言葉をいただきました。大臣はやはり内閣府の大臣ですから、内閣府といえば、まさに政府のかなめでございます。
 ですから、これまでのやはり縦割り行政、いろいろとそういったものでの難しさもあると思います。けれども、リーダーシップを発揮されて、文部科学大臣等々関係省庁の大臣としっかりと話し合いをして、この日本のアカデミーというものを将来どういう方向に持っていくのか、何かそういうメッセージをぜひ出していただくべく努力をしていただきたい、そのようにお願いを申し上げたいと思います。
 さて、今回の法案、改正案について幾つか具体的にちょっとお伺いをしたいんですけれども、先ほど大臣が、学術会議は三つの機能があるんだと。その中でも、私は、社会全体に対してのコミュニケーション、この機能の部分が十分に発揮されるかどうかということが、この三つの機能すべて大事ではございますけれども、最大のポイントになるのかなと考えているわけでございます。
 こうしたことを念頭に、この改正案というもの、改正というものが果たして十分であるのかどうか、その点について幾つかお伺いをしたいんです。
 まずは、会員の選考の問題なんですけれども、これは今までのいろいろと学会を代表してとか、そういう、ともすると閉鎖的になりがちな会員選出というものを恐らく改めるために、今回、会員選考についての改正というものが、会員の方によって選出をされるというふうに改められるということなんです。
 今現在、これは平均年齢、会員の方が六十四歳ということで私お伺いをしているんですけれども、今回のこの選考基準の、選考のやり方の改定によって、まだやはり私は、若い方々が何でもっと会員の中におられないんだろうということを非常に感じるわけです、若手の優秀な、まさに最先端で研究をされ、日ごろ学問をされているような会員がふえていくような形にはつながっていくんでしょうか。

○黒川参考人 これは、今度の改正によって、次の新しい学術会議が決めていくことではありますけれども、この五年間、各国のアカデミーに調査をしまして、どのような歴史があり、どのような過程で政府の政策とのかかわりがあるのか、社会とかかわりがあるのかということを随分勉強させていただきまして、シンポジウムを開き、報告書も出したところであります。
 そうしますと、やはりルネサンス以後のヨーロッパでは非常に長い歴史があり、それぞれの国の形がありということで、それぞれの機能、あり方も違うのは確かであります。しかし、先ほど申しましたように、現在、世界的に科学者コミュニティーの全体の総体の意見が非常に大事だという意識になって、ああいうふうに動き出したのはここ五、六年のことでありまして、それぞれの国のアカデミーの形、それから社会とのかかわりは、それぞれの歴史とそれを反映する社会構造を反映しているんだなということがよくわかったわけであります。
 そういうことからいうと、今度、会員も、連携会員というもうちょっと広い基盤ができますので、総合科学技術会議の答申にもありましたように、もっと若い会員もぜひ入れたらどうかという話は伺っております。
 これを反映するのには幾つかの問題があるわけではなくて、これから新しい人たちのことですが、選考のプロセスも非常に透明性が高くて、後からだれが見ても、百点満点とはいかなくても、これなら非常に納得できるというような形にしたいわけですし、さらに、アメリカ、イギリスもそうですけれども、若い人たちが、会員という形ではなくても、いろいろなメンバーシップでそこに求心力がある形になっているというのが非常に大事なことだと思います。
 したがって、そのような学術会員になると、若い科学者たちもいろいろな委員会に参加し、報告書の作成にかかわりというような形で、だんだん輝いていく一つの求心力のあるボディーになってくるのが望ましいと思っておりまして、もちろん、すばらしい人は会員に選ばれるべきでありますし、女性の問題もそうですけれども、そのような形になっていくというのは、学術会議が科学者コミュニティー全体をあらわすボディーとしての社会的責任だろうと強く認識しているところであります。

○笠委員 いや、私、もちろん若ければいいというものではないと思いますけれども、やはりこれから非常に、今この科学の分野というものは、私は決して明るい方ではございませんけれども、もう本当にどんどん進んでいっている。
 もちろん、古い方々の長きにわたる研究における見識というものも一方で大事だと思うんですけれども、時代に即した提言というものをやっていくためには、やはり若い会員というものが一定数ぐらいいないと、連携会員という、先日もそういうお話がありましたけれども、確かにこれをどう機能させていくかということは重要なテーマではあると思います。やはり正会員の中にそういう集団がいて、また世代を超えた、世代間のコミュニケーションというものもありますから、やはり自分たちの仲間が、代表が会員になっているんだということで、また仲間の人たちも連携会員になっていくというような形にしないと、自覚というか、連携会員ということになってしまうと、ちょっとお客様的になってしまうんじゃないかなというような危惧をどうしても抱いてしまうわけです。
 それともう一点は、これはちょっと事務局の方で結構なんですが、現在、女性会員という方が何人おられて、あるいは外国人の会員、恐らくおられないのではないかと思いますけれども、それと民間の方、そういったものが会員の中にどれぐらいおられるのか、おわかりの範囲で教えていただければと思います。

○吉田政府参考人 お答えをいたします。
 現在、女性会員でございますけれども、二百十名の会員の中に十三人いらっしゃいます。それから、民間の方ですが、ちょっと今すぐに手持ちの資料がございませんが、企業等の研究所にお勤めの方、そういった方、数名だったと思いますが、十名内外だったと思いますが、いらっしゃると思います。それから、外国人の方は会員にはいらっしゃいません。
 以上でございます。

○笠委員 今、二百十名のうち女性会員が十三名、これは、今本当に政治の世界でも非常に問われているところでございますけれども、やはりもっと積極的に女性会員を、要するに連携会員ではなく会員として、これは政策的にしっかりとふやしていこう。
 あるいは、外国人の会員がゼロということですけれども、これは欧米の中には外国人会員がおられるアカデミーも数多くあるわけですけれども、今、例えば外国人の方で、日本ですばらしい研究をされているような方、またこれは視点が違ってくると思うんですね。国内でやっている方と外国から来て日本で研究をされている方。また、そういう方を会員に入れることによって、組織のあり方等についても、おかしいなとか、また研究そのものももちろんなんですけれども、プラスアルファ、新しい視点というものが入ってくるのではないか。
 あるいは、やはり民間で、私、この前ノーベル賞を受賞された田中さんなんか、まさに民間で研究をされた方ですけれども、ちょっと確認です、あの方は会員ではないですよね。やはりああいう方が会員になって、広告塔にもなりますよ、こういう顔ぶれの方々がやっているんだと。
 これもまさにこの学術会議のPR、PRだけにああいうすばらしい方を起用するというのは確かにいかがかなとは思う反面、国民が広く知っている方々、そして若くて頑張っておられる方々をやはり前面に押し出していくというような、これを努力目標というか、もう少し具体的に、例えば会長のイメージで、どれぐらい起用していきたいな、そういうところのイメージが具体的にありましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

○黒川参考人 ありがとうございます。
 実は、今事務局長が申し上げましたように、十七期という三年間では、二百十人のうち二人が女性の会員でした。その後、もっと女性の会員をふやさなくてはいけないのではないかということで、その選考のプロセスに、各学協会にそれをお願いしたところ、十八期は七人になりました。今回は十三人になりました。十年で一〇%にしようという目標は一応宣言しておりますけれども、今度、改革になりまして全体のベースが広がりますので、おっしゃるとおり、私どもは、やはり一〇%を超える女性の会員、そういう方たちをお迎えしたいとは思っております。その選考方法が今度恐らく変わりますので、その目標に達する方法としては、もうちょっとやりやすくなるのではないかと思っております。
 それは、先生がおっしゃったとおりに、先週の新聞に出ていたとおりですけれども、各国の議会を見ても、日本は、参議院で一三%ぐらいですか、衆議院が七%ぐらいですか、圧倒的に低いということが出ているのは、日本の社会構造をあらわしているんだろうと私は思っております。
 それから、外国人ですけれども、これは外国のアカデミーでもそうでありまして、例えば一番皆さんが知っているアメリカのアカデミーでも、アメリカの国籍がないとなれません。つまり、永住権がある人だからといってするわけではありませんので、これはある意味では国の形の問題だろうと思います。
 そのかわり、例えば外国人のメンバーという全く別枠を持っておりまして、それについて何人かの人を採用するということはあるわけで、私もたまたま、アメリカのアカデミーのインスティチュート・メディスンという、私は医学の分野ですけれども、外国人枠で数年前になりました。そういう別のカテゴリーでやっているというのが多くのアカデミーのやり方ではないか。
 これは勉強してみると、アカデミーとは何かというのと、国とは何かという問題に着くので、それはある程度歴史的な背景を考慮したいと思っておりまして、外国人もいろいろな格好で参加していただきたいと思っております。

○笠委員 ちょっと二点お伺いしたいんです。
 では、例えば外国の方は、連携会員の中では起用をしていくのか、メンバーとして選んでいくのかどうか。
 それともう一点は、いろいろと考え方はあると思いますけれども、やはり私、どうしても世代にこだわりたいんですね。例えばシニアとジュニアと分けるのはいかがかとは思いますけれども、何かこう少し分けて、大きな枠組みの中で、もちろん総会等ではやるのにしても、日ごろ、そういう同じ世代の会員の人たちがいろいろな分野を超えてしっかりと話をしていくような機能というものを新たにつくってみてはどうかと提言をしてみたいわけですけれども、いかがでしょうか。

○吉田政府参考人 まず、連携会員に外国人をというお話のところについてお答えさせていただきます。
 連携会員、会員もそうでございますけれども、これは国家公務員でございます。外国人の方を国家公務員にすることについては非常にいろいろと制約があるということがございます。そういったことで、現在は、連携会員に外国人はいらっしゃらないということでございますが、この意見具申の中で、連携会員に外国人をというところもございます。
 ただ、ここで想定されておられます外国人といいますのは、世界的な評価を得られたような、非常に高名な学者ということを想定されているのではないかと思いますけれども、そういった方はむしろ、連携会員というよりは会員と同レベルといいますか、そういったクラスで御協力いただくというのが適当かなと思っておりまして、連携会員とはまた違った形で、先ほど会長からお話し申し上げましたように、協力連携をしていただこう、そういうふうに考えておるところでございます。

○笠委員 今、やはり国家公務員だからと。それはそうでしょう。だから逆に独立したものにして、果たして今国家公務員の形にしていることでいいのかどうかというところ。だから、これはもうそれを前提に考えてはいけないんです。ふやすためにはどうすればいいか。
 例えば、外国人の会員の方々を、名誉会員でも連携会員でもいいんですけれども、やはり時々いろいろな見解を、その知恵もかりようというような形で、幅を広げていこうとするのかどうかというところが問題で、今の法律を前提にするとできないことは、変えればいいんです。だから、そこの枠をしっかりと超えて議論をしていかなければいけないと思っておるんです。
 先ほど、会員選出のやり方について透明性を図っていくことが大事だ、私もおっしゃるとおりだと思います。これは具体的にどのようなことを考えて、ちょっと具体的な部分を御説明いただければと思うんです、透明性を確保していく上での。

○黒川参考人 これは、今、私どもではなくて、新しく会員になられた方々がもちろん考えることではありますけれども、しかし、急にそう言われてもなかなか難しいところがあると。
 そこで、ここ三年間かけて、先進国のアカデミーの選出の方法を、いろいろなことを考えてみますと、各国の歴史があるとはいえ、アメリカがやはりそういう意味では、新しい国をつくったという意味もありますけれども、非常に透明性も高く、大変参考になると思いました。
 したがって、私としては、そのような案も出して、このようなプロセスですと、具体的な名前が、だれが行ってだれが落ちたという話は必ずしも出ませんけれども、どのようなノミネーションのプロセスがあり、どのようなコミッティーで第一次選抜が行われ、どのようなプロセスで、従来の会員がその人の中からどういう人を選んでいったかというプロセスが極めて公正にやられていると思いますので、そういうようなことを参考にしつつ、ぜひ一つの案として、たたき台として出させていただきたいと思っております。
 それから、外国人会員ですけれども、これは国家公務員であるなしとかかわらず、アメリカのようなナショナルアカデミーはリンカーン大統領のときに、一八六三年に、全くプライベートのファウンデーションとしてつくられてはおりますけれども、アメリカの場合はあくまでも小さい政府、それについて学者のコミュニティーが社会に責任を持って物を申すということになっておりましたので、全く国の形態が違うとはいっても、それにもかかわらず、やはり永住権のある人でも会員になれないというようなことを自律的にやっているのは何かということも私は考えて、むしろ、外国人にしろ、もっと広いところの人たちが、会員ではなくても参加できるようにするのが正しい道ではないかと思っております。
 それから、なお会員の数ですけれども、アメリカのアカデミー、あるいはイギリスのロイヤルソサエティーのメンバーを見てみると、これはある意味では栄誉機関、すばらしい業績を上げた方が、それはもう年齢によって違うのは、これは大学、あるいは社会の構造のゆえにもよるわけですけれども、それにしても日本に比べれば、やはりかなりの数の人がいる。そういう人たちが社会に見える、科学者コミュニティーに見えているというところが違うわけで、そういう意味からいうと、ちょっと数が少ないなというので、連携会員のようなことを配慮できましたので、これを一体として機能的な求心力のあるものにしたいと思っております。

○笠委員 今、黒川会長からいろいろお話ありましたけれども、どうしても、今回推薦制からそうやって選出をしていくというように変えても、会員が選べるとしても、この会員の方々が、私のイメージでは、やはり学会をそれぞれ代表して出てこられる方だから、その同士でも、派閥というんじゃないですけれども、この選び方を変えても、順送り的な人事ということになってしまいかねないか、そういう非常に危惧があるわけです。
 ですから、どうやって選んでいるのか、そして、だれもが納得できるような、その透明性の確保というものは非常に大事なことでありますし、重ねて申し上げますけれども、若い世代あるいは女性の会員の方々、女性の方が、もう魅力がなくてこんなものなりたくないという人が多いのであれば話は違ってくるわけですけれども、何か体制として閉鎖的な部分がそれぞれの協会なり学会の中にあるのではないかという気がしてならないので、そこあたりをしっかりとオープンにして新しい形の、連携会員も大事だとは思いますけれども、果たしてこの連携会員というものが十分に機能できるのかどうか、そこの点については、今後、会長がリーダーシップを発揮されて、次の方々がとおっしゃいますけれども、この改革の先鞭をつけられるわけですから、一つの道筋、方向性というものをまた示していただければと思っております。
 それと、事務局で結構なんですけれども、今、この学術会議のスタッフ、事務局というのは何人おられるのでしょうか。

○吉田政府参考人 私ども日本学術会議の事務局でございますが、定員、現在六十一名でございます。

○笠委員 この中でプロパーの方というのは恐らく今はおられないのかなと私は伺っているんですけれども、今回、任期を六年に、そのかわり一回限りというふうになったわけですね。確かに、同じ方がずっと長くやっている弊害というのはあるでしょう。しかし、やはりこの学問、この科学の世界というのは一つの継続性というものも大事なので、せめてこの事務局ぐらいにはしっかりと何人かこの学術会議としての、プロパーとして、やはり一つずっと継続性を持ってわかっている方がおられないとなかなか大変なんじゃないかなと思うわけでございますけれども、その点については、黒川会長、どのようにお考えでしょうか。

○黒川参考人 それは、おっしゃるところも正しいところがあると思います。しかし、今、次に考えていることは、今大体ローテーションは二、三年になりますので、長い人がいることも大事ですけれども、長ければいいというものではないわけで、その辺をどうするのかというのが一つ。
 それから、もう一つは、ナショナルアカデミーなんかを見ていてもそうですけれども、結構科学者のバックグラウンドがある人が、やはり三十とか三十五歳になってそういう仕事にシフトしてくる、つまり、もっと政策とか事務機能を持っている人が参加しますので、むしろそういうキャリアパスも必要なのではないだろうかと思っております。
 これは一にかかって雇用の問題でありまして、社会制度の問題ですけれども、今ポスドク一万人計画とか、その後、若くして大学あるいは研究所で五年ぐらいしたら、実は科学技術政策とかそういうところをやりたいという人に道が開かれていないというところにも問題があるわけで、ぜひそういうようなネットワークをつくって、次の世代のそういう方たちも育っていく一つのメカニズムになればということも考えております。

○笠委員 先ほどからお伺いしていて、大変会長の答弁というかお話というのは、非常に模範的な、今の枠組みの中でのどうあるべきかというところにいくわけですけれども、私はやはり独立的に、あるいは中立的にもたせるために、将来そういう形を考えれば、本当にそれでベストなのか。会長はもっとベストな形で、例えば金が足りない、お金が足りないんだったら、これぐらいかけてこういうスタッフを充実させたいんだというようなことを余りあきらめられずに、最初からあきらめて、今を前提で御自身でもう枠を決めてしまって、その中でどうやっていくかということは、非常に役所にとってはいいことだと思うんですけれども、そうじゃなくて、問題はやはり広く国民に認知をされる、アカデミーとして開かれた、そしてそういう位置づけのものに権威をつけていく、そして広く信頼されるということが最大の課題でありますから、ぜひそういう思い切った発言をしていただいて、思い切った提言をされ、大臣が多少困るぐらいの、最近は学術会議は勝手に走り過ぎだとおしかりを受けるぐらいの形で、現場を代表して預かっている立場でおられますから、お願いをいたしたいと思います。
 そこで、もう一点お伺いしたいのは、やはり国民に広く認知をされるためには、例えば喫緊の課題について、時にどういうふうな形で緊急的な提言をやっていくかということが非常に問われているんじゃないか。もちろんすべての、私、例えば食と安全に関して最近出されている、昨年ですか、あの提言も読ませていただきました。非常にいろいろな昨今の問題を分析され、どうあるべきかという長期的な文章としては非常にいいんですけれども、例えば今、鳥インフルエンザの問題が起こっている、あるいは先般、SARSなんという、ああいう大きな世界的なアジアを中心とした問題が起こった。
 そういうときに、まずはメッセージを、学術会議としてはこうあるべきだというようなものを、役所のいろいろな諮問機関とかが出すのではなくて、学術会議としてそういったメッセージを送っていくというようなことがなぜ行われないのかな、私は、そのことが非常に国民に認知をされない要因の一つではないかと考えているわけです。
 今後、大きな、国民的に非常に不安の大きいような問題が起こってきた、あるいは国内だけではありません、国際的にも大きな問題が起こったときに、瞬時にやはり学術会議としての意見、提言というものを緊急に発表されていくようなお考えというのはあるんでしょうか。

○黒川参考人 おっしゃるとおりだと思います。私はこういう人間だからそうかもしれませんが、確かに、昭和二十四年にできてから総会主義というのがずっと規則になっておりまして、それで機動性が非常に悪かったということがあります。しかし、この総会主義が二十一年前の改革で、その学協会から推薦されるというふうになったにもかかわらず、それも続いておりました。
 しかし、ここに来て、もっと機動性のあるもの、あるいは国際対応が非常に大事だということが出てきましたので、これについては今事務方とも、会員とも考えておりまして、ここ三、四年はかなり総会主義を抜けてきて、執行部にかなり委託するというような格好で出ているのが多くなっておりますので、これはおっしゃるとおり、もう少し考えて、機動性を持ったメッセージの発表の仕方、それから発表先、それから、すべての報告書は先生方に頼んでおりますけれども、これはだれに読んでもらいたいのか、つまりターゲットオーディエンスはだれなのか、その人たちにわかるような言葉で書いてください、二番目には、そのターゲットオーディエンスにはどうやって届くかということも考えた上で報告書を出してくださいというふうに言っておりますので、かなり私どもの機能については皆さんの意識が変わってきたと思っておりますので、先生のおっしゃるとおりに、私どももさらに対応したいと思っております。

○笠委員 今、まさにインターネットがこれだけ普及した時代ですから、何も集まって顔を合わせなくても、緊急なときにはテレビ会議だってできるわけです。そういう、何か日ごろから瞬時に、緊急時にどういう形で機動的に提言をするかというような、これはまさに内部でできることだと思いますので、やはり会長、それが大事なんです、マスコミに扱われるためには。タイミングがあるんです。やはりいろいろとBSEの問題とかが起こって、何年かして何か忘れたころに提言を出されても、これは幾らいいものであっても、扱いというものはどうしても小さくなる。
 でも、今回のような、例えば鳥インフルエンザみたいな事件が起こったときに、学術会議がしっかりとした提言を出して、ああ、これはいいじゃないか、例えばそういうものがあれば、我々政治の側に身を置く人間も、こういう提言を政府に対してやっているじゃないか、このとおりにやればいいじゃないかと言えるようなものをぜひ出していただきたいというようなことを期待するわけでございます。
 これはちょっと事務局の方にお伺いします。それで、実際に最近幾つかの、先般も議論ありました、最近の提言の中で、それを踏まえて具体的な政策が講じられたというようなケースというものがあれば、最近のもの、この五、六年、そういうことがあるのかどうか、まあ十年ぐらいです、あれば、ぜひちょっと紹介していただければと思うんです。

○吉田政府参考人 日本学術会議の提言は非常にたくさん出ておりまして、その中のすべてを網羅して、これが実現した、これは実現しなかったというふうなチェックをなかなかできないところがございますけれども、最近の例といたしましては、平成九年に「計算機科学研究の推進について」という提言をいたしまして、これをもとに文部省に国立情報学研究所が設置されたとか、あるいは、平成八年に「脳科学研究の推進について」という提言をいたしまして、理化学研究所に脳科学研究センターが設置されたといったような事例がございます。
 そのほか、私どもの提言を参考に各省でいろいろ施策を講じておられると思いますけれども、すべてこれを網羅的に把握しているわけではない点は御容赦を願いたいんですが、そういった例があるということでございます。

○笠委員 これが問題なんです。要するに、把握できていない。
 しかし、やはり一番最高の科学者の集まりということを先般おっしゃいました。最高の英知がそこに結集をされている。やはりそこで出てきた提言というものは、当然ながら、政府も重く受けとめて、しっかりとそれに沿った形で、これは長期的な問題というものも多々あると思うんですけれども、何か過去の提言とそれによる実績というものを見ていると、箱物を結局つくっているだけで、最近の実績というものが、例えば何かが起こりました、それに対してこうすべきというものが瞬時にきちっと、これが政策として反映されたとやはり胸を張って言えるようなものが年に一つ、二つはないと、これもまた非常にわかりにくさの一つというか、今後のこれが一番の恐らくは課題になっていくし、こういったことを反映させるために、今度、内閣府の方に移されるというような形で、総合科学技術会議と両輪としてやっていくという一番の目的でないかと私は思っております。
 ここでちょっと茂木大臣にお伺いしたいんですけれども、今後、学術会議がさまざまな提言を、恐らく、いろいろ今までとは違った形で積極的にメッセージを送ってこられると思うんですけれども、そうしたものをどのように今までとは違った形で活用し、内閣府にせっかく置くわけだから、ここがこれからは変わるんだというような、具体的な取り組みについて、ちょっとお考えを伺わせていただければと思います。

○茂木国務大臣 今回の改革によりまして学術会議が内閣府の方に移管をされるということでありまして、より全体的な政策についての窓口として受けられる機能にはなってきていると私は考えておりまして、これまで以上に積極的に提案をしていただきたい。そして、いい提案については我々も積極的に取り入れ、それを政策として具体化していきたい、こんなふうに考えておるところであります。
 また、そういった政策提言機能だけではなくて、社会に対するコミュニケーションということでも、委員、食の安全の問題とか、今鳥インフルエンザの問題を出されましたけれども、まさにこういう分野というのは客観性とか中立性とか専門性が必要で、国民の皆さんから見ると、何を食べたら安心なんだろうか、これは大丈夫なんだろうか、それがわからないところで専門の科学者の方々が本当に時宜を得てそういう発言をしてくれるという機能は、今後さらに強化をしてほしい、こんなふうに考えております。

○笠委員 まさしく今、本当に食の安全、何を食べていいか、国民が非常に不安に思っている。そして、民間の方々も含めて、さまざまいろいろな提言なりを出されている中で、これはすべてが同じような提言じゃないんですね。何を信じていいのか、そこにこたえていくことがまさしく政府の役割である。そのためにも、学術会議として時宜を得たきちっとした提言、長期的な視点に立ったものと同時に、やはり学術会議が発表するものは信用に足るものだというような信頼というものをどう得ていくかということが課題になっていくわけでございます。
 私、ここにやはりこだわりたいんですけれども、具体的に、その緊急的な、今までとは違った対応をするために、これからどういうふうな組織的な、これは内部の改革の問題になると思うんですけれども、イメージ、具体的にどういうふうな形で今までとは違ってやっていくんだというようなものが検討されているものがあれば、ぜひちょっとお聞かせいただきたいのでございます。

○吉田政府参考人 先ほど会長から御答弁いたしましたように、これまでの総会主義を改めて、機動的に意思決定をしていって提言をするということが一つございます。それから、今回の改革で連携会員という制度を設けますけれども、これは二千三百名ほどを予定しておりますけれども、非常にさまざまな分野の方々が参加していただくということを考えておりますので、いろいろな緊急な課題が発生したときにもかなり対応がしやすくなるのではないか、そういうふうに考えております。
 総合科学技術会議の意見具申でも、研究課題への対応等のために連携会員を設けるというようなことが書いてございますが、これから学術会議といたしましても、そういったところの改革の成果を生かして、どういうふうに先生御指摘のようなことをやっていけるかどうか、考えていきたいと思っております。

○笠委員 もう一点は、連携会員と先般から言われているんですけれども、今予定されているのが二千三百名ですか。やはり、これがどう機能していくのかなというところが非常に見えないんですね。正会員と言っていいのかどうかわかりません、会員の方が二百十名。しかし、それがまたいろいろな委員会等に分かれて、いろいろなテーマについて研究もされているということのようでございますけれども、連携会員というのは、ある程度やはり部門部門によって何人ぐらいずつとか、そういうふうに何か数で割り振っていくようなイメージで集められるということなんですか。

○黒川参考人 この連携会員の位置づけですけれども、これは今回の法案の中に出ているわけで、実際、先ほどから言っていますように、実は大改革のときに、欧米諸国のアカデミーの歴史と機能と政府の政策提案に、あるいは社会とのかかわりにどのようなことをしているかというのが歴史的には違うと申しましたけれども、明らかにアメリカやイギリスの人口割にしても日本は少な過ぎる、そういうことで、いわゆる研連というような、研究連絡委員会のような一段下のポジションではなくて、仲間としてやはりそのぐらいの数がいるということが非常に大事なんじゃないかというのが一つです。
 つまり、それだけいると、いわゆる科学者と言われている人の中の四百人に一人ぐらいがその会員という形ですと、そういう人たちが学会の中にいるということが見えるということが非常に大事なんじゃないかということが一つです。
 それからもう一つは、新しくなったときに、この方たちと、いわゆる会員と言われる二百十人の人たちの位置づけですけれども、この人たちはお互いに同僚である、そのために機能を増強するんだというような意識と、それから、機能を内蔵するような改革になればと思っておりまして、恐らく、そのような目標で新しい会員たちも動かしていくだろうと思っております。
 ですから、連携会員というのは、会員と違うというわけではなくて、むしろ一体となったボディーであるというふうになれば、欧米のような機能がもっと発揮できるようになってくると思いますし、それが求心力になって若い人たちやなんかがいろいろな参加する機会がふえてくるということを期待しているところであります。

○笠委員 ぜひ、この連携会員というもの、会員を一気にふやすことは、恐らく今の組織を前提とした中ではなかなかできないのではないかと思いますけれども、連携会員というものをきちんと新たにつくるわけでございますから、これが十分な機能を発揮して、そして若い世代の方々、そうした意見も取り入れられるように、こういうふうに人数が多いと、ともすると、何かやはり名前だけでとりあえず出している。二千三百人いても、そういう方々がどういうふうな形で現実に何か起こったときに機能するのか、あるいは、瞬時に幅広く意見を吸い上げる、スピーディーな形でフルに活用ができるのかどうか、その点、非常に難しいところではないかと思っております。
 そろそろちょっと時間があれなんですけれども、今回、このような質問の場を与えていただいたということで、私、実は先週、たまたまちょっと選挙区の方で若い方々とゆっくりと話をする機会がございました。そのときに、その中に大学院あるいは講師で研究をされている方々が数人おられたわけで、学術会議というのを今度私は質問するんだけれども知っていますかと言ったら、知っているんですね、さすがにそういう人たちは。でも、名誉職的なものでしょうというような認識なんですよ。
 やはりこれは、国民が当然その認知が足りないと同時に、今から若い方々、一生懸命それぞれの分野でこの国のために、あるいは世界のために、地球のために、しっかりと自分たちも取り組んでいきたいんだという意欲を持って今学ばれている方々がたくさんおられると思うんです。そういう方々が、いずれは自分も学術会議の会員になって、そしてもう一つ上のステップでそういう自分たちの研究の成果を実際に生かしていきたいんだとやはり思えるような組織に、そういうアカデミーでないと、何のためのアカデミーなのかと私は本当に思っております。
 それで、最後に大臣にお伺いをいたしたいんですけれども、先ほども言ったように、内閣府、本当に各省庁縦割りの行政がまだ根強く残っている中で、まさに調整機能も持った内閣のかなめですから、このアカデミーをどうしていくのかというのも、今まさにいろいろな分野で時代の節目を迎えております。
 私は、時に壊してつくる勇気というものも大事なのではないか、ぜひそういう観点に立って今後のアカデミーというものを、広く国民に認知され、そして信頼されるアカデミーをどうやってつくっていくのか、前提にとらわれず、そのために大臣がどういう政治力を発揮していこうとされているのか、その点を最後にお伺いさせていただきたいと思います。

○池坊委員長 発言者の質疑時間は既に終了しております。大臣、よろしくお願いいたします。

○茂木国務大臣 まず、会員の年齢構成でありますけれども、これはまさに学術会議の方でお決めいただくことでありますけれども、例えば、ノーベル賞の受賞者にしても、研究の根幹というのは、三十ぐらいにやっている研究でとっているんですね、とっている年齢は別にしても。そういったことを考えると、老、壮、青のバランス、こういったものはやはり一つの科学コミュニティーの中でも必要ではないかなと思っております。
 私は、黒川会長、ふだんいろいろな議論をするんですけれども、大変改革意欲に富んだ方だ、これだけ科学者の中でも改革を思い切ってやろう、こういう人は少ないなと思っておりまして、ふだんはEメールでやりとりしているんです、二人の間は。これからさらに、この改革を機に、意見交換を進めながらしっかりした改革を支援してまいりたいと思っております。

○笠委員 終わらせていただきます。ありがとうございました。