 |
 |
 |
 |
 |
| 162-衆-北朝鮮による拉致問題等…-2号 平成17年02月24日 |
 |
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
大臣におかれましては、この後予算委員会がまたあるということで、冒頭、せっかくの機会なので、二、三御質問をさせていただきたいと思います。
私、この特別委員会で質問させていただくのは初めてなのでございますけれども、これまで超党派の拉致議連等で活動していまして、まさにこの拉致事件というものは、当たり前のことですけれども、国家の主権を侵害された問題であり、テロ行為です。
こうした中で、改めて外務大臣の認識というものを最初にお伺いしたいんですけれども、これは単なる特殊機関ではなくて、国家ぐるみの北朝鮮という国の犯罪である、テロ行為であるという御認識は持たれておるでしょうか。
○町村国務大臣 今委員お触れになりましたように、二〇〇二年の九月の日朝首脳会談におきまして、金正日国防委員長がその拉致を認めて謝罪した上で、これは特殊機関の一部の妄動主義者らが英雄主義に走ってかかる行為を行ってきたと考えているとしまして、本件に関連した責任者は処罰を受けた、こう述べた。
特殊機関というのは、まさにこれは政府か党か、あるいは独立の存在かよくわかりませんが、どう考えても、それは広い意味の国の機関の一部であるということは間違いがないと思います。したがいまして、それらのやった行為というのは、まさに先方の国を挙げてやった犯罪である、これは厳密な定義を除いて考えても、そういう性格のものであったというふうに私どもも認識をしているところであります。
○笠委員 当然のことなんですね。まともな国であれば、党か政府なのか、いろいろあるんでしょうけれども、まさに独裁国家でございますから、これは首謀者は当然ながら金正日であり、そしてその意思で、その一言ですべてが決まっていく。
私は、本当に北朝鮮の国民を解放すべき、これに国際社会がどうやって臨んでいくのか、この独裁国家を、今の独裁体制というものをいかに壊していくのか、これがまさに日本としても、拉致問題を抱えるがゆえに、まさにリーダーシップを小泉総理にも発揮していただかなければいけないわけでございます。
対話と圧力という路線、よくわかります。両方大事でしょう。しかし、この二年半近くの間に、果たして対話というのが本当にこの拉致事件に関して成り立ってきたんでしょうか。
私は、今、圧力もかけていないけれども、この日本と北朝鮮という二国間の問題において対話も成立していないんじゃないか、成り立ってきていないんじゃないかという思いを強く持っているわけでございますけれども、外務大臣、その点についての認識はいかがでしょうか。
○町村国務大臣 もろもろの準備を経て、二〇〇二年の九月に第一回目の日朝首脳会談が行われました。そして、さらに昨年の五月の第二回目の首脳会談が行われました。結果として、五名の拉致をされた方々が帰国され、さらにその家族も帰国したということは、やはりそれは日朝両首脳間に対話が存在し、特に第一回目のときにはそれぞれ意見を言い合った形で日朝平壌宣言というものもでき上がったわけでありまして、もし対話が全くなくて突然ああいうものができ上がるはずがないわけであります。
そういう意味で、それは、普通我々が思っている日本で行われている対話とは性格は多少異なるのかもしれませんが、対話というものがあったからこそこうしたものができ上がってきたということで、小泉首相のリーダーシップでここまで、そもそもそれ以前はそういう問題は存在しないと言ってきた、その存在を認めた上で謝罪をしたということは、やはり私は、成果として率直に認めていいのではなかろうかと思います。
さらに、その後の安否不明の方々の対応に関しては、過去三回の実務者協議を経て、その後の対応、まことに不誠実なものであって、ここにおいて正常な対話が今、日朝間に存在をしているのかというと、もちろんいろいろな公式、非公式のルートでの意見交換はありますが、いわゆるこれが対話というものであるかどうかというと、現状甚だ疑問ではあります。
ただ、だからといってそういう情報の流れのチャンネルを切ることはなく、そこはやはりきちんとお互いの意思が通ずるようにつないでいかなければならないということは、我々、外交としてはそれは必要な行動ではないだろうかと思っております。
しかし、そのことと、仮に将来厳しい行動に出たとき、その瞬間にすべての対話チャンネルが途絶えるかというと、やはりそれはそういうものではないんだろう、こう思っております。
○笠委員 私も、小泉総理がこの拉致を正式に北朝鮮に認めさせた、この点については評価をしておるわけでございます。
ただ、今大臣おっしゃったように、その後、今対話も圧力も、まさに今ですね、常識的には今対話というものが、今の現在ではここすらも途絶えているという中で、確かに、圧力が先か、対話がどうか、あくまでも対話重視なのか、いろいろな議論がありますけれども、そもそも私は、この対話と圧力というものは決して相反するものではない。仮に、圧力をかけたからそこで対話が終わってしまう、対話がなくなってしまう、そういうことは決してないと思うんです。
まさに対話の場に、きちんと北朝鮮側の態度を改めさせるためにも圧力が必要であるし、恐らく私、町村大臣も、外務大臣になられる前はかなりそうした強い御意思を個人的には持たれていたと思うんですけれども、やはり大臣になってだんだん、お立場があるのはよくわかるんですよ。
ただ、むしろ、今小泉総理が、そういう意味では我々も、多くの国会議員の、ほとんどすべての国会議員の意思として、もう既に経済制裁を行うための準備はやっているわけです。あとはどうやって発動するのか。これはいろいろなケース、いろいろなことを想定してメニューは考えていかなければいけないと思います。
そうした意味で、大臣も恐らく、国会の答弁、あるいはきょうもございましたけれども、厳しい対応をとっていく、とっていくと、非常にじくじたる思いが心の中ではあられるのではないかと思いますけれども、せめてやはり期限を切って、そしてこういうこと、今まさに対話が途切れ、三回の実務者協議を経て、うそで塗り固められたでたらめな国家であるということが改めてはっきりとしたわけですから、この拉致問題、拉致事件について誠意ある誠実な対応がいついつまでになければ、しかるべき措置をやるということをやはりメッセージとしてきちんと総理に出していただきたい。そのことをまた、外務大臣から小泉総理に対しても強く働きかけをしていただきたいと思いますけれども、その点についての決意をよろしくお願いいたします。
○町村国務大臣 小泉総理とは、この拉致の問題についていろいろな意見交換を行っております。今委員が言われたようなことも含めていろいろな議論をやっております。
委員まさに言われたように、制裁あるいは圧力をかけたから対話が直ちにその瞬間に途切れるというものでもない、私どももそう思っております。そういう意味で、しかるべきタイミングに必要な行動をとっていくということは、それはもう当たり前のことであろう、こう思っておりますが、一つやはり今の状況の中でお考えをいただければと思いますのは、まさに六者協議を今どうするのかというぎりぎりのところに来ている状況の中で、今ここで直ちに制裁という判断をするのはなかなか難しいのかな、こう思っているところでございます。
ただ、いずれにしても、六者協議と拉致の問題というのは全く別の存在ではございません。相手は同じ北朝鮮、しかも国家がやっているそういう行動でございますから、そういった関連をも念頭に置きながら、最も適切なタイミングできちんとした行動をとっていきたい、かように考えているところであります。
○笠委員 もちろん、六者協議、そしてこの拉致事件の解決へ向けた国際社会の協力、これをどうしていくのか、これは大事なことだと思いますけれども、やはり、拉致事件に対する日本としての意思、そして国民全体の意思をしっかりと国際社会に向けても示すことは、私は、これは何も六者協議を壊すことにもならないし、また、逆に言うと、それは日本としてこのタイミングで近くきちんとメッセージを放っていくことということも大事なことだと思うので、そこはぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。
そして、大臣、一つだけ、最後、確認させていただきたいんですけれども、ちょっと前回の委員会から二カ月ほどたっていますけれども、十二・五万トンの食糧支援、これは要請というのはWFPの方から来ているんでしょうか。
○町村国務大臣 来ていないと私は認識をいたしております。来ておりません。
○笠委員 これが仮に近く来たとしても、今はまだ支援をする状況にないという方針で変わらないということでよろしいですか。
○町村国務大臣 さようでございます。
○笠委員 それでは、ちょっと今前後いたしましたけれども、引き続き質問させていただきたいんですけれども、きょうは、主に特定失踪者の方々、この問題についての政府の取り組みについて、ちょっと質問をさせていただきたいんです。
私、先ほど池坊委員の方からも御指摘があったように、今の政府の拉致問題についての取り組む体制というものがやはり縦割りの形、各省庁入っているわけですけれども、感を否めないんですね。拉致問題について力を入れて全力で解決を図っていくというようなこと、これは非常に難しい問題があると思いますし、今現場現場の方は大変な御苦労をされていると思いますけれども、例えば先ほどの幹事会、これは防衛庁が入っていない。これはどういうことなんでしょうか。
○杉浦内閣官房副長官 結論から申しまして、必要があれば防衛庁にも参加していただいてやるという仕組みに相なっております。
正規の構成員は、私を議長といたしまして、内閣官房副長官補、警察庁警備局長、法務省大臣官房長、公安調査庁次長、外務省アジア大洋州局長、厚生労働省大臣官房長が一応正規のメンバーでございますが、それ以外にも議長の指名する他の幹事その他関係者と相なっております。
例えば、中山参与はずっと在任中は御参加いただきましたし、それから家族が帰ってこられるようになってからは、例えば、地方自治体と国との連携を図る必要があるということで総務省には局長に出てもらうようになりましたし、住宅関係の支援もあるということで国土交通省にも出ていただいております。教育関係、子供さんの問題があるというときには文科省からも局長に来てもらって、随時、必要に応じて参加してもらって議論をいたしております。
今までのところ、防衛庁に参加してもらう議題がないということで参加してもらっておりませんが、将来出てまいりましたら、防衛庁からもしかるべき者に出てもらうということは当然あり得ると思います。
○笠委員 私、今防衛庁と申し上げましたのは、やはり防衛庁には、当然ながら、言わずもがなですけれども、アメリカ軍の情報でありますとか、あるいはいろいろな電波情報含めて、我が国の安全保障を担当している、預かっている役所でございますから、入っていると思うんですね。
そうした中のさまざまな情報というものも共有をしていく中で、以前、今支援室ということで、あるいはあと幹事会ということで対応されているんですけれども、対策室的なものをしっかりとつくって拉致問題に当たっていくというようなことを官房長官なりも述べられていると思うんですけれども、ここのあたりの体制を強化していくというようなお考えというものは、今現在、政府としてはないのかどうか。
そして、これはやはり今の体制で、官房副長官はたしかこれを主宰されているわけですよね。これで機能しているというふうに思われますか。
○杉浦内閣官房副長官 先生のようなお考えの方はたくさんおられると承知しております。自民党内にもございます。中山参与も一時期そういうお考えでございました。
拉致問題が日朝関係の最重要の課題だと位置づけろ、政府の中にも推進する本部をつくれという趣旨のお考えだと思いますが、最重要課題だと認識して取り組むという点では政府も同様の考えをしておるわけです。ただ、そういう対策本部、専門的な組織というのをつくるのがいいかどうかということについては、私の場合、今のままで十分に対応はとれている、むしろ、どういう組織をつくるかですが、屋上屋を架するようなことになるんじゃないか。
例えば、家族の支援については支援室というのができました。家族が戻ることになってから、今十七名体制でやっておりますが、これは各省庁、連携をとりながら、家族支援については非常によくやってくれておると思うんですね。だから、これは拉致対策本部の事務局じゃございませんが、非常に重要な拉致問題の柱の一つである家族の支援ということについては、これは内閣官房に設けられた組織で、副長官補のもとで有効に機能していると思うんです。
拉致幹事会は私が就任して、昨年の五月ですが、五回やっております。過去、十七回開催しております。ですから、二月に一回くらい開催していることになりましょうか。先ほど申し上げたメンバーに、去年の五月からはほとんど、先ほど申しました総務省とか国土交通省、文科省の局長にも家族支援がありますので入ってもらって、やってまいっておりますが、それぞれの省庁が実際仕事をする場合には分担してやるわけなんです。それを全体として統一して、協議して、そして方針を決めてやるということでやっております。
例えば、残りの二分の一の人道食糧支援はやらないということを昨年十二月二十八日の幹事会で決定いたしました。これは、外務省が窓口なんですが、政府として決めるべきだということで、拉致幹事会の決定として、人道支援は当面行わないということを決めたわけですが、そういう各省庁が対応すべきこと全体を協議して、方針を決めて、各省庁がそれぞれのつかさつかさで取り組むという体制ができておると私は思います。
十二分なのかどうかは別にして、私が議長としてやり始めてからは、屋上屋を架するような組織をつくらなくても対応できるんじゃないかという考えで私はおります。
○笠委員 そもそも、私は、ちょっと違うと思うんですよね。審議会じゃないんですから、二カ月に一回ぐらい集まって、そこでそれぞれやっていた情報を持ち寄って判断すべきは判断しましょう、そういうことじゃなくて、要するに認識なんですよね。拉致問題を絶対に解決するんだという、本当に政府としての認識があれば、そこにやはり各省庁から常駐するメンバーを出して、日々いろいろな情報が入ってきているはずなんです。
私は、その一つの例が、では、なぜ政府認定の拉致被害者、十件十五名から以降、全く一件のケースもないですよね。そういったことにもこれが出ているんじゃないか。
つまりは、これはやはり、この問題について、何か帰国した方々をサポートしておけばいい、何かあったときにはちょっと集まって、そして話し合ってどうしましょう、そういうことじゃなくて、まさに、本当にこれは今最大の問題であるわけですから、副長官は、いや、十分機能していると言うけれども、恐らくは、国民の皆様から見て、あるいは今なお生きておられることを信じて待って、そして政府に必ず救出をしてもらえると思っておられる家族の方々の思いを小泉総理が受けとめておれば、そうしたら、これは当たり前じゃないですか、対策室なりをつくって、しっかりとした組織をつくっていくことは。
私は、そういうそもそもの認識が少なくとも副長官とは違うのかなと思っておるんですけれども、いかがでしょうか。
○杉浦内閣官房副長官 先生のおっしゃられた認識とか、この問題に取り組む決意、内閣の最重要課題として取り組むという点においては、総理も外務大臣も私どもも同じ、共通の認識を持っておると思っております。
先生がおっしゃられた、いわゆる特定失踪者の問題ですけれども、拉致認定された方以外にいらっしゃるということは私どもも認識しております。そのうち何名かについては認定してもいいじゃないかという考えが政府部内にもあるぐらいでございまして、ただ、事案の解明は警察庁を中心にしてやっております。これはもう会議のたびに事案の解明を急げということで督励をしておるわけです。
警察庁も、昨年の秋初めて、担当課長を集めまして、全国課長会議をやったんですね。そして、情報を共有して捜査に全力を挙げる。それまではポイント、ポイントでやっておったんですが、全国で課長会議をやって、警察庁を挙げて取り組むという体制になってやっております。
事案の解明について、例えば曽我さん親子の場合には、総理が向こうに行かれて、向こうが謝って、実はいるよと言ったんです。それまでは、佐渡ではもう行方不明者ということで葬式まで済まされて、認定もされていなければ、特定失踪者にも入っておられなかった方なんですね。向こうが謝って、ああ、いらっしゃったのかということになったケースです。
お母さんのミヨシさんの場合は認定いたしましたが、向こうが認めて、謝って、曽我さんの場合は事情を聞いたらお母さんと一緒に拉致されて向こうへ行った。北朝鮮側はお母さんは入国していないと言っていますが、船に乗せられたのは間違いないわけですから、同じような経緯で、犯罪行為で拉致されたということは明らかでございますので、お母さんも拉致被害者に認定いたしたわけなんですが、今のところは、向こうは国に入っていないと言い張っておりまして、それ以上の解明は進んでおりません。
ほかの特定失踪者と言われる方も、個々それぞれいろいろな事情がありまして、警察が解明を進めております。公安庁からも、あるいは先ほどのアメリカの情報というお話もありましたが、外務省も、アメリカ、韓国等から情報があれば集めまして、警察の方に連絡をとるということもいたしておりまして、そういう機能的な面でいえば、現状では必要、十二分とは言えないかもしれませんが、政府全体として機能しているというふうに私は思っておる次第でございます。
○笠委員 昨年ですか、秋、初めて警察庁の方で全国の会議を開いた。ちょっとそれもまた、二年以上たってそういうことでは本当に困るな、そもそもがね。
○杉浦内閣官房副長官 ちょっと言葉が足りませんで、全国の課長会議を開いたのは初めてでございまして、個々の地域で、特定失踪者、拉致された可能性のある県警では、もちろんそれぞれ対応をいたしておったわけでございます。
○笠委員 いや、もちろんそれはわかっているんですよ。私が言っているのは、まさにおっしゃるとおり、全国で集まってというのが初めてだ。そんなものは、この時点に及んで、昨年になって全国で集まるのが初めてで、あとはそれぞれこういう情報があるから頼むよという程度で、要するにつかさつかさ、それは御苦労されているでしょう、現場は。
けれども、やはり政府としてこの問題についても、総理もおっしゃっていますよね、特定失踪者の方々の問題まで含めて解決しなければ、拉致事件、拉致問題の解決はないということを。それにしては全く取り組みが甘いのではないかということを私は感じているわけだし、そこについてきちっと、もう今の、去年からのでたらめな、本当に許せない対応ですね。だから、こういうことがあるわけですから、しっかりと、むしろこれは本当に官房長官も副長官も含めまして、政府を挙げてやはり取り組んでいただきたい、そのことを強く申し入れたいと思います。
それで、副長官、これまで政府が認定されたケースもほとんどはジャーナリストであるとかいろいろな、ほとんど政府が直接的に認定したケースというのは少ないんですよね、政府が本当に事実解明して、そして、それがきちんと政府として拉致被害者として認定したというケースは。
これは、その後、先ほど言いましたように、繰り返しになりますけれども、十件十五人の以降も全く新たにそういう認定というものが行われていない。これはなぜなんですかね。体制はしっかりしている、やっている。けれども、現実に結果が出ていないじゃないですか。それについて手短に。
○杉浦内閣官房副長官 一言で言いますと、情報不足だと思います。マスコミにもたらされる情報も不確実な情報が多いんですね。ですから、そういうあらゆる情報を警察庁が収集しまして、事案の全体から見て認定できる、最終的には警察庁の判断を中心にして各種情報を総合して認定するというふうにしておりますので、一言で言うと、情報が足りないというのが認定できない事情でございます。
○笠委員 これは本当に問題で、情報不足なんということを、まさに副長官がこの幹事会の責任者でしょう、だったら、なぜ、その情報不足を補うために何をやるかというのが、まさに政府がやることじゃないですか。
私、一つ、それで、ちょっと待ってください、この特定失踪者の件について、特にこれまでにもっとやはりさまざまな情報が、確かに情報の中にはいろいろあるでしょう、それは当たり前ですよ。
しかし、その中からどれが正しい情報で、その後、そういうことをきちっと政府としても峻別して、そしてこれを政府として拉致被害者として認定していくということ。これをやるのが当たり前の話で、ただ、私が思うのは、小泉総理自身が、もうこれ以上、政府認定の拉致被害者をふやしたくないんじゃないか、この問題はもうここで終わらせたいんだというような意識がどこかにあるんじゃないかとすら思いたくなるような対応だと私は思っているんですよ。ですから、そこあたりに対して同じような思いを持っている人はたくさんいるはずですよ、国民の中にも、別に家族の方以外でも。
ですから、今みたいな、もう本当に二年半ですよ、拉致を認めて。情報不足ですなんということを聞かれている国民の方は、大変私は不愉快であり、政府に対して信頼できないと思いますよ。いかがですか。
○杉浦内閣官房副長官 総理初め私どもは、先生のおっしゃったように、ここで幕を引こうとか、そんなこと絶対にございません。そういうお言葉を取り消していただきたいぐらいでございます。
情報不足と申しましたが、言葉をかえれば証拠不足と言ってもよろしいかと思います。例えば、北朝鮮との関係で、政府が拉致被害者と認定する以上、骨の問題もありましたが、後でそうでなかったということはあってはならないわけであります。ですから、認定する以上は慎重の上にも慎重に認定して、認定した以上、謝罪、原状回復、きちっとやれるだけのものでないと、あやふやなままでしては後に対してよくないんじゃないかというふうに思います。
例えば、ある特定失踪者の中に入っておられた方が、被害者の会には載っておったんですが、ある犯罪捜査で床下から遺体で発見されたというようなケースもあるわけですね。その方は、被害者の会議の方ではもう間違いなく特定失踪者だと言われておった方なんですが、そういうケースもないわけじゃないんですね。
ですから、認定する以上、北朝鮮に対して、おたくの犯罪行為で拉致されたんだから帰せということがきちっと言えて、後になって問題がないような状態じゃないといけないというのが私どもの立場でございます。
○逢沢副大臣 お許しをいただいて、外務省の立場からいわゆる特定失踪者の問題についての対応のことについて発言をさせていただきたいと思います。
当然のことでございますが、私どもとしても外交をつかさどる立場から、特定失踪者問題についても懸命の努力をさせていただいております。
今副長官の方から累次御答弁がありましたが、まず何といってもあらゆる情報を収集する、そのことが大切であります。韓国に対して、また中国に対して、とりわけ北の情報に接する機会が多い、また数多くの情報を持っている両国については、特別な情報提供を求める対応をいたしております。
また、英国を初め北朝鮮と外交関係を持っている国がございます。外交関係を持っている国の中で、とりわけ公館を平壌とそれぞれの国の首都に置いている、そういう国を中心に、これはまた、この拉致問題、政府としては断定はできないけれども、非常に疑わしいケース、いわゆる特定失踪者と呼ばれている人たちが非常にたくさんいるということも照会いたしておるということを委員に御報告申し上げておきたいと思います。
そして、その結果、これはまだ名前は出せないわけでございますけれども、クアラルンプールの日朝正常化協議において、実は三人の方、これは政府がいわゆる拉致被害者と断定、認定をしていない方でございますが、特に固有名、具体名詞を挙げまして、北朝鮮に情報提供を求めました。またその後、一回目のフォローアップの協議、二回目の協議の場におきましては、加瀬テル子さん、藤田進さん、こういった具体的な名前を出しまして情報を求める、何かわかっていることがないかといったようなことについて強く迫ったということは既に御報告を申し上げておりますが、そういった努力も含めて、これからも政府一丸となって、いわゆる残された十名の方の早期の帰国、また真相の解明はもとよりでありますけれども、いわゆる特定失踪者の問題にも懸命に引き続き当たっていくことを申し上げておきたいと思います。
○笠委員 いや、もちろん何でもかんでも認定をして間違っちゃいけない、その責任は重大だということはそれはわかっていますよ。その上で私も質問をしております。
では、でも確かに、今逢沢副大臣がおっしゃったように、実務者協議の場で、大体私も名前はわかっておりますけれども、ちゃんと特定失踪者の中からこれはという、恐らくもうほとんど拉致被害者と認定していい状況なんでしょう。だからこそ、特定の名前を挙げられて、きちっと名前を挙げて、どうだということをやられていますよね。
今おっしゃった藤田さんにしても加瀬さんにしても、もう写真が出てきた、脱北者を通じて、ジャーナリストを通じて。この二人のケースはなぜ認定されないんですか。これは、きちっと写真鑑定も、鑑定された方ももちろん日朝交渉についていかれた方ですよね。これはもう認定するに足り得るんじゃないですか。いかがですか。
○逢沢副大臣 最終的には内閣が、つまりその責任者は内閣総理大臣でございますけれども、主に警察庁が捜査を行い、その十分な証拠固めを行って、先ほど副長官からも申し上げましたように、政府として責任ある判断を行わなくてはならないという立場で行わさせていただいているわけであります。ただ、御家族の御理解、種々のさまざまな状況の中で、いわゆる名前を出して、まだ断定はできないけれども、疑いが非常に濃厚であるという形で北と折衝するケースと、またさまざまな理由の中でそうはいかないケースとあるということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○笠委員 私は、ちょっと理解できないんですよね。それは例えば、曽我さんのケースを先ほどおっしゃいましたよね、杉浦副長官。北朝鮮側が曽我さんも拉致していたと出してきた。
では、曽我ひとみさんのケースで、これまで政府は全くこのことについては関与してこなかったわけですよね、取り上げてこなかったわけです。その責任は、では、だれがとるのですか。そうしたことも逆にあるわけですよ。そして、お母さんに関しても、これは私は認定されたことはいいと思っていますよ。けれども、北朝鮮は入国していないと言う。そして連れ去られたという証拠もないですよね。だから、非常にあいまいなんですね、この認定する基準というものは。
そういう中で、私は、例えば先ほどの藤田さんとか加瀬さんのケースなんというものは、むしろ、それ以上に、これはもうほとんど拉致されたに、まさに拉致されたと言い切れるぐらいの証拠がそろっている状況にあるんじゃないですか。いかがですか。
○逢沢副大臣 証拠がそろって、政府として責任を持って拉致被害者であると認定できるか、断定できるか、それはまさに政府の責任で行わさせていただいております。
したがいまして、私どもも心証としては大変、その可能性といいますか、疑いが強いというふうに思っているのも事実でございますけれども、しかし、責任ある政府の判断は断定にはまだ至らない、断定するにはいささかの情報、情報と申し上げますよりは証拠がまだそろい切っていないという判断をさせていただいているということであります。
○笠委員 先ほど、いろいろな情報を今いろいろなチャネルでとっている。本当に今脱北者の方々を含めて、特に韓国を舞台にしているんでしょうけれども、いろいろとジャーナリストの人たちとも接触をしたり、確かにその中にはさまざまありますよね。正しいものからそうでないもの、あるいはお金目当てという人もまた間に入ったりと、それはあるでしょう。
けれども、数々、私は、当然外務省の大使館の人たち含めて、こういう方々との接触も日常茶飯事だとは思っているんですけれども、やはりそういう人たちとの人間関係も築いて、しっかりと政府が、まさに写真でも何でもいいですよ、重要な手がかりになるものを入手したというような形で、本当に一件たりとも表に出てこないじゃないですか。ですから、私は何をやっているんですか、全く見えないと。
そして、体制に不備があるんだったら体制を整えればいいじゃないですか。その点を、私は、だからそういうことをきちっとやらないから、見えてこないから、政府はどうも腰が引けているんじゃないか、いや、政府と言ったら差しさわりがあるかもしれない、今の官邸はこの拉致事件について腰が引けているんじゃないか。
まさに認定をする最終責任者は小泉総理です。だから、私はそこをしっかりと、きょうは外務大臣、官房長官、今おられませんけれども、総理にもきちっと認識をしてもらわないといけない。そういう点で、例えば本当に、先ほど言いましたような、では、例えば外務省として、どれぐらいの海外で情報をとる努力をされていますか。
○逢沢副大臣 例えば、脱北者の方々との接触を許される範囲で努力をいたしております。拉致問題が日朝間に横たわる最重要の政治案件だということを正しく理解をいただき、北朝鮮国内におられたころお持ちである情報、その中に貴重なものが含まれていないかということについて、とりわけ御当人のお立場を考慮しながら、また率直に申し上げて、韓国政府当局の了解も必要でございますが、そういった環境条件を整備しながら、できるだけの努力をさせていただいております。
また、脱北をされました元北朝鮮の高官、黄元書記にも、実は政府の責任ある者が接触をし、高い立場からこの拉致問題のことについて協力を要請している、情報の提供を要請してきた経緯があるということについても申し上げておきたいと思います。
○杉浦内閣官房副長官 事案の解明については、幹事会のたびごとに警察庁に対して全力を挙げて取り組むように指示をいたしております。彼らは彼らなりにやってくれていると思います。
○笠委員 ちょっと時間もなくなってきたので、一つ、今、この特定失踪者の三十三名の方の家族が刑事告発あるいは告訴されているわけですね。早くにされた方は、もうこれは一年ぐらいになるわけですけれども、ほとんど捜査の状況というものが知らされていない。
もちろんこれは、今まさに捜査、真相解明中だというようなこともあるんでしょうけれども、どんな小さなことでも御家族の方々からすればやはり情報が欲しいという気持ちというのはあると思うんですね。その辺について、ぜひともきめの細かい対応、また、けさのこの産経新聞で、今度、特定失踪者の拉致濃厚として古川さんが国を相手取って拉致被害者認定を求める提訴まで来月するという、こんなことが出ています。
やはり家族の方々のことを思えば、ぜひそこらあたりのひとつ、今も一生懸命やってもらっていると私は思いますよ、警察の方々、現場の方々は。けれども、やはり政府としてのもう一つ踏み込んだ対応というものをお願い申し上げ、それに向けたちょっと決意をそれぞれにいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。
まさに今、委員の御指摘のとおりだと思います。捜査上の秘密の保持あるいはプライバシーの保護という問題はございますけれども、犯罪捜査規範上も、私ども、被害者の方に対して、捜査の経過その他被害者の救済あるいは不安の解消ということに資すると認められる事項は通知をすることになってございますし、先ほど来御議論ございました、昨年十月に開催をいたしました全国の拉致容疑事案捜査の担当課長を招集した会議、ここにおきましても、全国的にこういった告訴、告発が非常にたくさんなされているという状況を背景に、しっかり情報を共有しようというのが趣旨でございますが、そこにおきましても、捜査機関として御家族の方あるいは関係者の方に対する説明責任を果たす、あるいは、これらの方の心情に十分配意した捜査を進めるようにという指示も行ったところでございます。
今後とも、こういった点について十分配意した捜査をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
○逢沢副大臣 特定失踪者問題の解明につきましても、今まで以上に緊張感と、また誠意を持って取り組んでまいりたいと存じます。
○杉浦内閣官房副長官 逢沢副大臣が申されたとおり、全力を挙げて取り組んでまいります。
○笠委員 よろしくお願いします。
|  |
|
 |
|
|
|
 |
|  |
|