笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
159-衆-文部科学委員会-11号 平成16年04月14日
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
 今、牧議員の方から、いろいろと大所高所にわたった、そもそも、今回のこの改正というものがどういうものなのか、何の目的で、なぜ今なのか、そういった質問があったわけでございますけれども、先ほど大臣、答弁の中で、私学の役割、大変大きな役割を果たしてきた、また日本の教育で大きなウエートを占めてきたというようなことをおっしゃいました。
 その中で、今後、国立、公立、あるいは私立、この私学というもの、それぞれの役割分担があるんだということを大臣おっしゃったわけでございます。確かに高等教育ではそうかもしれませんけれども、私は、特に初等教育の分野では、これからこの二十一世紀の教育を考えるときに、公立とか私立とか関係なく、どういう教育をしていくのか、やはり中身で競い合う、その環境づくりをしていくことが文部科学省の役割ではないかと思っておるんです。例えば、親が通わせたい、子供が通いたい、そう思うような学校がどれだけたくさんできていくのか、このことがやはり特に初等教育においては大事なことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○河村国務大臣 笠委員御指摘のとおり、私も全く同感であります。
 特に義務教育段階においては、国が中心的な責任を持ちながら、その根幹といいますか、義務教育は国が責任を持つという憲法の要請もございます。そういうことを前提にしながら、これは本当に、私学であろうと公立であろうと、まさに子供たちにとって理想といいますか、本当に学ぶ意欲を教える、生きる力をつけてくれる、そして基礎をきちっとつけてくれる、そういう学校が望まれるわけでございますから、これが公立でなければならない、私学でなければならない、そういう考え方は持たないで、それぞれ特色を出してやっていただく、ある意味では競い合ってやっていただく、そういうことがこれからますます必要になってくるのではないか、私もそういう認識を持っております。

○笠委員 大臣もそのような思いを持たれているということでございますけれども、これからこの少子化の時代の中で、かなり学校間の競争というものも、これは経営という面からも、特に私学の場合、やはり厳しい矢面に立たされざるを得ない、そして一方、親にとりましても、お金のある人はいいんですけれども、お金のないところは行かせたくてもなかなか私立には行かせることができないという中で、この今の助成の仕方含めてトータルに、もっと大きな観点から、特に義務教育段階でこの私学のあり方というものについて大胆に改革をしていこうではないかというようなお考えというものは、大臣、お持ちでしょうか。

○河村国務大臣 特に義務教育段階について考えるならば、その大宗は公立学校にあっておるわけでございます。そういう意味では、公立学校がやはりもっと地域から信頼をされ、そしてもっと開かれたものにしていく。今度コミュニティースクールの話も出てまいりましたが、またこれも実際化できる方向を今打ち出さんとしているわけでございますけれども、そういうもので、同時に、そこの学校で経営している校長のリーダーシップ、あるいは教員の資質の向上、これからはやはりそういう課題が出てきておると思いますね。
 そして同時に、ややもすると心配だと言われる子供たちの社会規範、倫理観、道徳観、そういうものもあわせ持った学校、教育ができるような学校というもののウエートも、かなり私はこれからかかってくるんじゃないか、またそういうことも期待をされている。そういう中で、学校がどうあったらいいかということをこれから真剣に考えていかなければなりません。
 私の口から言うとあれかもしれませんが、そういう意味では、ややもすると、まだまだ詰め込み教育の残渣といいますか、これは大学の入試制度も影響があるんでしょうけれども、塾通いに忙しい状態、これはやはり何とか、そういうことじゃなくて、公教育がもっと責任を持って果たすべき役割がある、しかしそれがなかなかできないことについて、私学へやるという流れも一方では起きております。そういう意味では、やはり公教育がしっかりしなきゃいかぬという思いがございます。しかし、同時に、もっと違う意味での教育を受けたいという私学を選ぶ選択、これも私は必要な道だと思います。
 ただ、教育の機会均等、教育費の問題、こういうことがございますから、私学についても、これは私学助成という形で、できるだけこの公私の格差を狭めながらする努力をこちらもやっていかなきゃいかぬ、やはり多様な選択肢があることが望ましいと考えておるところであります。

○笠委員 ぜひとも、今大臣おっしゃったような、やはり私学助成、お金がかかるというところで最初から機会の均等を与えられていない子供たちもいるのが現実でございます。そういった観点もぜひ念頭に置いていただき、この改革を進めていただきたいと思うわけでございます。
 公立、私立関係なく、これからは、教育の地方分権のさらなる推進、あるいは規制の撤廃、そして、それに伴って当然、これは私学といえども、やはり情報公開、説明責任といったものが求められていく時代になるわけでございますけれども、今回のこの改正といったものが、単に、総合規制改革会議から、私立学校審議会の構成がどうも新規参入の障害になっているんじゃないか。あるいは、どことは申しませんけれども、学校法人の不祥事の反省に立って、この機会にこういう改正が行われたというような気がしてならないわけでございますけれども、そういった次元のことなのか。それとも、大臣の頭の中では、これはあくまでも、まだこれからの私学というものを考えていく改革の第一歩であるという位置づけなのか。そこのあたりの大臣のビジョンというものを聞かせていただければと思います。

○河村国務大臣 この私立学校法の改正については、私も、今日の私学の置かれる環境、それから少子化時代、また国立大学法人化の流れの中、そして、事前にいろいろ厳しいチェックがあって後は野放しというんじゃなくて、やはり事前はできるだけ自由に参入、それで事後チェックという形、こういう大きな流れがございます。そうした中で、やはり私立学校はどうあったらいいか、私立学校の戦略というものがもっと必要である、こういう視点から今回の改正に入った。
 しかし、それに入るに及ぶについては、例えば、私立学校審議会が四分の三は私学関係者が占めているということになると、ほかとの競争、自由競争から考えたときに、これがまたむしろ歯どめになる可能性もある、十分ある、そういう懸念というのはやはり一回ぬぐい去った上で、それぞれの地域の特性に合わせて、知事の裁量というものに、地方分権の時代であります、任せましょうということが生まれてきた。この指摘については、もちろん、特区をやるときの規制改革の方からも指摘があったことでありますから、こういうものも受けとめよう。
 同時に、御指摘のように、私学についても不祥事が起きた、いろいろな指摘もある、これにどうこたえていくのか、それはやはり会計的なものをもっと透明にしていかなきゃいけない、説明責任がある、こういう視点があったことも事実でありますね。そういうことと相まって今回の改正に及んだ、こういうことであります。

○笠委員 先般参考人としておいでいただきました慶応義塾の安西塾長が、今回の改正について、国からの助成の少ない中で多くの人材を育成してきた貧しい私立学校と豊かではあるが制約の多かった国立系の学校、こういう学校のはざまの中で、子供扱いから、これからは一人前の扱いを受けながらも、これからむしろ私立学校が日本の教育の中心になっていく、そういう背景のもとでこの改正案が出てきたんだという認識をしているということをおっしゃいました。まさに私学こそがこれからの教育を担っていくんだと、非常に前向きにこの改正案について受けとめられていたわけでございます。
 これはこれで非常にすばらしいことで、やはりこれまで財政的なハンディというものは確かにあった、しかしそのかわりに自主的な自主性というものがあったじゃないか、ここを生かして、まさしく独立自尊の精神で知恵を生んで、そしてすばらしい学校をつくっていくんだ、こうした私学の基本的な精神にのっとった形で、こうしたことを基本にしながら、いろいろな個性あふれる学校がたくさんできていくことがやはりこの二十一世紀、教育を考えるときに非常に重要なポイントになると思うのでございますけれども、それでは、今回の改正が本当にこの改正で大丈夫なのかどうか、その点についてちょっと個別に、具体的にお伺いをさせていただきたいと思います。
 まずは、先ほどもありました私立学校審議会の構成の見直しについてですけれども、地域における私立学校の参入障害になっているとの指摘もあってのことだということを先ほどもおっしゃいましたけれども、この中で私、一つちょっとよくわからないことがあるんです。「学識経験を有する者のうちから、」という文言が入っておるわけでございますけれども、ここで言う学識経験というのは一体何なのか、具体的にお聞かせください。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 私立学校法は、先ほど来お話に出ています、私学の自主性を尊重いたしまして、この公共性を高めることを目的としておるわけでございます。都道府県知事の私立学校に対する行政の適正を期するために、私立学校審議会は、学校の設置認可や廃止など一定の事項について知事が意見を聞くこととされている、その立場に置かれておるわけでございます。
 一定の行政処分に関しまして、私立学校の行政の適正を期するために私立学校審議会があるわけでございまして、その構成員につきましても一定の知識または実務に関する経験を有していることが適切であると私どもは考えてございまして、今回、教育に関し学識経験を有する者から選任することとしたところでございます。
 ただ、この「教育に関し学識経験を有する者」という字句の意味するところは大変広く考えてございまして、教育に関して学問上の知識または実務に関する経験を有する者、具体的には学校の教員でございますとか私学の経営者、教育行政の関係者、PTA役員など、幅広いものが該当するものと考えておるところでございます。

○笠委員 例えば、実際、学校の先生でもなければPTAで携わったわけでもない、けれども、例えばすばらしい会社の経営者であるとか、教育の現場に身は置いていないけれども、非常に造詣が深いあるいは教育に対する思いがある、そして人格的にもすばらしい方がおられたとして、そういう方をこのメンバーとして起用することはできるんでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 先ほど御説明申し上げましたように、ここで求めております教育に関し学識経験を有する者、幅広いものを考えておりますので、知事の御判断として、委員御指摘のような方がこの者に該当するという御判断をなさる場合も十分あり得ることだと考えております。

○笠委員 私は、よく思うんですけれども、こういう学識経験とかという言葉が非常に多いんですね、教育行政の文言として。今の御答弁のあれであれば、むしろ、学識経験なんという言葉、何かこれに限定するような受けとめられ方をしかねないような文言というのはわざわざ盛り込まなくてもいいのではないかなという気がするんですけれども、それこそ、都道府県知事に任せるというのであれば、任せればいいんです。そうしないと、中には、やはり学校関係者じゃないとだめかなとか、いろいろそういうふうになってしまう。
 だから、そのあたりのことを、むしろ逆に、本当にどこまで都道府県知事の裁量にゆだねられるのか、今回の改正によって。そのことをちょっとお尋ねしたいと思います。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 先ほどの答弁とも重複する部分があるかもしれませんが、ここで申しております「教育に関し学識経験を有する者」につきましては、知事がかなり広範な裁量権といいますか、判断の余地を有していると言うことができようと思っております。
 ただ、一切こういう字句が不要かと申しますと、知事がこの任命権を行使する際に、総合的な判断で人選をします際に、いわゆる一定の適格者を意識して慎重な選任をしてほしいという法意をこの文言に込めておるわけでございまして、意味がある改正なのだと思っておるわけでございます。

○笠委員 こだわらせていただきますけれども、私は、それだったら学識人生経験者ぐらいにしていただいた方が、むしろ、教育の現場の人たちでやっていると新しい発想が出てこないことも大変多いんですよ。もちろん素人だけではやれませんけれども、そこがまさに今の閉塞感、なかなか新しい発想が出てこないというところを生んでいるのではないかと思いますので、こういうのは法律文言なんだと思うんですけれども、余り安易にこういう言葉を、ちょっと失礼でございますけれども、何となく耳ざわりはいいんですね、もっともらしいんですけれども、少し考えていただきたいなと思っております。
 次に、公共性をいかに高めていくか。これは、当然ながら、学校の自主性と同時に公共性というもの、これを高めていくことは大事なことでございますので、その点について幾つか御質問させていただきたいと思います。
 まず、理事会の機能の強化の問題。これについて、今回の改正で、理事会が法令上明確に位置づけられると同時に、理事長や理事会の権限が強化されたものだと私は受けとめております。責任がより明確化されるという側面がある一方で、かつての不祥事、事件が起こらないのかとまた改めて、理事長が非常に権限が大きくなり過ぎて、同様の事件が起こらないのかという危惧もあるわけです。
 私学といえども、理事長の私物化というものは許されるわけはございませんので、学校法人としての公共性というものをいかに確保するかが求められると思うんですけれども、これに対するチェック機能が評議員会なのか、それとも監事制度なのか、ここがちょっとよくわからない部分がありますので、そこのところを御説明していただけるでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 今回御審議をお願いしております改正案におきましては、学校法人の理事会制度、監事及び評議員会の制度に関する規定を整備いたしまして、理事会及び理事長の経営責任及び監事や評議員会のそれぞれの権限や役割分担を明確化しておるわけでございます。これをもって学校法人の管理運営の改善、内部チェックの適正化を図ろうとするものでございます。
 先生御指摘の一部学校法人の不祥事への対応としましても、今回の法改正の整備を踏まえた運用が適切になされますれば、相当程度その対応策として効果を発揮すると期待されると私どもは考えておるわけでございます。
 具体には、監事の選任につきましても評議員会の同意を要することといたしまして、例えば、理事長が独断的に監事の選任をすることがないように今回はしておるわけでございますし、あわせて、内部からの監事の登用だけではなくて、外部からの監事の導入も義務づけておるわけでございます。さらに、評議員会の役割、権限についても明確化を図っておりまして、監事、評議員会双方が、いわば理事会、理事長に対する内部チェックとしての適切な役割を果たすことを期待しておるわけでございます。

○笠委員 今おっしゃった中で、先般の参考人をお招きしての質疑の中でも問題になった点、御指摘された点があるわけでございます。この監事制度、今、評議員会の同意を得て初めて理事長が選任するというお話があったわけですけれども、ただ、理事会が監査を受けるわけですね、そして、その監査を受ける人間が監査をする人を選ぶという基本的な構図自体は全く変わっていないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○加茂川政府参考人 監事の選任についてお答えをいたします。
 現状の監事の選任方法につきましては、学校法人によってさまざまでございます。評議員会選任という例もございますし、理事会選任というところ、それ以外のところもあるわけでございます。
 監事につきましては、今回の法改正においては、委員御指摘のように、何より監査される側が監査する者を選ぶだけの制度にならないように考えまして、今回は、評議員会の同意を前提として理事長が選任をするという規定に調整を図ったわけでございます。
 評議員会だけで監事を選ぶということも例としてあることを申し上げましたけれども、評議員会も寄附行為の定めによりましては決議機関としての機能を有する場合がございますので、評議員会だけで監事を選任することがすべての問題点をクリアできるというわけではございませんで、評議員会と理事会、理事者側、双方が監事の選任について適切に関与し合う、総合的にかかわり合うことが望ましいのだと私どもは考えておるわけでございます。

○笠委員 実際にはうまく機能している学校法人というものもたくさんあるんでしょう。しかし、問題は、これが機能していないところがやはり不祥事等を起こすわけです。であるならば、今おっしゃった評議員会、議決機関にいっそのこと格上げをするとか、あるいは評議員会が選任をすることにするというような形にこの法自体はした方がすっきりするんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○加茂川政府参考人 学校法人の制度設計については、いろいろのお考えが成り立ち得るかと思います。
 現状と今回の改正法案でお願いをしておりますのは、決議機関、学校法人としての意思決定とその執行に責任を負うのが理事会とその代表である理事長であるという位置づけをしつつ、諮問機関として評議員会、現行制度がそうでございますが、理事長は必要な事項、重要事項については意見を必ず求めなければならない諮問機関としての評議員会を位置づけまして、双方が学校法人経営に責任を持つ仕組みになっておるわけでございます。監事は別途、その監査の適正を期す観点から、理事会、理事長をチェックするという仕組みになっておるわけです。
 御提案のように、評議員会を議決機関とします場合には、理事会との関係が、その決議機関が重層的に存在するようなことにもなりまして、相互の機関の調整がなかなか難しくなってまいると思いますし、現在の決議機関としての理事会、原則諮問機関としての評議員会、監査を機能する監事、三者がそれぞれの役割を果たしていくことで法人経営の健全化、適正化が図れるものだと私どもは考えておるわけでございます。

○笠委員 三者が本当に健全に、それぞれに役割分担をして機能すればいいんですけれども、要するに理事会、ひいては理事長、この権限が強められるということは、結局は、例えば評議員会であれ監事であれ、理事長の意を酌んだ人ばかりで周りを固めていくこともこの法案ではできるのかなという気が私はしているんですね。それは、全くそれぞれの独立性というのがこの法律で確保できていると思われますか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 監事の選任につきましては、先ほど来申し上げておりますように、評議員会の同意を条件として理事長が選任をするといたしております。この同意は、評議員会が同意をしない限りは理事長が選任をできませんので、理事長が独断的に監事を任命するということはできない仕組みになってございます。
 この評議員会の同意の仕組みが健全に機能すれば、もちろん法律の改正がなったからすべていいわけではありませんで、その趣旨を踏まえた運用面の確保が何より大事でございますけれども、そのとおり機能いたしますれば、先生御心配のような点については、かなりの効果、対応策になり得るのだろうと思っておるわけでございます。
 評議員会についても、今回の法改正によって位置づけ、役割分担が明確化されておりますので、かなり理事長に対するチェック機能を果たし得ると思います。理事長は評議員会に、いわば形式的な、形骸化した評議員会開催、運営ではなくて、必要な情報を提供することによって、評議員の一人一人が理事長に意見をより言いやすくなる、責任を持って経営に参画できるような仕組みも今回盛り込んでおりますので、何より運用面が大事でございますけれども、それぞれの三者が、チェック機能を働かせる、またはチェック機能を受けるような仕組みの運用が期待されるものと考えておるわけでございます。

○笠委員 私は何度聞いてもわからないんですけれども、理事長は評議員の同意だと。だから、理事会と評議員会の、これが本当に健全な関係であればいいけれども、そこで物すごい力を持った理事長というのがおられて、同族ではないけれども、自分の意向に従ったような人間ばかりで固めることだって、特に小さな法人になればなるほどできるわけですね。
 そうすると、私は、例えばこの監事というものをもっと独立させたものにするのであれば、理事長の評議員会の同意というのはありますけれども、例えば完全に外部からもっと独立的に入れさせるような、何かもう一歩踏み込んだような制度というものを考える必要があるのではないかなと。あるいは、常に一人は常勤で置くとか、中のことはわからないですよ、監事の方というのは。恐らく、常勤で置いておられる方というのは、大きいところは別としても、ほとんどないんじゃないですかね。
 だから、そういう中で持っていかないと、やはり本当の大きな大学ぐらいになってくると、情報公開も進んでいますし、そんなに私物化するようなことはできないんですよ。問題は、中規模であったり小さいところ、こういうところの独立性というものが本当にできてくるのか、理事長の私物化というものが避けられるのか、そこが私はポイントであると思っておるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 今回の法改正が実現したといたしましても、先生おっしゃいますように、運用面でいろいろな心配があるではないか、全部払拭できるのか、こういう御質問でございましたら、何より運用面こそが大事でございまして、私どもは法改正の趣旨をいろいろな機会に学校法人関係者に十分徹底をしてまいりたいと思っております。
 先ほど申し上げましたけれども、制度を改正すればすべての課題、不祥事等に対応できるわけではございませんで、制度の趣旨を踏まえた運用面が何より大事でございますので、その趣旨は十分に図ってまいりたいと思っております。
 特に小規模法人での理事長の独断性の御心配がございましたけれども、現在も学校法人制度としましては、理事会の構成メンバーが、それぞれ学校長理事、評議員理事、いわゆる学識経験者理事、理事会の構成もバランスよく構成されるような、選出されるような仕組みが現行の法制度でもとられておりまして、そしてその中で理事長が互選されるわけでございますから、理事長の独断というものをチェックする機能は理事会の構成自体にもあるわけでございます。
 先ほど申しましたように、評議員会にも評議員会から選ばれる理事がございまして、評議員会自身にも、職員評議員、OB評議員、学識者評議員という仕組みになってございまして、現行の学校法人制度自体が、理事会の制度、評議員会の制度でチェック機能を果たすことが想定をされておるのでございます。
 ただ、何より運用が大事でございますので、私どもはしっかりその趣旨徹底を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。

○笠委員 確かに運用が大事なんでしょう。
 であるならば、ひとつ、私、監事の職務の中に、学校法人の業務または財産に関しての不正行為、寄附行為に違反する重大な事実があった場合の報告義務というのがございますね、これについて、「所轄庁に報告し、又は理事会及び評議員会に報告すること。」となっているんです。ちょっと確認したいんですけれども、これは、理事会、評議員会に報告をすれば、例えば大学、短大である場合には、これは当然所轄庁は文部科学省ということになるんでしょうけれども、ここには必ずしも報告をする義務はないということでよろしいんでしょうか。

○加茂川政府参考人 委員御指摘の監事の報告先としましては、所轄庁または理事会及び評議員会でございますので、法律上、必ず所轄庁に報告をしなければならないという規定にはなってございません。
 ちなみに、これは現行制度も同様に、監事が今の報告について所轄庁に必ず報告をしなければならないという制度にはなっていないものを引き継いでおるものでございます。

○笠委員 現行制度はどうでもいいんですけれども、よくしていくための改正ですからね。
 私は、やはりこれだけ自主性を逆に重んじるがゆえに、何か重大なこと、そのためにこれは書いてあるんですよね、違反する重大な事実があった場合のと。そういうときというのは、当然ながら、やはり文部科学省なり都道府県なりがこういうことが起こったんだということをきちんと把握しなければ、ともするとそれが隠ぺいされてしまう、そういうことが、これは教育の分野に限らず多々あるわけですよ。運用は任せたっていいんです。けれども、何か起こったときには、常にやはりそれを把握していかなければいけないということが私は当たり前のことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘のように、監事が不正の点を発見した場合において、理事会、評議員会のみならず、必要に応じて所轄庁がその情報に接している必要があるというのは、一般論としてはそのとおりかと思います。
 ただ、今回の法改正案をお願いしております規定の仕方を現行どおりにしておりますのは、私立学校の自主性を尊重するという私学法の精神を踏まえまして、所轄庁による関与をできるだけ抑制するということを踏まえたものでございます。各学校法人による自主的な改善がまずは期待をされておるわけでございます。
 仮に、すべての事項について監事が不正の点を発見したと判断をして報告しなければならないといたしますと、所轄庁の権限の及ばない事項、本来的には理事会または評議員会が関与すべき事項についても報告をすることになって、合理的ではない面が出てくるのではないかと危惧をいたすわけでございます。
 したがいまして、必ず所轄庁にもあわせて報告することを義務づけるのではなく、内容に応じて監事が、もちろん所轄庁と理事会、評議員会双方に、またはいずれかに報告する判断をゆだねておるわけでございます。
 なお、今回の法改正では、別途、この不正の点の発見における報告とあわせまして、監査報告の作成義務を監事に課しておるわけでございます。あわせて、この監査報告を外部の閲覧にも供することとしておるわけでございまして、所轄庁としましては、必要に応じてこの監査報告書の提出を求めることも可能でございますし、一般の報告徴収ということで学校法人に働きかけをすることも可能でございますので、実態面としては先生御指摘の点についてかなり対応ができるのではないか、こう思っておるわけでございます。

○笠委員 大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、これは何も全部報告しろというより、要するに、重大な事実があった場合ですね、寄附行為に違反する重大な事実、やはりそういうところを、やはり自主性は大事ですけれども、一方で透明性というものも大事です。
 これは、ましてや、今度、役所にとっては危機管理にもつながる問題であると私は思います。よく、後でマスコミに内部から何かリークされて記事に出て、初めてそんな重大なことが起こっていたなんて知ったと。これはまさに大臣の責任問題にも発展しかねないような事態が起こらぬとも限らない。
 そういうことで、なぜこれを義務づけることが、すべて報告しろということじゃないですよ、まさに寄附行為に違反する重大な事実ですよ。それくらいのことは所轄庁として、あるいは都道府県であれ文部科学省であれ、報告を受けることは私は当たり前のことだと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。

○河村国務大臣 御指摘の点、監事が不正なことがあったと。この場合には、理事会、評議員会または所轄の庁に報告する、こうなっております。
 私立学校の自主性を尊重するという観点から、所轄庁による関与はできるだけ抑制する方向、これは私立学校法の基本の概念にあるわけでございます。そういう点では、一義的には学校法人が自律的に改善をしなきゃいかぬ、こういうことになるんだろうと思います。
 しかし、だからといって、すべての事項について報告しなきゃいかぬというようなこと、これは何でもかんでも皆報告することになりますから、このバランス、今御指摘の点は、非常に後で大問題になるような重要な事柄ということでありますから、やはりおっしゃるように、内容によって、理事者側の方が判断をした上で、これは所轄庁に届けるべきものだということになれば、そこで判断をしていただこうということで、この法律上の考え方は、必ず所管庁に報告する義務づけではなくて、内容に応じて、いずれか、あるいは両方に報告する、こうなっておるわけでございます。
 また一方、監事は監査報告書の作成が義務づけられております。その中に外部への閲覧ということも可能になるようにしておるわけでございまして、そういう意味で、問題の内容によって、必要に応じて監査報告書の所管庁への提出もできる、また提出を求めることも可能になってくるということでございます。
 そういうことで、文部科学省としても、全くこれに対して報告を聞かないままに過ぎ去るとか、そういうことのないような仕組みにはなっておりますので、今回のこの法律改正がそういうものであるということを、今御指摘のような点については、報告すべきかどうかの判断は一義的には私学側にあるわけでありますけれども、しかし、内容によって我々のところにもきちっと届け出ていただく、この法律の精神というものをやはりきちっと周知徹底するように、成立後、各学校法人に周知徹底いたしたい、このように思います。

○笠委員 今のテーマで、もう一つ、ちょっとこだわらせてもらえば、確かに、先ほどから部長も答弁されていたように、理事会、評議員会、監事制度、これが本当に健全に機能していれば問題ないし、私は、それは、ほとんどの学校では、そういった形で今もやっているところが多いんだと思うんです。
 ただ、一方で、こういった透明性というものが守られていない、あるいは中で一部の人が私物化したようなことがあると、こういうときこそやはり文部科学省の出番、私は、これからちょっと数少なくなると思うんですけれども、そのうちの大事な出番だと思うので、やはり何かが起こったときには常に危機管理としてそうしたことを把握できる体制というものは整えておかないと、これは、そういうことを起こすところほど必ず公にしないんですね。日ごろからちゃんとオープンにしているんですよ、健全なところは。
 だから、やはりそういったところもきちんと危惧をしていかなければ、この改正をしても、結局は、それが、多分ほとんどの学校はこの改正案に沿ったようなことを、この前の慶応の安西塾長もうちはもうやっていますよと言っておられました。またそうでないところへ向けたこの改正案でもあると思いますので、しっかりとそこのところを今後とも検討していただきたいと思います。
 それでは次に、財務情報の公開についてお伺いをしたいわけでございますけれども、この四十七条第二項で、在学者その他の利害関係人からの請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなければならないとされているわけです。ちょっと説明をいただきたいんですけれども、この利害関係人というのは具体的にどういう範囲を示すんでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 今回、財務情報等の公開の請求ができる者として、法律上は「私立学校に在学する者その他の利害関係人」という規定を設けさせていただこうとしておるわけでございます。
 具体的に想定をしておりますのは、私立学校に在学しておる学生生徒及びその保護者でありますとか、具体にこの学校法人と民法上の契約関係に立つ債権者もしくは抵当権者等、そういった法律上の権利義務の関係に置かれる人たちが利害関係人に当たると一般には考えておるところでございます。

○笠委員 例えば、この財務情報の公開というものは、一つの説明責任を果たしていくということと同時に、これからいろいろな学校がたくさん競争していく中で、特に私学の場合は、ではどの学校を受験しようかなというときに、受験生の方あるいはその親御さん、そうした方々がこうしたものも、この学校が健全かどうか、これからはやはり選択の判断材料の一つになってくると思うんですけれども、こういう人は利害関係人ということにはなるんでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 私立学校を選択する段階にある学生等もしくは保護者がどの時点に至ったときに利害関係人に当たるかにつきましては、少々微妙な整理が必要かと思います。
 単にその私立学校に入学を希望するというだけではまだ、先ほど申しました具体的な権利義務関係もしくはこれに近い関係にあるとは言えないと思います。入学を希望いたしまして入学手続を進めていく、受験料、検定料を払うといった何がしかの法律上の関係を持った時点では明らかに利害関係人に当たると思いますけれども、具体にどの時点に至ったときに利害関係人に当たるかは個々のケースに即して判断をすべき事柄ではないかな、こう思っておるわけでございます。

○笠委員 この点につきましても、先般の参考人質疑の中で伊藤参考人が、もう一つ、利害関係人という問題と、正当な理由、これも密接に絡んでくると思うんですけれども、この正当な理由というのが一体何なのか、そうした点について、法律の中に明記しないまでも、例えば運用細則とか運用規則とかそうしたことで少し具体的な事例を挙げることを検討するのもいいのではないかというような御指摘をされていたんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 ただいまの利害関係人の範囲、さらに委員御指摘のございました正当な理由、閲覧を拒むことができる正当な理由の事項につきまして、具体的にはそれぞれケース・バイ・ケースで学校法人が判断することでございますけれども、何か目安が必要ではないかという意見も確かにございます。参考人の意見のやりとりの中にもあったかと思っております。
 そこで、私どもとしましては、利害関係人の範囲あるいは閲覧を拒否できる正当な事由の例等につきましては、この法律案を御承認いただきました後、成立しました後の施行通知等によって一定の目安を示すことで学校法人等を指導してまいりたいと考えておるところでございます。

○笠委員 それはひとつよろしくお願いをいたします。
 私、やはり今の情報公開の時代に、これも、この前、安西塾長、慶応のような大学、あるいは多分早稲田なんかでも、大きな大学はそうなんでしょうけれども、ほとんどの情報というものをしっかりとホームページ等に載せてもう公開しているんですね。だから、在学者その他の利害関係人からの請求があった場合にはとか、あるいは正当な理由がある場合とか、何となく今の時代から見ると、もう少し透明性を持たせて情報公開をしっかりしろというような形にした方がいいのではないかなと非常に思うんです、これは公開の仕方になるんですけれども。
 まずちょっとお聞きしたいんですけれども、先ほど私が申しましたように、例えばホームページとかあるいは広報誌、こうしたところで全面的に財務情報の公開というものをしているような学校法人というのは大体どれくらいあるんでしょうか、私学において。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 私ども、毎年、学校法人の財務の公開状況に関する調査というのを行っておりまして、最新のものは十五年十月一日現在でございますが、私どもが調査いたしましたのは文部科学大臣所轄のいわゆる大学法人でございますが、そのうち、公開が随分進んできておりまして、何らかの形で公開をしておるものが約九六%ございます。
 公開方法についても調べておりますが、そのうち、御指摘のございましたインターネットを使っていわゆるホームページ上に掲載をしておるものが、大学、短大合わせて約一八%ございます。
 全体の九六%に比べますと、この二割弱は必ずしも十分な数字ではないという見方もあるかもしれませんが、今回の財務情報公開につきましては法律上共通に義務づける最低限の内容を規定させていただきまして、この義務に加えて、より積極的な対応をとること。例えば、大学法人で既にホームページ上であらゆる情報を提供している例があるではないかというお話がございましたが、そういったところが現にございますので、そういった積極的な対応をより進めるための指導は今後とも進めていきたいと思っておりますし、法律上は私学法の精神を踏まえて最低限のものを規定する、それに加えて、より積極的な取り組みを多くの法人には期待したいという考え方を私どもは持っておるわけでございます。
 なお、大学校法人、大きな法人についての御指摘があったわけでございますが、私立学校を設置しております学校法人の実態としましては、一方に、例えば幼稚園一園しか設置をしていないごく小規模の法人もあるわけでございまして、そういった、規模も多様な、または実態も多様な学校法人の実態を踏まえながら今回の財務情報の公開についての制度調整をしましたために、先ほどの利害関係人でございますとか閲覧を拒否できる正当事由についての規定を設けさせていただいておる次第でございます。

○笠委員 今の確認なんですけれども、大学法人、その九六%というのは、これは閲覧も含めての、閲覧程度のことしかやっていないことも含めての九六%ですよね。

○加茂川政府参考人 お答えをいたします。
 今の九六%は、何がしかの形で財務情報を公開している、形態はさまざまでございまして、閲覧のものもございますし、インターネット上のものもございますし、いわゆる学内、広報誌等、さまざまなものを通じていわゆる財務公開をしているものを広くとらえたときの数字でございます。

○笠委員 ことしから国立大学が国立大学法人としてスタートをするわけですけれども、この国立大学法人の財務関係の情報の公開というものの義務づけというのはどうなっているんでしょうか。

○遠藤政府参考人 国立大学法人でございますけれども、基本的には、国からの運営費交付金ということがございますものですから、財務情報につきましては、一つには、法律上、貸借対照表、損益計算書等々の財務諸表を毎年度、事業年度ごとに作成をいたしまして、文部科学大臣の承認を受けるということが法律で決められております。さらにまた、法律におきまして、こういった財務諸表につきましては、官報に公告するとともに、事務所に備え置くことによりまして一般の閲覧に供するということにされてございます。
 また、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、これは国立大学法人にも適用されるわけでございますけれども、これらの財務諸表につきましては、インターネット上のホームページに掲載するなど、適時に、かつ国民が利用しやすい方法により提供するということが義務づけられているということでございます。

○笠委員 先ほど御指摘ありましたけれども、確かに、小さな幼稚園でありますとかそういうところは、これは負担もかかる話ですし、あるいは一部プライバシーにかかわってくるようなデータがそこから読み取れてしまうというような懸念というのもあるのかもしれません。
 けれども、今、例えば国立の方の大学が今度のこの法人化に伴ってホームページ等できちんと公開するのであれば、やはりせめて大学ぐらいはそういったもう一つ踏み込んだ指導というか、これを義務づけてもいいんじゃないかなと私は思うんですけれども、大臣、そこのあたりの、大学、大きな学校法人の情報公開、透明性、これについての大臣のお考えというもの、いかがですか。

○河村国務大臣 御指摘のように、小規模法人はかなり負担になるという話、そうすると、大規模法人、より積極的に求めたらどうであろうかという御指摘でございます。
 これは、この法案においては、閲覧の対象者の決め方とか、いろいろな、正当な理由によってはある場合には閲覧を拒むことができるというような格好にしておりますし、公開の対象となる財務書類、各学校法人便宜を図るというようになって、様式も示すというようなことになっておるわけでございまして、これはすべての学校法人に共通の義務づけということを考えておるわけでございます。
 これを小規模法人と大規模法人を分けるかどうかという問題になってくると、これはやはり大規模法人、複数の学校を持っているとか、そういうところについては積極的に判断をしていただいて情報公開を行う、これは大きく私は期待をされている部分だと思います。ただ、それをこの法律上どこでどう仕切るかという問題もありましょうし、これを一方的に法律上にどれ以上とうたうということについては、今回の法案では考えていないわけでございますが、今後、より積極的な対応がとれるようにということ、これについては最低限の義務づけということがあるわけでありますから、それにのっとって各法人に期待される部分に対して対応してもらいたい、現時点、そう考えておるわけでございます。
 さっき答弁いたしましたように、平成十五年においても、広報誌、ホームページ、広報誌ではもう七割になっておりますし、大規模学校においてはほとんどということでございます。そういうことで、これが積極的に進むように、これからさらに指導をしていきたい、このように考えております。

○笠委員 ひとつよろしくお願いをいたします。
 今、本当にさまざまな角度から、特に高等教育になってきますほど、やはり大きな法人になれば、かなりこれからは、あってはいけないんでしょうけれども、どうしても経営が行き詰まってしまうような学校法人というものもやはり出てきかねない。そういう厳しい競争の時代にもなってくるときに、学生が選ぶときに、そういった健全な経営、運営というものがなされているのかどうか、そういった判断をする基準としても、学校を選択する材料としても、この情報公開というものがやはり一番大事なことである。問題がなければ、みんなオープンにするわけですから、そんなに抵抗はないと思うんですね、本来。
 あと、同時に、私も余り詳しくないんですけれども、この財務関係の書類というのは非常に難しいですね、ぱっと数字だけ見ても。だから、やはりこれがわかりやすく、どういう学校の運営の方針があって、そしてそれに基づいてどういうお金の使われ方がしているんだ、あるいは資産を含めて、そういったところが非常にわかりやすく、見ればわかるように、それは閲覧でぱっと見ろと言われても、公認会計士さんとか、そういう人でも連れていけばぱっぱっとわかるんでしょうけれども、そういう意味で、そこをしっかりと調べてみたいな、そういう情報を得たいなと思っても、なかなか難しいという懸念もありますので、そこはぜひともしっかりとお取り組みをいただければと思います。
 そこで、今幾つかの問題を指摘させていただいてきたわけでございますけれども、ここで私も、最初、なぜ今私学か、私立の学校というものをどうやっていくのかということに、ちょっともう一度戻ってみたいんです。
 先ほどもちょっと牧委員の方からもあったんですけれども、今特区でいろいろなことを進められているというところで、NPOの法人、あるいは株式会社がなったり、先ほど大臣は、最終的には、こういうことが、いいものはどんどん全国でできればいいんだというようなことをおっしゃいました。
 私、今回のこの私立学校法の一部改正も、大きな目的でいえば、学校の自主性と同時に、いろいろな学校ができてくる、それこそ大臣がおっしゃった特色ある学校、そしてそれがまたニーズにこたえられていく、それがやはり私はこの目的だと思うんですね。
 この学校の設立をしていく自由化というものについて、ちょっと大臣のお考えを聞かせていただけるでしょうか。

○河村国務大臣 御指摘のように、特区でNPO法人、株式会社が出てまいりました。そのときにいろいろな角度から問題になったのでありますが、日本の学校のあり方、既に御案内のとおりで、学校主体というのは、国、それから地方公共団体、学校法人、この基本線があるわけですね。この基本以外の学校ということになってくるわけでありますから、基本的な認識からいえば、それによっていわゆる教育の公共性がどうやって担保できるか、それからよく言われる公共性、継続性、安定性がどういうふうに担保できるかということが、非常にこれは議論の中で問題になった点なんですね。
 それで、株式会社であれば、確かに、経済的な面はかなり期待ができる、資金集めもしやすい、しかし、今度は、公共性ということになると、これが利益を生むような形になってきて、今度の株式会社は、それはすべて還元するんだということですから、本来の株式会社からいうと株式配当じゃなくて、教育へ全部還元させようという意見が出たというものですから、これは新しい形の株式会社ではないかと申しました。
 そして同時に、私学助成という問題が一方ではある。これが、NPO法人の場合にも、今の法律からいうと、今の学校主体でないところに私学助成ということは法律上非常に問題があるということもあって、この辺が非常に問題になったものですから、むしろNPO法人は、学校設立の条件を緩和する、財源的な問題は緩和するので、まず学校法人をお考えになったらどうですかという指導もした例がございます。そのとおりに今やっていただいておる部分もございます。
 そのこともあって、特区でやる場合にどうあったらいいのかということを考えておりますけれども、しかし、この基本線に沿ってやれるところについて、そして、生徒、そこで学ぶ人たちにとってこれまで以上の教育が本当に行われるんだということが実証できれば、これはむしろ、本来の学校法人、私学でいえば学校法人側もそれを大いに参考にされたらいいんだということになっていくでしょうということもあって、今回、特区で株式会社等の取り組みをされているわけですから。
 私は、そういう意味では、教育においていろいろな選択肢がある、そういう方向ということを何も避ける必要は全くないので、いろいろな取り組みをしていただく中で、本当に学生生徒にとって大いに成果が上がるものである、教育効果があるものであるということができれば、これは、今おっしゃるように、全国に広めていったらいい。学校法人側も、見習うべきこと、それで大いに啓発を受ける部分があればそれを取り入れられたらいい、それは本来の学校法人のあり方を変えていかなきゃいけない問題にもなってくるかもしれない、そのぐらいの受けとめ方で、今回のNPO法人、特区法人も我々受けとめておるわけでございます。
 しかし、公教育、教育の成果、そういうものをやはり見させてくださいという点だけは強調しているというのが現状であります。

○笠委員 学校を設立するというときに、形態として、確かに株式会社、NPO、そういうのもあるんでしょうけれども、あと、要件としてなかなか、小回りのきくというか、例えば、今やはりみんな塾に行ったり、あるいは昔の寺子屋、そうしたようなところに非常にいい教育がされる場合もあるわけですね。そうしたら、私は、特にこういう私立の場合は、例えば、広い校舎もないけれども、駅前で、駅から歩いて一分ぐらいのところに、各学年十人ぐらいの、本当にきめの細かい教育をするような学校というものの設立が法人として認められてもいいんじゃないか。むしろ法人格を与えてもいいんじゃないか。今、もちろんできないんでしょうけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○河村国務大臣 基本的には、そうすると、いわゆる塾でもやれる、こういうことになっていくわけですね。
 こういう考え方をどういうふうにこれから取り入れていくかということは、やはり教育の基本線に立ち返って、まずは考えなきゃいかぬだろう教育の機会均等ということを考えれば、そこにおける教育費はどうなのかとかですね。しかし、現実には、今、学校不適応児等に対してはNPO等でそういう対応もしておられるわけです。
 しかし、単なる学力だけをつける、入試に強いためだけの学校というもの、それでいいのか。やはり学校の教育の中には、人格の完成という教育基本法に基づいた大きな一つの基本、バックボーンがあるわけですね、日本の教育の。こういうことも踏まえて学校というものを考えていかなきゃなりませんから、それなりのやはり設備もあり、そういうことが公教育ということになれば必要ではないかという観点がございますので、ただ教室でとにかく授業が受けられればそれでいいんだというわけにはいかない部分がそういうところに出てくるだろうと思います。
 しかし、できるだけ、今の既成概念だけでは、公教育は現実にいろいろな問題を起こしていますから、それをやはり受けとめながら、どう学校が開かれて、どうあったらいいかということは、これからも絶えず真剣に取り組まなきゃいけない課題だと思いますね。
 ただ、基本線はやはり学校教育法という法律に基づいた、教育基本法という根幹がありますから、それからずっと敷衍しながら教育というものを考えていく、これはやはり教育センターである文部科学省としてはそのような概念というのは持たなきゃいかぬ、こうは思っております。しかし、いろいろな皆さんの希望、要求、そういうものにどう対応するかということも絶えず文部科学省側も考えていく、そういうことでなければいけないというふうに思っています。

○笠委員 時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、最後に、私は、今やはりとにかく、最初に申し上げました義務教育における公立、川崎、私選挙区にしておりますけれども、問題が起きるのはほとんど公立です。だからこそ、私自身は私立に、私学に非常に期待をし、またそこに引っ張られるように公立の学校というものが、それこそ、内容を含めてしっかりと、これから多分、今の大臣のお言葉では、規制緩和も含めて、そこもしっかりやって取り組まれるということでしょうから、教育の中身で切磋琢磨をするような教育、ぜひそういう時代にしていただきたい、そしてまたそういうふうにしていかなければいけない、そのことを一言申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。