| 169-衆-決算行政監視委員会第一…-1号 平成20年04月21日
○笠分科員 民主党の笠浩史でございます。
きょうは、鴨下環境大臣、そしてまた、独立行政法人の環境再生保全機構、わざわざ湊理事長にも当委員会においでいただき、去年の八月に和解しました東京大気汚染訴訟、ぜんそくの大気汚染による患者さんたちを救済していく訴訟について、あるいは今後の国の方針等々について、若干お伺いをさせていただきたいと思います。
実は私も、北九州に住んでおりまして、高校を卒業するくらいまで小児ぜんそくを患っておりました。小学校時代も、実は小学校六年生のときに福岡市のぜんそく児だけを集めた施設に入って、その隣の養護学校を一年間かけて卒業し、本当に、ぜんそくで自分自身も苦しんできましたし、またそういう多くのやはり同じように苦しんだ方々を見てまいりましたので、今回の、去年八月の八日に正式に和解をされた訴訟自体は、私は、ちょうど四十年来続いてきた四日市のぜんそく訴訟に始まって、そういったことについて、今回、国側も一つの責任を果たしていく、あるいは自動車メーカー等々の責任も明確にしたということで、この和解自体は評価をするところでございます。
ただ、やはりまだまだ、このぜんそく患者の皆さん方に公平性の点からもっと国としてやるべきことがあるんじゃないか。あるいは、このスキームについてちょっと見てみますと、どうも首をかしげざるを得ない点がありますので、その点について、以下、大臣を中心に質問させていただきたいと思います。
今回の和解、去年の八月の和解によって、五年間で二百億円というスキーム、国と都と、そして旧首都高速道路公団、自動車メーカーがそれぞれ負担をするという形になっているんですけれども、国は五年間で六十億円を拠出するということになっております。まず、確認として、これは医療費助成には資金拠出しないということでよいのか、その点を端的にお答えください。
○西尾政府参考人 今先生から、二百億円というお話がございました。これは、東京都が医療費助成制度ということで、東京都として実施しようということで計画されておるものでございます。
この和解の過程におきまして、この医療費助成制度への国の参画というようなことも東京都との間で議論になりましたが、私どもといたしましては、医療費を直接負担するということは難しいということでございますので、これの負担をするということにはしない、こういうことでございました。
しかしながら、今御指摘いただきましたように、長年にわたる東京大気汚染訴訟を和解に至らしめるということでございまして、そういうことで政治決断がなされました。これとは別途、予防事業ということで東京都に対して六十億円を拠出するということになったものでございますので、この両者は別のものであるというふうに考えております。
○笠分科員 局長、もう一点だけ関連して確認をさせていただきます。
ということは、東京都は医療費助成ということで二百億の枠組みをつくっておるけれども、国から拠出されるこの六十億円というものが、例えば何らかの形で迂回してこれが医療費の助成に使われるということは絶対にない、また、それは許さないという確認をさせていただきたいと思います。
○西尾政府参考人 まず、和解条項の中での二つは明確に別々に書かれておりまして、東京都は都内に引き続き一年以上住所を有するぜんそく患者等の医療費助成制度を創設する、これが一点でございます。それから、国は、医療費を直接拠出するものではないけれども、公害健康被害予防基金から、予防事業の実施に充てるため、東京都に対して六十億円を拠出するということでございまして、二つは別個の事項として規定されております。
それから、実際にも、東京都でそれぞれを実施するための準備のための条例ができました。東京都は医療費助成に充てられる基金というものをつくる、これが一つの条例でございます。もう一つは、予防基金から拠出するお金を受け入れるため、ですから、予防事業に充てるための基金という条例をつくられました。ですので、この二つの基金は別々でございまして、私どもは、この予防事業に充てるための基金の中に再生機構からの拠出金が充てられる、こういう形で基金の拠出をしていく、こういう仕掛けになろうかというふうに思っております。
いずれにしても、この和解条項におきまして、先ほど申し上げましたように、二つのことが決まったわけでございます。それぞれがきちんと達成されますよう東京都ともきちんと対応してまいる、こういうことで実施をしてまいりたいというふうに思っております。
○笠分科員 予防事業にということが大前提として六十億円が拠出をされるわけですけれども、では、ちょっとお伺いしたいんです。私が聞いているところだと、今現在、東京都の予防事業で大体どれくらいかかっているのかというと、年間で五千万円ぐらいなんですよ。この六十億円というものが出てきた根拠というのは何なんですか。
例えば、仮に五千万円使ったとしたら百二十年間かかりますよね。では、この六十億円の根拠というのは何なんでしょうか、予防事業を前提にということで。その点をお答えいただきたいと思います。
○西尾政府参考人 六十億円の根拠でございますけれども、これは、先ほど来申し上げましたように、東京大気汚染訴訟を和解に至らしめるということで政治的決断がされたものでございますので、それにつきまして、積み上げといったような形での算定根拠、積み上げた算定根拠というものがあるというわけではございません。
なお、東京都では、たしか東京都の傘下の各区などでいろいろな予防事業を行っておられまして、年によって違っていると思いますけれども、一億とか二億とか、もうちょっと大きい金額の事業を実施しておられる都市もあると思います。東京都が、和解もございました、さらに一層この予防につきまして力を入れていくということでございますので、東京都におきます予防事業の支出ということにつきまして、これからもさらに積極的にやっていただくということを期待するものでございますけれども、今申し上げましたように、積み上げがありまして六十億円が何年かかって行うというふうになっておるということではございません。
○笠分科員 今局長がおっしゃった、私が伺っている五千万円、いろいろ考えれば、それは一億かもしれない、あるいは二億かもしれない、ただ、いずれにしても、五年間で六十億円も使うというのはまずちょっと考えられない。私が随分前に環境省の方から御説明を受けたときにも、実は都の方でも、予防事業に限定されて六十億ということになると、正直、担当の方も、六十億を使い切るということはなかなか難しいということを率直におっしゃっていたということも伺っていますけれども、では、例えば余ったお金というのは、その後どのようになるんでしょうか。
○西尾政府参考人 今、五年間という御指摘がございました。五年が一つの節目ではないかというのは、和解条項の中でも、東京都が医療費助成制度を行う、それにつきましては五年後に検証して見直しをすると書かれていることから、一つ、五年というのが節目になるのではないかという御指摘かと思っております。
確かに、被害者に向けまして積極的に事業をしていくということでございますれば、五年とか、そういう期間に一生懸命事業をするということは必要なことではあるとは思いますけれども、ただ、この六十億円につきまして、五年という期限を限定したわけではございません。的確に必要なものを実施していただくということでございますから、五年間で使い切らなきゃいけない、そういう性質のものではないというふうに思っております。
したがいまして、やはり、この予防事業は必要である、これは公健法の地域を解除いたしましたけれども、これから、ぜんそくの子供たちなどを含めまして、ぜんそくの予防が必要だということで的確な事業をやっていくわけでございますから、そういう事業が必要な間はこの六十億円を活用して使っていただくということが基本ではないかというふうに思っております。
そういうことでございますので、そういうぜんそくの予防のためのお金ということで六十億円が余ってしまうとか使い道がないということはないのではないか、やはり、それはそれなりに効果を上げられる東京都で、時間をかけてでも的確な事業を実施していただくということが基本ではないかというふうに思っております。
○笠分科員 これはイエスかノーかでお答えいただきたいんですが、では、六十億円、拠出したお金については、例えば、五年たって見直しの段階で何十億かまだあるよ、それがもう一度国に戻ってくるということはないわけですね。もう渡し切りで、何年かけてでもずっと予防事業で使っていただければいいんだということでよろしいですね。これは本当にイエスかノーかでお答えください。
○西尾政府参考人 五年に限定されるものではなくて、東京都におきまして、積極的に予防事業にこれを充てていただくということで考えております。(笠分科員「では、渡し切りということでよろしいんですね」と呼ぶ)
○前田主査代理 発言は挙手にて求めてください。
西尾政策局長。
○西尾政府参考人 概念の整理としては、もはや予防事業をやる必要がなくなった、そういう事業をやらないんだということに東京都がなって、お金が余っていれば、要らないものを渡し切りということは制度上ありませんので、それは戻していただきますけれども、やはりぜんそくの予防あるいは子供に対するケアというのは非常に大事なことでございますから、それを積極的に東京都でやっていただくということが基本ではないかというふうに思っております。
○笠分科員 今、戻していただく可能性もあると。別に、国から強制的に、五年たったから余った分を戻せということじゃないけれども。もしそういう可能性があるとすれば、これは、裁判の中で、和解案の中でそのことをきちっと項目としてうたっているんでしょうか、合意案の中で。いかがですか。この和解案の中で、そのことはきちっと、国として、その六十億円についての項目、きちっと約束事がなされているんでしょうか。
○西尾政府参考人 和解の中には、国から予防事業として六十億円を拠出するということのみが掲げられております。五年間だという期限の限定は、これについてはかかっておりません。
それから、今申し上げましたのは、ですから、通常は想定されない概念としての話でございまして、東京都としては、もはや予防事業というものはやる余地もないし、またやることもなくなってしまうということがありますれば、これは補助金でございますから、当然、補助金のルールに従って再生機構の方の基金に戻していただくというのが条理ではないかということを申し上げたわけでございます。
○笠分科員 また後ほどお伺いしますけれども、今のことと関連して、次に、私、これはもう本当におかしいなと思うのは、政治決着ということばかり言われますけれども、このことの経緯はもう結構ですけれども、私が申し上げることがもし間違いであればそれは御指摘をいただければと思います。
去年の五月三十日に石原都知事と安倍総理が会談をして、国として六十億円を予防事業として拠出することを表明されました。この六十億円の出どころが問題なんですよ。これが、きょう来られておりますけれども、独法の環境再生保全機構の公害健康被害予防基金から都へ拠出するんだと。この予防基金は、運用益において、たしか四十七ぐらいの自治体ですか、それを広くいろいろと公害被害者の支援をするために使われているもので、その原資を、なぜその六十億円を切り崩すというやり方をするのか、なぜ一般財源からしっかりと出していかないのか、その点について、これは大臣、お答えをいただけるでしょうか。
これはもう大臣ですよ。
○前田主査代理 大臣御指名ですが。大臣、お願いします。
○鴨下国務大臣 今回の拠出につきましては、一連の大気汚染に係る訴訟の中で唯一残った、こういうようなこともありまして、特に十一年にわたっての大変長い間、東京大気汚染訴訟のいわば訴訟が続いておりましたので、それを早期に決着を図る、こういうような見地に立って、今局長からも答弁しましたが、政治的に決断された、こういうふうに私たちも理解をしております。
国としてでも、できるだけぎりぎりの対応として、医療費を直接助成するのではなく予防事業として拠出する、こういうようなことにしたわけでありまして、公害健康被害予防基金は、先生おっしゃるように、基本的にはいわば運用益を使う、こういうようなことでありますけれども、地方公共団体が実施する予防事業に対して助成する役割を担ってきた、こういうようなことから、何回も申し上げますけれども、ぎりぎりの対応として同基金を活用するようになった、こういうふうに理解をしているわけでございます。
○笠分科員 いや、大臣、当時は鴨下大臣ではないわけですけれども、これはやはりおかしいですよ、やり方として。長年と。
しかし、西淀川、あるいは私の地元の川崎もそうです、尼崎も、それぞれかつて裁判を行ってきた。それで、これは初めてのことなんですよ、こういう形で国がこれだけのまとまったお金を、しかも、私はいいんです、政治決着をするんだと、いいでしょう、もし政治決着をしてやるのであれば、この独法の基金というものを政治決着で切り崩すことができるとすれば、では常に政治決着すれば、これはこの独法だけじゃないですよ、ほかにも独立行政法人というのはたくさんありますよ、そういう中で、では、大臣が、あるいは総理が決断すれば何でも切り崩していけるのかというんだったら、何のための独法なんだということにもなるわけですよ。
だから、一般財源からやればいいじゃないですか、特例措置であれば。しっかりとそのことを国としてやるんだというまさに政治判断をして、それを国民の皆さんに理解を得ればいいじゃないですか。
ここで、きょうせっかくおいでなので、湊理事長にお伺いをしたいんですけれども、独法を預かる身として、このような政治決着、この中身じゃないです、スキームじゃないです、独法の基金を取り崩す、まとまって切り崩す、もともとのお金が減れば運用益が減るんですからね、これについて、こういうやり方というものは認められるんでしょうか、率直にお答えいただきたいと思います。
○湊参考人 環境再生保全機構の湊でございます。
今の先生の御質問についてですが、今回の件につきましては、法的には、公害健康被害の補償等に関する法律附則第十条第一項で、機構は環境大臣の認可を受けて汚染物質排出施設設置者等から拠出される拠出金の一部を予防事業に要する費用に充てることができるというふうに明記されておりますので、今回のこの予防基金そのものを取り崩すことについては、法的には問題ないというふうに認識しております。
○笠分科員 法的にではなくて、では、例えば、今度実際、川崎の患者の団体の方々の中から、同じような訴訟をもう一度起こせば、こういう応分の負担でスキームできちっと自分たちも支援が受けられるんだと。これはほかでもそうでしょう。これはもう前例ですからね、そのたびにこの基金を、その時々で政治決断をすれば今後もこういうことがあり得るということでよろしいですか。それはもう独法としては受け入れていくということでよろしいですか、理事長。
○湊参考人 今の御質問につきましては、私どもは環境省といろいろな御相談をしながらやっていくという立場でございますので、環境省の方に解決についてはお願いしたいと思います。
○西尾政府参考人 他地域に起こった場合に同様のことがあるのか、前例かということでございます。
この東京訴訟におきまして、やはり最後、和解に至るときに、いろいろな議論がございまして、いろいろな整合性やら今後のことというようなことが議論になりまして、なかなか和解に至って話し合いが進まない、そういう状況の中で、例外としての政治的判断がなされたものでございますので、同じことが……(笠分科員「そのことはいいですよ」と呼ぶ)こういう例外でございますから、同じことがまた同じように例外になるかという御質問につきましては、現時点では想定していないと言わざるを得ないというふうに思っております。
いずれにしても、一連の訴訟がこれによって解決いたしましたし、それから、大気汚染の状況につきましても幸いにして改善の方向に向かっておりますから、今後は、ぜひそういう訴訟の起こるようなことのないよう、一刻も早く大気を改善していくということが基本ではないかというふうに思っております。
○笠分科員 私は、六十億出すことが悪いと言っているんじゃない。何で独法のこの基金を崩す必要があるんですか、そこから拠出する必要があるんですかということを言っているんですよ。そうでしょう。だって、本来のこの基金の目的は運用益を、では、その運用益が今度は減るわけですよ、当然ながら原資が減るわけですから。これは国がたしか一割出資をして、あとはそれぞれのメーカーさん、財界さんが出されていると伺っていますけれども、理事長、私今度そういう方々と意見交換しようと思っています。こういう使われ方が本当にいいのかどうか。
だから、一般財源でやればいい話なんですよ。理事長、そういう思いで、私は、この六十億出すことを、例えば白紙にしろとかおかしいとか言っているんじゃない。和解をするためにそれは必要だったでいいんです、国の責任として。しかし、なぜ独法から出す必要があるんですか。この基金から出す必要があるんですか。
大臣、それはおかしいと思いませんか。だって、想定していないといっても、今後同じようなケースが起こったら、東京都のためには政治決着をするけれども、では、例えば川崎が、そういう患者の皆さんがもう一度裁判を起こしたときに、同じような形できちっと政治決断していただけるんでしょうねと言われたら、これはやはりそのときの大臣は決着しなきゃいかぬですよ。だって、患者さんは公平に扱っていかないといけない、当然ながら。
だから、これは本当に、この仕組み、独法から出す、この基金の中から拠出するというやり方、これは非常に奇策であり、汚点を残しますよ、やり方として。いかがですか、大臣、率直に。
○鴨下国務大臣 お話になったことも理解をする部分もあるわけでありますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、長年にわたって東京だけが訴訟の問題がなかなか解決できない、こういうような中での、ある意味での高度な政治決着だったんだろうというふうに私たちは理解をしているわけでございます。では、その後これが普遍的なルールとしてさらにいろいろなところに適用されていくのか、こういうようなことについては、基本的には私は、これは本当に例外的な例外だ、こういうふうなところで今の段階では理解をしているわけでございます。
さらに、例えて言えば、他地域で同様のものが起こったときにさてどうなのか、こういうようなことについては、そのときの……(笠分科員「政治決着」と呼ぶ)決着があるのかないのかというようなことが、多分それぞれの時期あるいは訴訟の状況、あるいは全体的な、政治的な判断といいますか、こういうようなものに依拠するようなことになるんだろうなというふうに思っております。
ただ、我々としては、これは例外の例外だというふうに認識をしております。
○笠分科員 大臣、本来だったら、政治決着するときに一般財源からやったと思われませんか、正直、本音では。一般財源からしっかりとやればよかったと。だって、政治決着なんだから。この方法が私は非常にこそくだと言っているんです、やり方が。僕が環境大臣とすれば、これはお金をしっかりと一般財源でやればいいじゃないですか。財務省が知恵をつけたのか何かわからないけれども、こういうやり方というのはやはりおかしいですよ。そう思われませんか。大臣はそうお答えできないだろうけれども、恐らく私と同じような気持ちはお持ちだということを信じております。
では、ちょっと次にお伺いをしたいんですけれども、今私は、この裁判、この和解によって、本当にこれからぜんそくの患者の皆さん方に対する支援を国としてどのようにやっていくのか、あるいは自動車メーカー等々にもどういう負担をしていっていただくのかということを、やはりもう一歩進めて、国として取り組んでいく必要があると思っているんです。
例えば、私の地元でございます川崎。市は早くから取り組んでいるから、今、三割負担のうちの二割を市が助成している。一割は患者の皆さん方が医療も予防も含めてそこを負担されているわけですよ。しかし、川を渡って東京に行けば、今度東京の皆さんは、結果として、これは東京都のスキームも含めて全額が無料になるわけですよ。でも、特定できないでしょう、どこの汚染か。
例えば私の川崎は、住んでいるのは川崎だけれども、一日十時間以上東京で働いている人たちもいるんです。そういう患者さんだっているんです。一方で、東京に住んでいるというだけで無料になる。本当は、東京で大気汚染、そういう影響を受けているかもしれない、そのためのぜんそくかもしれない。でも、その人は川崎に住んでいるがゆえに一割負担しなきゃならぬ。私、これはおかしなことだと思うんですよ。
ですから、やはり公平性というものを考えたときに、これから本当にどのように国が、国民の皆さん、患者の皆さん方お一人お一人平等に、公平に扱った支援のあり方というものを、単に医療費助成はもうやらないんだということではなくて、一部であっても何らかのルールのもとで、これは川崎にも限りませんよ、首都圏だってそう、近畿圏だってそう、あるいは中京圏だって、患者の皆さんはさまざまおられるわけですよ。そういう方に対して、公平性の点から国としての支援のあり方というものを考えていく、検討していくというお考えは、大臣、ないでしょうか。
○西尾政府参考人 大都市で呼吸器疾患、ぜんそく等で苦しんでいる方々のお声というのは、私どももいろいろ聞かせていただいております。
最初の四十七年七月の四日市ぜんそく以来、私どもは、大気汚染との因果関係ありということで認定できる方々に対しては、医療費でありますとか障害補償費でありますとかということを行う、これは公健法に基づきまして、そういう地域には平等にやっておるわけでございます。
ただ、それだけでは救えない方々がいるのではないかといういろいろな声がございます。これにつきましては、医療費助成につきましても、やはり私どもは、大気汚染との因果関係はきちんとする必要がある、そういうことで累次調査を行ってきておりますが、そういう確証を得るには至っていない。しかし、なお、そういう因果関係があるのではないかということがございますから、現在、平成二十二年まで「そらプロジェクト」ということで、局地にそういう汚染影響はないのであろうかという調査もしっかりやっておるところでございますので、そういう全体につきましての対応ということにつきましては、そういう調査結果なども踏まえて、しかるべく判断をして対応していくということになるんだというふうに思っております。
この間、各地の自治体で、それぞれ工夫……(笠分科員「時間がないのでいいですよ、わかっているので、大臣に」と呼ぶ)
○鴨下国務大臣 それぞれの地域で、例えば今先生おっしゃったように、川を隔てて隣が川崎で隣が東京、こういうようなことの中で、それぞれどこに原因があったかというのは多分わからない部分もあるんだろうと思います。ですから、そういう意味では、先生おっしゃっている趣旨は私は理解をするわけであります。
ただ、先ほどから申し上げているように、今回のは特別に、例外的な政治決着、こういうような認識をしております。ですから、環境省の公健法に基づくさまざまな事業、こういうようなことについては、全国平等にしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。
○笠分科員 大臣、これをやはり第一歩にしないといけない。そういう政治決断があったんだったら、それを第一歩にしてスキームをつくるべきなんです。川崎だって東京都だって、例えば自治体でいえば、ほかの自治体に比べればまだ力がある。だから、無理してでも独自に助成をすることもできる。でも、そうじゃないところもたくさんあるわけですよ。
力のある自治体は、それは東京都だって一番あるわけですよ。でも、そういうところには、たまたま裁判が長く、そして一番解決ができていなかった、そういうことでこういう政治決着を特別にしたんだ。しかし、早くからその訴訟を終えて、そして今独自に自治体が取り組んでいるようなところも含めて、あるいはそういうこともできていないところもあるわけですよ。
ですから、そういった、ひとしくこの患者さんの立場に立てば、やはりこれは政治決着とかなんとか関係ないですよ。それでは、ぜんそくの患者さんで、もし無料で治療、予防をしたいんだったら、東京に住めということになるじゃないですか。そんなばかなことはないわけで、やはりこれを第一歩にして、しっかりと公平な制度設計というものを私はやるべきだと思うし、例えば、今回の裁判においては、先ほど局長がいろいろとおっしゃっていたけれども、これは未認定の方々だって原告には加わっているんです。まさに薬害肝炎と同じことになりますよ。私どもは、認定をされているとか認定をされていないとかじゃなくて、本当にすべての患者さんに対して、全国で百六十二万人とも言われている方々がおられるわけですよ、そういう方々に対して、政治がしっかりと公平に支援をしていかなければ、何のために政治があるんだということになるわけですよ。
ですから、この政治決着の中身ですよ、政治決着したことはいいけれども、独法の基金を切り崩すとか、こういうこそくなやり方を続けていけば、本当にこれはおかしなことになってしまうし、納得しないですよね、これは絶対に。例えば東京都でいうと、今認定されている方が一万八千四百七十五人ぐらいおられるんですか、そのバックには十二万とも言われるぜんそく患者の方々、未認定の方もおられる。大体その十分の一ぐらいの患者さんが、川崎には認定の方もあるいは未認定の方もおられるわけですよ。
そうしたら、それに応じて、応分の負担を基金から切り崩して、同じように予防事業に適用できるのかということを最後にちょっとお伺いして、時間が参りましたので私の質問を終わりたいと思いますけれども、大臣、最後に、そのようなスキームというものをやはり検討するということをお約束していただけますか。
○鴨下国務大臣 先生もぜんそくで苦しんでいらしたと。私はぜんそくの医者をやっておりましたので、ぜんそくの患者さんがどれだけ、特に夜、苦しんでいらっしゃるかというのはよくわかっております。
そういう中で、環境省として、公健法の中でどこまで何ができるのか、こういうようなことについては、これからいろいろと議論もしないといけないんだろうというふうに思っております。
ただ、大気汚染に起因するということが、呼吸器疾患、特にぜんそくにおいてどこまで広がっているのか、こういうようなことについては、今、さらに、今度は「そらプロジェクト」の中でもこれは追跡調査をしっかりしていこう、こういうようなことを今やっているところでありますから、今のところは、汚染原因者の負担による医療費支給等については、やっているのは限定的になっておりますけれども、加えて、この基金による予防事業、こういうようなことも含めて、できるだけこれから支援をしていきたいというふうに思います。
ただ、全体的な因果関係等については、先生もよく御存じのように、大気汚染が増悪因子なのか、発生因なのか、アレルギー的な素因なのか、こういうようなことについては、もう少し詳しく調べさせていただきたいというふうに思います。
○笠分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、最後に一言だけ。
引き続き、私も環境委員会等々で、特に独法から拠出をするということの問題点は、引き続き私は指摘をして、また議論させていただきたいと思います。
本日はありがとうございました。
|