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169-衆-予算委員会-13号 平成20年02月25日
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
きょうは、まず、ちょうど先週の十九日になりますけれども、イージス艦「あたご」と漁船清徳丸が衝突をした事故について、お伺いをさせていただきたいと思います。
質問に入る前に、今なお行方不明になっておられる清徳丸の吉清治夫さん、そして哲大さん親子の安否が大変気遣われるわけでございます。一刻も早く救出をされるよう、引き続き政府を挙げて、懸命の捜索活動に全力を挙げていただければと思います。
ちょうど先週の火曜日でございました。私も石破大臣に急遽この委員会においでをいただき、この事故が発生をしたということで、大臣も、当時はまだ状況がわからない中で、ただ連絡等々が非常に遅いというようなことを率直にお認めになっておられました。事故が発生して数日ぐらいの間というのは、それぞれの対応の中で、あるいは情報も錯綜する部分もあると思います。
ただ、もう間もなく一週間たとうということでございますし、先般、ちょうど二十一日の日ですか、大臣が勝浦の方に行かれて、そして、今心配をされている御家族、御親族あるいは関係者の皆様におわびを申し上げてこられたということを伺っております。その中でも、やはり、とにかく情報をしっかりと出してほしいんだ、正しい情報を上げてほしいというようなことを直接聞かれ、大臣も、情報伝達のおくれを反省しており、今後は可能な限り情報を出すという約束をされたと伺っております。
海上保安庁の捜査が行われており、今後裁判等々も行われることもあり、今の段階ですべてを包み隠さずということはなかなか難しいかもしれません。しかしながら、少なくとも出せるものはきちっと出していくんだという姿勢で本日も御答弁をしていただければと思います。
まず、初動態勢についてお伺いをさせていただきたいと思います。
大臣にこの一報が入ったのは五時四十分、事故発生から一時間半、そして福田総理には二時間後の午前六時五分ということで、ちょうど二十年前の「なだしお」のときですら、当時の防衛庁長官には一時間後に連絡が入っているんです。このとき問題になった連絡の初動のおくれ、このことが二十年たっても全く生かされていない。
大臣、率直に、どうしてこうしたおくれにつながったのか。今回、石破大臣への連絡がおくれた理由について、統幕監部のオペレーションルームに当直していた内局、いわゆる背広組の職員が、大臣に速報するように指示をされたけれども大臣秘書官への連絡を怠ったということも報じられておりますけれども、もう調査されておると思いますので、具体的にお伺いをしたいと思います。
○石破国務大臣 このようなあってはならない事故が起こりましたこと、本当に申しわけのないことであります。幾重にもそのようにおわびを申し上げなければならぬと思いますし、委員御指摘のように、お二人の行方というものを確認するために今も全力を挙げておるところでございます。
なぜこのようにおくれたということにつきましては、それぞれいろいろな部署で時間がかかっております。
今後の議論のもとにもなりますので申し上げておきますが、四時七分に事故が発生をしておりますわけで、そこから順序を経て上級部隊、すなわち護衛艦隊あるいは自衛艦隊、これが上級部隊というものでございますが、そこへ伝わり、そこから防衛省内、市谷にあります防衛省内の海上幕僚監部及び統合幕僚監部のオペレーションルーム、内部部局の当直担当者への第一報が五時ごろまでに行われた。ここで五十三分、ごろですから正確ではないかもしれませんが、五十分程度かかっている。これで何でこんなに時間がかかるのかということが一つございます。ここの短縮ができないか。
すなわち、委員御指摘のように、オペルームからすぐ大臣に入るという方法があっただろう、それは確かにそのとおりでございますが、オペルームに入るまでにこれだけ時間がかかっている、ここの短縮ができないかということでございます。これが一つの問題点。
その次ですが、それを受けました海上幕僚監部及び統合幕僚監部では、この第一報を受けて海上幕僚長及び統合幕僚長への報告が行われております。内部部局では、担当課、関係課への連絡、整理、情報の確認を行い、五時半ごろから順序を経て防衛省幹部への報告を実施した。その結果として、大臣、私に四十分、総理に六時ということになっております。そこへ、オペルームに入ってから内部部局で担当課への連絡、情報の確認、整理、そして、五時半ごろから順序を経て防衛省幹部への報告が実施されたということで、ここは短縮できないのかということです。つまり、オペルームに入るまでに短縮できないかということが一つ。
もう一つは、オペルームに入った段階で、これは重大な事故であるという判断がなされ、そしてそれが大臣に上がってくる、とりあえずの第一報、詳細確認中であっても、それが大臣に上がってくるということがきちんと確立されていなかったのではないかと私は思っております。今回の民間船舶にかかわる重大な事故、今回のような事故は民間船舶にかかわる重大な事故でありまして、そうしますと、これが早急になされるべきであったというふうに考えております。したがいまして、どこでどれだけの時間がかかったのか。
事故には、軽微な事故、通常の事故、重大な事故というふうに分かれております。では、どれが重大な事故なのか、どれが軽微な事故なのかという判断基準が類型化され、主観的な判断を交えずにこれはこうするのだということが徹底をされねばならないと思っております。
だれの責任だ、かれの責任だということもございますが、ここの結節点を少なくする、あるいは、主観的な判断というものを交えない、そういうような体制というものを早急に構築する必要があると思っております。
その後、御質問になるのかもしれませんが、今回、とりあえずその日のうちに、海上幕僚長、陸上も航空もそうでございますが、そこがそれを承知した段階で速報として大臣にそれぞれの幕僚長から上げるということは、通達上明確にいたしました。しかしながら、この通達そのものを見直す必要があるということで、今作業を急がせているところでございます。
○笠委員 大臣が今おっしゃいましたけれども、今回、これは重大事案ですよね。お手元の資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。
これが十七年の九月二十一日に事務次官通達として出され、そして、今回の事故を受けて大臣が十九日の日にこの改正を通達として出されているんですけれども、今回改正された部分というのは、まさに、この重大な事件のところの、ちょっとわかりにくいんですけれども、私、この「各幕僚長、各機関の長又はこれらに準ずる者」から、濃く点線しております。それが副大臣のところにもということなんですが、今回の情報の報告の仕方というのは、これは従来ある三つのパターンですけれども、まさにこの「軽微な事件・事故」、この一番右のものですね、この方法で上がっていったんじゃないですか、結果として。いかがですか、大臣。
○石破国務大臣 軽微な事故の場合に、委員がお示しの図のような流れ、つまり、部隊から担当部署に上がり、内局に上がりということになっております。
ここは詳細をよく確認しますが、幕の方で、これは内局の方を通じて上がっているんですねという確認がなされたかどうか。すなわち、実際のオペレーションに当たります者は、早く現場、現場といいますか、海上幕僚長の場合には市谷の海上幕僚監部に入ってきちんと対応をしなければならないということがある。そこで、内局の方に対して、この連絡はきちんと即刻内局から上がっていますねという確認がなされたのか。そこで、ちゃんと上がっています、あるいは、上がるように措置しておりますということであれば、海幕長が、そうか、内局からきちんと大臣に上がるんだなというふうに判断をして登庁したことが、それがどうなのだという評価、それはあるんだろうと思います。
ですから、軽微な事故と同じようにずっとゆっくり上がっていったということではなくて、これは、きちんとそちらのラインから上がっているんだねという確認がなされたということだとするならば、軽微な事故と同じように非常に緩やかなスピードで上がっていったということと全く同じに評価をされるものだとは私は今考えておりません。そこのところの確認をきちんと行うことが必要だと思っております。
○笠委員 先ほど質問したんですけれども、恐らく、この幕の方は、仮にこの一番右のケースで上がっていっていたとしたら、まさに内局の職員が、この幕の方、オペレーションルームにいた、それで、上げておいてくれよということをもし指示をしているとしたら、やはりそこはこの一番右のケースに当たるんじゃないかと思うんですね。
ですから、そこで内局の方に言ったから、あとはちゃんと大臣に上げてくれるだろうということで終わっているんじゃないかと思うんですよ。その点、いかがですか。これ、ちょっと端的にお答えください。
○石破国務大臣 そこは、恐らくとか、だろうとかいうことで、私の立場で言ってはいけないことだと思っております。これは正確を期さねばならないので今確認をしておるところでございますが、内局からも上がる、幕からも上がるという両方のラインで、どっちかがやるだろうと思って、結局、届きませんでしたみたいなことが一番いかぬわけでございます。
だとすれば、そこのラインをどのようにしていけばいいのか。私は、今回あるべきだったのは、あくまで結果論みたいな話ですが、やはり、オペルームに入った段階で、これは重大なのだということで上がらないと、一分、二分のおくれがとんでもないことを招きかねないと思っております。
ですから、委員おっしゃいますように、内局から上がっているんだろうねということ。ただ、そこの思い込みではなくて、そこで確認はしているわけですね。単なる思い込みではない。海上幕僚長としては、これは内局を通じて上がるんだろうな、そのようにやっておりますということだったのか、やるようにしておりますということだったのか、そこのところは、思い違いとかそういうことを防ぐためにはどういう流れ方が一番いいのかということで、私どもで今検討中でございます。それを早急に示しまして、御説明をし、また、こういうことがあるではないか、こういうことがあるではないかというような御指摘をいただきたいと思っております。
排さねばならないのは、だろう、だろうの思い込み、これは排さねばならない。そして、内局がどうの制服がどうのという二系統をとるのが正しいのか、そこは一系統に集約するのが正しいのか、そこのところをどうするのかということは、よく判断をしなければいかぬことだと思っております。
○笠委員 大臣がこれからこれを見直すということはわかるんですけれども、つまり、この通達自体を、私は幹部の方々もよく頭の中に入っていたのかというと、十分認識されていなかったんじゃないかと思いますね。それは、まずこれが重大事故なのかどうかという認識ができたのかどうか。
もう一つは、もし重大だという認識ができていたら、これは一時間以内に必ず報告をしなきゃいかぬという規定があるわけですよね。そうすれば、オペレーションルームの方には、四時四十八分に少なくとも幕には連絡が行っている。これは決して早くないですよ。しかし、少なくともそこでそういう判断が働いていれば、すぐに大臣のところに上がっていたはずなんですね。
ですから、そこのところをしっかりと、この点は事実関係を明らかにしていただき報告をしていただかなければ、どんなに仕組みを変えたとしても、やはりその認識ですね。
それと同時に、一点お伺いをいたしますけれども、このとき、幕の方には内局から何人の方が詰められていたんですか。これは事務方の方で結構なんですが、政府参考人。
○徳地政府参考人 お答え申し上げます。
このとき、統合幕僚監部の総合オペレーションルームに、私ども内局の運用当直要員が一名、当直としておりました。
○笠委員 ちょっと一名というのも、ここあたりもしっかりと見直していただき、このときの初動の報告体制の流れというもの、結果についてはまた御報告をいただきたいと思います。
私は、一つ提案をさせていただきたいんですけれども、今度、防衛省そのものの体制を抜本的に改めるという中で、少なくとも文民統制、シビリアンコントロールということを考えたら、では、だれが、重大だ、通常だ、あるいは軽微だという判断をするのかといえば、これはなかなか任せても難しいと思いますよ。ですから、そこのところについては、例えば、大臣がおられて、そして副大臣がおられて、政務官が二人いるわけですよね。そうしたら、これは重大かどうかというのを、職員、内局であれ背広組であれ、そこに判断を任せるのではなくて、まず一報をしっかりと、全部大臣のところに行くというのは大変ですよ、しかし、やはり政務官のところにはあわせて上がっていく、少なくとも副大臣のところ、このラインに上がっていくような仕組みというものも考えていただいた方がいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 そういう考えもあるだろうと思います。検討はしてみます。
ただ、私は、きょうも議論しているのですが、何が重大か、何が通常か、何が軽微かというのは、やはり類型化をして、主観的な判断をなるべく入れない方がいいのではないかと思っているのです。
もう一つは、今委員が御指摘になりました一時間以内という言葉は、私は余りよくないと思っているんですね。五十九分ならいいのか、五十八分ならいいのかみたいな話になっちゃって、一時間以内をめどとしてという表現は、私は相当に問題があると思っております。
そして、類型化をした上で、今なお判断できないものというのは何なんだろうかと。やはり、上げますときに、これを大臣秘書官に、例えば午前三時、午前四時に連絡していいのだろうかという迷いが当然そこにあります。受けた者も、副大臣であれ政務官であれ、これは重大なんだろうか、そうじゃないんだろうかという判断を、そこで主観を交えてやっていいのだろうかという問題もあります。これはまた委員の御教示をいただきたいのですが、省内で類型化がどこまでできるか、そしてそれを政府の中でどのように判断するのかということが大事だと思っております。
もちろん、類型化ですから、事態は実は千差万別でございます。これをどのように、つまり、航空機あるいは艦船等にかかわる事故の場合というふうになっていて、類型化というのは、定性的にやってしまうものと、細かく細かくやるものと、細かく細かくやるとそれを類型化というのかということになってまいります。
そこで、今までも一定のものはやっておりますが、なお判断の迷いを生じる部分があったのだとするならば、そこはやっていかねばなりません。今までやっていなかったというものではありません。さらにそれを精緻にし、主観というものをどのようにして排していくかということが肝要だと私は思っております。
○笠委員 大臣の頭の中では整理がある程度できるんでしょうけれども、本当に、確かにこれまでもあったけれども、これが機能しなかったということですから、そのことはやはり重く受けとめていただいて、早急にこの抜本的な見直しをやっていただきたいと思います。
官房長官にお伺いをしたいんですけれども、今回、官房長官のところにも、これは官邸ですね、官邸への連絡も、防衛省の方からも、あるいは海上保安庁の方からも、私、これはやはり遅いと思いますよ。秘書官に五時三十五分に防衛省から一報があった、そして官房長官が五十分ごろたしか一報を受けられたんですか、そして総理が一報を受けたのが六時五分ですね。もう六時前にニュース速報が流れているんですよ、早いところは。自衛隊の最高指揮官は総理ですから、その最高指揮官に、これだけの重大な事故が起こったときの一報がマスコミのニュース速報よりも遅く入るなんというのは、これは本当にお粗末きわまりないし、まさに笑われますよね。
そして、官邸は、これまでもさまざまな事件、事故が起こって、常に、緊急事態に対する初動態勢、初動対処、どうしていくんだということをそのたびにこれまでも議論され、そして再発防止へ向けてということで徹底してきたはずなんです。
町村長官、ぜひ、今回のことを受けて、官房長官なりあるいは副長官には少なくとも確実に早く伝わるような仕組みを改めて徹底していただきたいと思います。
○町村国務大臣 先ほど石破大臣がお答えになったように、今これの見直しをやっているところだと思います。
この資料の中で、確かに連絡は来るようにはなってはいるわけですね。ただ、それが現実には時間を要したということは、当初から私も、これは問題であったという認識は持っております。
防衛省では、即日、重大な問題は各幕僚長から、太い点々で書いてあるんですね、これを直接、例えば海幕長が防衛大臣等に速報を行うというふうに改めたようでございますけれども、同じように、この点々で書いてあるものが、やはり官邸のしかるべきところにも大至急届くようにやらなければいけない。これは、同じように、海保の方からもまた上がってくるような仕組みも必要なんだろう、こう思っております。
大いに、毎回同じことをやっているではないかというおしかりをいただきますが、事実が事実でございますから、深刻にこの事態を受けとめて改善をし、また、先ほど委員がお話しのように、この事件が起きた瞬間に果たしてこの初動態勢というものが頭にあったのかどうなのかというあたりも、実は、これは検証してみなければわかりませんけれども、問題の一つではなかったのかな、このようにも思っております。
いずれにしても、日本国全体の危機管理の重大な問題点だ、このように認識をして、しっかりと改善策をつくり、再びこういうことが起きないようにしなければいけないと思っております。
○笠委員 次に、情報の公表についてお伺いをいたしたいと思います。
大変混乱をしております。あるいは、これは、関係者、家族、親族の方々のみならず、多くの国民の皆さんも、一体全体どうなっているんだ、防衛省、何か隠しているんじゃないかというような不信感を持たれていると思います。
これは、今まさに海上保安庁の方が捜査をしているという段階なので、防衛省は一方の当事者でございますから、その大臣は知っていてもすべて言えない部分はあるでしょう。しかしながら、大臣のところには、今現在、こうした、海上保安庁が今乗組員の人たちの事情聴取も含めさまざまな捜査をやっているわけですけれども、そのすべての情報は上がっているんでしょうか。
○石破国務大臣 すべての情報が上がっているわけではありません。それは捜査中の事案でございますし、委員御指摘のように、我々は一方の当事者でございます。すべての情報について、我々が海上保安庁と全く同じものをリアルタイムに有しているわけではございません。
○笠委員 官房長官にもお伺いしたいんですが、少なくともこれは、政府全体でどういう情報を公表していくのかということを判断するのが私は当たり前のことだと思うんですけれども、官邸の方には、それぞれ防衛省あるいは海上保安庁から、すべてこの情報というものは集約をされているということでよろしいですか。
○町村国務大臣 官邸の方には、現在、海上保安庁あるいは水産庁あるいは防衛省などの関係省庁より、毎日の捜索の予定でありますとか、あるいは、どういうものが見つかったであるとか、こうした現象があったなどの捜索状況、救助の状況、まずこれが入ってまいります。
それから、捜査のことを今委員はお尋ねなのかと思いますが、捜査の流れ、今後の捜査予定、これにつきましては、第三管区海上保安本部での記者会見の状況等について、定期的かつ随時、官邸にありますところの情報連絡室に対して適宜報告がなされております。
今、委員は、すべてかというお問い合わせでございました。これは捜査の、例えば、一人一人の自衛官がどういうことを捜査の過程で言ったであるとか、そうした個別具体的内容の逐一が報告をされるわけではございません。それは、例えば警察の捜査においても、実際犯罪捜査になった、その状況が全部官邸に入ってくるか、それは入ってきてはむしろいけないわけでありまして、そこはまず独立の捜査機関としての捜査というものがあるわけでございますので、それらのすべてが入ってくることは期待しておりませんし、また入ってこない方がいい。
ただ、一定の期間を経た段階で、明らかになってもいいこと、客観的な事実等々につきまして、捜査に支障のない範囲内で報告が参りましょうし、また、それは当然、捜査に支障のない範囲内で公表をされるべきもの、かように考えております。
○笠委員 私、もちろん警察でございますけれども、ちょっと通常の事件とは違うと思うんですね。やはり、どこまで公表できるのか、あるいは何はできないのかという判断、これは本当に海上保安庁の判断だけでは難しい話だと私は思っています。
この後、幾つか具体的にお伺いしますけれども、現に三管本部の方が窓口というか、そこが今現場になっているわけですけれども、リークなのか何なのかわからないけれども、公式の記者会見等々では全く発表はしないけれども、各紙の報道あるいはテレビニュースを見ていると、三管本部によるとというようなことで、いろいろな大事なことが報じられているんですよ。これはやはり整理をしなければ本当に極めて混乱を招くということになっていきますので、その点は、少し官房長官の方にも私はしっかりと、やはり出すべき情報というのはあっていいんですよ。ですから、その点はやはり政府全体として考えていただきたいと思います。
そこで、ちょっと具体的に幾つかお伺いをいたしたいと思います。
今回、十九日、石破大臣が、二分前に初めて視認したんだということを、夕方の自民党の国防部会で初めて公に発言をされました。そして翌日、今度また夕方の同じ国防部会ですか、そこで、実は十二分前に視認していたんだということを発言して、一夜にしてまた情報が変わってしまったということ。これは、それぞれ間違いじゃないことはわかっているんですよ。しかし、やはりそれが同時に出てこなかったということが混乱を招いておりますけれども、大臣、この二分前の情報、そして十二分前の情報、いつ、どこから大臣のもとに連絡が入ったのかをお答えください。事実関係だけで結構です。
○石破国務大臣 十九日の事故直後のものでございますが、これは護衛艦「あたご」の乗組員から聴取をした情報でございます。二十日に発表いたしました情報につきましては、その後、それとは別に聴取をした情報を発表したものでございます。何のだれがしということは、今後の捜査の関係もございますので申し上げられません。これは、それぞれ公表した日でございます。(笠委員「公表した日の何時ごろ」と呼ぶ)時間ですか。時間につきましては、ちょっと今正確に記録がございません。記録が出次第、すぐお話を申し上げます。
○笠委員 これが本当に、私がそれにこだわっているのは、どういうルートで、どなたからということじゃなくても、どこの部署の方が乗組員の方から連絡をとって、それが同じ方からの報告であったのか、あるいは何時に大臣のところに入ったのか。その点を明らかにしていただかないと、やはりこれだけ重要な情報で、普通であれば多少の時間差があってもいいでしょう。それは、例えば聞いている乗組員の、事情聴取している乗組員の方がひょっとしたら違うかもしれない、相手が。そういったことがありますから、そこは、では、その事実を明らかにしていただき、また質問をさせていただきたいと思います。
次に、事故発生後の救助活動についてお伺いをさせていただきたいと思います。
防衛省の発表では、「あたご」が四時八分に、内火艇ですか、三隻での救助活動を指示して、二十一分に救助作業を開始したという御報告を受けております。この内火艇三隻に何人の「あたご」の乗員が乗り込んで、具体的にどういう救助活動を行ったのか、その点をお答えいただければと思います。
○石破国務大臣 一分後に救助作業の指示が出されております、下令をされております。
具体的には、内火艇二隻、後ほど一隻を追加しておりますが、一隻にそれぞれ七名程度の乗組員が乗り込んで救助作業を実施いたしました。
そのほか、艦橋から照明で衝突海域を照らし、艦橋あるいは甲板から呼びかけるということですね。いろいろな言葉で呼びかけたのだと思いますが、そういう形で捜索を行ったものでございます。
○笠委員 ちょっと今の後半の部分がわからないんですけれども、済みません、もう一回。
では、乗り込んだのは、それぞれ七名ということでいいですね。(石破国務大臣「そう」と呼ぶ)ということは、最初は二隻だったので、十四名の方が二隻で活動していて、そこに一隻加えて、また七人ということで、延べ二十一人の「あたご」の乗組員の方が捜索活動にまず当たったと。
これは、呼びかけとかそういうこと以外に、例えば漁船があるわけですよね、現地に行っているわけですよね。そこで、そこに例えば飛び込んで、それで見てみるとか、捜索をするとか、そういう具体的な救助活動、捜索活動というのはやっていないんですか。呼びかけまでですか。
○石破国務大臣 現段階で私が報告を受けておりますのは、それぞれ七名程度。ですから、トータル、七掛ける三で二十一というふうに断定はできません。七名程度というふうに聞いております。それで救助作業を実施した。そして、探照灯で衝突海域を照らし、探照灯だと思います、そこから呼びかけたというふうに聞いております。そこで飛び込んで、二つに割れて浮いている清徳丸の船首あるいは船尾に実際にそのような作業を行ったとは報告を受けておりません。
○笠委員 これは、やはり海上自衛隊の方々ですから、これはまさに「なだしお」のときもそうですけれども、もちろん照らすことも大事だし、そして、呼びかけてそれに反応があればいい。しかし、恐らく、これだけの事故に巻き込まれたときには、もうこれは大変なことだということで、そういう何か、救助する場合のマニュアルといったらちょっとおかしいんですけれども、こういうふうな形でやるんだというような、「なだしお」のときの教訓も受けて、そういったものはないんでしょうか。
○石破国務大臣 私も「なだしお」のときのことはよく覚えておりますが、そこでなぜ飛び込まなかったとか、いろいろな御批判をいただきました。それを受けて、救助の要領というのは作成をいたしたものでございます。
ただ、そこで飛び込むということがベストであったか、そして、そのようなことに対する態勢というものが整っていたか。もちろん、遭難者の救助ということが一番です。しかしながら、二次災害というものを起こさないためにどのような配慮がなされたのか、これは詳細に調べまして、できるだけ早い機会に御報告申し上げます。
○笠委員 これは、海上保安庁等々、あるいは自衛隊のほかの護衛艦も含めて、到着までにはやはりかなりの時間が、これはもう物理的にかかるわけですよね。ですから、やはり一義的に即応の態勢をとっていくためには、当然ながら、この「あたご」の乗組員の方が全力を挙げてまず一次的な捜索に当たるというのは、これは当然の、最優先されるべきことだと思いますので、そこのところを、ちょっとまた詳細を必ず報告をいただきたいと思います。
そして、事故が発生するまでの十二分間の問題、この間になぜ回避できなかったのかということが一番大きな焦点になってくると思うんです。
艦長にかわって指揮監督をする当直士官が、見張りをする人あるいはレーダー員等々から通常であれば報告を受けて、そして漁船団の存在を当然ながら認識をしているのが当たり前だと思うんですけれども、その点、今回のケース、四時に、四時までにということでしょうけれども、交代もあって、その間、果たしてどうだったんだと。
大臣、この当直士官がしっかりとこの漁船団の存在を認識していたのかどうか、その点を、事実関係をお答えいただけますか。
○石破国務大臣 まさしくそこが今回の核心の一つでございます。
見張り員がどのような認識をし、そしてその認識を当直士官に伝え、当直士官がどんな判断を行ったのか、それがポイントであります。
先ほど委員からもお話がございましたが、海上保安庁からは、防衛省から報道機関等への発表について、本件の捜査機関たる海上保安庁としては、事故原因の核心に触れるような内容は控えるようにという申し入れをいただいております。したがいまして、当省から、このことについてどうであったと、見張り員がどういう認識で当直士官がどうでありということは、まさしく事故原因の核心に触れるものでございますので、この場での答弁は、これはもう知っていて隠しているとかそういうものではございません。委員御指摘のように、まさしく捜査の厳正、公平を期するために、一方の当事者であります私どもから、そのときの状況はどうであった、こうであったということについてお話をすることは、恐縮でございます、控えさせていただきます。
○笠委員 しかし、大臣は、艦長あるいは当直士官と防衛省はしっかりと直接連絡はとれているわけですよね、防衛省なりに。ですから、それは、知っていたかどうか、もうきちっと漁船団を認識していたかどうか、もちろん、それは話としてしっかりと知っているけれども答えられないということでよろしいですか。
○石破国務大臣 それは、当省の指揮系統として、どうであったかということを、事故直後、ある程度の聞き取りは行っております。それが事故原因のまさしく核心に触れるものでございますが、それが多方面から、いろいろな角度から、あるいは大勢の人に対してどのような評価がなされるかということは、まさしく捜査機関たる海上保安庁が厳正に行っておられるものでございます。
当省として、幾つかの断片的なものは把握をしておりますけれども、そのことについて、それをどのように取り扱うかということは、捜査機関の判断が最も優先されるべきものというふうに考えます。
○笠委員 いや、私は、やはりこれはおかしいと思いますよね。
要は、きちっと仕事をしていたのかどうかということじゃないんですか。少なくとも引き継ぎが行われるそのときに、例えば漁船団を認識していたよと。これが見張り員なのか、あるいはレーダーも含めてなのか、それは当たり前にやっていれば認識しているのが当然ですよね。何ら問題ないんですよ。ですから、そのことを聞いているんです。認識した上でその後どうだということは別として、認識をきちっとして当たり前に仕事をしていたんですよね。その点をお答えいただきたいんです。
○石破国務大臣 それには立場をかえて御判断をいただけるとありがたいのですが、捜査当局というのがございます。そこは厳正、公平に判断をするという観点から、事故原因の核心に触れるものについては、これは公表を差し控えるようにというふうに申し入れをいただいております。
だとするならば、それは委員御指摘のように、一般論としてこのように当直に立つべきである、一般論としてこのように情報の伝達はなされるべきである、このような判断がなされるべきであるということについては、これは私どもとして幾らでも申し上げることはできます。この当該「あたご」においてどうであったのかということについて、事故原因の核心に触れるというふうに私どもは思っております。
海上保安庁からそのような公表を差し控えるようにというように言われております状況でそれを申し上げるということは、それは私ども……(発言する者あり)主体性とかそういう話ではありません。捜査の厳正をやるときに、厳正たるべき捜査機関がそのようなことについて公表を差し控えるべきというふうに言われておるときに、それを主体性というふうにおっしゃるのかもしれませんが、それではと、私どもの方としてこうでした、ああでした、ああでしたというふうに申し上げることが、本当にそれが望ましいことなのかといえば、私はそうは思いません。捜査当局が全くそういうようなことに、公表されるようなことに、それが支障を生ずるというふうに思っておられる段階で防衛省があれこれ言うこと、それが主体性があるということだとは私は全く思いません。
○笠委員 官房長官、お伺いしたいんですけれども、これは防衛大臣は難しいかもしれない。官房長官はやはり政府の責任者として、こういう事実関係というのは、「あたご」の中で、きちんとしたこの当直体制の中で、当たり前にしっかりと業務が進められていたのかどうか、そしてまた、そういう漁船団を認識していたのかどうか、それもやはり隠さなければいけないことですか。
○町村国務大臣 これは、隠すとか隠さないとかそういう問題ではないんだと私は思うんですよ。
海上保安庁の方から、これは記者会見で説明をしておりますけれども、海上保安庁において捜査中のため、防衛省は乗組員に接触できず、聞けていないのではないかというふうにして、接触を制限しているということがまず一つあります。そして、捜査機関、要するに海上保安庁ですね、としては、事故原因の核心に触れるような内容は控えてもらいたいと防衛省の方に今申し入れているわけです。
したがいまして、今まさに捜査が進んでいる段階でありますから、そこの発言には一定の制約がかかる、また実際に接触することもままならないという意味で制約がかかる、これはやむを得ないんじゃないでしょうか。
しかし、先ほど申し上げましたように、捜査に支障がない範囲内で、客観的な事実、言えること、それはあると思います。そこについては公表をする必要があるということはもとよりでありまして、そういう意味で、私は、防衛省と海上保安庁がお互いに合意した範囲で、ここは客観的な事実として公表して構わないという部分については、それをも何か隠しているというようなことは私はないと思っております。
○笠委員 でも、私はやはり、例えば、レーダーがきちっと作動していたのかとか、あるいは交代がきちっと何時に行われて、そしてそこで通常どおりに引き継ぎがされていたのかどうかとか、やはりこれは公表をしないというのがよくわからないですね。そこは少し、政府の中で、官房長官、やはり整理をしていただきたいと思いますよ。何でもかんでも海上保安庁に任せておけばいいんだ、捜査だというんだったら、政府全体で判断することにならないじゃないですか、そもそもが。
例えば、大臣、防衛省は、衝突二分前、「あたご」が速度が十ノットだったということを発表されましたよね、防衛省の会見で。よっぽどこれの方が、これは何を根拠に確認をして、そしてなぜ発表したんですか、じゃ、そういうことであれば。どれぐらいのスピードで例えばぶつかったのか、あるいは自動操舵の中でこれを手動に切りかえたときに、ではどれくらい、本当に約十ノットだったのかどうか。もっとスピードが出ていたらこれは大変なことですよ。これの方がよっぽど、私は、例えば捜査上でいえば簡単に発表していい情報じゃないと思いますよ。むしろ私が求めていることの方がまだ普通に公表できる情報だと思いますけれども、いかがですか。
○石破国務大臣 それは海上衝突予防法にいいますところの安全な速度とは何ノットかということにかかわる部分だと思います。ですから、委員御指摘のように速ければ危ないとか遅ければ安全だとか、必ずしもそういう評価ではございません。そのときの通航の流れがどうであるか、一隻対一隻で走っておるわけではございませんので、こちらは一隻、向こうは複数隻ございます。そのときの海上交通の流れがどうであったかどうか、まさしくこれも極めて核心に触れるお話だと思っております。したがいまして、十ノットというものは、それはそのように報告を受けていたという、私どもがその時点で掌握しておったものを発表したということでございまして、その後、海上保安庁の方からそのような核心にかかわる部分についてはということがございました。
ですので、委員御指摘のように、まさしく政府全体としてどうなんだというお話だと思います。何でもかんでも海上保安庁任せにするなというようなおしかりでございますが、それは、政府の中において厳正、公平な捜査機関というものの位置づけをどのように行うのかということでございます。
一番大事なのは、その捜査が厳正に公平に行われるということ。そして、そこにおいて、私どもが接触をしておりませんのは、接触をすることによってその厳正性、公平性というものがいささかでも損なわれてはならないという思いのもとにやっておるわけでございます。私たちの方として知っていることをみんなしゃべるということになれば、それは、私は、厳正、公正が損なわれるのではないか。したがいまして、私どもとして、これから先、新たな情報というもの、それは持っておりませんし、それを発表すべきだとも思っておらないところでございます。
○笠委員 大臣、恐らくもう、これで一つ一つ事実関係を聞いたとしても、今の段階で同じ答弁になると思うので、そこは本当に、町村長官、政府の中でもう一度やはり整理をしていただきたいと思います。出せるものはやはり出していただきたい。そうすることが、やはり関係者、本当に家族、親族の皆さん、また、国民の皆さんだって、今まさに自衛隊に対して不信感を持っていますよ。ですから、やはり一刻も早くこの事実関係を明らかにしていくことは、もうこれは責務でありますから。
石破大臣、一点、今いろいろな形で情報も出てきている部分も含めて、この十二分間、そして、結果としてこの事故を招いてしまった、これは、三時五十五分の時点から衝突するまでの間においては、まさに回避義務は「あたご」にあった。そして、この責任というものは、裁判でどうじゃない、やはり「あたご」側に大きな責任があるんだという認識を持たれているかどうかだけ、お答えいただけますか。
○石破国務大臣 これは裁判がどうのこうのではないとおっしゃいましたが、まさしくそういうことなのだろうと思っております。
今出ておりますいろいろな情報、すなわち、どなたがおっしゃったかは知りませんが、海上保安庁の捜査によればとか三管本部の捜査によればとかいうようなことになっております。そのことを私は確認したわけではありません。どなたがおっしゃったかを知っているわけでもありません。そういうことが仮に事実だとするならば、それは「あたご」の責任でございましょう。ですけれども、私どもとして、今接触をしていない状況において、捜査当局でいろいろな厳正な捜査がなされている段階で、防衛省の責任者たる私が「あたご」に責任がございましたというふうにこの国会の場で言明するということが、今後の捜査のあり方について私は決して望ましいものだと思っていない。
それは委員おわかりいただけると思いますが、情報は本当に可能な限り開示すべきものだと私は思います。それは、現場の関係者の方、御家族、そして組合長さん、それから、本当に絞り出すような声で言われたことを私は今でもよくよく認識しています。これから先もそうであらねばならないと思います。情報は可能な限り出したい、それは政府全体としてどうするかということと、捜査の厳正、公平というものをどうやって両立させるかということであって、隠し立てとか小出しとか、そのようなことを考えたことは一度もございません。
○笠委員 質問を終わりますけれども、石破大臣、大臣は先般、安全保障委員会で、国民一人の命を守れないで国が守れるのかということを力強くおっしゃったわけです。大臣も政府の一員ですから、政府としてやはりきちっとした形で、くれぐれも、私は隠ぺいとは言いませんよ、しかし、やはり今出せるものはしっかりと出して、一刻も早く真相究明に努めていただきたい。そのことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 |