笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
161-衆-文部科学委員会-5号 平成16年12月01日
○笠委員 大臣におかれましては、またきょう委員会ということで御出席をいただき、ありがとうございます。
 私、きょうは、さきの通常国会で成立をした中でも最も重要な、そして、教育の根本を変えていくんじゃないか、あるいは公立学校というものを新しく生まれ変わらせていくためのコミュニティ・スクール法に基づく開校、来年の四月からこれが開校できることになったわけでございますけれども、そのことと、もう一つは、領土、領海などについて、今の義務教育でどう教えるべきかというようなことを中心に議論をさせていただきたいと思うんです。
 ただ、それに先立ちまして、先般私は十月に、文科省所管の世界青少年交流協会が補助金を不正に受給した問題について、この場におきまして、文科省の役人が、職員が接待を受けていたというようなことで、この実態をきちんと、そのときにも御答弁をいただきましたけれども、事実関係についてしっかりと今事情聴取をしているということでございましたけれども、いまだその結果が当委員会に対して示されておりません。そこのところの状況などについてまず最初に、冒頭お伺いをしたいと思います。

○白川政府参考人 お答え申し上げます。
 先生の御指摘の点につきましては、現在、私ども、人事院の方に設置をされております国家公務員倫理審査委員会、こちらの方と御相談申し上げながら調査を進めておるところでございます。前回にも御答弁したところでございますけれども、調査の結果、国家公務員倫理法上の問題が確認された場合には、私どもは厳正に対処をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 本件につきましては、本委員会の理事会の場においても御議論があったところでございまして、結果が出次第、速やかに御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

○笠委員 もう一カ月以上たつわけですよね。多分、あの委員会の時点ではもう事情聴取を始められていたということですから、何でそんなに時間がかかるんですか。
 私、今おっしゃった国家公務員の倫理審査委員会ですか、ここと相談しながらとおっしゃっているけれども、これはまさしく文科省としてどうなんだと。私は、だれがとかそういうことを、個人の責任を責めようとかということじゃなくて、そういう実態がどの程度あったのかということをきちんとみずから明らかにしてほしいということを申し上げているんです。それが倫理法に違反しているのかどうかということではなくて、まさに補助金を不正受給したような、お手盛りのような、もし職員の方が協会から日常的に接待を受けられているというようなことがあったら、このことこそが私は問題であると。
 だれが悪いとかそういうことじゃないんです。そういう体質がいけないということを私は指摘をさせていただいているわけで、私自身も調べておりますので、もしあれでしたら、いずれまた私も具体的にお伺いしてもよろしいですよ。その前にまずは文科省として、大臣もおっしゃいました、きちんと事実関係に基づいてしっかりと調査をして、そして悪いものは悪いということで明らかにしたいというようなことを。だから、そのことについて、いま一つ今の御答弁ではそういう積極的な姿勢が感じられないですね。
 では、いつぐらいまでに出していただけるでしょうか。

○白川政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもも、この件につきましては、事案が出てまいりました当初から、協会との関係で国民の疑惑を招くような行為があってはならないということで、当時の補助金の担当者から鋭意事実関係の調査を進めておるところでございます。
 何分にも、調査の結果によりましては、例えば、先ほど申し上げました国家公務員倫理法上の問題等が出てまいりますと、職員の処分というふうなことにつながり得るケースでございますので、そういう点で、一点は、慎重に調査を進めておるということ。
 それから、国家公務員倫理法上の体系の中で、こういう事案の場合には、人事院の方の国家公務員倫理審査会の方と相談をしながら進めるという枠組みになっております。そちらの方と相談をしながら進めておりますので若干時間を要しておりますが、先ほど御答弁申し上げましたように、結果が出次第、速やかに御報告を申し上げたいというふうに思っております。

○笠委員 きょうはこれ以上この問題は取り上げませんけれども、繰り返しになるんですけれども、その処罰とかなんとかというのはあくまで結果で、私はそれを求めているわけじゃないんです。
 そういうふうな、文科省とその所管をするこういう団体の中に、協会の中になあなあの談合の関係があるんじゃないか、その点についてきちっと役所自身で、こういうことがあった、けれども、これからはそういうことはやらないんだということをしっかりと国民の皆さんに見せていただきたい。あと、それが倫理法に触れるかどうかとか、それはきちんと法律にのっとってやっていただければいい話で、私は、この問題で個人をどうこうしようとか、あるいは処罰が足りないとか、そういうことを申し上げているわけではございませんので、大臣にもしっかりとこの点については御要望をさせていただきたいと思います。
 ところで、まず、コミュニティ・スクールの問題の方に質問を、本題に入らせていただきたいんです。
 さきの通常国会で、学校運営協議会を立ち上げて、四月から新しいタイプの公立学校をつくることができるようになったわけでございます。このコミュニティ・スクール、私は、本当に今一番教育で大事なことは、やはり私立とかあるいは塾に通わないと学力が身につかないとか、そういう声を私もたくさん聞かせていただいているわけでございますけれども、特に義務教育、小中学校、この公立学校というものをいかに魅力ある学校にしていくのか、そのことが今本当に一番大きな課題であると思っております。
 中山大臣には、このコミュニティ・スクールというものを全国にどんどん普及させていきたいというようなお考えがあるのかどうか、まずその点についてお聞かせをいただきたいと思います。

○中山国務大臣 現在、既にコミュニティ・スクールとして全国で四校がスタートをしておるわけでございまして、本年六月に法改正が行われ、九月に施行されたという状況を見れば、かなり早い対応ではないか、こう思うわけでございまして、この制度への期待の高さのあらわれではないか、このように受けとめております。
 今後、この制度がどの程度広がるかにつきましては、具体的な数値で予測することは難しいわけでございますが、全国の可能な限り多くの地域で活用され、学校、家庭、地域社会の共同による新しい学校運営が実現されることを期待しているところでございます。
 文部科学省といたしましても、コミュニティ・スクールについての積極的な広報や先進事例の情報提供等を通じまして、各地での効果的な導入に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。

○笠委員 何か余り、大臣、私は、このコミュニティ・スクールというものに非常な期待を持っているわけでございますけれども、もう少し思いがこもっていればなと感じるところなんですけれども。
 これでお伺いしたいのは、今、四校既にスタートをさせていると。五反野小学校がたしか今月、一番にこの届け出があったと思うんですけれども、来年の四月から開校を予定しているような学校の数というもの、どの程度になるのか、今把握をされているのかどうか、その点についてまずお聞かせください。

○銭谷政府参考人 コミュニティ・スクールの設置をめぐる全国的な検討状況でございますけれども、法の施行前のことしの七月一日の時点で私どもが調査をいたしましたところ、全国で六十七校及び三教育委員会において、コミュニティ・スクールの設置についての検討が行われているという結果を得ております。六十七校につきましては、小学校が三十五校、中学校が十九校という状況でございました。
 それから、先ほどお話がございましたように、現在までに東京都足立区及び京都市におきまして、計四校がコミュニティ・スクールとして指定されたところでございます。
 それから、現在までに、来年設置を予定しているということで公表をしているのが、東京都の世田谷区の教育委員会、それから杉並区の教育委員会、それから横浜市の教育委員会という状況でございます。

○笠委員 今お話のあった六十七校、これが検討しているということで、まだ決めたわけではないけれども検討している。全国で六十七校ということなんですけれども、小学校、中学校で五十四校でしょうか、私、これは余りにも少ないと思うんですよ。これは、設置を決めるためにはなかなかいろいろな時間というものも必要でしょうけれども、やはりもっと多くの学校が、まさに小中合わせて約三万三千、この学校の中で六十七校というと、限りなくゼロに近い。
 これはどういうところにその原因があるのか、この制度そのものに原因があるのか。あるいは、こういう制度が導入されたことが余りにも知られていない、そういうところなのか。そこのところについて、大臣、どういう認識を持たれているでしょうか。

○中山国務大臣 平成十四年度から、全国七地域九校において、新しいタイプの学校運営のあり方に関する実践研究を実施しておりまして、それぞれの学校において、地域の特色を生かしたさまざまな取り組みが行われているところでございますけれども、この実践研究の過程で生じた課題というのは多様でございます。
 例えば、学校現場に外部の人材が入ってくることへの教職員の抵抗感や戸惑い、あるいは学校運営協議会と校長や教職員の間での役割分担のあり方、さらに、外部の人材が学校の教育活動を評価することの難しさ等が指摘されているわけでございます。
 とりわけ、これまでややもすれば閉鎖的と言われがちであった学校現場にさまざまな形で外部の方々を受け入れることへの難しさは、多くの実践研究校で直面した課題というふうに聞いておりますけれども、実際にともに活動していく中で、保護者とか地域住民、あるいは教職員、双方の意識が大きく変わりまして、双方の壁を乗り越えて、共同して、より充実した教育活動の実践につなげることができるようになったというふうな話も聞いているわけでございます。
 今後、こうしたこれまでの取り組みの中での試行錯誤の成果についても十分に情報提供してまいりたい、このように考えております。

○笠委員 先般、NHKの番組だったでしょうか、今大臣おっしゃったモデル校、この指定校の幾つかが取り上げられまして、私、実はそれをビデオに撮りまして、自分自身で教育についてタウンミーティングなんかやるときに、映像で、やはりわかりやすいんですよね。皆さん、なかなか学校運営協議会なんていっても、文科省はこういうパンフレットを今たくさんつくって配っていますけれども、これはやはり活字で見ても、普通の地域の方は、教育関係者の方ならともかく、なかなかどういうイメージなのか、あるいは地域の方が参加するといっても、どういう形で具体的に参加をしていいのかどうか、参加をするのかどうか、そういうイメージというものがまずわかりにくいということが一点。
 それで、ほとんど知らないですよ。私も地元の学校なんかへ行っても、まあ校長先生は、そういうことを教育委員会の方からちょっと聞いたことがあるなという方はおられますよ。でも、学校の先生方に至っては、今の学校評議会とどこが違うの、それのことを言っているんでしょうとか、非常に誤解されている、あるいは全く浸透していない。
 だから、このことが非常に文科省としても、もっと私は広報に力を入れていくべきではないかと思うんですけれども、まず知っていただく、そして知っていただいた上で、やはりこのコミュニティ・スクールというのは、あくまで上がやってくれる話じゃなくて、上からおろされてくる制度ではなくて、地域の方々が自分たちで新しい公立学校をつくっていくんだというその意識なしには、これは絶対に学校というものはよみがえらないし、このコミュニティ・スクールというものはつくることができない、私はそのように考えているわけです。
 そういう意味で、まずは知っていただくということが非常に大事だと思うんですけれども、その点についてどういう形で具体的に広報されているのか、その点を御説明いただきたいと思います。

○銭谷政府参考人 先ほど、七月の時点で六十七校及び三委員会で設置を検討しているということを申し上げて、この数はまだまだ少ないのではないかという御指摘もいただいたところでございます。私どもとしては、実はその七月の後から、大変全国各地からいろいろな問い合わせが参っておりまして、コミュニティ・スクールに対する関心は高まりつつある、こう認識をいたしております。
 私自身も、教育改革国民会議の時代からコミュニティ・スクールの問題には多少かかわってまいりましたので、私自身もいろいろなところに行きまして説明をしたりしているところでございます。
 具体的なところをちょっと申し上げますと、まずはこのパンフレットをつくりまして、これ現在二十五万部ほど刷っておりますけれども、私どもとしては、できるだけわかりやすいものにしようということでつくったのでございますが、さらに工夫が要るかもしれませんが、このパンフレットをお配りしたり活用したりしながら、いろいろな場で、あるいは機会をとらえて、このコミュニティ・スクールの趣旨や概要について説明を行っているところでございます。
 また、つい先日でございますが、十一月の二十九日に、平成十四年度からの七地域九校で実施をしております実践研究の成果発表会でございますコミュニティ・スクール・キックオフ・フォーラムというものを開催いたしまして、私どもの下村大臣政務官にも御出席をいただいて、みんなでコミュニティ・スクールについて話し合いをし、広報活動もあわせて行っているということでございます。
 今後、広報のあり方につきましては、さらに工夫を加えながら、一層コミュニティ・スクールのPRに努めていきたい、こう思っている次第でございます。

○笠委員 関心は高まりつつある、私もそう感じているんですけれども、やはり高めていく努力をしっかりとやっていただきたい。そして、今お伺いしたところでは、文科省の中ではこの窓口が、教育制度改革室ですか、ここが大きく問い合わせ先として載っているんですけれども、六人ぐらいの職員の方が、ほかの仕事もかけ持ちする中で対応されているということなんです。問い合わせが今たくさんあると言いました、時々は出かけていっていると。すべて出かけていって、関心を持ってくださっている人がいるんだったら、私は手分けして、若い職員の方なんかやはり現場に行って、そして逆に言うと、一生懸命PRもしてくるし、時には検討しているような学校、具体的な段階に入っているような学校があれば、そこに二カ月、三カ月いたっていいですよ。一緒になってその立ち上げに参加をして、やはり現場を見て、その蓄積を今後広げていく中で生かしていくというような、私はそれぐらい力を入れていいテーマではないかというふうなことを考えているんです。
 何か従来型の縦割りの組織じゃなくて、コミュニティ・スクール室とか、広く国民に知ってもらうための大運動を盛り上げていこうというような、大臣ぜひ、私はそれぐらいの意気込みでやっていただきたいなと思っておるんですけれども、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 まさに御指摘のように、これからの教育、子供たちの育て方ということを考えた場合には、家庭と学校と地域が一緒になってやらなきゃいかぬ、地域ぐるみで子供たちを育てていかなければいかぬという、まさにそういう意味では、このコミュニティ・スクールというのは、それをまさに実現するための大きな方策だ、こう考えているわけでございます。そういう意味で、広報といいますか、もっともっとPRには力を入れていかなければいかぬ、こう思うわけでございます。
 先ほど来、義務教育国庫負担の議論の中でも申し上げましたが、文部行政というのは、これは権力行政ではございませんで、上からこう決まったからこうやれというわけにいかないわけで、あくまでこの導入というのは学校を設置します地方公共団体の教育委員会が判断するものである、このように認識しているわけでございます。
 したがいまして、全国一律に導入するというものではありませんけれども、私といたしましては、先ほど申し上げましたように、コミュニティ・スクールというのは、公立学校の管理運営にこれまでにない新しい仕組みを導入することによりまして、地域に開かれ、そして地域とともに歩む、信頼される学校づくりに向けた非常に大きな転換である、このように認識しておりまして、保護者や地域のニーズも十分認識しながら、できるだけ多くの地域で、主体的かつ効果的にこのコミュニティ・スクールというのが活用されることを期待しているわけでございます。

○笠委員 大臣、私も、まさにこれはバランスだと思うんです。国がやれと言ってやらせることじゃない。しかし、やはりどうしても地域任せの中で、私は、地域が主導的にこれからの教育行政というのは担っていく。
 ただ、一方で、国として何に責任を持っていくのかというのは、やはりその地域が、あるいはその地方の行政が、教育に、制度に前向きである人と、後ろ向きな人と、やはりそういう方々もおられるし、教育委員会だってそうでしょう。そういう中での格差が広がっていかないようにきちんとやはり文科省としてもそこは注目をしておくということは、特にこれは法律をつくったまた我々の責任でもありますし、また役所としての、文科省としての大事な役割であると私は思っております。
 本当にこういう意味で、きょうの六十七校、あるいは都道府県別でも出ておりますけれども、こういうところに早速に手を挙げているような自治体なり教育委員会というのは恐らく熱心なところなんですよ。また、現場にもっと目を向けますと、校長先生がやはりやる気があるか、開いていくという姿勢を持たれるか持たれないかで全然違ってくる。
 そういう意味でも、地域からの声というものをいかに巻き込んでいくかという、盛り上げていくかというようなことが一番大事なことで、だれにでもできるんだ。例えば、あのNHKの紹介VTR、スペシャルでありましたけれども、かなりの方が見られていて、ああいう学校、何でうちはないんだろうねという話を聞かされます。しかし、私はそのときに言います。だれでもできるんだ、ただし、やるためには自分たちがつくるんだという意思がなければ絶対にできない。
 やはりそういったことをしっかりと伝えていって、とかく先生のせいだとか、あるいは親のせいだとか、何々のせいだとかという教育論には、最近だれに責任を押しつけるのかというような後ろ向きな議論がなされるわけでございますけれども、しっかりとやはり前向きな、そして地域の人たちがこのコミュニティ・スクールを一つの舞台にして、新しい地域の活性化、まさに私、学校というのは自分のふるさとでもあると思いますので、ふるさとづくり、そういう地域社会の活性化に向けても非常に大事な取り組みだと思いますので、ぜひとも大臣、力を入れていただき、本当に文科省に特別なそういう、先ほど申し上げましたようなコミュニティ・スクール推進室とか、何かそれぐらいのことをぜひやっていただきたいなと。
 いいじゃないですか、若い入省したての人たちを入れて、どんどん現場へ行かせて、これは必ず将来役に立ちますよ。そして、一緒に汗もかいて。どうですかね、具体的に来年ぐらいからそういうのをぜひつくっていただけないかなと思っておるんですけれども。

○中山国務大臣 まさに強制はできないわけですけれども、知ることによって、ああ、こんないい制度なのか、では、うちでもつくってみようかということになるようにしていくことがやはり非常に大事だ、こう思うわけでございます。
 そういう意味で、コミュニティ・スクール設立推進室、名前はどう呼ぶか知りませんが、そういう部屋でなくても、一つのそういうチームをつくりまして、全国行脚といいますか、あちこちへ出かけていってPRするということぐらいは、これはやらなきゃいけない。それが国会の意思でもあっただろうし、それは私も受けたわけですから、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○笠委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 あくまで私が言っているのは、やはり押しつけじゃなく、そうやって文科省というのが開かれた役所で、しっかり地域で頑張りたい、やってみようという人たちに、同じ目線に立ってしっかりと協力もしてくれるところだというような姿勢で、行って何も指導するということじゃないんです。やはり現場を見ていく、そしてそこの苦労をともにする、蓄積をしっかりと残していって、これはまだ来年、再来年、ずっと続いていく話ですので、しっかりこの立ち上げのときに、やはりスタートの時期が大事だと思いますので、そういう現場から見た、いろいろとそういう蓄積をふやしていっていただければと思います。
 ところで、先ほど申し上げましたが、ちょっと一つ、私ここで話題を変えさせていただきたいんですけれども、最近とても気になりますのが、先般も中国の原子力潜水艦が領海侵犯をするといったような事件が起こっております。あるいは、さきの尖閣諸島の領土に侵犯を犯してくる。竹島の日韓との対立。
 こういういろいろな問題があるわけですけれども、私、どうも我が国というのは、こういう領土ということについて、教科書をちょっと調べてみたんです、義務教育段階でどの程度領土というものについて子供たちに教えているのか。
 小学校で教えるかどうかというのは、ちょっとこれはいかがかな、どうなのかな、そこはいろいろな議論があるでしょうけれども、せめて私は中学ぐらいではしっかりと、義務教育だからこそ、我が国のこの領土というものがどこなのか、あるいは領海というものがどう位置づけられているのか、そのことを一人一人がしっかりと認識をしていないと、やはりこういう問題にこれから対応していけない。ともすると、こういう問題に無関心な方が非常に多い。それは、やはり教育現場において教育されていない、教えられていないという問題も一つあるのではないかと思うんです。
 大体、北方四島については、北方領土については、少なくとも記述はほとんどすべての教科書にあるわけでございますけれども、竹島とかあるいは尖閣の問題、海洋権の問題、こうしたことについて余りにも記述が見られない、ほとんど見られない。この点について、ぜひ大臣、これは学習指導要領にきちんと盛り込むぐらいのことを、指導力をぜひ発揮していただきたいと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 日本というのは、周りが海に囲まれているせいか、余り領土意識といいますか、自分の国はどこまでなんだという意識がないわけでございます。私も、かつて防衛予算を担当したときがありまして、そのときに日本の領土というのはどういうものだろうかと言っていて、東西南北一番遠いところまで行った経験があるんですけれども、北の方は稚内、南の方は与那国といってもう台湾のすぐ近くでございますし、西の方は対馬ですね、そして東の方はマーカス島という、本当に広いんだなということを実感したわけでございます。
 そういう意味で、これからの我が国を担っていく子供たちが、日本の領土とか領海、あるいは経済水域などの海洋にわたる権益について正しく理解するということは極めて重要なことだと考えておるわけでございまして、このため、例えば中学校の学習指導要領におきましては、我が国の国土の位置及び領土、領海などの領域について考察させるとともに、経済水域を含め我が国の領土をめぐる問題に着目させることとしているわけでございます。
 実際、中学校、社会のすべての教科書におきまして我が国の領域と経済水域に関する記述がありますし、また、学習指導要領は大綱的な基準であることから、北方領土の問題を代表的な例として示しているところでもありますが、竹島とかあるいは尖閣列島について記述している教科書も見られます。さらに、教科用図書としてのすべての地図で竹島とか尖閣列島を我が国の領土として明記されておりまして、これに基づきまして指導が行われているわけでございます。
 今後とも、我が国の領土などに関する指導が適切に行われるように指導してまいりたいと考えております。

○笠委員 今の中学校の学習指導要領、私ももちろん拝見させていただいたんですけれども、それは建前は、領土とは何か、領海とは何か。しかし、今大臣は、北方領土を代表的なというふうなことでおっしゃいましたけれども、確かにこう書いてあるんですね。「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにする」と。だから、やはりすべての教科書、北方領土についてはきちんと説明がしてある。
 けれども、竹島とか尖閣については、ほとんどないですよ。私も全部一応見ました。一部あります、確かに。でも、それはこういう問題があるというので、ただ単にその竹島という言葉、そして尖閣諸島という言葉、ほとんどこれが出てきているだけですよ。
 ですから、私、例えば北方領土と竹島が我が国の固有の領土であることなど、そしてもう一つ、これはちょっと違うわけでございますけれども、尖閣などをめぐる領海侵犯、あるいは海洋権などについてもきちんと教えるということを、この学習要領、不断の見直しを行うというような方針も掲げているわけですから。しかし、私、今の時代、これだけ大きな、しかも相手の国がある、他国との問題にもなっているわけですから、しっかりとこれは北方領土と同じように位置づけて教えていくということが大事なことだと思うんですが、いかがでしょうか。

○銭谷政府参考人 今先生お話ございましたように、学習指導要領におきましては、「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。」ということが記載をされておりまして、現実の指導におきましては、竹島や尖閣列島等につきましても触れて指導を行っているという状況もございます。また、教科書におきましても、竹島、尖閣諸島について記述をしている教科書があるわけでございます。
 指導要領自体につきましては、不断の見直しということで検討はしているわけでございますけれども、教科の内容の改訂ということは、他の事項とのバランスとか、あるいは内容が過多にならないようにするといったような全体的な検討を行うことが必要でございますので、直ちにということはなかなか難しい面もございます。
 私どもとしては、北方領土を初め尖閣諸島や竹島などの我が国の領土の問題について子供たちが理解をするということは重要でございますので、研究協議会の場などを通じまして、それらにかかわる実践事例を収集、提供するなどいたしまして、学校における指導の充実が進められるように努めてまいりたいと思っております。

○笠委員 ちょっと心もとないですね。学習指導要領というのは、別に他の事項とのバランスなんてとる話じゃないですよ、これは。しっかりと何を教えるのかということを、この基本的な問題について、その結果バランスがあるわけで、別にほかの、領土とかあるいは拉致問題だってそうです、拉致事件だってそうです。こういうまさに国家の基本にかかわる、主権にかかわる問題については、これをどうして義務教育の段階でもっとしっかりと教えていくか。何がいい悪いではなくて、今起こっているまさに事実をしっかりとやはり教えていくということは、これこそまさに私は教育に責任を持つ国のあるべき姿だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。今のバランスの一つなんかでこの問題を認識されていては非常に困ります。いかがですか、大臣。

○中山国務大臣 私としては、まさに御指摘のとおりだと思っていまして、一体、日本の領土がどことどことどこなんだ、どこからどこまでなんだという認識はしっかり持っておく必要があると思うんですね。
 そうでないから、先般の例の原子力潜水艦の侵入事件等について余り日本の国民というのは関心がないといいますか、これは実は大変なことなんですけれども、余り反応がなかったというのはまさにそういったことにも起因するのかな、こんな感じもありますから、バランスの問題とかいろいろあると言われますけれども、何がバランスかということの前に、一体、日本の国の領域というのはどこからどこまでなんだということはしっかり子供たちに教えておくべきだ。逆に、ここから先は違いますよという意味も含めて、やはりきちっと教えることが大事じゃないかな、このように考えます。

○笠委員 ぜひ大臣、大臣の間に、大臣が文科大臣のときに、今の答弁にふさわしい、今度はやはりぜひ不断の見直しをしていただいて、もちろん、今おっしゃるように、いろいろと難しい部分もあるのかもしれませんけれども、やはりとにかく国土であるとか、あるいは海洋国家と先ほど大臣もおっしゃいました。まさにそうです、日本は。だからこそ今、よく私なんかが小学校、中学校のころに習ったのは、海洋権益ということでは、どっちかというと漁業の方に焦点が、魚がたくさん北方領土もとれるんですとか。しかし、今まさに石油、天然ガス、この資源をめぐって中国との本当に対立というものがあるわけです。これは仕方ありません、対立があるのは。
 けれども、そのときに、一方の中国は、七〇年代にここの東シナ海に、ここにたくさんのエネルギー資源があるんだ、海底資源があるんだというような報告を受けてから、戦略的に海底調査等もして、また試掘もし、さらには採掘に至っているというような状況で、たびたび日本の領海にまで侵犯を犯すというようなことまでやって、踏み込んだことをやっているにもかかわらず、非常に我が国の方はのんびりしておりまして、やはり私は、国民がしっかりと守らないといけない権益があるんだというようなことを、海洋国家だからこそ認識していなければならないと思うんです。
 他人事じゃありません、これは。竹島の問題だって、島根県の方は意識があるでしょう。けれども一方で、じゃ、全国的に関心があるかというと、これが不法に韓国によって五十年間も占拠されている状況、これに対してやはり、まず竹島というのが日本の領土なんだという意識がなければ、もちろん世論というのは盛り上がりませんね。そういう意味でも、私は、この学習指導要領をもう少し踏み込んでやっていただきたい。
 ぜひ、大臣、もうひとつ前向きな御答弁を、大臣が在任中に必ずやると踏み込んだ形で、具体的な文言までは今ここではもちろん私はお聞きしませんけれども、やはりちょっと見直すというようなところ、その点について一歩踏み込んだ御発言をいただければと思うんですが。

○中山国務大臣 しっかりと受けとめまして対処してまいりたい、こう考えております。

○笠委員 私、実は、教科書の問題というのもあるんでしょうけれども、これは、きょうこの場ではもう時間が限られておりますので、またの機会に譲らせていただきますけれども、先ほどのコミュニティ・スクールの話がありました。地域にどんどん任せていっていいと私は思います。だからこそ国として、そのときの大前提は、もうこの学習指導要領もそろそろこの形でいいのかどうかということも、やはり本当に真剣にこれを見直す時期に来ているんじゃないかと思います。
 これから公立の学校をどんどん地方に任せていく。教科書の採択などもこれからは、例えば教育委員会単位、学区単位とかで採択するのではなくて、こういうコミュニティ・スクールの精神からすれば、当然ながら学校に任せていくというような形になっていかなければならないわけです。そのときに、じゃ、何でもかんでも自由にやればいいのかと。そこはしっかりと、この学習指導要領にかわるような、例えばイギリスのような国定カリキュラム的なものをきちんとつくり上げて、そしてそれに基づく共通テストなども、きちんと学力というものもはかっていく。
 やはりそういうふうなことでやっていかなければ、何か場当たり的な分権論と、あるいはこういう今回の義務教育の国庫負担というような問題があれば、じゃ、お金は国が責任を持つんだとか、何かばらばらに議論が行われている。そうしたことで、本当に今抜本的な改革というものを、何に対して国が責任を持つんだということがやはり具体的に見える形でぜひ出していただきたい。
 中教審にいろいろと丸投げすることももちろんいいんですけれども、それはあくまで中教審。やはり方針というものは政治家が示す。そしてそれを国会で議論し、また国民の皆様にきちんと提示をして、それを選択していただくというようなことがやはり一番大事だと思うんですけれども、大臣、その点についていかがでございましょうか。

○中山国務大臣 これからコミュニティ・スクール等をだんだんと展開していく中で、それが地方分権というよりはもっと地域に密着した、それこそ家庭教育、地域が一緒になった教育というものが進められていくわけでございまして、その中で教科書の採択等も本当はそういったところでできるようにするということも考えられるのかもしれませんが、であればこそ、さらに教科書というものが余りアンバランスなものであっても困るし、やはり国として一定の基準に達したものというような観点から考えていかなければいかぬのかな。
 そういう意味で、地方分権をどんどん進める一方で、やはり国としてしっかり守るべきものは何かということの議論が、まさにこれからしっかりやっていかなければいかぬということだろうと思いますし、おっしゃいましたように何も中央教育審議会だけに丸投げしているわけではなくて、文部科学省も一生懸命やりますけれども、国会の皆さん方も含めて、この問題についてはどうか一緒に議論していただきたいな、こう考えているところでございます。

○笠委員 ありがとうございました。
 時間が来ましたので終わらせていただきますけれども、来年の通常国会、恐らくは教育基本法の問題というものも出していただけるんでしょうから、きちんとこれが最大のテーマとなってきますけれども、この基本法ももちろん大事です。同時にやはり、制度そのものをどうしていくのかという本当の大枠の仕組み、そうしたものも、ぜひ頻繁に委員会を開いていただいて、また議論をさせていただければと思います。どうもありがとうございました。