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| 162-衆-文部科学委員会-6号 平成17年03月16日 |
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○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
本日は、義務教育の国庫負担をどうするのか、また、義務教育全般にわたりましてのこの議論を秋へ向けてどうまとめていくのかというようなことでの質疑をさせていただくわけでございます。
先ほど来、きょう午前中より、私どもの筆頭理事であります川内委員からもさまざまな角度での大臣に対する質問がありましたが、やはり私は、一たん参考人というものが理事間で決まっていた、それが、理由わからず、その人の問題なのかどうなのか、そこが全く我々にもわからない中でこれが取りやめられた、そして委員長の裁量によってということは、これはまさにこの議会において汚点を残すことになる、私は、このことについては強く遺憾の意を表させていただきたいと思っております。
それで、今、松本委員の質問にもありましたけれども、大臣にまずお伺いをいたしたいのは、先ほど来、この秋、この義務教育の問題についてどういう結論を得るかということに対して、中教審等の答申を踏まえてというようなことをおっしゃっているわけですけれども、私はここにもう一つこだわりたいんですが、この等という中には当委員会の質疑ももちろん含まれるという認識でよろしいでしょうか。
○中山国務大臣 中教審の結論がそのままということになれば一番いいんでしょうけれども、やはり尊重されるというか、結論を得て、いろいろとまた政府内においてもいろいろな議論があるんだろうと思うわけでございます。
その中でも、しかし、中教審というものの重みが、昨年来、随分出てきたなと思うわけでございまして、私も昨年来、とにかく中教審抜きで、経済財政諮問会議で単なる補助金改革とかそういう財政論からだけでこの義務教育国庫負担制度を論じてほしくないということを一貫して主張してきたわけでございます。
そういう意味で、何といいましても、まずは教育全般をこれまでも真剣に考えてこられた中央教育審議会、この結論というものを最大限尊重してもらいたい、こう思いますけれども、それ以外にも、いろいろな方々の意見ももちろん、この委員会も含めてそれは反映されるべきものであろう、このように考えております。
○笠委員 大臣、もちろん中教審の答申というものは尊重しないといけないでしょう。ただ、再三大臣はいろいろな場で、幅広く意見を聞くと。そして、まさに国権の最高機関のこの場所で、それぞれの委員がやはり義務教育に対する思いというものを持ってここは議論をさせていただいている場だと私は認識をしております。
ですから、もう一度確認しますけれども、今大臣からお話ありましたけれども、当然ながら、大臣としても、この委員会の場でのいろいろな質疑というものは、やはりこれも踏まえてまた結論を出していきたいということでよろしいですか。
○中山国務大臣 私も、文部科学大臣としてこの委員会に臨みまして、委員の皆さん方お一人お一人の教育にかける熱情、情熱、気持ちというものはしっかり酌み取った上で、また閣内においていろいろな議論等もあると思いますから、臨んでいきたい、このように考えております。
○笠委員 であるならば、私はぜひ大臣にも考えていただきたいことは、今まさに審議をしているこの法案の採決、あるいはこれがどこでということとは切り離して、やはりこの義務教育の問題というものは、秋へ向けて、当委員会でもこれからさまざまな角度からの当然ながら審議を行っていかなければなりません。ですから、そうした過程で、我々としても、幅広く、参考人の方にも時にはおいでをいただいて、やはり意見を聞かせていただきたい。
こうしたことについてぜひ大臣にも御理解をいただき、また、大臣もそういう場にも時にはお越しになって、ぜひそういう意見を聞いていただきたいし、また、その質疑をしっかりと踏まえていただき判断をしていただきたい、そのことを改めてお願い申し上げたいと思います。これはあわせて委員長にもお願いをいたしたいと思います。
○斉藤委員長 理事会で協議をしていきたいと思っております。
○笠委員 そして、この審議、さまざまなこれまでの議論が行われているわけですが、私は、一たんちょっとこの義務教育の話はおいておきまして、どうしても一点、大臣にただしておかないといけない問題がございます。これは、またこの四月に予定されております教科書の検定の問題について、ぜひちょっと大臣に二、三確認しておきたいことがございますので、まず先にそのことについてお尋ねをいたします。
大臣、またこの季節、今も韓国の有志の議員団が来ていろいろと外務大臣にお会いになったりしているようでございますけれども、先月、韓国で超党派の議員七十九人が日本の歴史教科書歪曲中断を促す決議案というものを国会に提出したという報道がございます。
他国の教科書の内容について、歴史認識について、一方的に歪曲という言葉を使って決議が出された。これが果たして、これは提出したということなんでしょうけれども、こういう事態について、大臣、どう思われますか。
○中山国務大臣 いろいろな国との関係、領土の問題、歴史認識の問題、いろいろあると思うので、それぞれの国の意見や主張があると思うんですけれども、私としては、余りそういったことを感情的にならずに冷静に判断していくべきだ、このように考えております。
○笠委員 私もそのようには思うんですね。ただ、やはり我々も、それぞれの議員として、議員の立場で、個人的な思い、いろいろな心情がございます。
ただ、やはり私はちょっと心配しているのは、逆に国会の場にそういう、教科書ですよ、しかもこれは恐らくまだこれから、私も内容は知りません、検定がまさに今行われている教科書について、なぜかわからないけれども事前に中身が漏れている、そしてその一部を取り上げてこういった動きになっていると私は認識をしているわけですけれども、ちょっといささか、やはりこういう特に隣国との外交というのは非常に難しいです。時に感情的な対立があるでしょう。
だからこそ、今大臣がおっしゃったように、冷静な対応をやはりお互いにしていくということは大事なんですけれども、大臣、そこで一つお伺いしたいのは、今現在使われている歴史教科書で、何かこうしたほかの国から、近隣諸国から、これはおかしい、歪曲であるというような記述があると考えておられますか。
○中山国務大臣 よその国から、何かそういうふうな具体的に言われているということは承知しておりません。
○笠委員 いやいや、大臣、違うんです。今既に使われている検定済みの教科書、採択されている教科書の中で、そういうことを言われるような表現あるいはその事実というものがあると考えていますかということを聞いているんです。
○中山国務大臣 ですから、ないというふうに考えているということでございまして、これはもう御承知のように、教科書検定調査審議会でいろいろ専門的な分野から議論していただいて、それをもとにして適切にやっているわけでございまして、そのことについて、今の現行の教科書についてとやかく言われているということは承知しておりません。
○笠委員 大臣、私は、それぞれの国の歴史には光もあれば影もある、そして、それをきちんとやはり子供たちに教えていくということは非常に大事なことだと思うんです。
ただ、これは大変残念ながら、日本と韓国、あるいは日本と中国の歴史の中において、これまでなかなか共通の歴史認識というものを整理していくことがまだできていない。戦後この六十年の中で積み残された大きな課題の一つであると思います。
ただ、まず日本の歴史というものが何なんだ、どうなんだということは、まさに我々がしっかりと責任を持って検証し、そしてそれについて何を子供たちに教えていくのかということは、私は、自信を持ってしっかりとやっていかなければいけない責務があると思っております。
そうした中で、やはり、検定前のまだ世に出ていない教科書に対して、たとえ一部であれその問題をとらえて、我が国の外務大臣に対して問題があるということを言うようなこのやり方というのは、いささか、先ほど言った冷静な議論を我々もやろうと思っているからこそ、ちょっと行き過ぎではないかな、そのように私は感じております。その点については、大臣いかがでしょうか。
○中山国務大臣 今検定の期間中でございまして、それがもう外に漏れるということ自体がおかしいわけでございますし、そういったものをもとにしていろいろ言われるのはこれはいかがかな、こう思うわけでございまして、この検定につきましては今粛々とやっているところでございますから、これ以上のことを申し上げることは差し控えたいと思っております。
○笠委員 この問題について、最後に一点だけ確認をします。
大臣、粛々ときちんとやっていただけると。そういういろいろなものが、だれが出したのか、だれが広めているのか私はよくわかりません。けれども、そういう周りの、外野の声に決して惑わされることなく、しっかりと検定をしていただけるということを約束していただけるでしょうか。
○中山国務大臣 文部科学省としては、これからの時代を生きていく子供たちに責任を持っているわけでございまして、その子供たちがこれからの時代を自信と誇りを持って生きていけるような、そういったしっかりとした歴史認識といいますか歴史の勉強ができるようにということを基本に置いて検定をやっていきたいと考えております。
○笠委員 よろしくお願いをいたします。
また、大臣、恐らくこの問題、いろいろとマスコミも含めてこれからどんどん出てきますよ。ですから、私は、そういう歴史認識なんかについても、実は、こういう委員会の中でも、教科書の検定がどうこうということじゃなく、議論もしていくべきではないか、もっと広く国民を巻き込んでやはり議論をしていくことも必要ではないかと考えておりますので、またその点についてはよろしくお願いをいたしたいと思います。
さて、本件の義務教育の国庫負担制度をどうするのかという問題について話題を移させていただきますけれども、大臣、この四月号の中央公論、これに大臣の記事が出ているわけですけれども、この中で、
今年は、義務教育改革の正念場の年である。
子どもの現状、学力をどうとらえ、教育内容をどう変えていくのか、信頼され尊敬される教師をどう養成していくのか、現場主義の立場に立って学校をどう変えていくのか、家庭、地域社会はどういう役割を果たすのか、それを支える教育行政はどうあるべきか、こうした幅広い問題にしっかりした答えを出さなければ、いくら財源論だけを議論しても支持は得られない。
と大臣は書かれております。
また、この委員会等の審議の中でも、財源論だけじゃないんだ、義務教育全体のあり方を考えるんだということを大臣は再三再四おっしゃっているわけでございます。私も全く同じような思いを持っているんですよ。
そして、大臣は、先ほど義務教育の根幹について、機会の均等だ、水準の確保だ、そして無償制だというようなことをおっしゃっていますけれども、私はまず最初に大臣に確認をしたいことは、あるべき姿をまず具体的に示していく、このことの方がまず先であろうと。
その中で、当然ながら、義務教育にかかるお金について、どの部分を国が持つのか、あるいは全部国が持つのか、いやいや、全部もう地方でいいのか、そういった議論がやはりあわせて行われると認識をしているわけでございますけれども、大臣、例えば、当然ながら、秋に財源論だけが切り離されて結論を得るということはないですよね。そのことをちょっとまず確認させてください。
○中山国務大臣 まさに、財源というかお金、銭金でもって義務教育を論じてもらいたくないということを再三主張いたしまして、中教審におきまして、教育論にさかのぼって議論してもらいたい、そして費用の問題につきましても、その中で議論して結論を出してもらいたい、こういうことをお願いいたしまして、中教審で議論していただいているわけでございますから、決して財源論だけでこのことが決せられるとは思っておりません。
○笠委員 一つ確認なんですけれども、それでは、今度中教審の答申の中には、もちろん財源の話もあるでしょうけれども、あるべき義務教育の姿、あり方、こうしたものがきちっとした答申として出てくるということでよろしいですね。
○中山国務大臣 もう既に御承知のように、中央教育審議会のもとに直属の機関として義務教育特別部会というのを設置したわけでございまして、これに対して私が諮問した事項というのは、義務教育の制度・教育内容のあり方、国と地方の関係・役割のあり方、学校と教育委員会のあり方、義務教育に係る経費負担のあり方、学校と家庭・地域の関係・役割のあり方などにつきまして幅広く御審議いただくということになっているところでございます。
○笠委員 大臣、私も、この会長の「検討の論点」、今、大臣は項目をおっしゃって、そこにまたいろいろと細かく、すばらしいことを書いてありますね。
ただ、大臣、これはどれも大事なテーマですよ、この中にもちろんお金の問題も入っている、これを本当に秋に答申出せますか。これだけのテーマですよ。この中でいきますと、例えば義務教育の目標の明確化、制度の弾力化、年限等のあり方、義務教育を、九年をどうするのかと。私は私なりに考えがございます。
こういう根幹にかかわる問題について、本当に秋で期限を切ってきちんとした答申が出されるという、私はちょっと不安なんですよね。今おっしゃったように、特別部会がきょうも行われるんですか、もう既に二回目になるわけですか、これが月に二、三回程度開かれるということですけれども、そして随時総会なども開くんでしょうが、これを今から、例えば十月、十一月までにといっても、まあ毎日やれば別でしょうけれども、二十回、三十回、精力的に取り組んでもせいぜい三十回ぐらいのものでしょう。そういう中で、本当にここに掲げてあるテーマについてすべてに、きちんとした一つの中教審としての考え方をまとめ上げることができる、大臣、それは必ずできるということでよろしいんですか。
○中山国務大臣 確かに、スケジュール的には非常にきついかと思いますけれども、それぞれの専門家の方々が入っていただいておるわけでございますし、また、これまでの議論の蓄積もあるわけでございます。大変タイトなスケジュールではございますが、委員の先生方に精力的に御審議いただきまして、秋までには結論を出していただきたい、このように考えております。
○笠委員 努力はしていただくんでしょうけれども、ただ、私は一番危惧していることは、例えばお金の問題についてはどうしても予算編成なりの時期というタイミングがあります。来年の予算の、再来年度予算ですけれども、来年の通常国会での審議というものも考えていかなければなりません。
ただ、そのために、そもそもがこれ、数合わせなんですから、去年混乱したのも、数字が丸投げされて知事会の方に投げてこられて、これでいいじゃないか、そういう中で教育の本質論というものが抜けていたと。では、なぜこのお金を地方に任せるんだというような、そもそもの義務教育の根幹にかかわる議論が欠落しているじゃないかというところは、恐らくはほとんどの議員が同じ思いだと思うんですよ。
であるならば、大臣、これは場合によって、もしこのあるべき姿、あり方、検討するべき論点についてまとまらなかったときには、これはやはり大事な、もうこれから十年、二十年先、またころころ変えていたのでは、ゆとり教育と一緒になっちゃうんですよ。本当にここですべてしっかりと、十年後、二十年後を見据えた改革案を出すんだ、制度をきちっと変えていくんだという決意のもと取り組んだら、私はこれは多少時間がかかっても仕方がないと思うんです。ただ、そのときに、また財源論だけが切り離されてということはくれぐれもないということをぜひお約束していただきたいんです。
○中山国務大臣 まさにこれからの教育を決定づけるような重要な中教審だろう、今実際にやっていただいている中教審はそうだろうと私は思っておりますが、一方で、この財源論については、ことしの秋までに結論を出すという与野党の合意があるわけでございますから、そのことをしっかりと視野に入れて、これは議論していただかなければいかぬということでございます。
○笠委員 大臣、与野党じゃないですよね、政府・与党。(中山国務大臣「失礼いたしました。ごめんなさい、間違えました」と呼ぶ)
それで、大臣、しかし、私がなぜそこにこだわるかというのは、このお金の問題、財源論を考えるときには、では一体全体義務教育にどれだけのお金が必要なんだということをまずやはり考えなければいけない。今確かに、十兆公的に負担している。そのうちの三兆が国だ、四兆、三兆が県だ、そして市町村だ。でも、それを前提としたものじゃなくて、まずやはりあるべき姿がなければ、では、今の十兆円で足りているのか、あるいは足りないのか、多過ぎるのか、こうしたこととも絡んでくる問題だと私は思うんですよ。
まず、義務教育の形というものを、姿というものをこういうふうにするんだと。そして、当然ながら、そのためにはどれくらいの義務教育費というものが、お金がかかってくるんだということが、やはり初めて出てくるんですよね。そして、そのお金に対してどこが責任を持つのが一番いいのかというのが、私は議論の順番じゃないかと思うんですよ。
そこを切り離して、今の三兆円をどうするのか、二・五兆円をどうするのかという議論だけを切り離してやるべきではないし、それだと、まさに今から中教審で御審議いただく、あるいは我々がまたそういったものを受けてここの国会の場でも議論していく、これはこんな小さな話じゃないですよね、大臣。そこのところの認識についてお伺いしたいんです。
○中山国務大臣 まさに笠委員御指摘のとおりでございまして、そのことを昨年来主張したわけでございます。
この三兆円をどうするのか、二兆五千億、一期、二期で地方に渡せとか、そういう地方側の主張でございましたけれども、しかし、まさに御指摘のように、一体あるべき義務教育の姿は何なんだ、その中で国と地方の役割分担というのはどういうことなんですか、そういうことを含めて、総体として義務教育全般について議論しようじゃないですか、こういうことから、中央教育審議会において、そもそも論から始めてもらおうということになったわけでございます。
○笠委員 ですから、大臣、念を押すようですけれども、これは今から、一つのめどがあるわけですから、そこへ目指してしっかりと議論をしていくことは本当に大事でございます。
ただ、これは、このあるべき姿がまとまらなければ、この結論も得られないというぐらいのやはり覚悟を持って臨んでいただきたい。その点について、決意をお示しいただきたい。
○中山国務大臣 私も、第一回のこの特別部会には出席させていただきましてお願いしたところでございますが、委員の皆様方は、まさにその私の決意をしっかり酌み取っていただいて、今もう議論を始めていただいている、このように考えております。
○笠委員 私が大臣にあれしたのは、ちょっと私、ここのところのこの問題についての答弁を聞いていて、よく大臣が、けさもおっしゃっていました、いや、大きな顔できないんですよ、三兆円しか負担していない、それだけしか負担していないのがそもそもの問題と。いいんですよ、それは大きな顔して。お金が三兆だからって、今から義務教育の全般的なあるべき姿を検討していくわけでしょう。そして、やはりその担当の責任者である大臣じゃないですか。お金を出していないから、国が出していないから大きな顔できないなんという認識では、私は本当にリーダーシップを発揮していただけるのかなと疑問に思うんですよ。
例えば、お金をどこがどう出そうと、これはその後の議論としましても、子供たちの将来のために、そしてこの義務教育というものをどうやっていくのかということをやはり国が一義的にまず考える、その中で国と地方の役割分担、あるいは学校との役割分担、家庭との役割分担というものもしっかりと示していくというのが、私はこの改革の原点じゃないかと。
だから、大臣が三割しか出していないからと言うことは、今後、私は絶対こういう答弁はしないでいただきたいんです。金は出さなくても口を出したっていいんです、国として責任を持ってやるという覚悟があって、誇りがあるならば。その点について、大臣の決意をお願いいたします。
○中山国務大臣 十兆円のうち三兆円しか出していなくて、余り大きなことは言えない、大きな顔はできない、私は個人的にそう思っているわけでございます。
なぜかというと、世界の趨勢を見ますと、既にフランスとか韓国みたいに全額国が持っているところもありますし、あるいはまた、イギリスのように今度全部持とうとしているところもある。アメリカなんかも国がどんどんふやそうとしている。そういった中で日本だけが、三兆円しかと言ってはいけないのかもしれませんが、三兆円しか負担していない、これをさらに減らそうとしているわけでございまして、そういう意味で、私は、国際的な観点から見て、では、日本の国は義務教育にしっかり責任を果たしているんだ、これはお金だけじゃないということもわかりますけれども、しかし、ほかの国に比べて金は余り出していないんだなということを私は言っているわけでございます。
それと、金は出さなくても、国として、文部科学省としてできることはあるんじゃないか、それはあると思うんですけれども、これは総務省的なお考えなんですけれども、何か法律をつくればいいじゃないか、決めればいいじゃないかということなんですね。しかし、それは私は地方分権じゃないと思うんですね。ただ上から命令して、こうしろ、ああしろと言って金は出さない、口は出すが金は出さない、これが本当に地方分権なのかなと。
私は逆に、どうぞ地方で、現場でできるだけ自由にやってください、そういう工夫を凝らしながら、自分たちの子供として本当に誇りに足る子供たちを育ててもらいたい。そのうちの、本当は全額と言いたいところですけれども、一部なりとも国もちゃんと責任持ちますよ、これが私は本来の地方分権のあり方ではないかなと。命令や規則でこうしろ、ああしろと言って縛りつけるということについて、私はちょっと疑問を持つものですから、今までそういったことを主張してきたところでございました。
○笠委員 私が言っているのは、何でも縛れということじゃなくて、大臣がその三兆円という、今もお話ししますよね。違うんですよ。どこが今負担していようと、義務教育全体にかかっているお金について、どうあるべきかということに責任をきちっと持っていただきたいということを私は言っているんです。国が三兆円出しているから三兆円分しか責任を持たないとか、そういう話じゃないんですよ。
私は、ではちょっとお伺いしますけれども、これは事務方でも結構ですけれども、今、では義務教育、一体全体、義務教育に公費は十兆円プラスアルファでしょうけれども、義務教育段階でどれだけの教育費が、この日本で子供たちのためにかかっておるんでしょうか。その点についてまず聞かせてください。
○田中政府参考人 保護者の方が子供の学習費として支出した経費につきましては、子どもの学習費調査というもので調べておるところでございますけれども、この最新が平成十四年度調査でございまして、平成十四年度一年間に支出した教育費を申し上げますと、公立小学校では二十九万二千円、それから公立中学校では四十三万七千円、私立中学校では百二十三万二千円ということになっておりまして、この中身といたしましては、学校……(笠委員「中身はいいです。トータルで言ってください」と呼ぶ)
今申し上げましたように、一人当たりの経費というのは、公立小学校で二十九万円、公立中学校で四十三万七千円、私立中学校で百二十三万円というふうになっておるところでございます。(笠委員「合計」と呼ぶ)
これは、全国で九百五十校、幼稚園から高等学校まで九百五十校について調べておるところでございまして、トータルの調査はいたしておらないところでございます。
○笠委員 だから、私は思うんですけれども、今国が持っている、あるいは県が払っている、あるいは市町村が払っている、あるいは国から当然私学助成という形で行っているお金もあるわけですね、私立については。そしてまた、家庭が払っている。果たしてどれだけのお金が今、全体でかかっているんですか。では、その中のどの部分を国として責任を持とうというような議論がなければ、まさに財源を抜本的に考えていくということはそういうことじゃないんですかということを私は申し上げたいんですよ。
全部でお幾らぐらいかかって、いや、別にそれはきちんとした数字じゃなくて、トータルでいいです、内訳は要らないです。
○田中政府参考人 ただいま申し上げました一人当たりの年間の単価に児童生徒数を掛けて算出いたしますと、公立小学校で約二兆七百七億円、公立中学校で約一兆四千八百四十六億円、私立中学校で二千九百七億円ということで、合計いたしますと三兆八千四百六十億円ということになっております。
○笠委員 そうしますと、これはやはり大臣、十五兆円ぐらいの、今ざっと聞いたお金でも、この義務教育にいろいろな形でのお金がかかっているわけですよ。だから、この中には当然、学習塾に通っているお金なんかも家計負担ということで含まれているんでしょう。
ただ、ではなぜ今学習塾にそれだけ子供たちが行かないといけないのかという現状、そして学習塾の置かれている意味、こうしたこともすべて含めて考えていかないと、この義務教育というものを考えると、私はそういうことだと思っているんですね。
その中で、では本当に、今言っている学校の二兆五千億だ何だというのは、しょせんはこれは使い道の決まっているお金でしょう、あくまで。これだって、先生達の給料というものが本当に今のレベルでいいのか、もっと上げてあげないといけないんじゃないか、いやいや、高過ぎるのか、例えば私立の先生たちと比べてどうなのか、そういったことも当然一つ一つやはり検証をしていかないといけないですね。
そういう中で、どれくらいのお金を国として全体で責任を持っていけば日本の義務教育は大丈夫だ、国際的に比較しても大丈夫なんだというようなことがやはり検討されるべきではないかなと私は思っているんですね。何か、もう今ある、決まっている前提の予算、お金、これを前提にどこがどれだけ負担するという議論ばかりしているから、国民から見ると非常にわかりづらい。
ですから、私は、あるべき姿をしっかりと、そういったところからも、財政という面でもそういう面からやはり検討していかないといけないんじゃないかと思うんですよ。
そして、制度が変われば、あるいは義務教育が本当にこのまま九年でいいのか、私などは、個人的には、やはり就学前もきちっと無償というもので位置づけるべきだと考えておりますけれども、そうすれば、それが十年に、十一年になることだってあるじゃないかと。そうすると、当然ながらお金だってもっとかかる。そういったところまで含めてやはり議論をしていくということが、抜本的な改革、私はそういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○中山国務大臣 そのことを今、中央教育審議会で御議論いただいておるところでございます。
○笠委員 大臣、そして、こうした義務教育については、当然ながら本当に多くの方々がいろいろな、さまざまな思いを持っていますよね。中教審のメンバーだけが、それぞれ代表されているすばらしい方でしょう。けれども、先ほどちょうど同僚の松本議員も指摘しておりましたけれども、やはりこれは本当に幅広く国民の声を聞いていかないといけないですね。
中教審の答申は答申として尊重しましょう。けれども、同時に文科省としても、中教審に丸投げしました、待っています、それが出たところで検討しますではなくて、どういう努力をしていくのか。国民の方々の幅広い意見というものもまた聞いていく努力を、具体的にどういうふうに、これから八カ月、九カ月、わかりませんけれども、やっていこうというおつもりがあるのか、その点についての何かプランがあれば、お聞かせいただければと思います。
○中山国務大臣 私どもも、中教審に丸投げということではなくて、やはり中教審の議論に資するようにいろいろなデータとか資料も提供したい、こう思っているわけでございまして、例えば、義務教育費の保障の歴史的経緯とか、あるいは義務教育に係る諸外国の財源保障制度、あるいは義務教育の将来推計など、さまざまなデータも、これは私どもとして提供したいと思っています。
それとは別に、私どもとしても、今進めておりますスクールミーティング、三百校を目標にしていますが、もう大体半分近くまで行きましたけれども、これをやることによりまして、現場の先生方の声とか保護者の声、そして子供たちの実態等もしっかり把握したい、このように思っています。
また、先ほども御指摘ありましたけれども、実態調査というのも、アンケート調査をやりまして、父兄とか先生とかあるいは市町村の首長とか教育関係者とか、そういった方々から幅広く御意見をいただいて、それをもとにして、文部省は文部省としていろいろ議論していきたい、このように考えておるところでございます。
○笠委員 大臣が相当なリーダーシップを発揮しないと動きませんよ。
それで、ちょっと一つ指摘させていただきたいんですけれども、これまでもさまざま、例えば公立学校をよくしていこうということで、コミュニティ・スクールであるとか、あるいは小中一貫の指定校、研究校であるとか、この何年間かいろいろな取り組みをしていますよね。そして、いいものについては全国に広げていこうじゃないか、あるいは問題点というものも蓄積していこうじゃないか。
私、当然、文科省としても、これはいろいろ私もお伺いしました、そして、確かに学校からの報告書なりも届いたり、あるいは教育委員会からまたそこについてのいろいろな形での報告というものもあったりしていますけれども、文部科学省の方が、指定校ですよ、研究校ですよ、そういったものについて全く訪問していないような学校だってあるんですよ、現場を視察して。歩いていないですよ、現場を。そういう体質なんですよ。制度はつくった、あとはお任せ。
これはやはり僕は、監督するとかそういうことじゃなくて、新しい何か試みをしたときにはその現場に行って、現場の方々、一週間ぐらい泊まり込んだっていいんですよ、しっかりと、そこの保護者の方々はもちろん、学校の先生もそう、地域の方々もそう、実態がどうなんだ、どういう問題点があるんだと。やはりそういう姿勢というのは、せめてこういう研究校とかのたぐいぐらいは、年に一回か二回、きちっとだれかしらが、別に大臣が行くとか副大臣が行くとか政務官、そういうレベルの話じゃないんです。
やはりそういう体質に持っていかないと、これからまさにこの義務教育、どうするんだという、今大臣おっしゃったように、幅広く意見を聞いていくと。大臣たちのタウンミーティングみたいなのもいいでしょう。そういう機会も大事でしょう。けれども、そうじゃなく、ただ単に団体の代表さんとかそういうところと話すだけじゃなくて、やはり本当にこのデータについては文部科学省しか持っていないんだというぐらいの聞き取り調査なりを、しっかりとリーダーシップを発揮されてやっていただきたい。そのことについての御決意をお願いいたしたいと思います。
○中山国務大臣 笠委員御指摘のとおりだと思いまして、研究指定校とかいろいろなものを今お願いしているわけですから、そういったところでどういう取り組みがなされているか、どういう実績が上がっているか、このことについては、文部科学省としても十分これは関心を持って見守るべきだ、こう思っております。
例えば、コミュニティ・スクールの実践研究校、七地域九校に対しては、平成十四年から三年間の指定期間中に延べ十三回の視察を行っている。そうやってすべての地域に最低一回は視察を行って、学校現場の視察、関係者との意見交換などを通じて取り組みの状況の把握に努めている、こういうことでございますが、先ほど私が申し上げましたように、それにプラスいたしまして、スクールミーティングというのをやり始めた。
私が提唱いたしましたのは、まず現場から、現場でどういう教育が行われているんだ、特に総合的学習はどうなっているんだ、そういったことについて、まず現場を見ようと。私は現場主義なものですから、いつもそう思って言っているんですけれども、特にこの教育に関しては、実際にどういう教育が行われているかということを自分の目で見てから議論を始めるべきじゃないかということで、今精力的にスクールミーティングを実施しているところでございます。
○笠委員 大臣、今、行っているところだけ挙げられましたけれども、まだまだ十分じゃないというような認識はきっとお持ちでしょうから、しっかりとその点はよろしくお願いをしたいと思います。
それで、一つお伺いしたいんです。これは大臣じゃなくても結構なんですけれども、そもそも、この義務教育の国庫負担の問題、これは文科省的には、いよいよ小学校、中学校の先生たちの給与の部分についてもやられちゃうぞというようなことは、いつごろ気づかれたんですか。
○銭谷政府参考人 いわゆる三位一体の改革ということが随分言われるようになりまして、十四年の夏ぐらいだったと思いますけれども、そのころから、義務教育費国庫負担のあり方についてもいろいろ議論がなされるようになりました。
御案内のように、共済長期あるいは退職手当についても、いわゆる一般財源化の議論が、十五年度、十六年度と行われてまいりましたので、私ども、十四年、十五年度ごろから、いわゆる給与費の問題についても一般財源化の問題が話題になってきているということは認識をしていたところでございます。
○笠委員 二年半以上前に、もう既にその時点で、少なくとも認識をしている。いや、恐らくいろいろな流れからいうと、もうちょっと前ぐらいから、これはいよいよねらわれるなと。だったら、私思うんですけれども、何でそういうときに、では、今出てきているような、この義務教育のあり方に関する検討とかいうものをやってこなかったのか、この間何をやっていたんだと。
昨年の議論の中で知事会がああいう答申を出して、これは小泉さんやるぞ、いよいよ大変なことになったというようなことで、もうこれは自分たちで文科省として積極的にじゃないんですよね、あくまで。もうそういうときから、この二年半ぐらいの間に、やはりみずから率先して改革をしていこう、このままじゃ大変なことになる、しっかりと我々が義務教育の新しい姿を見せていかなければ、その中で財源の話もきちっとやっていかなければ、これは大変なことになるんだという危機感をなぜ持たれていなかったのか。
私は、その間にやってきたことというのは、六・三制をちょっと自由にするとか、あるいは総額裁量制を導入してみたり、まさに二・五兆円を守るために何か懸命に、最後の最後、そこだけを守るために、そういう小手先のことをやってきたとしか受け取れないんですよ。もっと早く抜本的にやっていればいいじゃないですか。これまでの二年半、本当に何をやっていたんだと。
だから、これから、もういても立ってもいられずおしりまで、最後の、ことしの秋だという期限までつけられて、区切られて、ばたばた慌てて今から大変なテーマを、結論を出していかないといけないという状況に陥っている今の状況こそが、私は本当に反省をしていただかなければならない。だからこそしっかりと、逆に言うと、経済諮問会議だ何だで、財政論の中で、こういう大事な教育の問題が、ともすると全く財政論優先の中で議論をされていくというような状況を生んでいるんだと私は思っているんです。その点については、大臣の認識はいかがですか。
○中山国務大臣 昨年の九月の二十七日に文部科学大臣を拝命いたしまして文部省に参りまして、いろいろな話を聞きました。その中で、この義務教育国庫負担制度についての経緯といいますか、も聞いたわけでございまして、笠委員が御指摘のように、ここ二、三年、じわじわと攻められてきていたんだなと。
特に、平成十四年の十二月十八日の三大臣合意、これは、本当にこんなことあったのと思うぐらい、私、知らなかったものですから、文部科学大臣も入って署名しているわけでございますが、あれを見て、実はびっくりしたというのが正直なところでございました。まして、その中に、中央教育審議会の議論を経て十八年度末までにということがありましたものですから、それをてこにして、もう一回中央教育審議会でやってくれということを主張してきたわけでございます。
そういう意味で、全体として地方分権の流れがある中で、文部科学省は、その地方分権の流れに乗って、総額裁量制だとか、できるだけ権限を地方に、現場に渡していくという方向をとりながら、しかし、やはり国の責任としての国庫負担制度はしっかり堅持する、こういう方針で頑張ってきたんだろうと思うわけでございまして、今後ともその方向でやっていかなければならない、このように考えているところでございます。
○笠委員 大臣、ですから、秋にまず中教審の答申が出る。当然ながら、それまで、文科省の中でも、またこういう委員会の場でもいろいろな審議が行われる。そうしたことも含めて、当然ながら、これは官邸との調整ということも出てくるでしょう。
ただ、何よりも大事なのは、やはりこれだけ大きな改革ですから、国民的な合意を形成していくということが絶対に大事なことなんです。ですから、説明責任をしっかりと果たしていって、小泉総理はとにかく地方に、三位一体、もう恐らく頭の中では大臣とは反対のことを考えておられますよ。私は、小泉さんよりはまだ教育に対しての思いは大臣の方が強いと思っておりますから、その点に期待を申し上げます。
最後に一つ、大臣、今、サラリーマンの川柳というのがあるじゃないですか、こういうのがあるんですね。丸投げを投げ返されて雪だるま、これは恐らくどこかの総理のことを想定してやっているんでしょうけれども、ぜひ、今中教審に、丸投げとは言いません、投げているこの議論、そこだけでなくて、しっかりと責任を持って、一緒になってこの制度の改革ということにまた取り組んでいきたい。全力を挙げていただきたいし、また議論をさせていただきたいと思います。
そのことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
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