笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
159-衆-文部科学委員会-25号 平成16年06月02日
○笠委員 大臣、どうもお疲れさまでございます。よろしくお願いいたします。
 先ほど高井委員からも言及がありましたけれども、昨日の長崎、佐世保で起きました事件、大変これはゆゆしきこと、本当に耳を疑うような事件でございました。当然ながら、大臣の方も文科省の方で、この原因あるいは背景、どういったことなのか、これから十分な調査をなされることだとは思いますけれども、また、そういったことがすべて把握できた折には、ぜひ当委員会にも報告をしていただき、また委員長にも、ぜひこの問題、いずれ機会を見て議論をさせていただきたく、お願いを申し上げたいと思います。
 ところで、この著作権法の改正についての質問に入らせていただくわけでございますけれども、昨日の参考人質疑、あるいは先週来、いろいろな問題点は明らかになってきています。
 私はその中で非常に思うのは、今回のアジアからの邦楽の還流防止、この法案の趣旨というかそのことについては、多くの議員が理解をしていると思いますし、そこに反対をしているものではないと思うんです。
 ただ、やはり一点だけ、今同僚の高井議員からも指摘がありました、数々、先週の金曜日の質疑でも明らかになりましたけれども、果たして洋楽、洋盤の並行輸入というものが、この法律を逆手にとってというか、今そういうことは想像できないとか、あるいは可能性ないと言われても、やはりこの法案を素直に読む限りはその可能性が否定できないというところに、多くの音楽ファンあるいは消費者、こういう方々が不安の声を上げられているわけです。これは、審議をやればこうした声がおさまっていくというのが普通なんでしょうけれども、私のところにもメールがどんどん、この審議が始まってからやはりふえまして、何とかしてくれという悲鳴にも近いようなメールが、恐らくはいろいろな議員のところにも行っているんだと思います。
 こういう状況になったこと、今こういう不安の声が全くとどまらない、ますますふえている、そういう状況になっていることについて、大臣、この法案を提出される、あるいはその前の準備をされる段階で、こうした事態を予測されていたでしょうか。

○河村国務大臣 この輸入権の問題といいますか、狭い意味じゃなくて、広く言えば輸入権、そういう問題について、また著作権という問題は、先ほど高井先生が岡本さんの著書をお読みになったように、私権の問題、それからこの著作権のような問題は必ず相反的な問題がある、これをやはり調整しながらいかなきゃいかぬということ、この御指摘はまさにそうだと思います。
 そういうことからいえば、この法案については、まさに特別に、中国やアジアに対してこうやり、ヨーロッパについてはこうするという差別的な待遇はできないんだという法の精神がございます。これはもう国際条約、世界の共通の概念に立っていますから。その上で、やはりそういう問題があるということは十分考慮しなきゃいかぬ、配慮をしなきゃいかぬということを踏まえての今回の法案の提出であります。
 そういう声が、御懸念があるということについては、これまで十分議論をしてきたといいますか、委員会等々でもいろいろ議論されて、確かに、これまでの議論の中では、消費者の代表が最初からきちっとしたあれになっていなかったじゃないかというような御指摘もありました。しかし、消費者の意見を決して聞かなかったということではない。消費者の皆さんも、あの委員会のメンバーを見てもおられるわけであります。いろいろな意見を踏まえて、合意の上に、こういう法案は、ある程度の合意的な全体の流れというものができないとできないということで進んできておりますから。私は、そういう意味で、意見をあらゆる方面から聞いてやってきたということであります。
 皆さんがまだ御疑念を持って心配をしておられるということ、これは、この議論を通しても、さらに払拭する努力はしなきゃいかぬ、こう思っております。

○笠委員 大臣、今大臣は、いろいろなあらゆる方面の意見を聞いてきたと。こういう私的な権利、そして当然ながらこの権利を受ける側、あるいは消費者、その利害によってまた対立するということも、これは当たり前のことだと思います。だからこそ、その合意形成が大事なんだということを今大臣おっしゃったんですけれども、私ももちろんそのとおりだと思うんですよ。
 ただ、残念ながら、今回のこの法案提出に至る過程において、大臣にどういう報告をされていたのかわかりませんけれども、文化庁がやってきたやり方というのは本当に、これは業界団体の声は非常に聞いていると思いますよ。けれども、一方の消費者の声を果たしてどこまで聞いていたのかということについて、私は非常に疑問が残るわけでございます。だからこそ、今消費者サイド、若者たちも含めた音楽ファンが怒っているんですよ、突然のように聞かされて、これは大変なことだと。説明責任もなされていなかった。
 私は、その点について、まず具体的にちょっと幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。実は五月六日に、私、川内議員とともに提出者として、文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書を出させていただきました。その中で、まず第一点、この閣議決定された答弁書もいただいておりますけれども、ちょっと納得のいかない部分が幾つかございますので、まず確認をさせていただきたいと思います。
 この文化審議会著作権分科会、これ自体、全体で消費者団体選出の専門委員が二名選出されているんですね、わずか二名。そして、この小委員会に関してはいないんですよ。専門委員が配置されていないんです。そのことについて、いただいた答弁書では「法制問題小委員会の目的に照らしてふさわしい構成であったと考えている。」と。これは、先ほど大臣もおっしゃったように、著作権にかかわるような問題ですから当然ですよ。二十名いるんですよ、全部で二十名。消費者団体の方もここに入ってもらって、なぜ議論をされなかったんですか、文化庁。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年の文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会につきましては、著作権の研究や法務を専門とする方、それから放送、出版、映画、音楽など幅広い分野におきまして、著作物の権利者及び利用者の立場で実務に携わっている方、このような方々に委員として加わっていただいたものであるわけでございます。
 具体的な小委員会の委員の分属につきましては、分科会長の権限で分属をしたということでございますけれども、著作権法制のあり方について総合的な観点から審議するという目的に照らしてその分属が行われたものと承知しているところでございます。

○笠委員 ちょっとお伺いします。この最終的な委員を決定する権限というものは、これはだれにあるんですか。

○素川政府参考人 委員の発令につきましては、文部科学大臣でございます。分科会の分属につきましても大臣でございます。ただ、小委員会の分属につきましては、分科会の規則によりまして、分科会長が行うというふうに定められているところでございます。

○笠委員 ということは、最終的には、分科会を含めてやはり大臣が、例えば上がってくるでしょう、実際にどういう方を選ぶというのはその中で決めてもらって。大臣、それに目を通されましたか。

○河村国務大臣 今回の著作権分科会の委員の任期は、平成十五年の三月二十八日から平成十六年の二月四日、こうなっておりました。私は当時副大臣でありまして、大臣の決裁の前に目を通させていただいて、一人一人の説明を伺って、こういう問題について客観的な意見が述べられる人、特にマスコミの関係者も入っておられるとか、そういうことは私は確認をして大臣の方に上げた、このような記憶がございます。
 それから分科会の小委員会の方になりますと、これは分科会長がお決めになることでありまして、あとはこういうメンバーが小委員としてありますということですから、決裁の対象にはなっておりませんが、それも私は目を通した覚えはあります。

○笠委員 大臣、では、その分科会の方、消費者団体二名ですね。これは余りにもバランス的に、先ほど大臣が、こういう著作権というまさに私的な権利、これはまた相反する、こういういろいろ権限、権利のぶつかり合いがある、当然利害が反する、そういうことだからやはり調整が大事なんだ、合意が大事なんだということを大臣がおっしゃったから、大臣、副大臣当時、もう少し消費者サイドも、権利者ばかりじゃなくて、入れた方がいいんだということを全くお感じにならなかったでしょうか。

○河村国務大臣 私はこれを見て、それが足らないのではないかという指摘はしていませんが、全体を見たときに、学者の皆さんであるとか、それからマスコミの方も入っておられるし、こういう広範な議論がここでできるのではないか、こう思いました。いわゆる音楽ファンとかなんとかそういう方々が入っている、そういう思いは残念ながらこの時点では、私はそこまで思いは至らなかったのでありますが、このメンバーで、広範な方々が入っておられるという認識を持った、そういうことであります。

○笠委員 まあそれは仕方ないでしょうね、恐らくそういういろいろな仕事がある中で。ちゃんと文化庁に任せているわけだから、ある程度きちんと常識を持った対応をしてくるだろうということを信じるところからしか仕事は始まりませんので。
 しかし、ちょっと文化庁、これはひどいですよ。この私の質問主意書にも出しているんですけれども、消費者団体が小委員会、先ほど、会長に権限があると。そこに文化庁の意向がなく仮に会長がすべてを決めたとしましょう。けれども、途中の段階で、消費者団体から、ぜひこの小委員会に入れてほしいという要望が文化庁の事務局に対してあったでしょう。なぜ配慮しないんですか。そのことをお答えください。

○素川政府参考人 この還流防止問題につきまして、消費者団体の方から、文化庁の事務局といいますか、文化審議会の事務局をやっている文化庁の方に、関係者間協議という形で入りたい、入るべきだと思うというふうに意見表明されたのは、昨年の十月末か十一月の初めのころであったかと存じております。
 なお、その段階におきまして、既にもう日本経済団体連合会と日本レコード協会、それから著作者団体の間での合意を踏まえまして審議会の議論のテーブルにのっていたということから、消費者団体代表者の方に法制問題小委員会に加わっていただきまして議論を進めたということでございます。オブザーバーとして加わっていただきまして議論を進めたということでございます。

○笠委員 レコード協会と経団連だけでいいんですか。要するに、これは一人もいないじゃないですか、委員に。
 文化庁としては、逆にその消費者団体、先ほど大臣もおっしゃっているじゃないですか、きちっと両方の立場の意見をいろいろ出してもらって合意形成が大事なんだと。あなた、そのことを認識していますか。

○素川政府参考人 議論の、審議の展開におきましては、幅広く御意見を伺うということが必要であるというふうに理解しておるところでございます。

○笠委員 幅広く伺いましたか。答えてください。

○素川政府参考人 昨年十月末に、著作権分科会所属の消費者団体の選出の委員からの表明というものを受けまして、十一月以降、先ほど申しましたけれども、その委員に協力を依頼し、オブザーバーとして法制問題小委員会に加わっていただき、御意見をいただいたということでございます。

○笠委員 オブザーバーじゃなくていいじゃないですか。なぜオブザーバーなのか。私、ちょっともう一度聞きますよ。
 この「法制問題小委員会の目的に照らしてふさわしい構成」、目的というのは、これは何ですか。わかりやすく端的にお答えください。

○素川政府参考人 法制小委員会の目的は、著作権制度のあり方について総合的な観点から審議をするということでございます。

○笠委員 総合的な観点から審議をするんでしょう。権利者サイドに立っただけの審議じゃないですね。
 だから、私はなぜ、別に半々にしろとかいうことを言っているんじゃないんですよ。なぜ消費者団体の方を、いいじゃないですか、一名でも二名でもきちっと入れて。では、それは会長がそういうふうなことは全く頭になかった、会長の一存で決めたことだ、文化庁としては相知らない、そういうことでよろしいんですか。

○素川政府参考人 小委員会の委員の分属は、通常、年度当初に決めるわけでございますけれども、年の初めに決めるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、小委員会の議論、それを踏まえての分科会の議論、こういう流れで全体の意見を集約していくわけでございます。
 いずれにいたしましても、小委員会の中で、年度の途中ではございましたけれども、オブザーバーとして加わっていただきまして、意見をちょうだいし、全体の議論の中に反映するように審議が、運営が行われたものと理解しているところでございます。

○笠委員 私の質問に答えてください。私が聞いているのは、会長の一存で全部メンバーを決めて文化庁は関与していないのか、それとも文化庁が、ではもう一回聞き直しますよ、メンバー選出に、会長と相談して、文化庁の意向も働いているんじゃないですか。いかがですか。

○素川政府参考人 制度上は、規則上は、分科会長が分属を決めるという権限でございます。その過程におきまして、いろんな情報というか、そういうものにつきましての意見というものは会長に差し上げることは一般的にはあるわけでございますけれども、権限といたしましては、分科会長がその分属を決めるというふうになっているところでございます。

○笠委員 一般的なことを聞いているんじゃないんです。今回のことを聞いているんです。しっかり答えなさい。

○素川政府参考人 今回の件につきましても同様でございます。

○笠委員 最初からちゃんと答えてくださいよ。先週の金曜日のあなたの答弁を聞いていましても、何か知らないけれども、何を言っているのかわからないような答弁、それが今まさに不信感を与えているんですよ。だから、審議をすればするほど、例えば、大臣が答弁をする、そのことについても心構えと言ってみたり、附帯決議なんかについてもですよ。もっとしっかりとした答弁をしていただかないと、ますます、またこの委員会を中継で見ている消費者、音楽ファンは、どういうことだ、こんな人たちに決められたらたまらない、そのように思いますよ。いいですか。以後、責任を持って答弁していただきます。
 それで、私、これだけの著作権というまさに大事な問題じゃないですか。これはもちろん関係団体から、いろいろなところから意見を聞くことも大事でしょう。同時に、やはり国民の声を広く吸い上げていくということも私は大事だと思っているんですけれども、大臣、そのことはいかがですか。

○河村国務大臣 おっしゃるとおり、こういう審議会、特に利益相反するようなケースについては、特にしっかりそういうことは広い範囲の声を聞く、これは当然のことだと思います。

○笠委員 大臣もそうおっしゃっています。
 実は、これも私の質問主意書の方で聞かせていただいているわけですけれども、本来、こういう議事は極力オープンであるべきなんですよ。そういう審議会、たくさんありますよ。しかし、これが極めて閉鎖的な、情報公開が非常におくれた形で行われてきているんです。
 例えば、この議事の傍聴についても、一般傍聴に対しては、例えば抽せんとかいろいろなやり方がありますよ、だれでも聞けるというわけじゃないでしょう。けれども、これをやっているところは多いんです。にもかかわらず、これはだめだと。そして、その理由をただしたら、「会場の確保が困難であるため、」なんという回答をよこしているんですよ。そんなものはとればいいじゃないですか、会場なんというものは。その点について、文化庁、お答えください。

○素川政府参考人 著作権分科会の運営に当たりましては、会期の当初に分科会長が分科会に諮って、その公開のあり方ということを定めるということになっているところでございます。その中で、今御指摘のような会議の公開につきまして、報道者に限り、現在認めているところでございます。
 その理由につきましては、先生御指摘のように、答弁書の中では「一般傍聴に対して十分に対応できるだけの会場の確保が困難であるため、」というような理由を挙げさせていただいたところでございます。

○笠委員 驚きますよね。要するに、私が言っているのは、例えば文化庁の方で、この著作権の審議、これはいろいろな意見が出てくるだろう、当然それぐらいのことはわかっていると思いますよ。やはりいろいろな議論が出てくるのが当たり前だし、いろいろ広く意見も聞かないといけないから、なるべくオープンに、そして透明な形できちっと審議をしていただきたいというような気持ちはなかったんですか。

○素川政府参考人 基本的には、審議会につきましては原則公開をするということが著作権分科会のみならず文化審議会全体の方針として定めておるわけでございます。しかしながら、分科会の実際の会議の公開の手続その他の必要な事項につきましては、毎年度、分科会に諮って定めているわけでございます。
 いろいろな制約条件というものもあったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今後、著作権分科会の開催に当たりましては、原則公開をさらに進める方向で検討してまいりたいと考えております。

○笠委員 そんなことは当たり前なんですよ。原則じゃなくて、当たり前なんですよ。いろいろな事情というのは会場の都合だけでしょう。こういうところが、まさに文化庁がひょっとしたらレコード協会なんかと結託して最初からこういう方向性でやろうと決めて、なるべく都合の悪いことは表に出したくない、そういうふうに受け取られても仕方がない大きな要因の一つになっているんですよ。大臣、その点についていかがでしょうか。

○河村国務大臣 もとより今回のケースについては、消費者側のことについても配慮しろというのは最初から言われておったことでもありますから、私はその点は配慮して今日やってきたと思いますし、文部科学省におきましても、一番大きな中央教育審議会についてもオープンにする。
 最近は、私が一番思ったのは、やはりマスコミの方はみんな入っておられるんですね。そこで公正に、いろいろな形で議論を踏まえて報道していただくこと、これはやはり私は非常に一番だと思うんですよ。これは一つは大きいと思っています。
 というのは、それはいろいろな、余り反対とか賛成とかというケースがあるとあれですけれども、あくまでもこれは阻止しなきゃいかぬ、いや、これはやらなきゃいけないという立場でそこへ入ってこられると、そこでやじが起きるとかなんとかというようなことでもあると、これは委員の皆さんが公正な審議ができないということもあるんですね。そういう例もなきにしもあらず。
 だから、そういうことも考えながらオープンにしていかなきゃいかぬ、当然そうですから、まず一義的にマスコミの方がオープンに入っておられるということは非常に私は大きいなと思って、これは随分昔と変わったなという思いをまず抱きました。
 しかし、おっしゃるように、利益相反に関するものについてはできるだけオープンにしていくということ、これは大事なことでありますから、今後、そういう御懸念が抱かれないような方向でこれからもオープンにしていく、これはしっかり私も検討していきたい、こういうふうに思います。

○笠委員 今大臣おっしゃったように、マスコミが入って、これが公正に報道していくということが一番いいでしょうね。
 ただ、この委員会自体、先ほど申し上げましたように、メンバーがまず偏っているんですよ。メンバーもきちっと、そういう消費者の意見も代弁できるような人も一人でも二人でも入った形で行われて、そこでいろいろな立場からの意見があるんだなということでこの小委員会が運営をされていれば私はそれでもいいと思うんですけれども、そのメンバー自体がどうも、どこでどう決まったか、何か文化庁の関与が否定し切れない。先ほどもおっしゃっていました、関与したんでしょう。
 そこに意図があったかどうかはわかりません。けれども、さらには、この閉鎖的な、ほかの審議会に比べれば非常にこれは私は閉鎖的と指摘をせざるを得ないような運営がなぜ今回されているのかということが、さまざまな疑問を生み出しているわけです。
 そのことを、本来であればやはり大臣が指導をし、ただ、大臣も、いろいろな諮問機関だ何だ、審議会だ抱えている中で、恐らくは文化庁からの報告をその都度その都度受けて、なるほどな、そうかというようなことだったとは思うんですけれども、余りにもこれはちょっとひどいとしか、私は、先週の質疑を聞いていても思いましたし、調べれば調べるほど、これは大事な法改正の割には本当にお粗末な過程だな、どうしてもそういうふうな指摘をせざるを得ないんです。
 もう一つこの点についてお伺いをしますけれども、文化庁の著作権課は、制度改正の前提として関係者間の協議、合意というものを求めて、「各分野における検討事項例」と題する文書を出席者に配付しているわけでございますけれども、この関係者の中に、一般消費者などを代表する立場の消費者団体、これが記載されていないんですね。
 このことについてただしたところ、この文書で「関係者として位置付けているのは、基本的に、関係する権利を業として取り扱う者であって、制度改正を要望する団体等及び当該制度改正に反対する権利者又は事業者の団体である。」という答えをいただきました。けれども、この当該制度の改正に反対する権利者の中に消費者、この団体というのは入っていないんですね。この点についてお答えをいただけますか。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。
 関係者間協議といいますのは、その課題ごとに当然異なってくるわけでございます。それにつきましては、一般的な考え方というのは今先生お話しになったとおりでございます。
 それで、では具体的に個別のケースにつきましてどことどこが関係者という形で、これは広い意味の関係者ということではない、一般的な関係者ということではなくて、個別のテーマにつきまして、著作権分科会で議論するその前に集中的に御議論いただくという意味での関係者ということでございますけれども、それにつきましては、具体的に賛成、反対の意見を個別に表明して、集中的にその問題について協議し合っているという実態、実績というものを踏まえて、私どもは個別のテーマについての関係者というふうに整理させていただいているところでございます。

○笠委員 いや、私が言っているのは、何で事業者だけに限定するのかということをお伺いしているんです。

○素川政府参考人 これは、過去の経緯もあると思いますけれども、個別のテーマにつきまして、消費者団体の方で反対もしくは賛成の立場もございましょう。そういうことで関係者協議に入るということで行われてきたという実態もしくは実績というものがなかったためと思うわけでございますが、今後につきまして、関係者間協議というものにつきまして、その内容によりまして、消費者団体の方がそういう形で入ってこられるということは十分にあるものと考えているところでございます。

○笠委員 今、私は、四つの点からこの小委員会あるいはこの分科会のあり方についてお伺いしたんですけれども、すべて今後は、今後は、今後は、今後は直しますと。何ですか。では、今までやはりこの運び方、運営が、審議の仕方がおかしかった、それをまさに認めたことになるじゃないですか。法案はきょうにも採決されようとしているんですよ。どういうことですか、それは。一番大事なこの法案の準備をどうするかということで意見を聞いているときに、そして、一つ一つ、今後改めます、今後改めます、そんなふざけた態度で、文化庁、ちゃんとこれは理解を得ることはできませんよ。
 それで、この問題は本当に注目されているので、いろいろな情報なりなんなり来る中で、ちょっとこれは一つ確認をしておかなければいけないなということで昨晩通告をさせていただいておりますけれども、四月二十四日の土曜日に歌手の浜崎あゆみさんのコンサートが代々木第一体育館で行われたんです。そのコンサートのVIP席というかVIP枠というんでしょうか、ここに文化庁の方あるいは家族などの関係者の方が何人か参加をされているという事実があるでしょうか。

○素川政府参考人 そのような事実はございます。

○笠委員 ちょっともう一回はっきり言ってください。

○素川政府参考人 もう少し詳しくお答えいたしましょうか。
 この出席いたしました者によりますと、三月の下旬にエイベックスの事務局を通じ依田会長から、四月の二十四日に代々木第一体育館で開催される浜崎あゆみのコンサート、これにつきまして、非常に完成度の高いライブである、また若者に人気のあるコンサートであるということで、その現状を理解するために見てほしいというような連絡が入ったというふうに聞いております。
 我が国のミュージシャンの公演を見ることは文化庁の業務遂行の上からも意義のあることということで、文化庁からは、知的財産戦略本部の次長を兼務しております官房審議官と芸術文化を担当しています課長の合計二名がそのコンサートに出席したわけでございます。
 ただ、これにつきましては、招待ということではなく、自己負担の参加であったということでございます。

○笠委員 これは、お金を払った、払っていないじゃない。浜崎あゆみのコンサートなんというのは若者はチケットとれないんですよ。それを、私は別に、文化庁の方が例えば自分で一生懸命朝から起きて電話して、いやとれたよ、家族で行こう、それはいいですよ。しかし、招待はないにしても、そういう便宜を図って、レコード会社がいろいろな関連の人たちを招く、コンサート会場にはVIPの席というのはあるんです。よく知っているんです、私もテレビ局で昔営業をやっていたから。
 そうなんだけれども、これは、エイベックスの会長でしょう、依田さんでしょう、レコード協会の会長じゃないですか。しかも、四月二十四日ですよ。参議院でまさにこの法案が通過した直後じゃないですか。例えばそういう話があったとしても、それは別に文化庁がおねだりしたわけじゃないでしょう、それはやはりこういうときに不謹慎だ、どう思われるかわからない。普通はとれないんですから。それが私は常識というものじゃないかと思うんですけれども、大臣、ちょっとどうですか、この事実。

○河村国務大臣 私は、このコンサートがあったこともお話も全然聞いておりませんから、恐らく文化庁に対していろいろありますね、ぜひ見てほしい、自分たちのPRとかいろいろなことも考えて、そういうことはあるんだろうと思います。
 しかし、それは、自分のお金でちゃんと行く、これは当然のことでありますから、これはそのときそのときの判断でやってもらいませんと。
 この法案とこれを結びつけて考える、まあ、たまたまエイベックスだったからということがあるかもわかりませんが、現実を知ってほしいということはよくあります。我々に対しても、スポーツ競技や何かで、そのスポーツ競技そのものよりも、むしろ事前の、若者がわあっとやっている、あの中のエンターテインメント、これをまず見てほしいというようなことがあります。実態を知っておいてもらいたい、これだけ今人気があるんだ、若い人たちに人気があるんだということを知ってもらいたい、勝敗よりもそっちの方が大事ですよと言われたようなこともありますから、そういうもろもろを考えて出席したんだと思いますが、そういう御指摘、それは、ちょうどかかっている、レコード協会がそれを意図してやったんだというふうにそれを勘ぐられるとそういう話になってしまうのでありましょうが、文化全体をいろいろ理解する上では、いろいろなそういうところへ行って実態を知っていくということも大事だ、私はそう思っています。

○笠委員 大臣、私がお伺いしているのは、日ごろはそれでいいんですよ。ただ、今回こういうタイミングで、しかも一方の権利者の、しかもレコード協会と文化庁が何かずぶずぶで結託をしてやっているんじゃないかという批判がいろいろたくさん届いている時期に。わかっているはずですよ、当然そういう声。だから、私は、このタイミングでこういう形で行くというのはやはり自覚に欠ける、適切か不適切かというと不適切だったんじゃないかと思うんですけれども、今回の件ですよ、いかがですか。

○河村国務大臣 この法案がかかっておった、まあ、これは何というんですかね、利益だけを求めて業界というよりも、この法案というのはやはり著作権者の立場を考えておるのでありまして、業界のためだけにある、私はそう最初から考えておりませんでした。もちろん総合的に考えなきゃいけないのでありますけれども、そういうことも含めて、著作権者の問題、もちろん製作者の問題、いろいろそれはありますけれども、やはり著作権法の改正というのはそういうところに大きな視点があるというふうに考えておりましたから、後からそう言われてみれば、それはそういう疑念を招くようなことというのは、よくよく今からも考えていかなきゃいけない。やはりそういう疑念を招かないように、李下に冠を正さずといいますが、そういう姿勢というのは大事なことだなと、今御指摘を受けながら思いました。

○笠委員 まさにこれは隣接権者ですからね。私がなぜそう言っているかというと、いいでしょう、いろいろな立場の方、もちろん役所の方、おつき合いしないといけませんよ、実態も見ないといけない、でも、余りにも偏り過ぎているんじゃないですか。
 では、そういうふうなことでいろいろなそういうものがあるんであれば、例えばこの間ずっと、この何カ月か、音楽ファンの人たちがいろいろな集会をやったり、いろいろなイベントをやったり、反対の声を上げるような催しを各地でやっていますよ。文化庁、一度たりともそういうところに、あなたは、顔を出そうと思った、あるいは見てみよう、直接の声を聞いてみよう、こういう人たちと直接に語り合ってみよう、そういうふうなことを思って行動されたことがありますか。

○素川政府参考人 この還流防止措置問題につきまして、いろいろな関係者の団体等々の協議とかということでいろいろな局面というものがあったわけでございます。残念ながら、そちらにつきましては、担当の課長等が直接その会議の場に出て説明をし、お話を伺ってきたということはあったわけでございますけれども、私がその会議の場に直接行ったということはございません。

○笠委員 私、別に、最初からセットしてやる会議とかということじゃないんですよ。常日ごろ、これは何も個人的に言っているんじゃないですよ、ただ、文化庁の役人の方々が、一方でこういうレコード協会の業界の方たちともつき合っていく、大事なことですよ。でも、そうであれば、やはりこれだけの問題になって、いろいろな、多くのメールが恐らく大臣のところにも来ているでしょう。そして、さまざま若者たちが自分たちでいろいろな集会をやったりしているんですよ。そんなもの、幾つでも報道されていますよ。そしてまた、インターネットを開けば、どれだけでも出てきますよ。そういうところにやはり足を運んでいこうとか。役所の中にいて、小委員会で会議して、それをこつこつまとめ上げて、大臣、こうこうこうですと言うだけじゃないでしょう。やはり、いろいろな生の声も含めて上げるのが、あなた方文化庁の仕事じゃないですか、両方の立場の。私はそのことを言っているんです。いかがですか。

○素川政府参考人 何事によらず、多くの方の意見を聞くということは大事だということで、心に留意しながら行政を進めてまいりたいと存じております。

○笠委員 もう本当に、ちょっとあきれちゃうんですけれども。まあ、きょう、次長は代表してここに出てきているんで、大変、私も次長に対して厳しく言っているんです。
 例えば、先ほどのコンサートの件なんか一つとっても、要は、これはまず、大臣のどうこうよりも、文化庁として、次長はやはり現場の責任者として、やはり危機管理の問題なんですよ。そういうふうなことがあれば、当然次長、行かれる以前に、行かれた二人の方からは、こういうのがあるんだけれどもちょっと出席してくるということは聞いていたんですね。

○素川政府参考人 文化庁におきましては、立場上、いろいろな公演を見る機会といいますか、行政の職務の関係でも機会が多いわけでございます。そういう情報提供も多いわけでございます。
 この具体的なコンサートの件については、それを承知しておりませんでした。すべてを、部下のコンサート、公演の視察等々について、事前に上がってくるということには必ずしもなっていないわけでございます。

○笠委員 いや、それは、システムとしてそうしろということを言っているんじゃなくて、やはり行かれた方が、それなりの当事者ですよね、肩書的にも。若い人がぽんと行ったという話じゃない。であるならば、やはりどなたか一人ぐらいが危機管理の、やはりこういう時期にまずいかなと気づけば自重もされていただろうし、恐らくは相談もあったんじゃないか、これは、この点だけを指摘しておきます。
 それで、ちょっと時間もあと残り少なくなってきたんですけれども、大臣、やはり私、最初の話に戻らせていただくんですけれども、何も私も、この法案自体がどうこうというのは、これは賛成ですよ。ただ、今参議院では附帯決議がつきましたね。これをやはり法律に、しっかりと法律で担保しようと。だから、附則ということでいいじゃないですか。先ほど大臣おっしゃって、私人の権利にかかわる法律について附則はなじまないじゃないかと。それは、たまたま前例がないというだけの話でしょう。附則としてつけていいじゃないですか。
 これだけの消費者の人たちが、音楽ファンが、要はやはり安心したいんですよ、一〇〇%大丈夫なんだと。それだけの話じゃないですか。先ほどの法律的にどうこうという話じゃなくて、こういう思いにこたえようという気持ち、今回、法案成立を目の前にして、大臣、そのことを大臣として何とか、やはり指導力を発揮していただき、この場で、いいじゃないかという表明をしていただけませんか。

○河村国務大臣 この法案を提出するに当たって、あらゆる角度から検討を加えたものでありまして、前例あるなし、それは前例がないということは、やはり私権にかかわるものをそういう形で法律化するということに対しては、これは検討しなかったわけじゃないのでありまして、内閣法制局の意向も踏まえて法案をつくっていくというこの手順を踏んでこうなってきておるわけであります。
 したがって、その御懸念については、これは政府としても今後の問題をきちっと対応していかなきゃいかぬ、そのことはもう明確にしていかなきゃならぬ、こう思っております。
 これからも、この問題については絶えず、こういう御指摘があったことを踏まえて対応していくということを確約させていただいて、この法案を、まず還流を阻止するということ、それから貸与権の問題、これも非常に強い要請のあったところでもありますし、問題になっている箇所でありますから、このことをし、次なるそうした懸念についてはきちっとした対応をさせていただくということを申し上げてきているわけであります。

○笠委員 時間が参りましたので終わりますけれども、大臣、最後に、今回のこの一連で本当に多くの、恐らく余り投票に日ごろは行かないような若者たちが、初めて今回の法律で政治に対して今関心を持って、当委員会も見詰めているという状況もございます。やはり彼らにとっては、これは初めての政治に対する接点かもしれません。
 そうしたこともきちっと頭に入れていただいて、参議院段階では確かに附帯決議で、我が党も含めて賛成をいたしました。けれども、先週金曜日の質疑、きょうの質疑でも、いかにこの過程に問題があったか、いろいろな準備がまだ不足しているのか、あるいはなかなか不安というものをぬぐい去れない、こういったものが次から次へと明らかになってきているので、まだ午後の質疑、この後の質疑ありますけれども、ぜひ大臣、附則でお願いを改めて申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。