169-衆-予算委員会-16号 平成20年02月29日
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。
きょうは、またこのイージス艦衝突の事故についてお伺いをしたいと思っておりますけれども、一点、その前に、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
このイージス艦の情報流出問題で、きょう一部報道で、この取り調べを受けていた海自の三佐が、部隊に戻る途中、逃走を図った、行方不明になった、情報を持ち出したという報道がございますけれども、事実関係だけ、大臣、お聞かせをいただきたいと思います。防衛大臣。
○石破国務大臣 そのような報道があることは承知をいたしております。
そのような者がおったかどうかということについてでございますけれども、現在、そのような事実の有無も含めまして、コメントを行うことを控えるべきものというふうに考えておるところでございます。
○笠委員 大臣、これだけ今イージス艦の問題が大きな問題になって、しかも、海自の不祥事が続いているわけですよ。これはやはりしっかり確認をされていなければおかしいですよ。まさに中の問題ですから。
これはちょっと確認をして、また、この場じゃなくても結構でございますから、しっかりと事実関係について、何らかの形で速やかに公表をしていただきたいと思っております。
本日は、このままイージス艦の衝突事故についてお伺いをいたしますけれども、まずもって、まだお二人の吉清さん親子が見つかっていないということで、冒頭、しっかりと引き続き捜索をしていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。
総理、冒頭に、まず最初にお伺いをしたいんですが、先ほど来、私どもの同僚の議員から、例えば、今回の事故が起こって、総理大臣やあるいは石破防衛大臣等々に対する第一報の入るおくれ、あるいは、先ほど来ありました、漁船を確認できたのがまず二分前だった、それが新たに十二分前、こういう情報に訂正をされた。そういった、さまざまな情報の混乱あるいはおくれというものについて、私は、多くの国民の方々が不信感を持たれていると思う、防衛省に対して、あるいは政府に対して。
率直に今、総理が、この十日間たって、これまでの防衛省等々の対応について、どのようにお感じになっているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○福田内閣総理大臣 事故が起こったことにつきましては、これはもう全くあり得べきことでないことを起こしてしまった、そういうことについて大いに反省をしなければいけない、また当面捜査に全力を挙げるということは当然のことでございます。そういうことで、遭難をされた方々の御家族の気持ちなども考えながら対応してまいりたいと思っております。
今回、この事故が起こった後の対応について、いろいろの御批判があります。そういう対応の仕方については、これは情報の連絡も含めまして適切でなかったということはあったのではないかと考えております。
今現在、いろいろな調査、捜査をしておる最中でございますから、具体的なことは申し上げませんけれども、危機管理の基本であります情報連絡、こういうことについても、もっとしっかりやらなければいけない。そしてまた、この情報管理、毎日のようにメディアを騒がせておるというような情報管理体制というものを含めまして、今後いろいろと考えていかなければいけない。そうでないと、この巨大な組織を規律正しくきちんと統制していくことができるかどうか、そういうふうなことも考えていかなければいけない。そのために、今般は防衛省改革会議というものがございますので、そこで十分議論をさせていただきたいと思います。
○笠委員 私、今の総理の答弁をお伺いしていて、総理も感じられていると思うんですけれども、この間、一方で防衛省があるわけです。そして、一方で捜査を進める海上保安庁がある。そして、そこでお伺いを立てる、あるいは相談をする、調整をする。そして、調整をするから時間がかかって、出せない等々のさまざまな、これが混乱をやはりもたらしているわけですよ。立場が違いますから、防衛省と海上保安庁。
ですから、やはり総理が自衛隊の最高指揮官でございますから、私は、もっと官邸がしっかりと間に入って、そしてリーダーシップを発揮して、やはり、指導するなりあるいは調整をするなり、情報についても、では何を公表していくのか、あるいは、これは情報公開できないんだ、公表できないんだ、そういったところで、もう少し総理が当事者意識を持ってやっていただかなければならないのではないかと思っております。いかがですか、総理。
○町村国務大臣 あの事件が発生をした日の夕方、事務次官を呼びまして、出すべき情報は出さなきゃならないけれども、しかし既にその時点では、海保による捜索が始まっておりました、したがって、捜査に支障のない範囲において、発表においては、よく打ち合わせをして、客観的事実等々について発表して差し支えないものについては出すようにということを申し上げました。
そういう指示をし、また、さらに金曜日以降、どうも依然として、捜査と調査あるいは事実関係の公表などについて考え方が十分されないで情報が断片的に出ていったという様子がさらに見受けられたので、改めて、両省、海上保安庁と防衛省を呼んで、この間の調整をするというようなことをやっておりまして、私どもとしては、必要な調整はしっかりやってきたつもりでございます。
○笠委員 いや、必要な調整をした結果、このような事態を招いているということは、やはりこれは政府全体の問題になるわけですよ。調整してしっかりやっているんだったら、これだけの混乱は招きません。
今から幾つか具体的に、先ほどの細野委員の質問も受けまして、防衛大臣に確認をしていきたいと思います。
私は、ちょうど今週の月曜日、二十五日に、当委員会において石破大臣とこの問題について質疑を行わせていただきました。そして、今問題になっている漁船の発見、二分前、いつ大臣がそれをどこからお聞きになったのか、あるいは、その後、一転して十二分前という情報が出てくるわけですね、これについてはどうなのかということで、大臣は、その時点では記録がないということで、後ほど速やかに報告するということで、ちょうど二十五日の夕方、大臣の指示を受けた事務方の方が私のところにも説明に来られました。
そして、夜、防衛省でも詳細が発表されて、この詳細というのは、午後五時十四分、海上幕僚監部に報告があって、十九日の二十時半に大臣に報告があって、そして、二十三時から翌朝の二時四十七分までの間に精査をして、この十二分前情報というものが、朝、二十日の八時半に改めて大臣に報告をされたということを伺っております。それはこれまでも大臣が答弁されております。
ここで問題なのは、では、この八時半以降、大臣が一報を耳にされて確認作業をしてからの翌日二十日夕方五時までの間に、自民党の国防部会で大臣がこの十二分前という情報を初めて公表されたその二十時間ではなくて、朝八時半、もう確認された情報がそれからなぜ夕方五時まで公表されることがなかったのかということなんです。
大臣、そのことについてまずお答えをいただきたい。
○石破国務大臣 これは、八時半から、私に対しまして、海上幕僚監部が再確認した内容、すなわち、報告の内容が不鮮明な部分がありましたので、再確認が必要だったというのは委員が今おっしゃったとおりです。
これは、八時半に一分で会議が終わったわけではございません。それから一時間半ないし二時間ぐらい、そのほかのこともございましたが、何せ次の日のことでございますから、いろいろな対応等々含めまして、八時半から、たしか私の記憶では十時半ぐらいまで会議をしておった、もちろんみんな出入りをしておりましたが、そういうものであったというふうに記憶をいたしております。
それで、その後どうなっておるんだという話でございますが、二十日のこの内容でございますけれども、同日午後一時五十一分、私どもの運用企画局事態対処課の担当の者から、海上保安庁警備救難部刑事課担当に対しまして、ファクスにおきましてこの内容を記載しました公表資料案というものを送付いたしました。私どもでこのように確認をしたけれども、このことを公表することによって捜査に支障はありませんかということは、当然お尋ねをしなければならないものでございます。この時間が一時五十一分でございます。この後、午後二時三十分、この刑事課長さんから防衛省の担当に対しまして連絡があったというものでございます。
その後、所要の調整、委員は報道に長くおられましたから、こういうことを出す場合に、これが正しいか、そして出してよいかということにおいて幾つかのお話がなされるということは御案内のとおりでございます。それに時間を要しておったというものだというふうに私は理解をいたしておるところでございます。
○笠委員 大臣、私、これはやはり認識の問題だと思うんですよ。その事の重要性、この日の十七時から行われた、ちょうど大臣がこのことを部会でお話しされている時間帯に、防衛省で報道官の会見が行われています。
その中で、ほかにもさまざまに判断を仰がなければならないことがあって、対応に追われていたので、実際に対外的に動き始めたのはお昼過ぎからになったと。今、大臣が、十三時過ぎの時間帯をおっしゃいました。三時以降にも差しかかるような形で調整が続けられたと聞いていると。したがって、官邸への報告もそれ以降になったと。官邸への報告も夕方になっているんです。
大臣、これが初めての、二分前の情報が前の日に出ていなければ別ですよ。でも、それを訂正する、要するにまた新しい情報が加わる、十二分という情報が入ったのであれば、何でこれを最優先して確認させないんですか。では、海上保安庁とも早急に、何よりもまず先に、このことを最優先してしっかりと調整してこれを発表するというような指示をされないんですか。その点についてお答えをいただきたいと思います。
○石破国務大臣 報道官の、今おっしゃっておられるのは十九日でよろしいですね。二十日ではなくて、十九日のお話をなさっておられるのでしょうか。日にちについて、済みません、お教えをいただければと存じます。
○笠委員 済みません、二十六日です。要するに、このことが明らかになった後に経緯を説明しているんです。
○石破国務大臣 二十六日という御指摘であれば、またその背景等々調べましてお返事をさせていただきます。
ただ、委員御指摘のように、何を公表するか、どれを海保との調整を急ぐのか、ごめんなさい、私の能力が足りないせいでしょうけれども、あの十九日、二十日の、いろいろな情報が入ってくる。第一に優先するのは遭難された方々の救助である。そして、海保とのいろいろなやりとりもある。そして、自民党あるいはマスコミの方々、いろいろな方々と対応せねばならないという段階で、私がすべてその判断の優先順位までなし得たかといえば、それはなし得なかった部分があるかもしれません。
後になってみれば、ああすればよかった、こうすればよかったという反省はございます。それはまた残していかねばならないものだというふうに考えておりますが、ああしておくべきだったという委員の御指摘は、それはそれとして私自身よく検討してみたいと思っております。
○笠委員 冬柴大臣にお伺いします。
幾つか防衛省の方から、ファクスでなんですよね、主にファクスでその時々海上保安庁の方に報告が行きますけれども、それに対して海上保安庁としては、やはりこれはファクスで返して、例えば、この情報は公表していいんだとか、あるいはこの情報は控えてもらった方がいいとか、そういうことを逐次、各案件について回答されているんでしょうか。
○冬柴国務大臣 海上保安庁法十条で私は海上保安庁長官に対して指揮権を持っておりますが、これは個別事案についてはそれは及ばないというのが、一条に私が海上保安庁を管理するということが書かれてありまして、そういうのが通説でございますし、私はそれが妥当だと思います。
というのは、海上保安は海上における刑法あるいは刑事訴訟法に基づく司法警察官としての役割を担っているわけでございますから、それの捜査というものは検察庁法における法務大臣の検事総長に対する一般指揮権よりももっと狭く考えるべきだということになっております。警察のように、それもそうだと思います。
したがって、今の個別事案に対するお尋ねですので、長官も出席をさせていただいておりますので、その点について答弁をさせます。よろしくお願いします。
○岩崎政府参考人 私ども海上保安庁は、捜査をする立場でございます。それから、防衛大臣も答弁されておられますように、防衛省としては、防衛省として内部で起こった事実を把握され、それを公表されるということで、立場が先生もおっしゃるように違います。
私ども、来たものについて、これは客観的事実であるかどうかというようなことについては、それは防衛省の方にお答えをしておりますけれども、事故の核心となる部分について、これは正しいですよとか正しくないですよ、こういうことを申し上げる立場でもございませんし、また、これは捜査の中立性からいっても適正ではないと思っております。
そういう意味で、そういう形でのいつも対応をさせていただいておるところでございます。
○笠委員 ということは、長官、確認しますけれども、先ほどありましたような、例えば十二分前に発見しましたよというような話であるとか、さまざまこれまで防衛省から相談を受けていると思うんです、連絡が行っていると思うんです、ファクス等々で。そういうことについては、一つ一つ、海上保安庁としては、いや、これは出していいですよとか出しちゃだめですよとか、一切見解を示していないということでいいんですね。
○岩崎政府参考人 特に十九日、二十日は、まだ私ども捜査を始めた段階でございます。それから、そうしたことについては、今まさに捜査で解明中のことでございますので、その二分、十二分のことについては、個別についてそれぞれ判断して申し上げたことはございません。
ただ、繰り返しになりますけれども、公表されるということは、防衛省のお立場で、防衛大臣のお立場で内部で知り得た事実を発表したいというのも一つの考えだと私は思っておりますから、それはおやりいただいて結構ですということは申し上げました。
○笠委員 防衛大臣はこれまでの答弁の中で、本当に、情報の公開については積極的にやりたい、しかし一方で、捜査の厳正、公正性、これを確保しながら、この両立をしっかりと図っていかないといけないということをおっしゃって、一つ一つの案件についてお伺いすると、重要な案件であるほど、いつも、海上保安庁の方との調整で時間がかかっているというようなことをおっしゃっているんですけれども、だって、もともと海上保安庁は、何を聞いても、これは捜査にかかわることがほとんどですから、見解を示すことができないんですよね、発表していいですよとか公表していいですよとか。今の答弁はそういうことでしたよ。
だから、報告するのはいいんですよ、防衛省から。しかし、そんなに時間がかかる話じゃないし、むしろ、防衛省内あるいは大臣が官邸と調整をしてとか、あるいは国土交通大臣と調整をしてとかという動きをされているなら別だけれども、何か、海上保安庁、海上保安庁ということでこのおくれについての弁解をされているような気が私はしてならないわけですよ。むしろ、やはり省内の方に、体制に問題があるんじゃないかという気がいたします。
次にお伺いをしたいんですが、今、三つのことを事実として防衛省は発表している。これは、事故が起こった直前、後進をかけて衝突回避を図ったんだ、つまりはバックをするという切りかえをした、そして、自動操舵から手動操舵へ一分前に切りかえたんだ、変更したんだ、それと、当時の航行速度は十ノットだった、こういう重要な、まさに捜査にかかわるような情報を防衛省としては発表されているわけですね。
大臣、これはすべて海上保安庁の方に確認をしたんでしょうか。あるいは、先ほど来の案件と同じように報告をしたんでしょうか。
○石破国務大臣 十ノットの航行、あるいはオートから手動への切りかえ、後進の命令の三点についてのお尋ねがございました。海保と調整をしたのかということでございます。
ここは、調整というのか、協議というのか、合い議というのか、相談というのか、いずれにしても、これを外へ出していいですかということについてのお話というものはこの三点ともいたしたものでございます。
なお、十ノットで走りましたということにつきましては、ごめんなさい、ちょっと答弁を訂正いたしますが、十ノットでの航行につきましては、公表に当たり海上保安庁と調整をいたしておるものではございません。これは防衛省の責任で行ったものでございます。
ただ、この速度につきましても、極めて重要なファクターでございますので、海上保安庁の捜査に全面的に協力をしなければならないという立場から考えました場合に、この調整は必要であったというふうに思っておるところでございます。
○笠委員 大臣、今の三つの公表されていることについて、間違いないと言い切れますか。
○石破国務大臣 これは捜査が行われておるものでございますので、委員も既に御案内のことかと思いますが、いろいろな記録装置がございます。これは何度も申し上げておることでございますが、私、きのう乗ってみて、何が記録をされているのか、何がされていないのか、何が自動的に記録され、何が人の意思を介して手動に切りかえなければ記録をされないのかというのを見てまいりました。それは、きのう乗りました「あけぼの」という船と、また「あたご」とは違うものを搭載いたしております。
それが間違いないかどうかという点につきましては、海保において捜査が行われておるものであり、その中には記録が電磁的に残っておるものもあるのではないかというふうに思っております。あくまで一般論でございまして、断定的に申し上げているものではございません。
○笠委員 いや、私は、公表する情報、何を基準にしながら防衛省は情報を公開しているんだろうというのが常々、この十日間、わからないんですよ。
というのが、今のような話、私が今なぜ三つのことを申し上げたかというと、海保は何もまだこの捜査結果を出しているわけじゃない、これは防衛省が出しているけれども、明らかに、まさに回避をした、衝突を回避するための行動をとったと言われるような情報じゃないですか。衝突回避へ向けて。そうでしょう、衝突回避へ向けた行動にかかわる情報ですよね。しかし、まさに、だからこそ、これは本当に捜査ということを考えるのであれば、極めて慎重でなければならない。これが、早いタイミングで情報がすべて出ているわけですよ。
何か、自分たちに都合のいい情報は出して、そして、もっと言えば、先ほど、この事故が起こった日の十九日に、十時から、そして十二時からは大臣も入って報告を受けていたというようなことについては、ずっと、その中身は別ですよ、きちっとそういう事情聴取を、防衛省に呼んで航海長から受けていたんだということすら発表していないわけでしょう。
そこで何が話されたということではなくて、防衛省としては、私は、大臣おっしゃるように、やっていいと思うんですよ。それはもちろん海上保安庁に連絡をしておくことの方が、私はそれは当たり前だと思う。しかし、これをやっちゃいかぬということじゃないと私は思うんですよ、当然。
ですから、なぜそのことをきちんと、数々の記者会見等々があるわけですよ。海幕長だって、その日十二時から大臣室で一緒に聞いていたわけでしょう。事情聴取をしていたわけでしょう。そうしたら、その後、一時から記者会見があるわけですよ。そうしたら、我々はまず防衛省としての対応で、きょうはこういう事情聴取をした、しかし、中身については捜査にかかわる部分もあるので言えないと。なぜそのやったことを隠すんですか。私はそこが、基準がおかしいと言っているんですよ。大臣、お答えください。(発言する者あり)
○石破国務大臣 隠していません、それは。
先ほど来、できれば質問者以外の方の御発言はお控えをいただくべく、委員長からお話をいただきたいのですが。私は質問者のおっしゃっていることにちゃんと答えたいと思っております。
それは隠してなんかおりません。私どもとして、それは、では事実、言葉にすれば、客観的な事実であって捜査の核心に触れないものというのは一体何なんだろう。例えば、この船が何トンでありますとか、あるいは個人情報等の問題はありますが、艦長の名前は何の何がしでありますとか、その日の温度は何度でありますとか。あるいは温度だってひょっとしたら捜査のどこかに触れるかもしれませんですね。何を言ってよくて何を言ってはいけないかということは、私ども、物すごく悩むところでございます。
同時に、防衛省は隠しているじゃないか、何にも言わないじゃないかという御批判は、私は防衛省のためにも、自衛隊のためにも、国家のためにもならない。もし、そうだったら、一切言わない、すべて海保に聞いてちょうだいということを言いました、私は。だけれども、そういうことはあるべきではないというふうに私は思いまして、このようなことをやっております。
もしそういうような、少しずつ出ていることが小出しであるとか、矛盾することはありますよ、矛盾じゃないな、食い違うことはありますよ。時間が違うし、聞いている者が違うのですから、当然違うことはあるでしょう。委員も報道でそういう経験はなさったでしょう。それを隠ぺいだというふうにおっしゃる、小出しだとおっしゃる。であるならば、それはすべて海保にお聞きください、自衛隊としては一切何も申しませんと言う方が、それはよろしいのだろうか、あるいはそんな気がしないでも私はありません。ですけれども、私どもとして、隠しているとか隠ぺいしているとか、そのようなことはないのであります。
委員がおっしゃいますように、では何でもっと出さないんだということでございますけれども、その日のうちにこの「あたご」は横須賀に回航し、海保の接触になっておる。私どもは接触を自発的にしないことになっておる。したがいまして、入っている情報には物すごく限りがございます。そして、現時点において私どもは、現時点においてという言い方を取り消せば、横須賀に回航した時点で、私どもとして、「あたご」の乗員との接触はいたしておらないところでございます。ですから、私どもから出ます情報というのは、現在外に出しておるもの、それで全部であります。これ以上、私どもから物が出ることはございません。
その中で、どれをどうすべきであったかということは、何が客観的なファクトであり、そして何が捜査の核心に触れないか、どれがそうであったか、そのことをどう判断すべきであったかということは、今後私どもの方で検証していかねばならないことだというふうに思っております。ですけれども、私どもとして一番重んじなければならないのは、隠ぺいとかそういうことはもってのほかで、論外で、そんなことはないように厳に指導しておりますが、同時に、一番重んじねばならないのは、捜査の公正であり、厳正である、それは絶対に侵してはならないものだ、そういう認識は私どもすべて持っているものでございます。
○笠委員 大臣は繰り返し、隠ぺいしていないんだ、隠していないんだ。それは大臣はそうでしょう。しかし、今大臣、おかしいですよ、やはりおっしゃっていることが。
例えば、先ほど言ったように、速度であるとかあるいはいつ漁船を発見したのか、そういったことというのはまさに捜査にかかわる話で、私が言っているのは、防衛省がどういう対応をしていますよというのは、防衛省は捜査機関じゃないんですよ、そういったことについては速やかに、その時々で報告していいじゃないですか、会見で聞かれたって。そこでどういう情報が出てきたのかということについては、確かに、出せるものと出せないものがある。それはわかる。しかし、初動対応として、十九日に航海長を海幕長が呼んで、大臣がそのことを昼前に知って、自分もそこから報告を受けた、そこに幹部がずらっと、大臣室でまず状況について説明を受けたということをなぜ発表しないんですかということを言っているんです。
大臣の会見では、大臣は隠していないかもしれないけれども、よく精査してくださいよ。海幕長であるとか事務次官、とんでもない会見ばかりしているじゃないですか。知っているのに答えていない。そうでしょう。だから、防衛省全体が、幾ら大臣が隠ぺいしていない、隠していないと言ったって、結果として、こういう後手後手の対応になっているんですよ、混乱を招いているんですよ。
大臣、大臣はそれは一生懸命でしょう、出したいでしょう。しかし、海保にもとめられる、出せない、そういう思いは伝わってきますよ。しかし、大臣がやるべきことは、役所をまさにきちっと正常な形で機能させることじゃないですか。そうでしょう、大臣。しっかりとやってくださいよ。
そして同時に、総理、やはり……(発言する者あり)いや、私は大臣は頑張っていると思いますよ。しかし、結果責任ですから。ですから、これは今限界があるんです。一方で海上保安庁があって、防衛省としてもさまざまな制約がある中で、すべてを防衛大臣に判断しろといったって、これは無理ですよ。だから、総理、官邸がしっかりとやはりその中心に立ってうまく調整をしていかなければ、防衛省から出てくる情報によって、国民の皆さんが本当にこれはおかしいじゃないかというような、結果としては防衛省の対応のまずさになっているんです。総理、いかがですか。
○福田内閣総理大臣 防衛省も、危機管理に、特にこの事故の起こった後の危機管理について真剣に考えて全力投球している。しかし、いろいろ問題はある。それは、その都度判断をしなければいけないことはたくさんある。それを適切に判断していけばいいのでありますけれども、時にはそうでないときもあるかもしれない。しかし、それは、流れの中で大きな間違いをしてはいけないというように思いますけれども、今まで問題が全くないというわけではないけれども、きちんとやっている方だというふうに私は思っております。
それを、また官邸の方でしっかり支えなければいけないじゃないかと。それは支えておりますよ、見えないかもしれませんけれども。先ほど官房長官も答弁したけれども、官房長官も一生懸命相談をしながらやっておるわけでございまして、それがまた表に出てくると、どこが指揮しているかわからなくなってしまう、こういうこともありますからね。それは、見えないところで一生懸命やっておる、政府挙げてやっているんだ、こういうように御理解をいただきたいと思います。
○笠委員 二十年前の「なだしお」の、まさにあの事件が起こったときには、たしか当時の運輸大臣が今の石原慎太郎都知事だったと思います。このときは、運輸大臣を本部長にした政府対策本部を早急に立ち上げたんですね。ですから、私は、海上保安庁と申しわけないけれども海自、それは昔ながらの関係がいろいろとあるでしょう、しかし、今まさに一体となって取り組まなければならないときに、やはりここは、防衛大臣、あるいは国土交通大臣、そして官邸が一緒になって、ある程度連携をする形で対応していくような体制をぜひ整えていただき、今後の対応に当たっていただきたいと思います。
時間の方が参りましたので、私の質問はこれで終わらせていただきます。