笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
162-衆-文部科学委員会-2号 平成17年02月23日
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
 本日は、大臣の所信に対する質問ということで、先ほど私どもの同僚の達増委員の方からも、教育基本法、本来この国会に提出予定になっているかとは思うんですけれども、それについて大臣は、断念したわけではなくて、可能な限り速やかな改正を目指してしっかり取り組む、提出していきたいというような意気込みを示されたわけですけれども、ただ、いろいろと与党内の調整を見ていますと、どうもこの国会には出てこないのかなというような気が私はしておるわけでございます。大臣、これは当然閣法として出されると思うんですけれども、どういった点が今問題になって、本当に出せるのかどうか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。

○中山国務大臣 教育基本法の改正につきましては、さかのぼりますと、平成十二年の教育改革国民会議以来、歴代の内閣が取り組んできた課題でございまして、特に、平成十五年三月、もう二年になるわけですけれども、中央教育審議会から答申をいただいているわけでございます。二年もたってまだやらぬのか、これはもう本当に中央教育審議会に対して失礼だ、私はこんな気持ちさえするわけでございます。
 御承知のように、今、与党におきまして、この基本法改正に関する協議会及び検討会が設けられまして、教育基本法の改正について精力的な検討が進められているわけでございます。どういった点が対立点になっているというようなことについては、いろいろとお聞きになっていると思うわけでございますが、私どもとしては、できるだけ速やかに改正に持っていきたい、こう思っています。しかし、拙速もまたこれはいけないと思うわけでございまして、まさに教育基本法、日本の教育の基本になる法律でございますから、いろいろな各方面の意見を聞きながら、そういう意味ではしっかりとした改正をいたしたい、こう思っております。
 午前中も申し上げましたが、決して断念したというわけではございませんで、各方面に、ぜひ早く何とか提出できるように持っていきたいのでよろしくといってお願いして回っているところでございます。

○笠委員 大臣、私は思いますのは、確かに、拙速にこうした問題を取り扱っていくということはやはりいけないことだと思っております。
 ただ、これはやはり政府として、大臣、そこまでの思いがあるのでしたら、むしろ国会の場で、それこそ二回ぐらいの通常国会をしっかりと通じて、例えばこの文科委員会なのか、あるいは憲法等の議論もございます。そうした憲法の今後の進め方というものが、調査会がどうなっていくのかということもございますけれども、やはり国会にこの問題についてしっかりと議論する場を設けて、それぞれに論点も出して、国民的な議論を盛り上げていく、そういう関心をきちんと呼んでいく段階にしていくべきではないかと私は考えているわけです。
 例えば、与党の中での調整がついた、だから後は数で押し切ればいいだろう、決してこれはそういうテーマではない。そういう意味では、むしろ、政党間のいろいろな党利とか党略とか、あるいは考え方もあるでしょう。けれども、やはり国会の場で堂々と議論をしていく。そして、その時間をしっかりと確保して、これを本当にどういう観点から、どういう立場から、いろいろな思いの方々がおられると思います、教育については。そういうことも受けとめながら議論をしていくステップに持っていくべきではないかと思っておるわけでございますけれども、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 そういうお考えも当然あるかなと思いますけれども、今の時点で、では今から憲法調査会みたいなものを国会に設けて議論を始めるとなると、もっと先になるかなということも心配でございますので、むしろ、国会に提出した後十分な御論議をいただくという方が私はいいんじゃないかと個人的には思います。
 いずれにしても、国会でどのような調査会を設置するかということにつきましては、これは国会法等の規定に基づきまして、各議院の判断によってお決めになることだ、こう考えておりますので、私の方からそのようなことを発言するのは遠慮したいと思っております。

○笠委員 いずれにいたしましても、しっかりとぜひお取り組みをいただきたいということと、私ども民主党といたしましても、今まさにこの新しい時代にふさわしい、むしろ、単なる改正というよりも、新しい教育基本法というものがどういうものなのか。これは、党内において議論をしているところでございます。これは逆に言うと、党と党でそれぞれの考え方があっても、しっかりとした議論をした上で、きょうもちょうどゆとりがどうだこうだという議論があるわけでございますけれども、やはり未来に責任を持つ、しっかりと新しい基本法というものを十分な慎重な議論をしながらつくっていくことをまたお願い申し上げたいと思いますし、そのための御努力をいただきたいと思います。
 それで、きょうはちょっと幾つか聞きたいんですけれども、先ほど来ひとつ議論になっておりますゆとり教育の、これは新聞報道が見直しというふうに一方的に見出しをとっているのか。先ほど来大臣の答弁を聞いておりまして、十分にゆとり教育というものが理解をされていない部分があるということでこの学習指導要領の是正をしていくということのようでございますけれども、まさに、ゆとりというものは確かになければいけない。けれども、ゆとりが緩みになっては決していけないと私も考えております。
 私も地域の学校等の見学をたびたびさせていただいているわけでございますけれども、その中で、ちょうど同じ時期に、公立の中学校の一年生の授業、同じ科目でまた別の私立の一年生の授業を見させていただくと、これは教えている内容が全く違うんですね。私立については、教科書以外に、それはすべてそうじゃないでしょうけれども、別の教材も用意をして、非常に中身の濃い、そして非常に生徒たちも目を輝かせた授業をやっているようなところもございます。
 今、私もいろいろ教科書を見たところ、確かに、授業の時間の問題というよりも、今の教科書の、余りにも薄っぺらい、そして漫画とかいろいろ多いんですね、もう大臣も拝見されていると思いますけれども。教えてもらう内容が、公立に行くかあるいは私立に行くか、そして公立の中でも、今、コミュニティ・スクールなどを導入して、そういったところをしっかり埋めていこうということで、みずから努力をされているところが多々出てきているわけでございますけれども、こうした実態についてはしっかりと把握をしていただき、そして、何といっても、やはり基礎学力というものは私は大事であると思っております。
 ただ、詰め込みだとか成績がよければいいとか、そういうことはいけないことだとは思いますけれども、やはり基礎学力をしっかりと身につけさせるというような方針というものは、これは自信を持って進められて、そして、そういう中で、この学習指導要領なんですが、先ほども、これは従来十年ごとに見直すというようなことが定例となっているわけでございますけれども、今回、大臣、この学習指導要領の見直し、めどとしては大体いつぐらいにこれを行う予定なのか、ちょっと改めてお伺いしたいと思います。

○中山国務大臣 前段で、今御指摘ありましたが、本当に、授業内容、これはもう千差万別だと思うんですね。先生の力量によるところ、あるいは先生方の熱意によるところもあるんだろうとは思うんです。そういう意味で、いい授業、いい教育を受けた子供は幸せですけれども、そうでなかった子供は本当に不幸せだな、これは運、不運では片づけられない問題ではないか、こう思っているんですよ。
 ですから、教科書等も、今、実はアメリカでの教科書を取り寄せてみたりいろいろやっているんですけれども、本当に日本の教科書をしばらくぶりで見てみましたら、何か薄っぺらいし、絵や何かがいっぱいあって、目がちらちらするような、もう少し何かこうきちっとした教科書、しかもそれが、子供たちの知的好奇心を本当にくすぐるといいますか、かき立てるような、そういう教科書であってほしいなというようなことも実は感じておるわけでございます。
 そういったことも含めて私は中央教育審議会に今諮問したところでございますが、これは、御承知のように、義務教育費国庫負担の話もあるものですから、ことしの秋をめどにして、ちょっと時間的に大変なんですけれども、精力的に御審議をお願いしたいというふうに今言っているところでございます。

○笠委員 いや、その審議は秋をめどに中教審の方で結論を得るということで、実際に、その答申に基づいてこの新学習指導要領が実施をされるというのはいつぐらいを想定されているんでしょうか。

○中山国務大臣 これは、どういう答申になるか、まだ今から予測はできないわけでございますから、その答申の内容を見ながら、私たちはできるところからやっていきたいと思っているんです。十年ごととかそういうことじゃなくて、時代の流れ、社会の変化が非常に激しいですから、できるだけ早く変えていく、変えるべきところは変えていく、そういう基本的なスタンスで臨みたいと思っております。

○笠委員 先ほど同僚の肥田委員の方からも指摘がありましたけれども、今現場は、先生方も本当に困っておられます。そして、突然のようにくるくる変わってくる。だから、五月雨式にまた変えるというよりも、やはりしっかりと、変えるのであればなるべく早く変えていただき、そこで先ほどの指摘どおり、やはりそのときにはきちっとした説明を果たしていただく、はい、突然変わりましたよではなくて。
 同時に、では、三年になるのか四年になるのかわかりませんけれども、この間の、結局は失敗だったというか、すべてを否定するわけじゃございませんけれども、やはりちょっと問題があったという指導要領のもとで授業を受けてきた子供たちに対する責任というものは、私は、そういう新しい形での指導要領を導入するときの文部科学大臣は、そういうお子さんに向かって、保護者の方々に向かって、やはりきちっとおわびをするぐらいのことがなければ本当に、この文部科学行政というものに対する不信感というものが今渦巻いているのではないかと思います。ですから、そういった点では、しっかりとわかりやすい形で、そして間違っても、また三年後、四年後ぐらいに、あれは間違いだったということがないように取り組んでいただきたい。そのことをお願い申し上げたいと思います。
 大臣も、ちょうど所信の中で、きょうという日は一日しかなく、一日一日が勝負であります、きょう受けた教育の影響は一生に及びますとおっしゃっている、そのとおりだと思います。ですから、その所信に基づいて、しっかりとリーダーシップを発揮されて、またこの取り組みを進めていただきたい、そのことをお願いいたしたいと思います。
 それで、きょうはまず、先日、大阪府の寝屋川市で大変痛ましい、あってはならない事件が発生をしたわけでございます。私も亡くなられた先生に対してお悔やみを申しますと同時に、また、今けがをされている先生方の一刻も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。
 私、実は、昨年のこの委員会の場でも、学校安全というものをいかに確保していくかということについては、まさに国が責任を持って取り組んでいくべきテーマじゃないかというようなことを御指摘させていただきました。そして、今回もちょっと説明を受けまして、確かに、安全に関してのマニュアルの作成、訓練をしっかりやろうとか、あるいはボランティア、地域の方々、そうした方々を含めた協力を、しっかりと協力をお願いするとか、そういったことではいろいろな形での文科省としての取り組みもあるようでございますけれども、去年質問させていただいたときに、例えばハードの面で言いますと、監視センサーなりのそういったハード面で、どれくらいの公立の学校で設置されているのか、そういったことについても把握ができていないような状況でございました。
 今回、そうしたことを受けて把握をされているということでございますけれども、大臣、所信の冒頭でこの件について触れられ、ハード面、ソフト面の両面から組織的、継続的な対策に取り組み、各学校における安全管理の徹底を図ると、所信の中でおっしゃっていますけれども、具体的に、今までとどのように違う対応を、新しい対応をされていこうとしているのか、その点についての御説明をお願いいたします。

○中山国務大臣 学校の安全の充実に関しましては、子ども安心プロジェクトというのを平成十四年度から推進しているわけでございますが、さらに、平成十七年度、来年度におきましては、このプロジェクトをさらに推進するために、新たに、地域学校安全指導員による各学校の巡回指導と安全体制の評価等を推進するため、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業や実効性のある防犯教室や防犯訓練等を推進するため、先導的な取り組みを集めた防犯教室実践事例集の作成、あるいは学校施設の防犯対策に係る点検リストの作成等を行うということにしておるところでございます。

○笠委員 ちょっと今のお話を聞いているだけでは、学校の、特に、小学校あるいは幼稚園も含まれるかもしれませんけれども、公立の小学校などに対する大臣の危機感というか、今本当に、いつどこでああいう事件が起こるかどうかもわかりません。どこで起こる可能性だってあるわけです。
 例えば、今おっしゃったような、地域でボランティアの方々が、これはもう自分たちもしっかりやらなければいけないということで立ち上がって、いろいろな努力をされているところはたくさんございます。けれども、それではなかなか限界がある。
 今回の寝屋川で起こった事件も、ある意味ではマニュアルに基づいた対応を私はされていたのではないかと思っております。しかし、ああいう悲惨な結果を招いてしまった。ということは、もう一歩踏み込んだ何か対策というもの、今大臣が御説明になったことは、これまでもあるものに対して、それをちょっと踏み込んで徹底していこうというレベルにしか私には聞こえないわけでございますけれども、どこが新しく、この事件を受けて大臣としてやっているんだという、もう少しわかりやすく具体的に言っていただければと思います。

○中山国務大臣 先般の寝屋川の事件を受けて、早速現地に四名の担当官を派遣いたしまして、いろいろな原因とかそういったものを聴取してきたわけでございますが、それらをもとにしまして安全に関するプロジェクトチームをつくりまして、今具体的に検討を実はしているわけでございまして、まさに今検討している最中でございます。
 とりあえず事件を受けて私が言いましたのは、今回は学校の先生方がねらわれた事件である、だから、先生方を中心にしたまず防犯訓練もやってほしいということと、地域との連携もずっとやっていただいておりますが、やはり地域との連携をもっと強めてほしい。特に、警察との連携も、これは強めてほしい。この三点を都道府県教育委員会等に発したところでございます。
 御指摘のように、今までも本当に、文科省もいろいろマニュアルをつくったりやってまいりました。ハード、ソフト面からやってまいりました。また、地方も、地域も、特に大阪はあの池田小の事件があったものですから、ほかのところに比べても本当によくやっていただいていたんですけれども、そういうところでこういう事件が起こったということでございまして、一体どうしたらいいのか、どうしたら防げるのかということについては、本当に頭の痛い問題でございますが、しかし、そんなことは言っておられません、やはり子供たちを預かっているわけでございますから。安全ということについてもっともっと研究をしていかなければいかぬな、こう思っておるところでございます。

○笠委員 今検討中だということでございましたけれども、確かに、警察との連携を強めていくということ、これも必要かもしれません。少なくとも、警察とといっても、警察自体が空き交番もあるし、これだけ学校以外の現場でいろいろな犯罪が発生をしておりますとなかなか手が回らないということで、学校にべったりなかなか張りつくということもできないと思います。また、学校の現場に果たして警察がどこもかしこも、学校を警察が守るというのも、私は、ちょっとこれは違和感を非常に覚えるわけでございます。
 もちろん、協力、連携体制というのは必要だと思うんですけれども、学校で独自の保安要員なりをきちんと、せめて小学校ぐらいまでは置けるような体制を国としても財政的にも支援をしてあげるような、私は、何か抜本的な対策というものを、お金もかかることですけれども、ここは考えていかなければいけないのではないか。
 この前、この事件を受けてさすがに、これは相次いでおりますから、やはりプロの助けが必要だということで、大阪府もこの事件を受けて、四月から七百三十三校の公立小学校に、各市町村に府が経費を半額負担する形で、警備員を配置するという方針を早速打ち出されております。渋谷区ですか、東京都の方でもそういう動きが出ているわけです。
 今月十九日の新聞で、この記事が出たところで、ちょっと私、気になるコメントがありまして、これを確認させていただきたいんですけれども、学校健康教育課のどなたかは知りませんけれども、この記事が正しいとすれば、大阪府がこういう方針を決めたことに対して、学校を舞台にした凶悪事件が大阪で相次いだこともあり、やむを得ない面がある、ただ、財政面から長期継続は難しいのではないか。
 これだけ見ると、本当に評論家というか、今差し迫っているわけですよね。これは、もしこういう発言をされている人がいるとすれば、私は甚だ認識が不足しているんじゃないかと。どういう思いで、まさに大臣が所信で、冒頭でおっしゃったわけですよね。これは、もう少し意識を変えていただいて、むしろ国がそれぐらいの方針を打ち出すぐらいのことを私はやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 ちょっとその報道についてはよく知りませんけれども、そんなことを言う職員は文部科学省にはいない、こう思うわけでございます。
 今回の事件を契機に、都道府県あるいは市町村におきまして専門の警備員を配置するとか、いろいろな動きが出ているわけでございまして、これも学校の安全を確保する一つの方策だと思うんですけれども、一人の警備員を雇えばそれで済む話でもないと思うんですね。これは、やはり、学校全体として、教職員が力を合わせて日ごろからそういった訓練をしたり、あるいはそういう心構えを持っておくということも大事ですし、さらに、地域の方々の力もやはりかりなければいかぬ、こう思うわけでございます。
 警備員を配置するということについては、これは設置者が決めることでございますし、その地域がどういう地域であるかというふうなことも踏まえて判断していただくことになると思うわけでございますが、文部科学省としても、できるだけの支援はしていくのが当然だ、こう思っております。

○素川政府参考人 記事のコメントにつきまして補足で説明させていただきたいと存じます。
 大阪府の警備員の配置につきまして新聞社から電話による取材があったわけでございまして、担当者からは、大阪府の方針について、緊急に警備員の配置の方針を決められたことにつきまして評価をしたところでございます。その上で、ボランティアを活用した体制整備も、継続的な取り組みを進めるに当たって有効であるという趣旨のこともあわせて申し上げたということでありますけれども、十分に意を尽くせず、誤解を招き、このようなコメントになったということでございます。これは文部科学省の本意ではございませんので、御理解をいただきたいと存じます。

○笠委員 本意じゃないといっても、こういうのがコメントで出ると、ああ、これが文部科学省かと思われるので、そこらあたりは十分に、やはりこれは認識の問題であり自覚の問題であると思いますので、なかなかマスコミも全部を取り上げないかもしれないけれども、少なくとも、こういう評論家的なことではなくて、やはり勇み足ととられかねないコメントというものはぜひ気をつけていただきたいと思います。
 もう一点、大臣、念押しなんですけれども、確かに、財政面から、これを長期継続するというのは、それは自治体によってはできるかもしれませんけれども、これは地方任せではなかなか難しい点はあると思うんですよ。もちろん設置者の判断によるというのはそうでしょう。何も、国が強制してやれという話じゃないと思います。
 ただ、やはりそういう地域のボランティアの方の連携とか含めて、学校の先生方のまたいろいろな日ごろよりの訓練、生徒も含めた訓練、そういうことはもうこれは当たり前にもちろんやっていかないといけないけれども、やはりそこに専属のプロのスタッフが一人いるのといないのとでは全然違うんじゃないかな、それだけで解決するわけじゃありませんけれども。
 ですから、やはりそういう希望があるところは、ちょっと財政的な支援なんかを、例えば今度の二〇〇六年度の予算なんかの時期には、少しそういう裏づけも、支援も含めて、ぜひ今検討されている中で、私は、ぜひ議題の一つとして、テーマの一つとして前向きに御検討いただきたいと思うんですけれども、改めて御答弁をお願いいたします。

○中山国務大臣 まさに義務教育の負担のお金を全部文部省が持っているなら最優先でやりたいところでございますが、どうもそうもなっていないものですから、ちょっと歯がゆい思いはいたすわけでございますが、これは都道府県を指導して、ぜひそっちの方にも力を入れてほしいということもお願いしたいし、我々ができることは、研修とかいろいろなことを通じて最大限やっていきたいと思っております。

○笠委員 まさに義務教育のお金を国として責任を持つのかどうかというのは、大臣がこれからことしの一番大きなテーマとしてやっていかれることでしょうから。
 ただ、やはりこうしたことも、地域の格差というものが出ると、やっているところはやっていますし、これは、これからちょっとテーマを移すことにも関連してくるんですけれども、やはり学校現場にどんどん権限をいろいろと持たせていくべきだ。国から地方へというのみならず、今度は、地方に渡した権限がさらに学校現場へと持っていくような教育のあり方、システムのあり方を模索するときに、どうしても国として責任を持たないといけない部分が何なのか。これは、やはりその中で生まれる格差、なかなかうまくいかないところに対してどういうふうな形で責任を持っていけるのかということが非常に大事なポイントになってくるとは思いますので、ぜひその辺については大臣の指導力を発揮していただきたいと思います。
 そして次に、今まさにいろいろと、きょう午前中にも同僚の議員の質問にもありましたけれども、コミュニティ・スクール初め、どんどん学校現場に権限を与えて、特色あるさまざまな公立学校、新しいタイプの公立学校をつくっていこう。私もこの方針に大賛成なんです。逆に、どんどん推進をしていかなければなりません。
 ただ、やはりそのときに、では、任せっぱなしでいいのか。使う教科書だって、あるいはこういう教え方をしようよとか、そういうことはどんどんもう現場の工夫でやってもらうべきだと私は思います。
 ただ、そのときに、勝手に何でもやりたい放題にやらせていいのかというとそうではない。そのときに一番大事になってくるのは、評価をするシステムというものをしっかりとつくっておく必要があるんじゃないか。そして、そのことを保護者の方あるいは地域の方々にまた情報公開していく。そして、今その学校がどういう状況に置かれているのかということを、地域の人たちも含めて考えてもらう、あるいはほかの学校と比べてもらう、こういう評価のシステムというものが非常に大事であると思います。
 大臣も、この「甦れ、日本!」の中でも、所信の中でも、学校評価制度の確立ということを一つ挙げられておりますけれども、これは具体的にどういう形でやろうというような大臣のお気持ち、イメージがあるか。まず、そこの点について一点お伺いをいたしたいと思います。

○中山国務大臣 今イギリスの話をされましたが、イギリスを初め、各国とも、国を挙げて教育改革に取り組んでおりまして、我が国としても、まさに国家戦略として、人間力向上のための教育改革を一層推進していく必要がある、こう思っているわけでございます。
 その点で、昨年十一月に「甦れ、日本!」と題する教育改革の私案を発表したところでございまして、今御指摘ありましたように、現場主義の観点に立った、学校、教育委員会の改革を進めること、とりわけ学校評価の制度の確立の重要性を指摘したところでございます。
 まさに現場といいますか、学校に、そして市町村にすべてお任せする、任せたい、できるだけ任せたいわけでございますが、任せる以上は、本当にきちんとやっておられるかどうかということは、これは評価しなければいけない。内部評価だけじゃなくて、外部の厳しい目でもって評価してもらいたいということでございます。今、学校評価あるいは情報公開のあり方につきまして、中央教育審議会の中におきまして、義務教育のあり方の一環として審議していただいているということでございます。
 私は、自分なりの考えとして、そういうふうに評価をしながら、これは学力だけじゃございません、学力、体力、あるいはまた健康とか、あるいはしつけの問題も含めて、どこの学校、どこの地域が子供たちを健やかに育てているかという、何といいますか、次世代育成コンテストみたいな、お互いに競い合いながらやっていく。ほかのところに比べて自分の学校はこういうところが劣っているな、そういったことを認識しながら、競い合って教育の質を上げていく、そういうふうな環境を醸成するということに努めていきたい、このように考えております。

○笠委員 今、前向きなお答えをいただきましたけれども、学校評価の実施状況というこの資料、今、省令で、学校は自己評価及びその結果の公表に努めることと積極的な情報提供を行うことということで、これは特に罰則規定もなければ、絶対やりなさいということじゃなくて、一つの目安ですね。強制力があるものじゃございません。
 この十五年度の公表率というのを見てちょっと気になったんですけれども、例えばこれは、もちろん自己評価しているところは非常に多いんですけれども、やはり外部評価を導入しているところというのは自己評価をしているところに比べて非常に少ない。そして、外部評価をしているところは八三%も公表しているんです。そして、自己評価は、結果については公表せずが六一%あるんですね。つまり、外部評価をするぐらいの学校というものは、恐らくはうまくいっているから、当然、結果も公表できる。
 ただ、問題は、どういう形かわからないけれども、自己評価で済ませているような学校、しかも、これが公表をしていないというところが多いという現状が非常に不安を感じるところで、実際に私も、教育のタウンミーティングなんかを頻繁にやっておるんですけれども、そういうところでよく保護者の方々から聞くお話が、公立学校で、自分の学校がどういうレベルに、学力だけじゃないですよ、学力もそうですが、あるいは、校内の教え方とか先生との連携とか、雰囲気とか、いろいろなテーマがあると思います。果たしてほかの学校に比べてどういうレベルなのかがよくわからないという切実なる声も聞くんですね。
 だからこそ、私は、きちっとした、先ほど大臣は、第三者のチェック機能、この評価システムというものを模索すべき、検討すべきじゃないかということをおっしゃいましたけれども、昨年、私、下村政務官とも御一緒させていただいて、超党派でイギリスの教育の視察に参りました。そのときに非常に参考になったのが、イギリスでは、まさに日本の文部科学省からは独立した形で、教育水準局というのをつくって評価しているわけですね。
 その結果が、これはもう学力も含めて四十項目ぐらいについて、多々いろいろな面で、外部の方がチームを組んで、これは民間人を大いに活用しているわけです。そして、定期的に、今は六年に一度やっているわけですけれども、それをまた、きちっと情報公開を保護者だけでなく地域にもするし、そして、上がってきた結果について、この教育水準局がまたホームページで公開をするという中で、私はこれは一つのアイデアかなということを思ったわけでございます。
 今、例えば、文科省の中で、こうしたイギリスの例を参考にする形で、何か独立した第三者機関にこうした評価をしてもらうというようなことを検討されているとか、あるいは検討していくとか、そこらあたりについてお願いいたします。

○下村大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 先ほど御指摘をいただいたように、平成十四年度から内部評価をすることになったわけでございますけれども、この内部評価については、実際に自己評価を公表しているのが四〇%程度、実際に公表している内容を見ても、ほとんどが、九〇%以上が大体うまくいっているというような自己評価のデータが出ておりまして、果たしてこれが地域の住民の方とか保護者の方々にとって参考になるのかどうかということになると、この自己評価については限界があるのではないかというふうに思うわけであります。
 そういう中で、今御指摘のように第三者機関を置くべきではないかということで、昨年の十月、委員と一緒に私もイギリスに視察に行かせていただいて、OFSTED、これは教育水準局ですね。これは、単なる第三者評価機関だけでなく権限を持っていて、評価するだけでなく、実際に各学校に対する指導を行い、教育水準が劣っているところについてはそれを指定して、そして、一定期間を設けて、その教育水準を回復できなければ、この教育水準局によって廃校させることもできるというような強い権限を持った機関がイギリスにあるわけでありまして、これは我が国にとっても、事前チェックから事後チェックという行政のシステムの変化の中で、大変に参考になる制度だというふうに思います。
 今後の学校評価については、中央教育審議会において、義務教育のあり方の検討の中で教育活動の評価のあり方について議論されるということになっておりますので、文部科学省として、この中教審の議論を踏まえて、また、先ほど大臣も答弁をされましたが、このイギリスの事例も参考にしながら、全国的な教育水準の維持向上について国の責務をしっかりと果たしていく、そういう観点から、適切な学校評価のあり方について検討していきたいというふうに思っております。

○笠委員 ぜひそういうシステム、なぜ今こういうことが必要かというと、これは繰り返しになりますけれども、やはりこれから分権を進めていこう、そして、学校に、いろいろと自分たちで考えて、校長先生と、そしてまた、コミュニティ・スクールであれば学校の運営協議会なりそういったところが、では、自分たちは子供に何をどう教えるんだ、そしてどういうものを身につけさせるんだということを、これからもう本当に、画一的じゃなくてしっかりと考えながら、やはり自分たちの責任でもってやっていただこうというような形に教育行政のシステムをしていかないといけない。だからこそ、一方で、やはりこういうきちんとした形での評価を、評価と言うと、本当に学力というようなイメージがどうしてもつきまとうわけでございますけれども、この言葉には。
 ただ、本当に校長先生と、適切に学校が運営されているか、あるいは先生と生徒の関係は良好か、生徒の学習意欲がどうなのか、態度がどうなのか、非常に、本当にきめ細かく評価をしようとすると、どうしてもこれは、単にボランティアの方々に、保護者や地域のかかわっている方の評価も必要かもしれないけれども、やはり第三者の目というものが非常に必要になってくると思います。
 そして、それをまた国がランクづけするとかそういうことではなくて、もちろん問題のあるところの是正というものに何か援助していくということは大事かもしれませんけれども、やはり情報を公開していく中で、しっかりと当事者としてそういうものを、近くの学校がどうなのか、ほかの学校がどうなのかということも含めて、こういうシステムを、やはりセットだと思うんですね、評価のシステムと情報公開あるいは説明責任。こうしたところをしっかりと踏まえた評価制度というものを私は確立していただきたいと思います。
 あと、もう一点、大臣にちょっとお伺いをいたしたいんですけれども、全国共通テストといいますか、こういうものの導入にも非常に意欲を大臣は示されているようでございますけれども、これはイメージでは、例えば、義務教育段階で何回かに分けて、何歳ごろがいいというのを選んでやるようなイメージで考えられているんでしょうか。ちょっと具体的にお聞かせをいただければと思います。

○中山国務大臣 全国的な学力調査の意義、目的、実施内容、あるいは実施方法、調査結果の取り扱いなどにつきましては、中央教育審議会に今意見を伺っているところでございまして、省内におきましても、我々はプロジェクトチームをつくりまして、速やかに実施に向けた検討を進めていきたい、こう思っているわけでございます。
 全国的な学力調査を実施する際には、各学校において児童生徒の学力状況を全国的、客観的に把握して教育の成果を評価すること、各都道府県や各学校における教育指導の改善、児童生徒の学習意欲の向上について動機づけを与えるものとなること、こういうことに資する必要がある、このように考えているわけでございますが、対象となる学年あるいは教科、調査の規模、調査の頻度、結果の公表につきましては、はっきり申し上げて、今後の検討課題だ、こう思っております。今私が予断を持って発言するのは差し控えたいと思っておりますが、いずれにしても、かなりの規模といいますか、本当に全国一律でできればいいなという希望は持っております。

○笠委員 きょう、かなりの議論があったわけですけれども、やはりOECDの昨年の学力調査、これは確かに国際的にどうかということもあるのかもしれませんけれども、これはたしか、私の記憶違いじゃなければ、昭和四十一年を最後に、四十一年以来ですかね、こういった全国規模の学力調査というのはなくなっているわけですよね、一部、選んでやっているのはありますけれども。そういう中で、では今の子供たちの基礎的な学力がどの程度なのかということは、きちっとこれは把握をしておかないといけないことだと私は思っております。
 もちろん、個人の成績がそれでいいから、悪いからという、かつての学力偏差値至上主義みたいな、そういうことで陥ってはいけないと思いますけれども、当然先生方も、この子供が、自分の教えている生徒が、どこが苦手でどうなんだ、あるいは自分の学校が全国的にどういうレベルにあるんだ、やはりそういうところはしっかりと、これも先ほどの評価のシステムと一緒で、把握ができる体制というものは、国が責任を持った制度というものをやはりつくっておく必要がある。
 これは私の個人的な考えですけれども、せめて学校単位の平均の学力順位ぐらいはそのエリアごとに公開をしてもいいんじゃないかな。そのことで、近くの学校と比べてどうなんだというようなことも、そうすればやはり中で頑張っていくということも、またそういう意欲というもの、あるいはどこが問題なのかという問題点も、この学力の面においてもはっきりしていくわけでございますので、ぜひともそこあたりはどういう年齢がいいのかも含めてしっかりと御検討をいただきたい。
 もう一つだけ。あと、教師の質ということで、免許の更新制などについて大臣おっしゃっていますけれども、先ほど、ちょうどたまたま大臣がフィンランドの例に言及されましたけれども、私は教員の養成過程にもこれは問題があるんじゃないかと思っているんです。
 例えば、今四年間のところを、その中でボランティアをやるとかいろいろなことが随分入ってきているんですけれども、そういうことが果たして、これからは学校の先生というのは、教える力も必要ですけれども、やはり何よりも人間力を身につけていただかなければならない。そうした中で、例えば六年ぐらいの、むしろ先ほどのフィンランドの例のように、やはり教員養成期間というものはそれぐらいにして、その中で二年ぐらいはしっかりと本当に社会人としていろいろな実体験をするとか経験をするとか、ただ単にちょっとやりましたじゃなくて、そういうこともカリキュラムに組み込んだ形の思い切ったそういう制度の見直しというものをしてもいいのではないかと私は思っておるんですけれども、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 学校現場を見せていただくたびに、やはり教育というのは人だなということを痛感させられているわけでございまして、すぐれた教員を確保して養成するということは極めて重要な課題である、こう考えておるわけでございます。
 今、教員の養成というのは、御承知のように、教員養成大学とそれから一般大学、これはそれぞれ特色を発揮しながら行っているわけでございます。これには、一つは幅広い知識を持った人材、それから本当に昔の師範学校みたいなそういうイメージの学校、いろいろなところから採用しよう、こういうようなことでございますけれども、やはり使命感あるいは情熱、実践力を有する極めて優秀な教員を養成するためにはどうしたらいいかということは、これは中長期的な立場から考えていかなければいかぬ、こう思っているわけでございます。
 全部六年制にしたらどうかというようなお話も今ございました。
 これにつきましては、現在、教員養成大学・学部のみならず、一般大学・学部においても教員養成を行っていること、また学部における養成が中心となっている現状、さらには今後の修士課程における教員養成の動向等を考慮しつつ検討すべき課題である、このように考えておりますが、御承知のように、昨年十月に中央教育審議会に対しまして新たな諮問を行いまして、この中で、学部段階の教員養成の改善充実とともに、教員養成における専門職大学院のあり方についても御検討を願うということになっているところでございます。

○笠委員 時間が参りましたので終わりますけれども、最後に大臣、ことしは本当にいろいろな多くのテーマを中教審の方にまとめられているわけでございますけれども、やはり最後は政治がしっかりと取り組んでいかなければいけない、教育というのはそういうテーマでございますので、中教審がこう言ったからどうこうというよりも、そういったところで姿の見える指導力というもの、またリーダーシップというものをぜひ発揮していただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。