笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
165-衆-教育基本法に関する特別…-3号 平成18年10月30日

○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
  私も、ちょうどさきの通常国会以来、この教育基本法に関しての議論に、民主党案を作成いたしました一人として、答弁もし、またこの議論にかかわってまいったわけでございます。
  まず、きょうは、安倍総理になりまして、本当にこの教育特、初めての本格的な質疑が始まるという日でございますので、まず初めに、総理の認識を幾つかお伺いいたしたいと思います。
  まず第一には、そもそもこの教育基本法、さきの国会で当時の小坂文部科学大臣等々からは、憲法との兼ね合いで、もし今度新たな憲法改正が行われたということになって、そこでそごが生じるようであれば、そのときにはまた教育基本法を変えてもいいんじゃないかというようなお話もありました。
  しかしながら、この六十年、教育基本法というものが、教育の現場の基本的な方向性あるいは理念、哲学といったものを盛り込む、本当に私は、憲法に準ずるぐらいの大きな大事な法律であろうと思っております。
  今、安倍政権として、まさに今、国会に提出をし、この議論を、継続審議でございますが、この改正案は、そうした位置づけ、これから三十年、四十年しっかりと、やはりこれは、今の教育の現場の問題、あるいはこれからの教育の現場のあり方、あるいは教育の方向性というものを定めて、やはりそれは政権がかわるたびにころころ改正をしていくたぐいのものではないという位置づけなのか、この重みというものについての御認識をまずお伺いいたしたいと思います。
     〔委員長退席、町村委員長代理着席〕

○安倍内閣総理大臣 この教育基本法というのは、これはまさに教育理念、そして基本原則を定める、教育については根本法でございます。そういう意味におきましては、極めて重要な法律であると認識をしております。

○笠委員 そこでお伺いをいたしたいわけですが、きょう午前中の質疑の中でも、自民党の大島委員の方から我が党の鳩山幹事長の方に対しましても、いいものをしっかりと一緒につくろうというようなお話があったわけです。我々は、まず申し上げますが、いたずらに時間を稼ぐとか、反対のための対案では全くございません。我々は本当に、この日本国教育基本法案をそれでいいとおっしゃるのであれば、あした採決してもいい、そういう思いは改めて申し上げておきたいと思います。
  ただ、総理にそこで確認をしたいんですが、今、政府の改正案がある、我々の民主党案がある。では、これを、本当にいいものをもっともっと議論してしっかりとつくっていこう、そのためであれば、今提出している改正案を例えば一度取り下げる。そして、もちろんベースとしては、この改正案、我々の日本国教育基本法案があるでしょう。両方取り下げて、しっかりと国会の場で調査会なり小委員会なりの開かれた形の中で議論をしていくというようなところまでの思いを持たれているのか。これは、まず総理に確認をさせていただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 私どもが政府案として提出をさせていただいておりますこの改正案は、与党において相当、何十回も議論を重ねてきたものでございまして、その中で成案を得て、政府として自信を持って当委員会に提出をさせていただいております。ですから、深い議論、広い議論の中において速やかにこれを成立させていただきたいと思うわけでありますが、もとより、委員会は国民の前に公開されているわけでございまして、きょうの委員会もNHKによって全国に放映されているわけでございます。国民の目の前で議論をしているということにおいては、この委員会、さきの国会からかなり深い議論を国民の目の前でしてきたのではないか、このように認識をしております。

○伊吹国務大臣 総理が御答弁になったことですべては尽きておりますが、今委員がおっしゃったように、民主党は民主党の対案を一番いいものだと思って、自信を持ってお出しになっていると思いますよ。
  そして、政府の方も、与党の中でさんざん議論を重ねて、最良のものとして出しているわけですから、両方取り下げて委員会をつくるというのなら、憲法に規定された国権の最高機関としての立法府というのは一体どうなるのかということをやはり考えて、私たちは、自信を持って先生方に、国民から選ばれた最高の機関としての役割を国民の前に示していただいて、そしてその結果を見て、次の選挙でやはり審判を受けていくというのが民主主義の原則なんじゃないでしょうか。

○笠委員 国民の審判を受けるべく、私は、去年の郵政民営化などに比べれば、本当に今大臣がおっしゃったように、確かに大きなテーマであると思います、それは総理次第でしょうけれども。
  そこで私、確かに、さきの通常国会で五十時間近くの議論をいたしました。その中で、いわゆる愛国心の問題であるとか、あるいは宗教的な感性の涵養の問題等々、いろいろな議論がありました。
  しかし、やはり政権がかわって、前は小泉総理が、これは安倍総理がまだ幹事長代理だったころですか、少々、小泉さんは教育に対しては、その思いはちょっと自分に比べると強くなかったというようなことをおっしゃっていましたが、安倍総理は少なくとも、政権をみずからが担われて、この教育の問題が一番の自分自身が担うテーマだ、そして教育の再生があって初めてこの国を再生することができるということをおっしゃっているわけですから、しっかりとこの委員会でも、議論は、例えば今国会とか言わずに、本当に議論をしていかないといけないテーマはたくさんあるんだと思います。
  私どもは、きょうちょっと御許可いただいてお配りをさせていただいておりますけれども、民主党として、この「教育のススメ」という冊子を、実はさきの通常国会が終わりまして作成いたしました。それは、きょうここにお集まりの委員の先生方でも大勢の方が感じられていることだと思いますが、やはり教育のことについては多くの国民の皆さんが関心を持っておられる。不安も不満もいろいろあるでしょう。しかしながら、教育基本法と言われるとぴんとこない、そういう方がやはり多いんですね。それは我々の責任もあると思います。
  私どもも、ではこの教育基本法が変わることによって実際に現場はどうなっていくのか、あるいは、今自分たちが抱えている、きょうもいじめや未履修の問題等々ありますが、そういったことに対してどうこたえていくのかということをやはり議論していかなければ、なかなかわからないわけですよね、正直。
  今回、教育再生会議というのが政府の中にできましたけれども、私たちは、実はこの前の国会が終わった後に、教育再生本部、鳩山幹事長を本部長にしてつくりまして、先ほどのこの「教育のススメ」を持って全国で六十カ所以上で、これからまだ予定しているところもありますが、今、私たち民主党の案で実際現場をこう変えたいんだという思いを説明し、また、いろいろな議論、いろいろな意見を伺っているわけです。
  であるならば、やはりそうしたことによって初めて、世論調査なんかでも、確かに今、教育基本法を見直していこうという機運はこのデータでもかなり高まってきていると思います。しかしながら、この国会にこだわるべきではないという方々が六割いたり、もう少しいろいろと、じっくりと議論をすべきじゃないかというような意見が多いのも確かなんですね。それはやはりわからないんですよ、まだ。
  ですから、例えばこの特別委員会の中でも、今度安倍政権ができました、そして教育再生会議の中で、先ほど来あった重要な、バウチャーの問題であるとか、あるいは今度のいじめの問題であるとか、不履修の問題、あるいは九月入学の問題、さまざま、いろいろな課題がここでやはり整理をされていくということのようですから、では、どういう方向性を持ってやっていこうとしているのかということ、そのこととこの教育基本法の改正案というのがどうつながってくるのか、そこのあたりをやはり出かけていって、しっかりと四十七都道府県なりで、我々民主党も出かけていきますし、場合によっては社民党さん、共産党さんだって、反対かもしれないけれども出かけていけばいい。そういう中でしっかりとした議論というものを行っていくような努力を当委員会としてすべきだと思いますけれども、これは大臣、いかがにお考えでしょうか。

○伊吹国務大臣 先生も報道関係のお仕事をしておられたので、正確な情報を大勢の人に理解していただいて、そして物事の本質をやはり理解していただく、これはもうおっしゃっているとおりだと思います。
  法案を与党の中で審議をして以来、公明党、自民党においても、既に選挙区やその他にいろいろな広報をいたしておりますし、政府としても、タウンミーティング、文部科学省の広報、そして総理の持っておられるメディア等においても、教育のことについてはかなり熱心にいろいろ表示しておられます、ごらんいただいたと思いますけれども。
  できるだけ御示唆に従って、私たちも、多くの方にこれを理解していただいて、一刻も早くやらにゃいかぬという世論調査が多くなるようにしたいと思います。

○笠委員 今、伊吹大臣からは前向きな御答弁をいただきました。ぜひ一刻も早く、早期に成立をさせるべきだというような世論が盛り上がっていくような形の十分な審議をやっていくべきであるということを改めて求めておきたいと思います。
  今お話があったんですが、盛んに与党の中で、三年間ですか、十名の方、七十回。ただこれも、さきの国会のときに、本当にどういう議論があったのかというところがやはり我々も知りたい。そして、しっかりとそれを出していただいて、それをもとに文部科学省がまとめ上げたのが今回の政府案であると私は理解をしているので、そのまさに七十回の議論、その中の過程が大事なのは、やはり立法者の意思というか、そういったものが非常に重要ではないかと思うんですね。
  先ほど伊吹大臣は、どこまで書き込むか、これは非常に立法政策的な問題であるというようなことをおっしゃいましたけれども、我が党の中でも、当然議論の中でさまざま、これも書き込むべきじゃないか、これも盛り込むべきじゃないか、いろいろな議論があったわけです。その中で、これはやはり教育基本法に盛り込むべきではないとか、あるいはこれはもう下位法令の整備でいいんじゃないかとか、やはりそういったところのものを具体的に出していただかなければなかなか見えてこないわけですね。
  先ほど、宗教教育、これをどうしていくかという問題、我が党は踏み込んでおります。しかしながら、自民党と公明党の与党の中で、これは恐らく自民党の方は強く主張し、公明党は恐らく消極的な意見の中で、あの文言でまとまったんじゃないかと思うんですが、そこでどれぐらいの、どういう過程での議論があったのかというようなことも含めて、やはりきちっとこれを出していただきたい。そのことを、一つ私お伺いしたいのは、文部科学大臣は、そのすべての過程というものを読んでおられるということでよろしいんでしょうか。

○伊吹国務大臣 すべての過程は、私は率直に言って読んでおりません。しかし、これは先生、ぜひ御理解をいただいておかなければいけないのは、それを出せとおっしゃるのは、政府におっしゃるのは無理だと思います。我々は、与党の協議会でまとまったものの最終案をちょうだいしておるわけです、内閣として。そして、それに従って法制局との間に協議を行って、今回お願いしている法案を出しているわけですから、それの審議のプロセスについては、これは、むしろ党と党との間、筆頭理事間のお話とか、いろいろなそういうルートのお話だろうと思います。

○笠委員 その点についてはまたこの特別委員会の中で、立法に携わった方々からどういう意見を伺うのかということは、この点については、委員長、今後お取り計らいをお願いいたしたいと思います。

○町村委員長代理 いろいろな問題は理事会で協議をいたします。

○笠委員 それで、きょうはこの教育基本法の問題でございますので、確かに、この法案自体を我が党案と政府案と比べてみると、ある程度同じような似通った部分、あるいは似て非なる部分、あるいは全く違っている部分というのが幾つかあるわけでございます。
  その中で、具体的に私の方では、きょうもいろいろと未履修の問題等々で問題になっておりますけれども、やはり一番大きいのは、教育の行政、これの責任、権限、これが今あやふやになっています、あいまいになっています。だから、いろいろな問題が起きたときに、混乱が生じたり、あるいはそれぞれが隠そうとしたりということは、きょうかなりの議論があったわけですけれども、この教育行政のことについてまずお伺いをいたしたいと思います。
  安倍総理は、この普通教育、義務教育における最終的な責任というものはどこにあるのか、どこにあるとお考えなのかをまず端的にお伺いをいたしたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 国民が教育を受ける権利を保障していく上において、法律によって国と地方が適切に役割を分担し、協力して教育を実施していくべきである、こう考えています。
  具体的には、国は、全国的な教育制度の構築、全国的な基準の設定、教育条件の整備、地方に対して必要な指導、助言、援助を行う役割と責任を担っています。一方、地方は、地域の実情に応じて実際に教育を実施する役割と責任を担っているということでございまして、このそれぞれの役割の中でしっかりとその責任を果たしていくことが重要である、こう考えています。
  この役割を分担しているということは、責任が放棄をされているということではなくて、それぞれが責任を持って役割を担っているということではないかと思います。

○笠委員 それぞれが責任を担っていれば今回のような問題にはならないわけですよ。むしろ、それぞれがきちんとした責任を担い切れていない。その中には当然のことがあるんですね。
  先ほど来、文部科学大臣が、これは、指導であるとか助言であるとか調査であるとか、やはりいろいろと起こって、一つの学校のことじゃない、全国的にいろいろなことが起こって、それを文科省として実態把握しようと思っても、なかなか教育委員会とじゃないと一緒に学校の現場に行けない。そういったときに、もちろん、日ごろのいろいろな、はしの上げ下ろしまで一々文部科学省が出ていってというのは私もくみしません。しかし、何か起こったときには、やはり国が最終的な責任を持ってこの教育行政に当たるということは、そもそもは、安倍総理もそういうお考えなのではないかなというふうに私は推察をいたしておるところなんです。
  きょうは下村副長官の方にもおいでをいただいておるんですけれども、副長官も、私も長らくいろいろな形で、超党派の中で、この今の教育基本法のあり方とかさまざま議論させていただいてきたんですが、先般も、副長官になられても、しっかりと国が最終的な責任を負うべきである、あるいは教育の行政のこのあり方について、国そしてまた都道府県、地方の教育委員会、そして学校現場というところのばらばらな行政が行われている問題が大変根本的な今やはり見直していかないといけない点であるということをおっしゃっているわけですけれども、下村副長官は、そういう意味では我が民主党の日本国教育基本法案の方が、この点についてはですよ、少なくとも賛同されるのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
  笠委員とは、お話がございましたように、超党派の教育基本法改正促進委員会で議連としての教育基本法案をずっと議論してまいりましたので、共通認識のところが多々あるというふうに思います。
  そういう中で、今御指摘がございましたが、義務教育において最終責任をどこが持つか、あるいは地方の教育行政のあり方ということについては、私自身、さきのこの特別委員会で民主党案について質問したこともございます。民主党案の七条で教育における最終責任、それから十八条で教育行政ということで項目がございましたが、このときにも質問させていただきましたが、その関連、民主党案でも私がそのときお聞きした中では、まだ十分な理解が私自身は得られなかったというふうに思っております。
  そういう中で、今回の政府案でございますけれども、第十六条の第二項で、国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図り、総合的な教育施策を実施すべきというふうに規定しており、教育行政における国の責任は今回の政府案で明確に規定されているというふうに考えます。
  また、教育行政についての私の発言でございますが、文部科学省と都道府県の教育委員会、区市町村の教育委員会、そして学校現場、これが四重構造のもたれ合いで責任転嫁がされているところが今まであったのではないか、このことについては、先ほど伊吹大臣からお話がございましたが、今後、それぞれがきちんと責任を果たせるようなその制度のあり方について見直すべきであるというふうに考えております。
  私としても、そういう見直しをしながら、これは政府案の中で行うということであるというふうに思っておりますし、政府案が最善のものであるというふうに思っております。

○笠委員 やはり、官邸の中に入って、安倍総理のまさに教育の右腕として活躍されるお立場からすれば、今お話を伺っていても、ちょっと歯切れが悪いなというふうに、まさに心と態度の問題ですね。
  その中で、下村副長官のお話の中でも今はなかったですけれども、例えば、先ほど伊吹大臣が、地方自治体の首長にその権限を私どもは任せていこうと、そのことについて、これは政党の代表だというような御答弁が先ほどあったんですけれども、まさに選挙というのは、どの党の推薦があるにしろどうにしろ、やはりこれは有権者、国民が選ぶ、首長というのは当然そうでございますから、今のように、教育委員会、これは任命制ですから、一般の住民の方々、国民が直接には選ぶことはできないわけですね。ですから私たちは、民主的な運営という中で最も民主的な方法というのは、やはり、選挙で選ばれた首長に責任を持たせることが大事ではないか。ただし、選ばれたからといって何をやってもいいというわけではないので、教育委員会を廃止するかわりに、これのチェックをしっかりとしていくような機関をきちっとつくっていこうということを繰り返しこの法案の中にも述べておりますし、やはりそうしなければ、今の少なくとも都道府県教委と市町村の教育委員会のあり方の関係であるとか、小さな市町村で教育委員会が機能するのかということと同時に、三百万を超える横浜のような市もあるわけですね。そういったところで本当に六人の教育委員会で、果たしてすべてを、きちんとその行政に責任を持つことができるのかとか、さまざま課題はあると思うわけです。
  ですから私たちは、やはり首長さんにしっかりと責任を持って、さらに言えば、やはり学校の現場ですよね、学校の現場が今回のこの不履修の問題でも、生徒さんが、うちの学校はまだ出ていないけれども、実は必修科目を学んでいないというような、そういう声も表に出てきています。
  つまりは、学校の中でも隠していこうという体質があるときに、学校を地域に開いて、学校理事会をしっかりと設けて、もちろん保護者の皆さん、あるいは学校の校長先生、そして、そこに地域の方々もかかわっていただいて、責任を持ってもらう、そして、それを開いた上で、やはり評価もしていくんだということの方が私はすっきりとするんじゃないか。
  これを六十年間、確かに五五年体制ぐらいまではまだよかったのかもしれません。しかし、今さまざまこれだけ問題が多くなってきた中で、この基本にかかわる部分は、明確に教育基本法の中で、やはり明記をしておくということが大事ではないかと私は思いますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。

○伊吹国務大臣 先生の御提案は一つの提案だと思います。それ自身が賛成の人、反対の人、いろいろいると思います。
  あらゆる制度には、やはり長所と短所があるんですよ。中選挙区にいろいろ弊害があるからというので中選挙区を直して小選挙区にしたら、何か小選挙区には小選挙区特有の弊害があるという議論が結構多くなってきているのと同じように、先生が今おっしゃった、それでは、地域の監査をする人たちがどういう構成でどういうふうに選ばれてくるのか、あるいは学校の理事者というのはどういうふうになるのか。
  地方の首長といっても、私は先ほど御党の鳩山幹事長の答弁に一度たりとも民主党の首長がというようなことを申し上げなかったんだけれども、民主党が首長になったらそんなことはしません、こうおっしゃっているわけだけれども、特定のイズム、例えばジェンダーだとかなんかを持っている首長がいるとか、あるいは大阪、私の地元にも、そういう特定の政党のイズムを持って町政を運営している自治体もあります。だから、長所と短所は両方にあるんです。
  ですから、先生のおっしゃっている仕組みがすべてきちっと理想的な人によって運営されていればおっしゃることが担保されますし、また、今の教育委員会制度だって、すべてが使命感と自分の責任感を持ってきちっと事に当たってくれて、先ほど野田先生がおっしゃったように、校長にまさに規範意識があれば今の制度だってうまくいくんですよ。
  だから、どの制度の方が、人間というのは弱いものですから、弱い気持ちが多く出ないかということを考えて最後は決めなければ、仕方がないんじゃないでしょうか。

○笠委員 今おっしゃったように、完璧な制度というものはないかもしれません。しかし、我々は、いろいろなプラスとマイナスを考えたときに、やはり日本国教育基本法案で盛り込んだ、国が最終的な責任を持つ、そして教育委員会を廃止する、首長、そしてそれを監査する委員会あるいは学校現場に、もっと権限を校長にまさに持たせていくということがあるべき姿だということで御提案しているわけですね。
  であるならば、先ほど下村副長官の方からも、そういったことも含めて、今の政府案でもいろいろそういうことも含めてできるんだ、もしやろうと思えば。しかし、まさにそこあたりの姿が今教育再生会議なりで議論をされていくというのであれば、やはり一つの方向性をしっかりと政府として出していただいて、その上で、そのことも含めて議論しないと、最初に申し上げたように、わからないわけですよね、この教育基本法の問題というのが。
  今どういう方向性で大臣が、教育再生会議、官邸との間で文部科学省がどうなのか私はよくわかりませんけれども、では、大臣としてはどういう形の教育行政がいいとお思いなのか、考えられているのかをお伺いいたします。

○伊吹国務大臣 まず、先ほど来申し上げておりますように、教育の基本法なんです、これは。教育の基本法にどこまで書き込むかということは、これは立法政策上の問題です。
  そして、先生が今おっしゃっているような議論は、この大きな、基本法の許容される範囲の中で、いろいろ議論が行われるでしょう。それで、教育委員会の、今の法律のどこをどう直すかという形で立法府に御相談をしていくということで、立法府はそこで御意見をおっしゃるということであって、そのものすべてを教育基本法の中にどう書くか、あるいはそこは各法に譲るかということは、これは立法をどういう形で構成していくかという立法論の話なんですよ。そこのところをぜひ御理解いただきたいと思います。

○笠委員 私が申し上げているのは、書き込む書き込まないの議論ももちろんあるんですけれども、やはりその方向性を具体的に出し合って、最後それを書き込むかどうかというのは、またこれは当然あるでしょう。しかし、そこあたりの具体的な姿をしっかりと示して、それを議論することこそが、まさに国民的な、ああ、なるほど、やはり教育基本法の改正というものは必要になってくるんだ、あるいは、新しい教育基本法をきちっとつくっていかないといけないんだという議論につながっていくんじゃないかということを申し上げているわけですね。
  もう一つ、その点でいいますと我々特徴がございますのは、政府の中には書き込んでいなくて我々が書き込んだ問題として、やはり教育にはしっかりとお金をかけていこうと。これは、まさに総理が教育に力を入れていくんだと。お金がかかります、これは。しかし、残念ながら、このところの教育予算というものは減ってきているわけですね。そして、その中で、まさに家計に占める教育費の割合というものはどんどん上がってきている。
  少なくとも我々民主党案の中では、義務教育は憲法によって無償であるということになっているわけですから、このことをしっかりと教育基本法の中で、授業料を徴収しないということではなくて、それ以外にかかるお金についてもなるべくきちんと国として責任を持っていくようにしていこうじゃないかというようなところまで私たちは踏み込み、あるいは、高等教育あるいは就学前の教育について、やはりお金をかけていくんだと。これは予算をどうするのかじゃなくて、人にお金をかけていく、子供たちにお金をかけていく、使っていくということはまさに政治の責任としてやっていくべきじゃないかということで、そのことをあえて盛り込ませていただいているわけですけれども、その点について、これはぜひ総理に率直な感想を伺わせていただければと思います。

○安倍内閣総理大臣 教育再生につきましては、私の内閣の最重要課題に位置づけております。まさに教育への投資こそ未来への投資である、こう認識をしております。その中で、教育の内容を充実させるための予算は当然必要ではないかと考えております。
  と同時に、歳出歳入一体改革を進めることも極めて重要である中、きっちりとめり張りをつけながら、必要とされる教育に対する予算は伸ばしているというめり張りも大切ではないか。
  いずれにいたしましても、私は、未来への投資は積極的に行うべき、そして教育こそ未来への投資であるという認識を持って、内容の充実に当たっていきたいと思います。

○笠委員 まさに教育というのは、一つは量、お金をしっかりと必要なところにはかけていくということと、その質を高めていくことと、あとはやはり情熱だと思っております。これは、学校現場のみならず、家庭教育においても、あるいは地域においても、あるいは我々政治家も、また行政も含めて。
  そういう中で、やはりお金をかけていくということ、しっかりとこれを担保していくようなことをこの教育基本法を見直す機会にあえて盛り込んでおいた方が、教育熱心な、教育に対して非常に熱心に取り組む政府のときにはいいでしょうけれども、何かあったときに、そのお金が削られていくということになりますと、まさにこれは、三十年、五十年、しっかりと未来を見据えた教育基本法をどう考えていくのかという議論ですから、その点を私はやはりきちんと盛り込んでいくべきではないかというふうに強く思っております。
  そこで、この点についてはぜひ御検討をいただきたいと思いますし、ぜひとも文部科学大臣の方にも、そのことは本当に、先ほど、省から庁にした方がいいんじゃないかという野田委員の指摘がありましたけれども、やはりこれは、今の義務教育の国庫負担の問題にとどまらず、全体としてどれだけのお金が公的に必要なのか。これは地方がその財源を持つのか、あるいは、国が、我々が最終的な責任は持って、そのかわり、使い方についてはしっかりと地方にお任せしましょう、あるいは学校の現場にもっと予算権を渡していくということも将来考えてもいいんじゃないか、そういうところまで今後の議論として進めさせていただきたいと思います。
  それで、きょうは菅大臣の方にちょっとおいでをいただいておりますので、地方行政を預かる立場として、この教育委員会のあり方について、私どもは廃止すべきだということを考えておりますけれども、首長にも権限を持たせる、その点について、総務大臣のお立場から御所見を伺いたいと思います。

○菅国務大臣 委員御承知のとおり、教育委員会につきましては、二十八次の地方制度調査会の答申におきまして、地方の自主性、自律性を図るべきである、そういう観点から、必置規定を見直して設置の選択制を導入すべきである、こういうことが答申されています。それを受けて、文部科学省にその内容をお伝えし、また検討をお願いしている。
  さらに、去る七月の骨太二〇〇六におきましては、当面、委員長の権限を首長へ移譲する特区につきましては、実験的な取り組みを進めるとともに、抜本的な改革を行うこととして、早急に結論を得るべきである、こういうことになっております。
  地方公共団体の組織に関して、私は、可能な限り地方公共団体が自主的に判断をするべきであるというふうに思っています。
  さらに、地方の声に真摯に耳を傾ける中で、分権が一層進むように努力をしていきたい、こう思います。

○笠委員 今、菅大臣の方、御答弁があったわけですけれども、きょうは総務大臣にお忙しい中おいでいただいておりますので、一点、きょうはテレビで全国中継されておりますので、どうしてもちょっと確認をさせていただきたいことがございます。
  それは、私もその問題に取り組んでいるんですが、「しおかぜ」。拉致の、特定失踪者の皆さんの調査会が、先般、予算委員会で私どもの中川正春委員から大臣に質問させていただいて、大臣が、これを政府として国内放送できるように、そのことに前向きな答弁をされたわけですけれども、ちょっと混乱していると思うんですね。
  これは、NHKで、命令放送でやる話ではもちろんありません。NHKが現在KDDIから借りている送信所からの放送になる。現実として、その周波数というものの新たな割り当て、これができるのかどうか。同時に、仮に割り当てがあったとしても費用がかなりかかるというふうに伺っているわけですけれども、そういった費用負担も含めて、この「しおかぜ」の国内からの放送をしっかりとやるというような趣旨でおっしゃったのかどうかの確認を、その実現性のめどをお伺いいたしたいと思います。

○菅国務大臣 私は、北朝鮮工作員によって拉致されて自由を奪われ、そして今この時点でも、まさにさまざまな制約を受けて不自由な生活をされている、場合によっては生命の安全さえも脅かされている、そうした人たちに、やはり日本の家族も国民も国も見捨てないで必ず救出するというメッセージを北へ与えるというのは、今まで帰ってこられた人たちの話の中でも、それが一番勇気を持てた、生きがいを持てた、そういうふうに聞いています。
  ですから、できることは何でもやりたい。もちろん法律の中であります。そこの中の一つが、この「しおかぜ」の問題であります。
  確かに、周波数の確保については、これは私ども総務省で決められることではありません。国際的なルールにのっとって、国際電気通信連合、ここに決定権があるわけでありますけれども、さまざまな調整をする中で、私どもは全力でこれについては取り組んで、獲得できるように頑張っていきたい、まずこのことが一つであります。
  さらに、現実的に、これを放送するとすれば、先ほど笠委員が言われましたように、NHKの八俣の送信所、ここを実は借りて放送するしかないわけであります。現在、個々の費用について、どれぐらいなのか、そういうことを前向きに検討している状況であります。
  以上です。

○笠委員 時間が来ましたので、私の質問を終わりますけれども、最後に、まさに私も英国調査団の一人として、超党派で行ってまいりました。安倍総理が、サッチャー改革を原点にすると。しかし、この教育改革、きっかけをつくったのはサッチャー政権であるけれども、ブレア政権によって花開いていくということを、私ども民主党がかわっていずれこの教育政策をしっかりと花開かせるということをお約束いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。