笠ひろふみ衆議院議員 RYU HIROFUMI official website
国会質疑
 

166-衆-外務委員会-14号 平成19年05月23日

○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
  きょうは、外務大臣以下、各省の副大臣、政務官の皆様にもおいでをいただきまして、今案件となっております二つのこの案件について順次質問させていただきたいと思います。
  まず、ILO関係なんですけれども、この百八十七号に関する条約についてお伺いをいたしたいと思うんです。
  まさにこの条約は、労働者の安全あるいは健康を守っていくということで、今、ILOの報告においても、戦争や紛争で死ぬよりもはるかに多い、世界で年間二百二十万人以上もの人たちが労働災害で命を奪われているというのが実態でございます。
  我が国においても、この労働災害による死傷者数は年間五十五万人にも上っているわけで、先般、厚生労働省の発表でもありましたように、昨年度を見ても、さらに加えて、仕事のストレスなどによるうつ病など心の病あるいは精神障害といったところで労災認定を受けた人が過去最高になっている。こうした中には、過労自殺者というんですか、こういう方も過去最高ということで、労働者の健康の問題というものは相変わらず深刻な状況にあるということは、恐らく皆様方同じ認識をお持ちかと思います。
  そういう中において、今回の百八十七号について、これは職業上の安全及び健康を促進するための枠組みに関する条約ということでございますが、珍しく我が国が他国に先駆けてこれを批准していこうということになっているわけでございます。
  まず冒頭に、今回、ほかの国が批准をしていない中、率先して我が国が締結を目指すその理由について外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。

○麻生国務大臣 これは笠先生御存じのように、この条約は、昨年に採択をされた条約ではありますけれども、この条約ができるに当たりましては、かなり日本は、最初からこの条約の枠組みづくりに日本が先頭を切って取り組んできた内容のものであります。したがって、そういった状況でありますので、これは、安全とか健康管理とかいうのが、昔と違って、意識が随分変わってきていると思いますね。
  私ども、石炭屋なんというのに長いことおりましたので、事故はつきものみたいな職場でしたから、石炭というところは。そういった意味では、事故とか災害というのは、自然災害を含めて、いろいろよく起きる仕事現場にいましたけれども、今はなかなかそういった鉱山の監督現場というようなものとは大分変わってきておりますし、町中の工場とか、いろいろな意味で一つ変わってきたのが、安全になってきたのが一つ。もう一つは、こちら側に、精神的なストレスなんというものからくるので、過剰労働とかいろいろな表現がありますけれども、そういったものを含めて、質が変わってきているんだと思います。
  そういった意味では、この種の意識のないところというのは、まだまだ世界じゅう幾つもあるような感じもいたしますので、その点は、日本の場合は、働く現場の環境が変わってきた、社会が変わってきた、これに伴って起きます病気とかけがの内容も、傷害の関係も、随分内容が変わってきていると思っておりますので、私どもとしては、こういったものはぜひ、こういった締結をして促進を促して、各国にこういった問題に関して意識をということが最初からこれに取り組んだ大きな背景であります。

○笠委員 私ども民主党といたしましても、今回、率先して、今大臣がおっしゃったように、この条項について批准をしていくということについては、これはもう本当に大いに賛成をするところでございますけれども、まず、この百八十七号の内容に入ります前に、ただ本当に、この件に関してのみならず、労働者の諸問題、これを国際社会の中で、やはり共通の認識を持ちながら、国内においてもさまざまな課題にしっかりと取り組んでいかねばならないというのは、これは当然のことだと思っております。
  ILOについては、日本も、アメリカに次いで第二位の分担金を負担しておりますし、財政面では大きな貢献を果たしているのかなと。ただ、しかしながら、この事務局で働く日本人の職員は、千七百五十七名のうち三十七名ぐらいですか、こういうふうに少ない現状もあるわけで、今後、このILOの中で主導的な一定の役割というものを果たしていこうというのであれば、やはりこうしたことについても検討をしていくことを考えていかなければならないのではないかということも思っております。
  そして、何より問題なのは、このILO条約で示されているさまざまな国際労働基準の批准へ向けて、やはり我が国が積極的に、しっかりとまさに範を示し、取り組んでいく姿勢を見せていくということが大事だと思うんです。
  現在、ILOで採択されている百八十七の条約のうち、我が国が批准しているのは、今回のこの百八十七号が批准されれば四十八ということになるんだと思います。OECD諸国の平均批准数が七十二ということですから、かなりこれは少ないなという感じがするわけでございます。
  今後、ILOの活動に主体的に、そしてまた主導的な役割を果たしていこうとするのであれば、もう少しほかの、今批准をしていない中で、すべてとは言いません、これは国内法との関係、いろいろな問題があるものもたくさんありますし、これを全部批准することというのは私も無理だと思いますけれども、国内法整備を果たした上で、もう少し積極的に批准をしていってもいいのではないかと考えておりますけれども、その点についての大臣の今後へ向けた決意をお聞かせいただきたいと思います。

○麻生国務大臣 今、御指摘になりましたように、百八十七あるんだと思いますが、今、四十七締結をいたしております。残り百四十ということになろうと思いますが、そのうちで、私どもの分析では、これはもう古くて今の時代には全然関係ないなというものがまず八十五。残り約五十五あるんだと思いますが、これは、今、笠先生御指摘になりましたように、国内法との関係で、法律の整合性というところがひっかかっている。だから、これは他省庁との関係もありますので、そこのところをきちんと整理しなくちゃいかぬところだと思っております。
  したがって、この問題は、我々としては、条約を締結した場合は、これは確実にそれを履行、施行せねばならぬということになろうと思いますので、その意味では、これは速やかに締結というものをした後は、うまくきちんと現実に実行せしめねばならぬというところの関係もありますので、他の法律との整合性というところがひっかかってずっと来ているものもありますが、いずれにいたしましても、そういったものを少しずつであろうとも確実にやっていかねばならぬものなのではないかと思っております。

○笠委員 中でも、特に、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の四原則を構成しております八条約については、これは最優先でやはり検討して取り組んでいかなければならない、本来、批准すべき中核的条約と位置づけられているわけでございますけれども、我が国は、この中で二つ、百五号条約と百十一号条約について批准をしておりません。
  きょうお手元にお配りをしております資料の一をごらんいただきたいんですけれども、全加盟国百八十カ国の中で、百五号条約については現在百六十七国が批准をしており、十三カ国、このブルネイ以下ずっとここに書いておりますけれども、十三カ国が批准をしていない。G8の加盟国の中でもこれは日本だけでございます。また、第百十一号条約については、現在百六十五カ国が批准をしていて、十五カ国、米国と日本がG8の加盟国では批准をしていないということになっているわけでございます。
  この二つの中核的な条約については、さまざま国内法との関連でということは、これまでも委員会の中でも政府の答弁もございますけれども、先進国の中で日本がそろそろこれは乗り越えて、国内法の整備を行った上で、やはり批准へ向けてしっかりと努力をしていく、締結へ向けて努力をしていくという姿勢を見せるべきではないかと思うんですけれども、今後の取り組んでいくその姿勢あるいは見通しなどについて、外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。

○松島大臣政務官 今、もうこの二つの項目については笠委員の方が詳しく御存じだと思いますが、結論から申し上げますと、まさに先ほどおっしゃいましたように、国内法制との整合性について、やはり現状ではまだ検討すべき点が多い、ですから、その締結については慎重に検討していきたいということになってまいります。
  御存じのとおり、この百五号の方は、この条約で定めておりますのは同盟罷業、ストライキに参加したことに対する制裁としての強制労働を禁止している。これに対して日本の国内法では、国家公務員法その他、幾つかございますが、争議行為を共謀したり、あおったり、唆したりする者に対して懲役刑を規定している。懲役刑というのは強制労働を含むわけでございますから、そのように整合性がつけられていない。この法律の整備ということがございますので、慎重に検討する必要があると思っております。
  もう一つの方については、確かにおっしゃいますように、こうやって国の名前をずらっと並べていただきますと、ほかは途上国ばかりで、何で日本だけ先進国で入っていないのかということでございますけれども、これは締約国が、雇用及び職業につき人種、皮膚の色、性、つまり男女の違いですね、宗教、政治的見解、国民的出身または社会的出身に基づく差別をなくすために、具体的に法律その他をつくっていなきゃいけないというのが条約の中身であります。
  それに対して我が国の場合は、憲法で法の下の平等を定めております。上位規定の憲法で定めておりますが、個別の労働に関する法制の中では、例えば男女雇用機会均等法のようなものはあるけれども、ほかのすべてについて、採用や待遇の機会均等について具体的につくった法律がございません。憲法に定められていても具体的に法律がないと、日本の場合は条約を結ばないということに今のところなっておりますので、慎重に検討しながら結論を出していきたいと思っております。

○笠委員 今御説明があったわけでございますけれども、私、当然先ほど大臣の答弁にもありましたように、このILOの中のいろいろな条約については、確かにその条約自体が今の時代に古くなっているもの、あるいは今の時代に合っていないものもあると思うんですね、日本が批准をしていない中で。
  ただ、一方で、やはり今、例えば百十一号のことをおっしゃいましたけれども、本来やはり憲法というのは我が国で最高の規範でございますから、それに基づいて、まさにこの憲法の規定に対してこの百十一号のこの考えというもの、差別をなくしていくということ、この点については、全くその理念というものは共通しているわけですよね。そのもとでの具体的な法整備ができていないということは、ある意味では私はこれは怠慢だったと思うんですよね。
  ですから、やはり日本として、我が国としてもそこのところを検討して、しっかりとこれから前向きに取り組んでいくんだというような決意をぜひ大臣にお示しいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

○麻生国務大臣 笠先生、これはなかなか難しいところですよ。基本的には、ほかの法律との関係と法体系のあれがありますので、そこのところとの整合性を考えないと、条約と国内法とが乖離する、そういったことになりますと、条約は締結したけれども現実に国内では施行できないということになるケースがふえてきますので、そういったところは、やはりこれは私ども所管する国内法の法律は少し違いますので、他の省庁との連絡調整等々、きちんとした上でないとなかなかできないというのが現実問題だと存じます。

○笠委員 私、確かにこの手の条約を批准するときに、このILOに限らずですけれども、どうしても他省庁との中での調整というものが、個別法になってくると出てくるわけですね。ここにまさに日本のやはり縦割り行政と言われる部分の、時間が非常にかかる、あるいは手間がかかっていく、あるいはなかなか責任体制という中で前へ進んでいかない、そういうものをすごく感じるわけですね。
  ですから、確かに時間はかかるし、丁寧に慎重にやらなければならないわけですけれども、やはりそこへ向けた環境整備を行っていくんだという、その一つの意思のもとに、まさに政治のリーダーシップでもって取り組んでいただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。
  そこで、今回のこの百八十七号条約について、私、ちょっと具体的にお伺いをさせていただきます。
  この条約の前文の中で、ディーセントワークという言葉があるわけです。これを今回「適切な仕事」というふうに訳されているわけでございますけれども、この意味についてどのように理解をされているのか。まず外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。

○麻生国務大臣 これは、新世紀、新しい二十一世紀におきますILOという組織の活動方向を示す概念として、新たに打ち出されたものであります。
  これは、訳には結構いろいろな悩みがありました。これは通常、普通の会話で、ヒー・イズ・ア・ディーセント・マンなんというと、あれは適切な男であるなんという表現が当たりますかね、あのやろう、適当なやろうだという話はありますけれども、適切なやつだなんという表現はなかなかありません。
  ディーセントライフとかいろいろ表現があるんですが、これは正直申し上げて、辞書を引きますとこういう言葉になりますので、あの電子辞書等々、いろいろやってみると大体この適切という言葉が出てくるので、いろいろ悩んだんですが、この報告で言う「適切な仕事」というのが、仕事における基本的な権利が保護され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護を伴い社会対話のある生産的な仕事を指し、かつ、すべての者が収入を得る機会を得るという意味で、仕事が十分にあることも意味する、これは文章を訳すとこういうことになりますので、それをどういう表現でディーセントという言葉を法文化するかというのは、いろいろ悩んで、これは大分いろいろ議論のあったところです。
  ちょっとしかるべき言葉がありませんので、これまたディーセントな仕事というのでやろうかという意見もありましたけれども、ディーセントというのは余り、今普通使われている日本語化した英語と少し、まだそこまでいっているような雰囲気ではありませんので、いろいろ悩んだ末、この「適切な」というのでやらせていただくということになったんですが、しかるべき訳、アイデアをお持ちでしたら、私どもとしては、ぜひ参考にさせていただければと存じます。

○笠委員 今大臣の方からしかるべきということなので、私もちょっとこの後お話をさせていただきたいんです。
  今おっしゃったように、確かに、二十一世紀の戦略的な目標の中で、権利が保護され、十分な収入を生み、適切な社会保護が供与された生産的な仕事、これをどう一言でわかりやすく伝えるのかというようなことになると思うんですけれども、大臣、いい言葉があればこれは置きかえてもいいというふうに、ちょっと確認なんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。今せっかく言っていただいたので。

○麻生国務大臣 これは、一回法律が通った後、ちょっとおまえ、もっといいのがあったからこれに直せと。笠先生、それはなかなか簡単にはいきませんので、この法文の和訳だけは直せということになると、もう一回全部で討議をしていただくなりなんなり、かなりな作業が要ることになろうと存じます。

○笠委員 私は、委員会で合意ができれば、これは、どちらかというと、どう訳すか、どう表現するかということなので、まだ法律は通っていないので十分可能かと思うんですけれども、物理的な、事務的な作業というのは発生するんでしょう。
  そこで、外務省が「適切な仕事」と訳した背景というか、外務省が訳したものを内閣法制局の方がそれで結構ですよということだと思うんですが、これは参考人の方で結構なんでございますけれども、辞書を引いたらやはり「適切な」ということだったので、「適切な仕事」ということで訳をされたんでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。

○大江政府参考人 我々が訳をつくる場合には、その文脈、それから趣旨、目的、そういうものに照らして、条約の正文テキストを誠実に解釈して、そのような解釈に基づいて、正文テキストの内容を可能な限り忠実に日本語訳に反映する、こういうことが一応原則でございます。そういう原則に基づいて、「適切な仕事」というふうに訳したわけでございます。
  なお、このディーセントワークという言葉ですけれども、これは、もともとは一九九九年のILOの事務局長報告で提示された概念なわけですけれども、その概念に照らしても、「適切な仕事」という訳は、この概念をあらわすのに適当なものであったというふうに考えております。

○笠委員 ちょっとこの言葉にこだわらせていただきたいんですが、きょうは厚生労働副大臣にもお見えになっていただいております。これは議事にしっかり残したいので、きょうおいでいただいたわけですが、この「適切な仕事」とは具体的にどういうことなのか、どういう意味合いにおいて「適切な仕事」という言葉、この言葉の定義をわかりやすく答弁をいただければと思います。

○武見副大臣 ただいま外務省の方からも御答弁があったように、そもそもILOの事務局長報告一九九九年の中で、ディーセントワークという言葉を使った一つの考え方が提示されたわけでございます。これを受けて、この正文をも含めて、翻訳について考え方が整理されたというふうに承っているわけであります。
  そこで、政府としては、「適切な仕事」というものは、第一に、働く機会があり、働きに応じた収入が得られること、第二に、働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすく、それが認められること、第三に、家族の生活が安定しており、自己の鍛錬もできること、第四に、公正な扱い、男女平等な扱いを受けることといった、人々が働きながら生活している間に抱く願望の集大成であると整理をしております。
  いわば「適切な仕事」というものは、雇用、労働に関する各種施策によって目指すべき仕事、そして、その働き方のあり方の総体を示すものとして考えているところでございます。

○笠委員 私も、この一枚の、これは厚生労働省がつくられたペーパーかと思いますけれども、「ディーセント・ワークについて」という、これが政府内の統一見解かと思いますけれども、今お話があったように、「適切な仕事」と聞いただけでは、やはり今の副大臣のおっしゃったような意味合いがどうしても出てこないわけですね。私がちょっと解釈力が乏しいのかもしれませんけれども、「適切な仕事」と言われても、今おっしゃったようなことがどうなのかなと、つながってこない。
  ただ、それは、この条文の中で、なかなか今から「適切な仕事」という言葉を置きかえるのは難しいということでございましたけれども、私は、一つ大事なことは、はっきり言って、このディーセントワークというのは、私もそんなになじみのある言葉ではございませんし、まだ国民の中でもそんなに多くの方が知っているという言葉ではないと思っています。
  ですから、これから、こうした言葉がいろいろなところで、例えば政府の広報物であったり、あるいはいろいろな書籍等々の中で、文章の中で出てきて、ディーセントワークというものがすんなりと国民に受け入れられる言葉になったときに、それはどういうことなんだというようなことをしっかりとここで定義をしていくことと、今後、例えば、これは厚生労働大臣も、ちょうど平成十八年ですか、五月十一日に参議院の厚生委員会で、当時の川崎厚生労働大臣は、「人間らしい仕事のことであり、まず仕事があることが基本であるが、その仕事は、権利、社会保護、社会対話が確保され、自由と平等、働く人々の生活の安全保障のある仕事であるとされております。」と答弁され、今まさに武見副大臣がおっしゃったことを少し話し言葉にされておるのかなと認識しております。
  そして、先日、厚生労働委員会の中で、柳澤大臣が「人間たるにふさわしい仕事」とおっしゃったんですね。これは、まだ「適切な仕事」よりも、私、随分こちらの方がわかりやすいのかなと。
  ただ、もうちょっとわかりやすくした方がいいんじゃないかということで、例えば、人間らしい働きがいのある仕事というような形に言葉の意味というものを定義づけたらいかがかと思うんですけれども、先ほどの厚生労働省からいただきましたペーパーの中に、るる武見副大臣がおっしゃった説明の下に米印がついて、「「ディーセント・ワーク」とは、「社会的にも倫理的にも適切な仕事」という意味であるが、ここでは単に「適切な仕事」ということにする。」というふうになっているわけですね。
  この「社会的にも倫理的にも適切な仕事」というところを、ぜひ、人間らしい働きがいのある仕事、あるいは、そういったことをもう少し、そのままじゃなくてもいいんですけれども、何か工夫をされて、ぜひ今後の政府のいろいろ発行する刊行物等々の中で、やはりこれは米印は必要だと思うんですよ。ディーセントワーク、例えば括弧何々。
  ぜひそういう共通の見解を出していただき、何か役所ごとに、例えば外務省から出る文書あるいは書籍等々にはまた「適切な仕事」だけだったり、あるいは厚生労働省から出るものについては、今のような「社会的にも倫理的にも適切な仕事」とかではなくて、やはり共通のわかりやすい、置きかえられる言葉をぜひ検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○麻生国務大臣 米印をくっつけて注釈をつける、括弧書きをつける等々、努力を各省いろいろ、役所によって多分表現の仕方が、労働省としてはこうとか、おっしゃるように、いろいろ表現が出てくる可能性はあるかなとは、この訳は本当に悩んだ訳でしたので、長い訳をつけるわけにいきませんものですから、なるべく短いものにというので、この種の表現に最終的に落ちついたんです。
  いずれにいたしましても、この定義が定着するまでの間、しかるべき、「適切な仕事」を注釈としてというようなことは、いろいろ各省でやってみなきゃいかぬところでしょうけれども、すべての文書に全部くっつけろと言われても、なかなかそうはいかないところもあろうかと思いますが、きちんとした、そういった誤解を生むというようなことのないように努力はしなきゃならぬと思います。

○笠委員 ぜひ武見副大臣にも同じことをお伺いしたいんですが、そんなに別に、全員が集まってそのために会議してどうこうというほどの大げさな話ではないと思うので、もう少しわかりやすい、そしてその意味が伝わるような言葉をぜひ考えていただいて、少し関係省庁の中で、では、今後、ディーセントワークについて三行、四行説明するときは先ほどのILOの説明等々でいいんでしょうけれども、それを一言括弧であらわすときには、単なる「適切な仕事」ではなくて、本当に人間らしい働きがいのある仕事であるとか、柳澤大臣がおっしゃっている「人間たるにふさわしい仕事」とか、そういったことをベースにして御検討をいただきたいと思うんですが、厚生労働副大臣の方にもお伺いをしておきたいと思います。

○武見副大臣 まず、「適切な仕事」というこの言葉、翻訳をしたその意味、目的は、まず第一に、条約の文言として正確にとらえることがあって、そして、その意味するところは、まずそれがセマンティックに、意味論的にどういう概念によって構成された言葉になるのかという点ではないかと思います。
  そういう点で、先ほど御答弁させていただいた概念構成、これがきちんと各関係省庁の間で共有されるということがまず第一に極めて重要であって、その一つの象徴的用語として「適切な仕事」という言葉が使われ、そして定着することが私はまず必要なことだろうというふうに思います。
  そしてその上で、これが幅広く国民に周知徹底して、その「適切な仕事」というまず基本的な概念がきちんと国民に理解していただく努力をすること。そしてその中で、御指摘のようなあいまいさがもし引き続き残るとしたら、そのときは改めて米印のようなわかりやすい説明の仕方をそこで再度工夫して考えるという検討の余地は私はあるだろうというふうに思います。

○笠委員 ぜひ、外務大臣あるいは厚生労働副大臣の方にもそのことを要請しておきたいと思います。
  次に、ロンドン条約一九九六年議定書に話題をかえたいと思います。
  武見副大臣におかれましては、ありがとうございました。
  今回の一九九六年の議定書についてなんですけれども、我が国は、当然ながら、地球上の七〇%を海が占めておる、そういう中で、四方をまさに海に囲まれた日本として、海洋国家というものも昨今よく使われる言葉になり、まさに海洋国家であるべきであるということを標榜している中で、国際的な責任を果たすために、本来ならば各国にしっかりとこの議定書の締結を積極的に働きかけていくぐらいの立場だと思うんですけれども、本議定書の採択から国会提出まで十年間かかっているわけでございます。ちょっと長いなと私は思うんですが、この十年という月日を要した理由というものを簡潔にお答えいただければと思います。

○麻生国務大臣 これは、笠先生、基本的には、この新しい海洋投棄ということに関しての禁止がされる廃棄物、いわゆる不発弾なんというのはよく例に引かれますけれども、不発弾などについては、まず陸上処分、海洋投棄の禁止というのをどうするかというのにかなり時間を要した一つの例です。
  そういった意味で、必要となった新しい許可制度を確立するために、これは、基本的には国際会議でかかるのに約四年かかっております。加えて、周知期間を最低三年を要する、それだけでもう既に七年を要しておるというのであって、これは、日本だけで十年かかったというわけではないという前提をぜひ御理解いただければと思っております。
  したがいまして、これまでこういった七年を経ました後、新しい議定書によって必要となる日本国内の体制というものの制度について、これはそれこそ、これを引き揚げたりするときの海上保安庁、また、いろいろな港湾等々、いろいろあるんですけれども、そういったものの関係いたします省庁と鋭意協議を行った結果、本議定書を締結する準備が整ったということでありまして、実質、国内でかかりましたのは約三年弱ぐらいだったと思いますので、その他はいわゆる国際的なところに七年を要したという点を御理解いただければと思います。
  ただ、これは関係するところが、日本に関しては、隣の国というだけじゃなくて、かなりあちこちから流れてくる分等々、いろいろありましたのがその背景と御理解いただければと存じます。

○笠委員 今大臣が、陸上のこの不発弾等々の一例として陸上処分、こういったものについても言及があったわけですが、これについてはちょっと詳しく後ほどお伺いをいたしますけれども、果たして日本は、これまで海を大切にしていこう、海の環境というものをしっかり考えていこうという意思があったのかなと過去いろいろ調べてみますと、あるいは今の現状等々からすると、他の先進国に比べて、例えば環境の問題についての積極的な姿勢は、地球温暖化に対する対策を含めて一定の役割を果たしていると思うんですが、事こうした海に対するさまざまな環境保全という面では、ややというかかなり立ちおくれてきたんじゃないかなという感を私は持っております。
  一九九九年ですか、発表されております下水汚泥を海洋投棄している国は、まさに日本と韓国だけですね。産業廃棄物等の海洋投棄も、もちろんうそをついて正確な報告をしていない国もあるかもしれませんけれども、やはり日本が一番多かった。これは、非常に不名誉な多分歴史だと思うんですね。
  そうした中で、今回一九九六の議定書で海洋投棄を検討することができることになっている、例えば、まだ相変わらず投棄をすることができる建設汚泥とかあるいは赤泥、こういったものについても、やはり、少なくとも産業廃棄物の海洋投棄については、今後期限を定めて完全に禁止していくんだ。そして、その処理の仕方においては日本は高い技術を、いろいろと再利用、再生利用等々についても持っているわけですから、やはりそのことを目標を定めて、今後完全に禁止をしていくという方向性を打ち出していくべきだと私は考えておりますけれども、その点について環境省の方にお伺いいたしたいと思います。

○北川(知)大臣政務官 笠委員御指摘のこの産業廃棄物等、そして建設汚泥、そして赤泥と下水汚泥の件でありますけれども、御指摘のとおり、お隣の韓国と日本、一九九九年においては、日本では四百八十一万トン、隣の韓国では六百四十三万トンのこういう海洋投棄があったわけでありますけれども、今御指摘の下水汚泥につきましては、御承知のとおり、この四月から投入禁止になっております。そして、建設汚泥及び赤泥につきましては、ロンドン条約九六年議定書において、不活性な地質学的無機物質に該当すると判断をされておりまして、海洋投入処分が検討できる物質として扱われているところであります。
  平成十六年に改正をされました海洋汚染防止法におきましても、廃棄物の海洋投入処分に当たっては、海洋投入処分以外に適切な処分の方法がないこと、すなわち海洋投入処分の削減努力が十分されていること、また、排出海域に与える環境影響の評価結果等に関する審査を行い、適切な場合に限り、環境大臣が許可を与える制度を新設して、この四月から施行をされているところであります。
  今後、我が国といたしましては、ロンドン条約九六年議定書にのっとり、廃棄物は陸上処理が原則と考えており、環境大臣による審査及び許可発給を厳格に行い、海洋投入処分量の削減に努めてまいりたいと考えております。
  なお、御指摘の赤泥につきましては、平成十五年四月のロンドン条約締約国会議におきまして、我が国は二〇一五年末までに海洋投入処分を中止すると表明しているところであります。
  以上であります。

○笠委員 特に産廃、産業廃棄物等々は、不法投棄の問題も含めて、かなりこれは深刻な問題だと認識をしております。この議定書を批准しても確かに道は残るんですけれども、本当に環境立国として、これからまた地球環境の問題あるいは地球温暖化といった問題について、これは今の内閣も、しっかりとそのリーダーシップをとっていくんだということを総理もおっしゃっているわけですから、まずは自分たちができることをきちんと、これは他国よりも、他の先進国よりもむしろ今おくれているわけですね。ですから、その先を、少なくともこの海洋投棄について環境立国にふさわしい姿勢というものを示していただきたいと思います。
  そして、外務大臣にお伺いをしたいんですけれども、当然海というものは、日本だけで海の環境を守るということはできません。とりわけ中国、あるいはロシア、そして韓国あるいは台湾等々、近隣の諸国と共同して、北太平洋の地域の海洋汚染を防ぐ取り組みというものをしっかりと、監視体制等々も含めながら具体的な対策を講じていく必要があると考えておりますけれども、その点についての現状と、そして今後の、日本として、政府として考えている施策についてちょっとお話を伺いたいと思います。

○麻生国務大臣 通称NOWPAP、ノースウエスト・パシフィック・アクション・プランだと思いますが、NOWPAPと称する国連の機構の中に、北西太平洋のいわゆる海行動計画というのがございます。これに入っております、いわゆる多国間レベルとか二国間レベルとかいろいろあるんですが、この汚染の防止に取り組んでおりまして、日本のほかに中国とかロシアとか韓国が既に参加をいたしております。
  具体的な取り組みとしては、その地域の油の流出、ナホトカ号の事件があったのは御存じのとおりなんで、そういった緊急時の計画案の策定とか、それから海洋の、御存じのように、漂着ごみというのが日本海沿岸に、これは非常に大きな問題になっておりますけれども、こういったものの取り組みがあっておりまして、今、名前を見ますと文字が違いますので、これはおたくのものでしょうといういろいろな判断のしようがありますけれども、これがまたインターナショナルになってきますと、出した人は本人じゃなくて、全然別の人が捨てているかもしれませんので、そういった意味で、これは調査をある程度協力してやらないとできませんし、そういった意味では、原因究明に努める等々、いろいろ多国間での計画等々が今、なかなか急には進む話ではありませんけれども、結構この問題は大きな問題になりつつあります。
  そういった意味では、渤海湾の話を含めていろいろございますので、そういったものが流れ流れて日本海側に上がってまいりますので、そういったことも考えて、我々としては、一国でとてもできるものではございません。多国間での取り組みというのを進めておるというのが現状でございます。

○笠委員 とりわけ、中国については、やはり国内的にもまだそこあたりの取り組みというものは私はかなりおくれているように思うんですね。もう大量の、いろいろな形での、これは別に中国政府が認めてということじゃなくても、やはり海の汚染につながるような懸念がありますので、その辺についてもしっかりと監視体制というものをとっていくように、これは要請をしておきたいと思いますけれども、とりわけ中国に対して何か特に取り組んでいく、あるいはこの点について今後働きかけていく、そういうお考えがあればお願いをいたします。

○麻生国務大臣 過日の李肇星外交部長の最後の訪日だったと記憶しますが、このときにこの問題は我々の方で提案をいたしております。二〇〇八年以降、いわゆる無償援助というか円借がなくなりますので、それ以後の日中の関係の中において、我々としては環境に対する支援というのをやる用意がある。
  ちなみに、渤海湾というところは、国連で、とれた魚は食べる魚ではないというような評価が何か、たしかことし初めだったかに出たと記憶しますので、渤海湾というところは、揚子江の河口でもありますが、かなり深刻なことになっているのではないか。そういった意味では、揚子江に流れ込んできているものというのは、これは上流まで上っていきますと何百キロということになろうと思いますが、そこに流れ込んでくる不法投棄等々、重金属を含めましていろいろなものが流れ込んできてああいう結果になる。真っ黒な形になっております。
  日本も昔、かつて東京湾というところは死の海みたいに言われたけれども、今ではいろいろな魚が泳ぐところまで回復させるということに成功した経験というものが我々にはあるので、そういったものはぜひ生かして使われるべきではないか、我々の経験こそそちらが使われるべきものなのではないのかという話もして、双方でこの話は正式に話を進めるべきだという話をしたというのを、私の一番最近の中国との直接の対話はこれですけれども、そういったことも今、昔と比べてかなり深刻に受けとめて聞く用意があるという感じが今の両国間におけます実態というように御理解いただければと存じます。
  ただ、これは、そこに流し込んでいる人たちをとめさせるためには、日本もかつて、いろいろな不法廃棄物といいますけれども、当時は当たり前に出たもので量も少なかったものですから、太平洋まで流れ込めば海が何とかしてくれるというのが、出す方が多くなり過ぎていますので、海の方もとてもそんなものまで面倒見切れぬということになってきているんだと思います。
  いずれにいたしましても、こういったものはきちんと人工的に化学的に対応できるというものもあろうと思いますので、そこらのところは、我々としてもその技術を提供する等々の話をやっていく必要があろうと存じます。

○笠委員 ぜひその点については本当に取り組みを、とりわけ中国については、我々の生活も本当にかなり影響を受けることになりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
  そして、今、この後不発弾のことをお伺いしたいんですが、まさに海に捨てれば何とかなるという、私、これは象徴的な例だと思うんですね。不発弾の処理というのは各国が抱えている問題なんですけれども、日本ぐらいですよね。今回、この四月から陸上での処分に限られる、海洋投棄というものができなくなったわけでございますけれども、本当に、アメリカですら一九七〇年にはやめているわけですね。ほかにないですよ、ほとんど、不発弾について海洋投棄をしてきた、しているというのは。そういう意味では、本当に何を考えているのかなというような気がいたすわけでございます。
  ことしの四月から不発弾の処理について海洋投棄ができなくなったわけでございますけれども、今後、きょうお手元にもお配りをさせていただいております資料でも、これまで相当なトン数が、不発弾について陸上処理でなく海洋投棄をされておりました。同じように、不用弾や不良弾、この資料は防衛省の方で用意していただいたんですが、若干ちょっと数字が違うのかなというところもあるんですが、きょうそのまま出しておりますけれども、この海洋投棄、これが全部できなくなる。これは大変なことだと思うんですね、今まで海に捨てることに頼ってきた。
  これからどうやってこれらの不発弾をまさに陸上処分していくのか。もう現在行われているのか、あるいは今後、いつからどういう形で行っていくのか、その点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

○木村副大臣 先生御指摘のように、改正海防法によってこの四月から海洋投棄ができなくなったわけでございまして、今、陸上処理を安全にしていくために、環境省を中心として関係省庁がどのようにしていくのか、その手順等々を検討しているところでございます。
  不発弾の処理というのは、先生御承知のように、現場で安全化措置、信管の除去等を行った上で、一時的に陸上自衛隊の弾薬支処等で保管をし、これまではそれを海上自衛隊へお願いして海洋投棄をしていたわけでありますけれども、それができなくなったということでございまして、民間に委託をして処理していただく、その安全をいかに確保していくかということで今検討を鋭意行っているところでございます。

○笠委員 ちょっと確認をいたします。
  ことしの四月から不発弾の海洋投棄ができなくなるということはいつ決まったんでしょうか。

○山崎政府参考人 これは、ロンドン条約の議定書に基づきまして、四月一日以降海洋投棄ができなくなるということで、関係省庁と処理体制を協議しました結果、四月一日以降、今副大臣の方から答弁申し上げたように、民間に委託をして陸上処理していく体制が決定したということでございます。

○笠委員 いつ決まったのかと。要するに、ことしの四月から海洋投棄ができなくなることがいつ決まったのかということをお伺いしているんです。

○山崎政府参考人 恐縮でございますが、調べて後でちょっと答弁させていただきたいと思います。

○谷津政府参考人 お答え申し上げます。
  平成十六年に海洋汚染防止法が改正になりまして、施行令の改正が昨年十月に行われました。そこで決まっております。

○笠委員 つまりは、もう平成十六年にはその方向性というものは決まっているわけですよね、これはできなくなるんだと。
  今の段階で、ことし、現にこの四月からもう海洋投棄ができなくなっているにもかかわらず、いつから陸上で処理をしていく、民間の業者を使って委託をしてこれからはやっていくんだと。一部自衛隊でも、訓練も含めて、やることはそのままのスキームで残るんでしょうけれども、それが今のこの時点で全くスケジュール等も明確になっていないということは、では、この間、何をやってきたのか。
  要するに、私は、これをお伺いしたら、関係省庁の連絡会議というものでいろいろと各省庁間の協議を進めているんですということをお伺いいたしました。この関係省庁の連絡会議というものが、具体的な、いろいろな取り組みの方法であるとか、あるいはスケジュールであるとか、そこあたりを調整していく場ということでよろしいのか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

○谷津政府参考人 先生御指摘の関係省庁会議でございます。正式名称は、ロンドン条約九六年議定書の締結のために必要となる不発弾の陸上処理に関する関係省庁連絡会議という名称でございます。
  目的でございますが……(笠委員「いいです、目的は。ここでいいのかということだけ教えてください」と呼ぶ)はい。この場で関係省庁がよく連絡をとって対処してまいります。

○笠委員 今そういうお答えがあったんですけれども、これが去年の八月八日に設置をされて、そして、いただいた資料で、第一回目の会議、十七時五十分から十八時十分、二十分間だけやっているんですね。それ以降、一切開かれていない。事務的には、事務的なレベルで議論は調整しているという説明でしたけれども、まさに何をやっているのかということですよね。
  毎年毎年これだけ大量の、今まで海洋投棄していた不発弾、あるいは不用弾、不良弾も含むものですけれども、これだけのものが常に出てくるわけですよね。そうしたら当然、もうわかっていることなんだから、本来であれば、もうこの四月からしっかりと民間の業者も選定をされて、そして、その施設に送ってそれを処理していくということがもう行われているのが私は当たり前だと思うし、少なくとも、では、この夏ぐらいからは、七月ぐらいからは、今こういう計画で進めておりますので、だから、しっかりとこういうスケジュールのもとでやっていきますということがもう決まっていないとおかしいんじゃないですか。
  その点どうですか、防衛副大臣。

○木村副大臣 これから民間の方でこのような不発弾の処理をするということは初めてでございますから、しっかりと安全面のことを確保していかなければならない。
  ただ、これから民間へ委託をいたしますにしましても、民間業者がしっかりと必要な施設等々の体制固めもしていただかなければならない。そして、その処理にも時間がかかるということでございますから、平成十九年度の不発弾につきましては、二十二年度以内に処理をしていくべく、今準備を進めているところでございます。その間は、しっかりとした管理のもとで自衛隊の弾薬支処等々で一時保管をしていくということで今進めているところでございます。

○笠委員 今、民間に任せるということで安全性を確保していく、これで本当に安全性を確保できますか。私は、それで一点、あわせてお伺いしたいんですけれども、万が一事故が起こったときの責任省庁は、これはどこになるんでしょうか。そのことを明確にお答えいただきたいと思います。

○木村副大臣 どのような形で事故が起きるのかということがわからない今の段階で責任の所在というのを明確にすることは大変困難でありますけれども、ただ、安全面の確保をしっかりするために、例えば、安全化措置をしたものでなければ民間委託をしないとか、また自衛隊の方で輸送や保管のためにこん包材を用意して、それを使っていただくとか、また技術的な知見を有する陸上自衛官が指導や監督をする、そんなことが必要ですよねということも含めて今検討を進めているところでございます。先生がおっしゃるとおりに、民間委託をしていくわけでありますから、しっかりと安全面を確保できるように、そのための今検討を進めているところでございます。

○笠委員 ということは、このスキームが固まって、実際に、二十二年でしたね、平成二十二年からこの処理を、ことし、十九年度以降の分について、十九年、二十年、二十一年の分、三年間分は保管をしていく。そして、要するに、全部処理できないわけですよね。当然、保管が長くなっていくわけですよね。
  二十二年から民間に対して不発弾については全部任せていく、そういうことでよろしいわけですよね。

○山崎政府参考人 陸上処理に当たる不発弾等につきましては、安全化措置を施した上に、年二回ぐらい、今年度から、民間業者の方に委託して保管をしていただくようにというふうに考えております。

○笠委員 時間が迫ってまいりましたのでお伺いしますけれども、まず一点は、では、不発弾の処理が実際にこれから二十二年以降始まっていったときには、これは最終的な責任は防衛省のもとで行うということでよろしいでしょうか。

○山崎政府参考人 これは、先ほど副大臣の方から答弁がありましたように、原因等についても一概に言えないものですから、基本的には、その時々によって、その状況に応じて判断をしていくものというふうに考えております。

○笠委員 その時々の判断というのは、まさにこれは責任をどこも負わないということにも等しいわけです。
  要するに、いろいろな形でどう処理をするかとか、そういうことについては環境省のいろいろな話もあるでしょうけれども、どこの国だって不発弾、不用弾の処理はほとんどが国防省ですよ。そんな共管事業にしているような国はありません。ですから、この処理が始まれば、当然これはその安全性の確保も含めてやはり自衛隊の協力ということも必要になってくるわけですから、やはりそこは防衛省であるということをぜひ明確にしていただきたいと思います。
  それからもう一点、民間業者へこれから委託するということでございましたが、恐らく、現在もう既に不用弾の処理を行っている民間企業が十三社、過去五年の実績でございます。ある意味では、特殊な技術やそれだけの施設をつくる力がなければ、これは普通の企業ができることではございません。専門的な技術力を持ったところじゃないといけないわけですが、ある程度限られた、その対象となる社が出てくると思うんです。
  これは明確にお答えいただきたいんですけれども、私もきのう資料をいただきまして、防衛省の方から天下っていたりというような会社も結構ございます。ですから、今後の事業の会社の、一年ごとの契約になると思いますけれども、ぜひ選定についてはいろいろと厳しい目で、防衛施設庁の問題もございました、天下りをしているようなところ、そういうところには発注をしない、そして、随意契約ではなく、当然ながら一般競争入札で行うというようなことで考えられているのかどうか、その点を確認させていただきたいと思います。

○山崎政府参考人 不発弾の陸上処理を委託する民間業者を決定する方法につきましては、当然のことながら、まず競争入札を原則として、安全性の確保等も踏まえて決定をしていきたいというふうに考えております。

○笠委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、こういう非常に狭い世界というか、割と閉鎖されたあれなので、今現在引き受けている業者等々はこの後私も調べさせていただきたいと思いますので、その透明性と国民に理解を得るようなしっかりとした手続をぜひお願い申し上げたいと思います。
  どうもありがとうございました。